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2016年1月19日 (火)

第131回 柳家小満んの会

今年最初の横浜での小満んの会で、関内ホールへ。
おはな商店もなくなり、開演前の楽しみがなくなってしまって、
残念なことだが、開場時間に合わせて、まっすぐ会場に。

三遊亭あおもり:子ほめ
柳家小満ん:城木屋
柳家小満ん:厩火事
柳家小満ん:御慶

これもまた…私の勝手な思い込みなのだが、今回の三席は、
少々一方的に恋い焦がれて、騒動を巻き起こす噺だなと。
番頭の丈八が、お店のお嬢さんでお駒さんに困った片想い。
髪結いのお崎さんもぶらぶらしている亭主に異常に嫉妬深く、
そして「御慶」では、八五郎が富くじにご執心なのである。
「城木屋」は楽しかった。一昨年11月の日本橋での会が、
ネタ下ろしであったそうなのだが、後半のお白州での場面など、
言葉が複雑で言い立てにもなっており、聞いてもわかりにくいし、
きっと演じるのもたいへんなのだろうと…しかしその辺について、
今回の出来は本当に見事であった。繰り返し聞くとわかってくるし、
ひとつひとつの言葉が面白くて、「城木屋」はいいじゃないか!って。
実は、最初の頃、面白くもない噺だな…って、思っていたのだけれど、
今日の小満ん師匠などで聞いていると大好きな噺にも数えられて、
とにかくよかったのだ。いきなり今日のベストともいえる魅力の一席。
そして「厩火事」だが、この噺は小満ん師匠のお得意の噺であり、
テンポ感も抑揚も勢いがまるで違う。いつもながら圧倒された。
しっかり者のお崎さんだが、抜けているところもあって、思い込むと
訳がわからなくなってしまうところもあり、仲人の兄さんという人は、
必死に合わせてやって、そのちぐはぐなやりとりというのは最高だ。
その点、終わってみると髪結の亭主が一番まともであったりして…
仲入り後は、正月の噺で「御慶」である。年末の富くじにはじまり、
年越しの準備、そして元日の朝、年始参りの情景は実に爽やかだ。
正月の気持ちのいい青空で、行きかう人も晴れ晴れとした顔である。
そういう表現はないのだが、何となくそんな絵が浮かんでくるのであり、
「御慶」は大好きな噺なのだ。「長松が 親の名で来る 御慶かな」
「銭湯で 裸同士の 御慶かな」から大家さんが「御慶」という言葉を
八五郎に教えてやると「どけえ(どこへ)?」と聞き返すのであり、
きちんとオチへの伏線になっているのである。仲間の三人が、
恵方参りの帰りであり、案の定、「御慶」を「どこへ」と聞き違えて、
せっかく大家さんがいい言葉を教えてくれたのに、実は誰も…
落語の中の人たちは、その意味も使い方も心得ていないし、
ただ言っているだけで…というのがおかしい。平和なことである。
落語のよさって、そこにあるのだ。でもたしかに字で書けば、
「お慶び」という言葉であり(それも大家さんは説明している)、
しかし音で「ギョケー」と聞かされたら、「鶏が卵を産む」の方が
当り前なのかもしれない。こういう間違いは起こるのだと。
何とも楽しかったのだが、二十日正月もそろそろ…であり、
次回は3月22日(火)第132回 横浜 柳家小満んの会
演目は「おすわどん」「花見酒」「愛宕山」の三席である!

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