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2014年11月 2日 (日)

柳家小満ん「在庫棚卸し」

小満ん師匠の「棚卸し」で、今月もお馴染みの荒木町へ。
残すところ二回、つまりは六席か…何の噺が来るのか!

柳家小満ん「在庫棚卸し」第23回
柳家小満ん:道具屋
柳家小満ん:庚申待ち
柳家小満ん:山崎屋

一席目は与太郎さん(36歳)の登場である。「道具屋」だ。
おじさんのところにやって来て、「ど」の付く商売に行く前に
伝書鳩の販売や…いくつかやりとりがあって、その辺は珍しい。
というのもこの噺は、前座さんで聞くのと、五代目小さん師匠の
短い録音で聞くことが多かったから、本寸法はわかっていない。
与太郎に鏡を持たせて、髭を抜きながらからかう場面は知っていたが、
お婆さんが木魚を叩きながらお勤めをするのは、今回はじめて聞いた。
本来は道具ももっと多くて、長い噺だろう…というのは気付いていたが、
どこが元からあって、師匠が追加したものもあるのか?気になるところ。
「落語の蔵」で配信されていたかもめ亭の「あちたりこちたり」(マクラ)で
あたしの「道具屋」は50分ぐらいです…と師匠がおっしゃっているので
実は今日のよりも、もっともっと…いろいろネタは豊富なのかもしれない。
今回は30分ぐらいだったが、それでも通常よりネタだくさんであった。
二席目は「庚申待ち」である。来た!庚申塔マニアの私は大喜び。
元は上方の「宿屋の仇討」の江戸版で、舞台を馬喰町の旅籠屋に移して、
なぜ夜中に大騒ぎをしているのか?というのを庚申講の情景に置き換えて、
それは、江戸で一時、庚申信仰が大流行したそうで、馴染みがあった…
そうした背景があるのだ。師匠もおっしゃっていたが、三尸という虫がいて、
庚申の晩、寝ている間にその人の悪行を天帝に伝えると…それによって、
人の寿命が縮まり…そうさせないために庚申の晩は寝ないのである。
というのと…それを口実にして、町内の人が集まり、飲んだり食べたり、
交流の場でもあったのだ。また今回の旅籠の旦那のような…熱心な人が、
酒や食事をたくさん差し入れてくれて、楽しいイベントであったのだろう。
そういう情景を思い浮かべながら聞くと…この噺は面白い!実にいい。
またすぐに忘れてしまいそうなので、今のうちに出てきた話を記録しておこう。
最初に茶飯売りが闇夜に斬られる「茶飯斬り(試し斬り)」の話、続いて
ご住職さんが、火の玉を見て、木のまわりを掘ってみると山芋が出た…
「山芋木から(病も気から)」、そして権助が田舎の話で、おかんこの話題。
美しいが恐ろしく力が強くて、貉を殺して、貉汁にして食ってしまったが、
それがキッカケになって、殿様の目に留まり、妾奉公で迎え入れられる。
つまり「女貉食って(女氏なくして)、玉の輿に乗る」。若旦那が目を悪くして、
幇間を連れて、百両の金を懐に京都へ上ろうとしているのだが、襲われて、
座頭が木っ端微塵に。仇討ちと幇間も飛び掛かったが、捕まってしまい、
頬肉をむしり取られては、砂糖(座頭)を付けて、太鼓餅(太鼓持ち)を食う。
それで、みんなバカバカしい…俺のは本当の話だと熊さんが喋り出し、
雷に打たれたじいさんの首を絞めて、五十両の金を盗んだと…それで
旅籠に滞在のお侍様の仇討ちがはじまるという。全員、恐ろしさのあまり、
一睡もできなかったので、結果、庚申の晩に寝ないで…目標を達成!
「庚申待ち」は本当によくできた噺である。ちなみに「待ち」とは、
「講(講中)」のことであり、意味としては、集まり、集会のようなもの。
三席目は「山崎屋」であった。師匠で聞くのは、今回が二度目である。
オチの仕込みで吉原の解説が入るが、師匠の話は今回もわかりやすい。
山崎屋の旦那でお父つぁんが、ケチで欲張りなのだが、こういう人って、
素直で正直なのだと。その辺りが、本当に面白い。一方の若旦那は、
少々頼りなげではあるが、融通も機転も利くし、こちらは商売向きかも。
ただひとつ…心配なのは、店のおかみさんに納まった花魁がこの先、
一体どうなるのか?どこにいたんだい?と聞かれて、北国ざます…って、
答えてしまうのだから、これでやって行かれるのだろうか?気になる。
ということで、ついに次回、12月6日(土)が最終回。もちろん予約済!

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