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2015年8月15日 (土)

ウラディーミル・アシュケナージ

アシュケナージの新しい録音でスクリャービンの独奏曲。
練習曲 作品2-1、マズルカ 作品3-6,7,10、
練習曲 作品8-5,7,10,11,12、4つの前奏曲 作品22、
8つの練習曲 作品42、3つの小品 作品45、
ワルツ風に 作品47、3つの小品 作品52、
2つの小品 作品57、アルバムの一葉 作品58、
2つの詩曲 作品63、2つの詩曲 作品69、
2つの詩曲 作品71、焔に向かって 作品72
5つの前奏曲 作品74という傑作ぞろいの78分46秒。
2014年9月から12月にサフォークのポットンホールで収録。
初期のショパン風スクリャービンにはじまり、作風が確立されて
いかにもスクリャービンという響きが引き出されていく過程は、
たいへんに興味深い。作品42の練習曲が、全曲収録されて、
アシュケナージの演奏で聞けるのは何ともうれしいのだが、
超絶技巧の難曲だと思うのだけど、すっかり力みが取れて、
このリラックスした雰囲気には、味わいを感じるのである。
まさに熟練のピアノである。柔軟だ。これまで聞いてきたのは、
リヒテルのライブ盤だったので、豪快に力技で圧倒するのとは、
アシュケナージはずいぶん印象が違っている。こちらも感動的。
ピアニストとしてもかなり早くピアノ・ソナタ全集を完成させていたし、
指揮者としてもスクリャービンのスペシャリストで、練習曲や詩曲の
こうした作品集がこれまで存在しなかったことの方が不思議だ。
ラフマニノフに関してもスクリャービンもアシュケナージにとって、
仕上げの段階に来ているのだと思うが、偉業を残してくれた。
気合いの入れ過ぎはないところで、真剣な姿勢が伝わってくる。
最後にスクリャービンの息子ユリアンの前奏曲 作品3-1が、
アンコールのように収録されているが、1908年生まれの少年は
神童として、ピアノの演奏と作曲に才能を発揮していたそうだが、
1919年に11歳の若さで船の転覆事故で亡くなってしまっている。

DECCA 478 8155

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