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2016年7月13日 (水)

第280回 柳家小満んの会

今日は13日で日本橋亭での小満んの会である。
雨の予報で、昼過ぎはしばらく降っていたのだが、
出掛ける頃にはやんでくれて、傘は持っていたけれど、
降られずに済んで助かった。横須賀線で新日本橋へ。

柳家小はぜ:牛ほめ
柳家小満ん:てれすこ
柳家小満ん:高田の馬場
柳家小満ん:鰻の幇間

今回の三席で共通項というと「変わる」ということであろう。
「てれすこ」では、魚の名前が変わる。珍魚「てれすこ」が、
干物になったら「すてれんきょう」になる。イカとスルメ的な。
続く「高田の馬場」では、敵(かたき)同士と思っていたら、
がまの油売りの姉弟は、侍の娘と息子なのであり、茶番。
からくりがわかった瞬間、敵が味方になって、酔った侍は
敵討屋だと名乗る。浅草奥山での一幕は、客寄せの芝居。
お馴染みの「鰻の幇間」では、贔屓の旦那と思っていたのが、
すっかり騙され、逃げられてしまうのであり、鰻を三人前、
「お土産(みや)に持って帰った」と聞かされ、思わず一八は、
「敵ながらあっぱれ」と漏らし、味方と思っていた旦那は、
敵となってしまうのだ。というか、すべては思い込みと勘違い。
「てれすこ」では、「所変われば、品名が変わる」というので、
知識の豊富な師匠が、各地の呼び名の違いを様々に紹介、
たくさん可笑しな名前が出てきたところで、ここで「てれすこ」。
でもこの噺、改めて気付いたのでは、捕えられた旦那を思い、
おかみさんが火物断ち(火を使ったものを食べない)をして、
そのお陰もあって、無罪放免に亭主の身は助かるけれど、
それもそのはず、干したイカをスルメといってくれるなの遺言、
火物と干物を掛けて、「あたりめえ(あたりめ)」って、面白い。
細かいところは忘れてしまったが、このオチは好きである。
「高田の馬場」では、両国広小路の見世物興行で「鬼娘」から、
そして大道商いのがまの油の口上となり、そのまま噺に入る。
「高田の馬場」は生で聞くのははじめてだ。昔の録音では、
彦六の正蔵師匠だった気がするのだけど、どうも見当たらず、
すると三代目の金馬師匠かもしれないけれど、聞いたのだが、
あんまり面白くなかったのか?すっかり記憶になくて、しかし
今日の小満ん師匠のでは、すごく引き込まれたので、情景が
いかに目の前に広がるか?それは実演で見ているというのも
重要なのかもしれないけれど、絵になっているか?そこである。
それに毎回いっていることだが、マクラでの情報量で決まる。
見世物興行や大道芸、そして大道商い、その解説と実演、
それによって、聞いている人が見たことある気がしてきたら、
噺に入れる。縁日のテキ屋さんの商い方は、寅さんなどでも
多少は知っているので、記憶の中にイメージぐらいはあるか。
「高田の馬場」は志ん朝師匠の録音が残されていたと思うので
音源で聞くならば、そちらがいいのかもしれない。きっと面白い。
仲入り後は「鰻の幇間」である。小満ん師匠でも何度か聞いて、
改めていうまでもなく最高だ。羊羹の陸釣り(おかづり)もあって、
本寸法だけど、一八が鰻を食べるところで、小骨が歯に挟まり、
苦労をして、嫌な顔をする。これは志ん生師匠の仕草だそうで、
小満ん師匠の「鰻の幇間」は、完璧なまでに文楽師匠の型だが、
でも今日はちょっと遊び心があって、師匠も楽しんでいたのかも?
「鰻の幇間」は大好きである。「つるつる」とか「愛宕山」もだけど、
師匠の一八は、なんともいえなく魅力のキャラ。原型は黒門町だが、
でも聞けば聞くほど、小満んスタイルの一八が見えてくる気がする。
ということで、来週の木曜日(21日)は、関内での横浜小満んの会、
「千両みかん」「那智の滝」「天災」の三席。一週間後が待ち遠しい。

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