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2016年1月20日 (水)

落語につぶやき 270~門

落語に「門」という噺があるわけではないのだが、
朝日新聞に再連載されている夏目漱石の「門」で
今日のところが、大晦日の場面なのである。
明治の後期、東京における年越しの情景だ。

家では御米が清を連れて湯に行くとかいって、
石鹸入(シャボンいれ)を手拭に包んで、
留守居を頼む夫の帰(かえり)を待ち受けていた。

宗助は屋賃(家賃)を払いに地主の家へ
挨拶に行っていたが、その帰りを待っていて、
御米は女中の清とお湯屋へ行こうとしている。
一日、何かと家事に追われていたのだろうが、
大晦日も夜更けてしまったところ…「芝浜」だ。

「払(はらい)はもう皆(みんな)済んだのかい」と
宗助は立ちながら御米に聞いた。
御米はまだ薪屋が一軒残っていると答えた。

こちらは掛取りへの対応についてである。
薪屋さんという辺り、「睨み返し」ではないか。

御米は十時過に帰って来た。(中略)
「どうも込んで込んで、洗う事も桶を取る事も
出来ない位なの」と始めて緩(ゆっ)くり息を吐(つ)いた。

こちらもまるで「芝浜」である。大晦日の晩は、
お湯屋は「芋を洗うよう…」って、一年の終わりに
垢を落としておきたい…って、みな考えることは同じ。
元日の朝、まず湯に行くというのもあったのではないかと…
正月三が日は、三助さんが紋付で番台に上がって、
常連のお客様からご祝儀をいただいたそうな。

事に乏しい一小家族の大晦日は、それで終りを告げた。

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