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2014年7月17日 (木)

第123回 柳家小満んの会

今日は夕方から小満んの会で、関内ホールへ。
楽しかった。素晴らしい三席で、うれしくなってしまう。
この季節感、今にぴったりの噺で盛り上がる。

林家けい木:強情灸
柳家小満ん:たらちね
柳家小満ん:有馬のおふじ
柳家小満ん:大山詣り

けい木さんが「強情灸」だ。横浜ではお馴染みの峰の灸だけど、
小満ん師匠の「大山詣り」に絡んでくるという…これは師匠のリクエスト?
師匠の今回の三席は、「有馬のおふじ」の富士詣りと…そして大山詣りで
夏のお山詣りがテーマかな?と思ったのだが、「有馬のおふじ」は聞くと
富士山ではなく、浅草の浅間神社(おふじさま)であり、お山ではなかった。
ならば「お盆」であろうと…大山詣りは、お盆の時期に出掛ける講中が多く、
それは、お盆は半期の決算で掛取りが来るので、お山に逃げてしまう。
「ととは山、かかは家で言い訳し」というので、お盆の情景なのである。
しかしこれもまた、浅間神社の「おふじさま」は、山開きに合わせて、
六月三十日と七月一日が御縁日だそうで、それもまた、ハズレのようだ。
まあ、今の季節の夏の話題!ということである。それに、あともうひとつ、
ご夫婦の縁というのもあるのかも。「たらちね」は、まさにそれであり、
「有馬のおふじ」もお妾さんの登場で、おかみさんの悋気が燃え上がる。
そして「大山詣り」で、長屋のかみさん連中が、戻らぬ旦那たちのために
揃って頭を丸めるのであり、そこは夫婦の情だと…これがテーマか!
一席目は「たらちね」だが、大家さんの夕涼みやいろいろな場面で夏であり、
そして何より、通常のオチの後に、少しだけ後日譚が、お盆の「たらちね」。
八五郎とお清さんは、仲のいい夫婦になったのだが、かわいそうなことに
お清さんが半年ほどで亡くなってしまい、お盆でお迎えをするのだが、
すると幽霊になって出てくるのだけど、相変わらず言葉が丁寧であり、
死んでも直らねえや…というオチである。これははじめて聞いた。
師匠が創って、足したのかな?と思ったのだが、これは実は昔からある…
との情報もあり、その辺は、「たらちね」に関して、師匠に聞いてみたいと思う。
続いて「有馬のおふじ」だが、富士講の人たちは人造の富士山を祀り、
江戸の富士浅間神社では、山開きに合わせて、ご祭礼の市が開かれたと
そこで売られていたのが、麦藁蛇の飾りである。それがオチに絡むのだが、
出身が有馬温泉のおふじさんを上方から江戸へ連れてきて、お妾さんだが、
浅草馬道の富士横丁に囲っていたのだけど、おかみさんの許しが出て、
ひとつ屋根の下、店の方へと引き取るのだが、結局は居づらくなって、
大坂へ帰ってしまう。ある日、旦那が出先から帰ってこなくて、権助が、
旦那はおふじさんへ行ったと…いうものだから、おかみさんは、悋気で
怒り狂いだし、それは、浅間神社の御縁日へ出掛けたということであって、
すっかり勘違いであり、そこで権助のいう…おふじさんといったら、
おかみさんの顔が蛇になった…というのがオチ。ここで麦藁蛇である。
ちなみに「大山詣り」でも…帰りに大森名物の麦藁細工を土産に買って、
「麦藁」は今日の陰の主役であった。仲入り後、その「大山詣り」である。
去年も日本橋で、師匠の「大山詣り」を聞いているが、大好きな噺だ。
というのも神奈川の噺である。そういう親しみがある。ある意味、地元の噺。
江戸へ戻る前の晩で、神奈川宿での旅籠の情景だが、一行が金沢八景へ…
というところ、師匠は保土ヶ谷宿まで来ると、誰が言い出したのか?
金沢へ行きたいと言う者があって、それで、嵐で船が沈むという作り話だが、
実際に保土ヶ谷宿に金沢横町があり、金沢へ向かう道が保土ヶ谷から出ていて、
その辺の資料を師匠にお送りしたところ、日本橋の会で台詞を加えてくださった。
保土ヶ谷へ行ってみたいと…この春には、金沢横町へご案内してきたのだが、
そこにある「かなさわ道」と「圓海山之道」の道標で、なんと今回は、さらに
圓海山の峰の灸を据えに行きたいと言い出す者も現れて、この暑い中、
灸を据える時期でもなかろうと…金沢八景へ向かうのである。マニアックに
横浜ネタが並んでいるのだが、師匠も金沢区の出身でいらっしゃるので
金沢八景といえば、お手のもの。師匠の「大山詣り」には、失礼ながら、
勝手ながら、私も噺作りに参加している気がして、大興奮なのである。
賑やかで、楽しくて、かみさん連中が坊主になるのはちょっと乱暴だが、
オチで先達さんが、お怪我(毛が)なくって、よかった…と来るところは、
何とものんびりして、穏やかで…すべてを丸く納める大らかさがあって、
聞いているこちらも幸せになるという…素晴らしい一席であった。最高!
ということで、次回は9月26日(金)第124回 横浜 柳家小満んの会
演目は「粗忽長屋」「お札はがし」「寝床」の三席。楽しみである!

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