« マリインスキー劇場2012/2013 | トップページ | 東京の風景から 48~柳通り »

2014年10月18日 (土)

黒門亭で圓龍・駒次・小ゑん

黒門亭でときどき行われている鉄チャンの会である。
今回は「鉄分の多い」ということで、駒次さんと小ゑん師匠。
鉄道オタクの度数を鉄分が多い少ないで評価するそうだ。

第1部 鉄分の多い会
春風亭ぽん吉:子ほめ
柳亭市弥:芋俵
三遊亭圓龍:桃太郎
古今亭駒次:旅姿浮世駅弁
柳家小ゑん:鉄寝床

前座さんはぽん吉さんと歌実さん。第1部の高座はぽん吉さん。
はじめて聞いたが、これはできるな!という。落研出身のタイプ。
でも高校を出て入門したとのことなので、落研ではないのかも。
最初からあまり上手いとこれからどう化けていくのだろう…という
前座の五年間を見守る楽しみがなくって…そんな生意気いって、
でもそれぐらいにいきいきとよく描写された「子ほめ」であった。
今日は、鉄分の多い会ということで、旅のマクラを…だそうだが、
市弥さんもちょこっと旅の話にふれて、噺は泥棒で「芋俵」である。
「芋俵」は久しぶりに聞いた。小さん師匠の噺だが、市馬師匠の
まわりでよくかかっている印象か?改めて、よく聞くと…「芋俵」は
与太郎かと思っていたら、松公であった。泥棒の仕事に加担して
ただのバカで愚か者では務まらない?でも三人とも与太郎である。
圓龍師匠も昔の旅の話で、ドサ回り芸人がいろいろ出てきたが、
古今亭甚語楼…柳家ではなく、古今亭の名跡だったのだ。
橘家圓太郎、古今亭志ん好、…、もちろん先代の師匠である。
昔の噺家の思い出を聞けたということもあるけれど、圓龍師匠って、
どこかそうした古い時代の雰囲気を残している気がして、独特だ。
噺は短めにお馴染みの「桃太郎」だが、その辺が何ともいい感じ。
仲入り後、まずは駒次さんが、乗り鉄と駅弁の話題で新作である。
自身が乗り鉄であると…その実感のある物語の展開、描写であり、
特に駅弁に対する愛情というか、想いがしっかりと詰まっていて、
その辺は楽しいし、素晴らしいのだが、時代劇が重なってくる辺り、
特に今回は「水戸黄門」で、現在の鉄道風景とごっちゃになるところ、
どうもそこが馴染めない。これは私の好みの問題なので…しかし
全国の鉄道乗り尽くしの旅で、乗り鉄の達人といわれる老人と
同じく諸国漫遊の旅で水戸の御老公を重ねたところは上手い!
一方で、お銀や弥七などの登場がいかにもで、その辺が諄いのか?
トリは小ゑん師匠。「鉄寝床」は試作品に続いて、二度目である。
面白かった。二度目の今回の方が面白い。というのは、多少は
前回の記憶が残っている方が、緻密に作り込まれた細部にまで、
しっかり聞けるので、頭に入る情報量が多いのである。つまりは…
聞けば聞くほど、面白いということ。知っていれば知っているほど、
爆笑の度合いは増していく。この辺が小ゑん師匠の凄いところ。
前回も書いたけど、いわゆる古典落語「寝床」の場面展開を
忠実に再現しつつ、そこに小ゑんワールドが見事に広がって、
改作ではあるのだが、その域を越えた…偉大な傑作である。
実は先月の試作品で聞いた後に小満ん師匠の「寝床」を聞いて、
さらには、文楽師匠の録音も聞き直していたので、私の中でも
少々「寝床」ブームが来ていたのであり、それも踏まえた上で、
今日の「鉄寝床」は、ピッタリとはまるという…感動的な面白さ。
大店の旦那が模型鉄なのだけど、考えてみれば、長屋の衆も
お店の奉公人もみんな、何かのオタクなのには、笑ってしまう。
その辺が、現代性であり、物事に凝るというのは普遍性であり、
「寝床」ではあるけれど、そこをすっかり離れ、完全なる新作に
仕上がっているという…本当に素晴らしい。今日は大満足!

20141018

|

« マリインスキー劇場2012/2013 | トップページ | 東京の風景から 48~柳通り »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/121598/60509131

この記事へのトラックバック一覧です: 黒門亭で圓龍・駒次・小ゑん:

« マリインスキー劇場2012/2013 | トップページ | 東京の風景から 48~柳通り »