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2015年1月24日 (土)

黒門亭で龍馬・喬之助・菊丸

大晦日から元日の王子の狐の行列を見てきたが、
ぜひ昼間の普段の王子稲荷に行ってみたいと
午前中は王子から飛鳥山の界隈を散策してきた。
13時半には御徒町に戻ってきて、黒門町へ。
菊丸師匠をお目当てに。「藪入り」をネタ出しだ。

第2部
桃月庵はまぐり:道灌
台所鬼〆:出来心
金原亭龍馬:佐野山
柳家喬之助:干物箱
古今亭菊丸:藪入り

今日は、前座さんは二人で、あんこさんが教育係のようだが、
はまぐりさんが登場。噺は「道灌」。噂には聞いていたが、
なるほど。いまは見習い期間が長いからか、いきなり上手い。
上手いからといって、面白いということでもないけれど、
初々しいという段階は疾うに過ぎて、早くも注目の存在。
ちなみにあんこさんは、第1部に出演で「初天神」だったそうな。
1月25日で、明日が初天神。後の「藪入り」もまさに時期の噺だ。
鬼〆さんは久しぶりに聞くけれど、やっぱり面白い。個性的だ。
キャラ作りが独特で、かなり強烈で、でも泥棒に入る…行く先々の
何人も出てくる住人だけど、みんな、それぞれに特徴があって、
よく創り込まれているな…って、感心してしまう。本当にお見事。
最初のところで、空き巣のやり方を教え込む泥棒の親方だけど、
ここでのやりとりは、この噺の特に印象に残る場面ではあるのだが、
親方もまた、少々抜けている雰囲気もあり、二人そろってダメ泥。
とにかく面白くって、すぐに引き込まれてしまう。今回は後半の…
「花色木綿」の場面も付いており、こちらは部屋の住人と家主で
登場人物が少し変わってくるのだが、「裏は花色木綿」を連発し、
それを平気で聞き入れている大家さんも困った人で、要するに…
ここで登場の人って、全員が抜けているではないか!って、
その辺を実に愉快に聞かせてしまう鬼〆さんなのであって、
何とも楽しい「出来心」であったのだ。こういう解法もあるのだって。
大相撲初場所と白鳳の優勝に絡んで、歴代横綱の話題も振って、
龍馬さんが「佐野山」である。相撲の噺はいくつかあるけれど、
そういえば、この噺は久しぶりだ。元々の噺が短いのだろうが、
今日の印象は、ほとんど地噺だな…って、そういう噺であったか。
龍馬さんは、話がすごく上手で、滑らかで心地よく…しかしすると
睡魔が襲ってくる。ひとつ興味深かった話題で、番狂わせの勝敗で
座布団を投げるけれど、昔は自分の座布団で、名前が書いてあり、
後でそれを届けてもらって、代わりに力士に祝儀を出すという…
そういうものであったとか。粋だ。それに比べ、今はつまらないなと。
仲入り後に喬之助さんが「干物箱」。ちょっと興味をもったのが、
この「干物箱」は黒門町の型ではないように思うのだが、すると…
古今亭の「干物箱」?黒門町の若旦那は銀之助さんで、一方の
古今亭の方では、幸太郎なのである。今日はどうだったっけ?
後への時間配分で、比較的短めに省略をしていたということも
あるのだろうけれど。喬之助さんの明るい調子で、噺の方も
ストレートに楽しい仕上がり。善公は器用だ。親父にそっくり…
というオチも私は好きである。このバカバカしさがたまらない。
トリは、菊丸師匠の「藪入り」。1月16日の藪入りにちなんで。
藪入りというのは、年に二度のお休みで、そうした奉公の厳しさ、
それに重要なのが、ネズミの懸賞の話題を振っておくという、
この噺はマクラで、いろいろと仕込みがあるのだけど、それが
目立って聞こえると興醒めでもあり、しかしその点で菊丸師匠は
実に自然にいろいろな話題の解説が入って、さすがである。
これについては、まだ幼い子供たちが、どんな仕事をできるのか、
それは使いに出たり、ランプの掃除、そしてネズミ獲りである。
ネズミを交番に届け、すると木札を貰えて、懸賞に当たることも。
その話題のもって行き方がスムーズで、噺の世界に入り込めて、
素晴らしかったのである。そしてやはり、親子三人の描き分けだ。
初めての藪入りで子供が帰ってくると…父親は冷静さを欠いて、
狂っているところもあり、母親はその点は冷静で、常識的だけど、
その微妙にニュアンスの違う夫婦のやり取りを丁寧に描き出し、
急に大人っぽくなって戻った子供の登場も重要ではあるけれど、
やはり中心は、迎える夫婦の気持ちの表れ、それであろう。
登場人物を丁寧に創り上げていく…それに尽きるのだなって、
素晴らしい「藪入り」であった。今日は聞きに行って、よかった。
よく知っている噺ではあるけれど、こうした感動的な高座に
たまに出会えると…発見もあるし、噺がますます好きになる。

20150124

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