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2015年9月 9日 (水)

圓朝速記~真景累ヶ淵(十)

新五郎が伊勢茂さんへ使いに行って、
流山の味醂を御馳走になってくるのだが、
酒が飲めない新五郎は、すっかり酔っぱらって、
後に弟の新吉だけど、お久と寿司屋に入って、
同じく飲めないからと味醂を頼むところがある。
父の新左衛門は大酒飲みの酒乱の質なのに
息子二人が、酒が飲めないというのが面白い。
新五郎は、「つい口当りがいゝから飲過ぎて、
大層酔って間がわるいから、店へ知れては
困りますが、真赤になって居るかえ」と言い訳。

お園「女部屋へお店の者が這入っては、
悪うございますから早くお店へ行ってお寝みなさい」
女中は奥の方で勤めているので、女部屋も奥だが、
新五郎のような店勤めの者は、店の表の方に
寝所もあるようで、表と奥は、本来は交わらない。
新五郎は、一服してから戻ろうと煙管に火をつけるが、
お園は「早くお店へ行って下さいよ」と追い出そうとする。

お園の病が治るようにと新五郎は「池の端の弁天様へ
願掛けをしました」というけれど、弁天様は焼餅焼きで
恋の願いは邪魔をするそうなので、病だけを治して、
新五郎の想いは、ちっとも届かない…ということか。

新五郎「此の間ね、お前さんの姉様豊志賀さんが来てね…」
宗悦の娘の志賀だが、豊志賀の名前はここではじめて登場。

お園「有難うございますが、そんなに恩にかけると
折角の御親切も水の泡になりますから、余り諄く仰しゃると、
その位なら世話をして下さらんければいゝにと済まないが
思いますよ」って、男の恩着せがましいのは、みっともない。
おっしゃる通りで、こういうところは注意しないといけない。

それで新五郎は、お園の床に入れておくれと頼み込み、
「お園は厭だからぐるりと脊中を向けて固くなっているから、
此方も床へ這入りは這入ったが、ぎこちなくって布団の外へ
はみ出す様、お園はウンともスンとも云わないから、
何だか極りが悪いので酔も醒て来て、」となってしまう。

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