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2014年12月14日 (日)

向島で小満んを聴く会

小満ん師匠の向島の会が、毎年年末にあることは
知っていたのだが、今回、はじめて行ってみた。
向島百花園の御成座敷にて、障子越しの柔らかい光で
実によい雰囲気である。噺はいつもながら三席だ。

向島で小満んを聴く会 其の五
金原亭駒松:道具屋
柳家小満ん:千早ふる
柳家小満ん:山岡角兵衛
柳家小満ん:富久

一席目は、「千早ふる」。自分でもうれしくなってしまったが、
マクラの入り方で、「千早ふる」かな…って、わかったのだ。
というのは、いろはかるたの文句から入っていくのであり、
たしか数年前に日本橋で演られたときもそうだったような。
そして今回は、昔の子供たちの正月の遊びに結びつけて、
百人一首へと話が進んだのである。その辺も年末ならでは。
ごくお馴染みの「千早ふる」だが、大ベテランの師匠方で聞く
こういう噺って、また違った味わいがあって、いいのである。
そして越後から江戸へ出てくる角兵衛獅子の話題で
これは「山岡角兵衛」である。つまりは吉良邸討入りの噺。
今日は12月14日だ。赤穂義士による討入りの日。
以前に関内の会で聞いているので、同じくわかった。
マクラに関しては、師匠のオリジナルだと思うのだけど、
浅野匠守の即日切腹の理由として、その背景に…
五代将軍綱吉の母、桂昌院の従一位の官位を朝廷より
賜るという、その勅使の接待が絡んでいるのであり、
お馴染みの「忠臣蔵」だけど、勉強になって、面白い。
そして「富久」である。師匠の「富久」は大好きなのだが、
間隔を空けて、今回で聞くのは三回目であり、この噺は、
まさに文楽師匠の世界が小満ん師匠によって受け継がれ、
それも大好きな要因の一つではあったのだけど、今回、
ふと思ったのが、文楽師匠のイメージを気にせずに
小満ん師匠の「富久」として、魅力いっぱいで聞けたのだ。
師匠もよくおっしゃっているけれど、自分の噺の中に
黒門町の師匠の空気を感じ取ってもらえたらうれしい…って、
それを伝えたい…って、そういう思いもあるのだろうけれど、
今日は小満ん師匠の「富久」を聞くことができたのだ。
私はそう感じた。三回目にして、少し理解も深まったのか。
とにかく黒門町型の久蔵さんは、かわいくて、素直で、優しく、
非常に人間っぽいところが、豊かに描き出されて、感動的だ。
今年の締めくくりの一席は、この「富久」ということで。

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