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2014年6月 8日 (日)

柳家小満ん「在庫棚卸し」

梅雨に入って、早速、三日連続の大雨だったが、
今日は小雨程度で、傘を広げずに行けたのは幸い。
今月もお馴染みの荒木町。小満ん師匠の棚卸し。
近くの須賀神社がお祭りで、背中に「荒木町」という
半纏着姿の人たちで、町内はたいへん賑わっていた。

柳家小満ん「在庫棚卸し」第18回
柳家小満ん:看板のピン
柳家小満ん:へっつい幽霊
柳家小満ん:泣き塩
柳家小満ん:湯屋番

三道楽煩悩の飲む・打つ・買うで、今日は「打つ」の話題から。
博打の元祖は?というと、お釈迦様だそうである。お説教をするのに
人を集めるために博打で楽しませたそうな。博打に関する言葉って、
寺にまつわるものが多いのである。これも以前に調べたのだが…
結構、忘れてしまっていて、師匠のお話でも、いろいろ出てきたが、
親になることを「胴をとる」といい、胴は「堂」に引っ掛けているのか?
賭場での手数料、参加費…胴元の取り分のことを「寺銭」という。
そして全部摩ってしまって、無一文になることを「お釈迦になる」って。
博打に詳しいわけではないので…落語で知っているのはその程度。
噺は「看板のピン」である。短くって、シンプルな…お馴染みの噺。
それが、いつもながら、こういうよく知る噺を師匠で聞くと実に味わい。
すっかりボケたと見せかけて、若い連中に博打の恐さを教える…
この親分が何ともよかった。とぼけているけれど、要所で決める!
オウム返しで大失敗、壷の中もピンで、すっかり取られたところで…
逆に大当たりで大金をつかむこともあるんだよ!って、そのまま、
なんと「へっつい幽霊」へ。短いバージョン。小さん師匠もこちらだが、
柳家の噺家さんは、この型が多いのか?三木助師匠の一門は、
勘当の若旦那で銀ちゃんが大活躍するという。今日は出てこない。
あと興味深いのが、道具屋さんで、良い方のへっついが二両二分。
安いのは二分一朱と…値段設定が江戸だった(金額があやふや)。
三木助師匠のは、三円五十銭なので、この辺も違うのである。
以前に今松師匠の「へっつい幽霊」を聞いたときも値段の設定が、
江戸の金額だったのだが、この辺って、私的には興味がある。
あまり細かいところを質問すると嫌がられてしまうかもしれないが、
江戸か?明治か?大正?それとも昭和初期?探っていくのは、面白い。
三木助師匠が金額を直して、それ以降、三円五十銭だと思うのだけど。
この辺は、またいろいろお聞きしてみたいと思う。おそらく今日は、
ぜひ江戸の設定で!という「へっつい幽霊」だったと思うのだが。
へっついから出てきた百両で、博打をして、幽霊は無一文に。
お前のことは、ちゃんと供養してやるからと…今日のオチは、
マクラでも出てきた…幽霊が「お釈迦になりました」というのだった。
「看板のピン」から「へっつい幽霊」へ博打リレーで、ここまでが一席。
続いて、マクラで塩に関する話だが、これがたいへんに興味深く、
塩作りのこと、それに料理における塩加減、師匠の含蓄ある話、
大好きである。ファンにとっては、これもお目当てのはずで。
噺はというと、聞いたことのない噺。全く知らない。仲入りに調べて、
「泣き塩」という噺であった。演目も聞いたことがない。これは珍品だ。
後でわかることだが、塩屋さんが登場。江戸のはじめは、行徳の塩だが、
その後、赤穂の塩が人気となり、そちらは焼き塩である。サラサラの塩。
焼き塩に対して、湿り気のある塩が、真塩。焼き塩の方が高級だが、
炒って使う真塩の手間を考えると焼き塩の方が得であり、好まれた。
それで、塩屋さんの売り声が、塩屋~焼き塩って、それがオチに絡んで、
一人娘を奉公に出して、それ以来、塩屋のじいさんは、すっかり泣き性で、
塩屋~泣き性という。噺の面白さは、無筆ゆえの勘違いで…次から次に
出てくる登場人物が、誤解が誤解を呼んで、少々ドタバタの賑やかさ。
もうなかなか聞けないと思うのだけど、こういう噺こそ、また聞いてみたい。
久々の棚卸しで一度きり…というのは勿体ない。珍しいからこそ棚卸しか。
仲入り後は「湯屋番」だ。去年の七月の会で、「湯屋番」を演ろうとしたけれど
稽古が間に合わなかった…とおっしゃっていたが、一年たって、実現!
師匠の「湯屋番」は長い!聞いたことのない場面がいろいろ。これが本寸法?
居候の若旦那が、豆腐を買って、長屋の共同憚りに隠れるところは、これは
聞いたこともあって、知っていたのだが、その後で…若旦那の妄想がはじまり、
どんな商売で金儲けをしようかと次々にバカげた考えが浮かんでは…という、
そこは聞いたことのない話題がたくさんである。サンゴの総取り?…だったか、
師匠の出囃子にも出てくる猩々(しょうじょう)が登場。猩々は酒が好きだから、
飲まして、酔わして…って、そんな猩々なんて生き物は、この世にいないわけで。
雀をみりんで酔わせて捕まえる。これは聞いたことがある気がする。鳩も捕まえて。
この辺の話で、若旦那がどんな人物か?というのが、よく伝わってくるのであり、
今回の「湯屋番」では、むしろこちらが充実していて、番台に上がってからの…
色っぽい妄想は比較的簡潔であった気がする。そのうちに客の下駄が無くなって、
上がる人が順番に好きなのを履いて帰る。そして最後の人は…下駄を預けるって、
そういうオチだか、この場面は聞いたことあるけれど、オチに関してははじめてか?
とにかくお馴染みの噺なのだけど、師匠の「湯屋番」は、ちょっと他とは違っており…
その珍しい場面というのが、後になって、思い出せないのだが、興味深かった。
ということで…次回の「棚卸し」は7月5日(土)である。もちろん予約済!

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