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2014年12月 6日 (土)

柳家小満ん「在庫棚卸し」

今月もお馴染みの荒木町だが、小満ん師匠の「棚卸し」も
ついに今日で最終回。四谷へよく通った。充実の二年間。

柳家小満ん「在庫棚卸し」第24回
柳家小満ん:備前徳利
柳家小満ん:たばこの火
柳家小満ん:陸奥間違い

一席目は、お酒の話題で…ということだけど、知らない噺。
でもどこかに「備前徳利」という題名が引っ掛かっていたのか?
終わってすぐに検索してみたら、やはり「備前徳利」でヒット!
大酒飲みで、しかしそのお陰もあって、思わぬ出世をし、
結局は体を壊してしまうのだが、好きな酒を飲んで死んでいく。
家徳を継いだ息子の元に、備前徳利の絵になった父が、
夜な夜な現れ、幽霊のような印象もあるけれど、夢か…
二人で語り合って、また酒を飲みはじめるのは、いかにも落語。
その父であるが、徳利になって、いつも酒で満たされているので、
それで顔色もよく…元気で、ということだけど、そこでマクラの
いつもながらの小満ん師匠による骨董の話題、備前徳利は、
釉薬を塗らない焼き方で、酒を満たすと表面が潤ってくると
焼物の解説が活きてくるのであり、そういうところは素敵だ。
私は詳しくないけれど、師匠の骨董の話は、本当に楽しい。
二席目は「たばこの火」である。小満ん師匠ならば、演っていそう!
という噺ではあるのだが、この数年では、取り上げられていなくて、
はじめて聞く。現在では、実演では、ほとんど聞く機会がないけれど、
実は、私の大好きな噺。聞いていて、ものすごく景気がいいから。
「宿屋の富」の大ぼら吹きの無一文に印象は似ているのだけど、
しかしこちらは、本当の金持ちで、実際に小判を持ち歩いている。
話の中に入り込んじゃうと、自分が大金持ちになった気がして、
華やかだし、実に幸せな噺だ。ウソを付かない、裏切らない…
というのもいいのかも。紀州の山奥から江戸へ出てくる旦那は、
この人こそ、本当の洒落人であり、金の使い方も…何から何まで
すべてが粋な遊びなのである。その辺がこの噺の気持ちよさか!
「棚卸し」の最後の演目、72席目、四席演ったこともあったので、
74番目の噺ということになるのだが、何が来るのだろう…って
ずっと気になっていたのだけど、「陸奥間違い」であった。
なるほど!暮れから年越しの噺であり、そして何より目出度い!
師匠の「陸奥間違い」は三度目なので、安心して聞いていたのだが、
やはり心の真っ直ぐなお侍、大名の噺であり、印象も実に清々しい。
この噺も悪い人が出てこない。腹を斬れといった変な大名もいたが…
それは忘れることにして、松平陸奥守の伊達様にしても、そのお使者も
そして知恵伊豆こと松平伊豆守の見事な機転と下級御家人への優しさ。
感動的な噺である。そして、臨時雇いの奉公人で、千助といったか?
少々抜けているのだけど、この人の大胆な行動が運を呼ぶのであり、
そこも聞いているこちらには、何とも気持ちがよくて、まさに目出度い!
後味もよく、本当に素晴らしい二年間であった。コマンスキーのお三方も
毎月の運営で、たいへんだったと思うのだけど、お疲れさまでした。
ということで、明日も小満ん師匠を聞きに黒門亭へ行ってきます。

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