« 鶴見線に乗る 浜川崎~国道 | トップページ | ウォルフガング・ホルツマイアー 5 »

2015年10月26日 (月)

圓朝速記~真景累ヶ淵(十六)

新吉と豊志賀がいい仲になって、お弟子はみんな、
引き揚げてしまったのだが、ただ一人やってくるのが、
羽生屋のお久である。豊志賀は新吉との仲を怪しんで
お久の十八という若さにも嫉妬して、それがために
眼の下に腫物(できもの)ができてしまう。顔の半面が
腫れあがり、芝居でやる累(かさね)かお岩さんのよう。

豊志賀「あい、新吉さん、私はね何(ど)うも死度(しにた)いよ、
私のような斯んなお婆さんを、お前が能く看病をしておくれで、
私はお前の様な若い奇麗な人に看病されるのは気の毒だと思うと、
猶病気が重(おも)って来る、ね、私が死んだら嘸(さぞ)お前が
楽々すると思うから、本当に私は一時も早く楽に死度いと思うが、
何うも死切れないね」…そこで豊志賀の有名な一言である。
豊志賀「でもお前が厭だろうと思って、私はお前唯の病人なら
仕方もないけれども、私は斯んな顔になって居るのだもの」
圓生師匠などで聞いても記憶に残る気味の悪い場面である。
「だって、私はこんな顔、こんな顔…」という。恐ろしい。

|

« 鶴見線に乗る 浜川崎~国道 | トップページ | ウォルフガング・ホルツマイアー 5 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/121598/62556236

この記事へのトラックバック一覧です: 圓朝速記~真景累ヶ淵(十六):

« 鶴見線に乗る 浜川崎~国道 | トップページ | ウォルフガング・ホルツマイアー 5 »