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2015年8月13日 (木)

圓朝速記~真景累ヶ淵(五)

「宗悦殺し」の話を知っている人ならば、葛籠の中に
死骸の入っていることはとっくにわかっているのだが、
「四方が油紙の掛って居る此方の片隅を明けて
楽みそうに手を入れると、グニャリ、」…
「まあまあ待ちねえ己が見るから、
とまた二度目に手を入れると今度はヒヤリ、」…
「冷てえ人間の面ぁみた様な物がある」…
「今度は思い切って手を突込むとグシャリ、」
なんて描写は、実に気持ち悪い。というのも
暗闇の中、手さぐりで葛籠の中をあさっているのである。
指先に触れたものが、血に濡れた死骸だったらと思ったら、
ゾッとする。実に引き込まれて、映像的な情景だ。

ひとつ気になるのが、圓朝師匠は、葛籠を盗んだ…
上方者のことを「欲張り」とか、ずいぶん悪く言っていて、
「彼奴(あいつ)は長屋の交際(つきあい)が悪くって、
此方から物を遣っても向から返したこたぁ無いくらいだから、
其様に気を揉むこたぁ無いけれども、仕方がねえから
大屋さんを起すが宜い」とか、言いたい放題である。
明治の頃には、上方の人は、江戸落語を聞く人なんて、
そうはいなかったかもしれないので、よかったろうけれど
現在ではこうして、全国の人の目に触れてしまうので、心配。

ここまでが、「宗悦殺し」の場面だが、圓朝師匠も速記で
「これが怪談の発端でござります。」としている。
宗悦が埋葬されたのは、谷中日暮里の青雲寺。
実在のお寺だそうだ。谷中七福神の恵比寿神で
住所は、東京都荒川区西日暮里3-6-4である。

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