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2016年8月31日 (水)

ヴァーツラフ・ノイマン 8

ヴァーツラフ・ノイマンの指揮によるチェコフィルで
マルティヌーの交響曲全曲を作品順に聞いている。
今日は1977年の録音で、交響曲第3番と第4番。
第3番が1977年10月14-18日、第4番が少し早く、
1977年8月23-27日にプラハのルドルフィヌムで収録。
第4番はアラン・ギルバートがN響で取り上げていたので、
聞いたことがあって、面白い作品だと思っていたのだけど、
第3番ははじめて聞く。マルティヌーは都会的な感覚で
新しい発想で響きを作っているけれど、同時に人懐っこさ、
楽しくて仕方ないようなフレーズが盛り込まれているのであり、
聞けば聞くほど好きになる。やはりアメリカ時代の作品だが、
音楽を聞くとマルティヌーは、新世界に馴染んでいたような…
そんな印象も持つのだけど、帰国を強く望んでいたようで
その辺りは、同郷のドヴォルザークと重なる。しかし戦後の
チェコの混乱もあって、ついにそれは果たせなかった。
1959年にバーゼル近郊の病院で亡くなったそうである。

CDR885

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2016年8月30日 (火)

ロンドン交響楽団

ヴァレリー・ゲルギエフ指揮ロンドン交響楽団で
マーラーの交響曲全集を収録順に聞いている。
今日は交響曲第5番で2010年9月24,26日に
ロンドンのバービカン・センターで収録されている。
マーラーの音楽が広く浸透して、解釈も演奏技術も
格段に向上している中で、この交響曲第5番も
巨大な編成ながら室内楽のような緻密な演奏が
多くなっている気がするのだけど、ゲルギエフは
スケール雄大に思いきりじっくりと歌い上げており、
遠く彼方にまで鳴り響いていくような独特な遠近感、
こういう演奏は久しぶりなような気もして、なんとも
うれしくなってしまう。遅めのテンポ設定にして、
細部も豊かな描き込みであり、弦楽器は繊細さも
兼ね備えているのがまたすごいのだが、名演だ。
頭で指揮しているのではなく、心で奏でられており、
音楽への愛情があふれ出てきているようなところは
とにかく感動、少々危険なほどに引き込まれる。

LSO Live LSO0730

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2016年8月29日 (月)

イルジー・ビエロフラーヴェク 14

イルジー・ビエロフラーヴェク指揮チェコフィルによる
ドヴォルザークの交響曲全集を収録順に聞いてきた。
この交響曲 第8番 ト長調 作品88で完成である。
2013年12月2-6日にプラハのルドルフィヌムで収録。
なんて素晴らしい演奏だろう。この交響曲第8番は、
たくさんの演奏を聞いてきたが、最高の感動である。
これまで通り、肩の力が抜けて、どこまでも自然体だが、
チェコフィルの音色はとにかく美しくて、究極的といえる。
落ち着いて、ゆったりと深みのある響きだが、同時に
これ以上なく繊細な表情で、透明な輝きを見せている。
世界最高のドヴォルザークを聞かせるという誇りであり、
何もかもが理想のうちにチェコフィルって、本当に凄い。

DECCA 478 6757

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2016年8月28日 (日)

アルバン・ベルク四重奏団 13

アルバン・ベルク四重奏団でシューベルトを聞いている。
今日は、弦楽四重奏曲 第15番 ト長調 D.887で
1997年3月にウィーン・コンツェルトハウスで収録。
精妙な響きでメカニックの研ぎ澄まされた感覚は、
アルバン・ベルク四重奏団ならではの仕上がりであり、
シューベルトの音楽が現代音楽のような鋭さだけど
歌うところでの情緒ある雰囲気と親しみやすさで、
絶妙なバランスに引き込まれる。工業製品のような
精密なフォルムを獲得しているけれど、冷たさはなく、
むしろ明るい音色で、血の通った温かみが感じられて、
こういう演奏は、他では聞いたことがない。その辺りに
アルバン・ベルク四重奏団が抜きん出た存在であり、
広く愛されていた理由があるのではないかと思われる。
しかしそれにしてもシューベルトのこの第15番って、
「死と乙女」や「ロザムンデ」に比べるとマニア向けだが、
本当に素晴らしい。聞けば聞くほど、好きになる作品。

Warner 0825646123476

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2016年8月27日 (土)

カラヤンの1980年代 38

ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリンフィルで
ベートーヴェンの交響曲全集を収録順に聞いている。
今日は交響曲 第3番 変ホ長調 作品55「英雄」で
1984年1月にベルリンのフィルハーモニーで収録。
後半は「エグモント」序曲で1985年12月の録音。
カラヤンの気合いが凄まじくて、その力強い響きに
とにかく感動する。ベルリンフィルの重厚な音色も
これ以上の何を望むのだろう…という圧倒的名演。
「英雄」は、カラヤンが75歳のときの録音だが、
怪我や手術で、しだいに体の自由を失いつつあり、
演奏の完成度にも斑が現れてきた時期なのだが、
ここでは、不思議なぐらいに充実しているのであり、
理想の響きが、極限まで追求されているのを感じる。
この全集に収録された4曲の序曲は1985年の末に
まとめて録音されているのだが、さらにさらに感動!

DG 439 200-2

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2016年8月26日 (金)

バイエルン放送交響楽団

マリス・ヤンソンス指揮バイエルン放送交響楽団で
2014/2015シーズンのコンサートのライブ録音から
ストラヴィンスキーのバレエ音楽「ペトルーシュカ」
ラヴェル編曲によるムソルグスキーの「展覧会の絵」
「ペトルーシュカ」が、2015年4月14-17日に
ガスタイクのミュンヘン・フィルハーモニーで収録、
そして「展覧会の絵」は、2014年11月13,14日に
レジデンツのヘルクレスザールで収録されている。
優秀録音ということもあるけれど、「ペトルーシュカ」は、
こんなにも細部まで克明に聞こえてくる演奏ははじめて。
そうしたディテールを鮮やかに描き出す豊かな表情付け、
スッキリとした響きの中で各楽器の妙技が浮かび上がる
自発性など、あまりの素晴らしさに夢中になってしまった。
「展覧会の絵」は、打楽器の演出が大胆に効いているが、
落ち着きのある響き、渋さもあって、引き締まっている。
その辺りがまた何ともヤンソンスらしくて、気に入った。
この二曲ともオスロフィルとの若い頃の録音、そして
少し前となるロイヤル・コンセルトヘボウとのライブと
今回が3度目の録音となるのだが、私の好みでは、
やはりバイエルン放送交響楽団で聞きたかった。
これ以上のない完成された達成感に大満足の喜び。

BR 900141

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横浜の風景から 471

20160826a

お馴染みのお墓山の風景。
瀬谷区阿久和南1丁目にて。

20160826b

瀬谷柏尾道路沿いの新橋町の水田。
田植えの早かった左側の田んぼでは、
実りはじめていて、黄金色になりつつある。

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2016年8月25日 (木)

落語につぶやき 279~三十石

京都伏見から大坂へ川下る三十石船だが、
夜、日が変わる頃に伏見を出て、大坂には
翌朝、着くという…夜船が人気だったそうで、
十三里の行程で、船ならば、それほどには
時間もかからないのだが、休息を取りながら
ゆっくりとした船旅だったという。船宿で夕飯、
その後、一番船、二番船、三番船と出るけれど
朝は、時間を合わせて、同時に着いたらしい。
川を下るのは楽だが、淀川を上るのは大変で
船頭たちが土手伝いに綱で引いて上るのであり、
歩くのより遅かった。寝ながら行けるのが値打ち。

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2016年8月24日 (水)

エマーソン弦楽四重奏団 7

エマーソン弦楽四重奏団のドヴォルザークを聞いている。
今日は、弦楽四重奏曲 第11番 ハ長調 作品61
2008年12月から2009年12月にニューヨークで収録。
こちらもまだチェコ時代の作品だが、調べてみたところ
ヘルメスベルガ―四重奏団のために作曲されたそうで、
ウィーンでの初演に向けて、チェコ的な作風よりもむしろ
古典様式を尊重したようで、民族色は抑えられた印象。
1881年の完成で、するとこのヘルメスベルガ―とは、
ヴァイオリニストのヨーゼフ・ヘルメスベルガ―(1世)で
近年のニューイヤーコンサートでお馴染みの作曲家は、
息子のヨーゼフ・ヘルメスベルガ―(2世)であるらしい。
時代背景と当時のウィーンの様子は気になるところ。

DG 00289 477 8765

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2016年8月23日 (火)

モントリオール交響楽団

ケント・ナガノ指揮モントリオール交響楽団で
バルトークの管弦楽のための協奏曲を聞いている。
2015年1月14,16日にモントリオールでライブ収録。
昨日のヴァイオリン協奏曲に続いて、後半の作品。
ケント・ナガノとモントリオール交響楽団は絶好調で
大好きなのだが、バルトークが聞けるのはうれしい。
もう20年ぐらい前になる…はじめて買ったCDが、
ロンドン交響楽団との「中国の不思議な役人」で
すごく色彩的な音だったのだが(聞き直さないと…)、
今日の精妙な響きは圧倒的で、また違った魅力。
管弦楽のための協奏曲はモノトーンな音の方が、
相応しいような気もするのだけれど、その点では、
絶妙な調和と平衡感覚で、さすがに完成度が高い。
細部にまで豊かな描き込みで躍動感のある表情も
特長的である。気持ちいいぐらいに行き届いている。

ONXY 4138

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2016年8月22日 (月)

モントリオール交響楽団

ケント・ナガノ指揮モントリオール交響楽団で
バルトークのヴァイオリン協奏曲 第2番
オーギュスタン・デュメイの独奏で聞いている。
2015年1月14,16日にモントリオールでライブ収録。
1990年代にデュメイが、DGに録音していた頃は、
いろいろと聞いていたのだが、久しぶりである。
演奏は鋭く、精緻な響きを聞かせているけれど、
思った以上に民族色は豊かで、細部を強調して、
内面から噴き出してくるものが、生命力となって、
エネルギッシュな仕上がりとなっているところに
現在のデュメイを感じた。20世紀の傑作である。
極めて現代的な手法で書かれながら、その音楽は
民謡風の旋律に親しみを覚えるのであり、楽しく、
しかしこうして緻密な演奏で聞くとやはり新感覚。
明日は後半の管弦楽のための協奏曲を聞きたい。

ONXY 4138

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2016年8月21日 (日)

ラサール四重奏団 21

ラサール四重奏団でウェーベルンの弦楽四重奏曲
弦楽四重奏のための5楽章 作品5
弦楽四重奏曲(1905)、6つのバガテル 作品9
弦楽四重奏曲 作品28を聞いている。
1968年3月、1969年3,12月にミュンヘンで収録。
何という鋭さ、鮮やかさであろう。もっとロマン派的に
抒情性を出しながら演奏することもできたであろうが、
そこは極めて現代的な発想で、この時期にこれだけ
先鋭的な演奏を行っていたのは、やはり現代曲の
規範であって、ラサール四重奏団は偉大な存在だ。
聞けば聞くほどに意義深さを感じ、明度も増してくる。

DG 479 1976

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2016年8月20日 (土)

カラヤンの1980年代 37

ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリンフィルで
ベートーヴェンの交響曲全集を収録順に聞いている。
今日は交響曲 第4番 変ロ長調と第7番 イ長調で
1983年12月にベルリンのフィルハーモニーで収録。
この1980年代のベートーヴェンには重厚さも加わり、
その中でも最もゆったりとしているのが第4番だが、
大きさと広がりを感じて、今回もとにかく感動である。
カラヤンの音は明るく、同時に艶やかで流麗であり、
音楽への愛情が聞く人に幸福を与えてくれるような。
それに対し第7番は、滑らかに流れるような表現が
特長的なのだが、求心力は落ちているようだけど、
どこか熱っぽさのような…カラヤンの強い想いが
ストレートに湧き上がってくるところは素晴らしい。

DG 439 200-2

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2016年8月19日 (金)

エマーソン弦楽四重奏団 6

エマーソン弦楽四重奏団のドヴォルザークを聞きたい。
今日は、弦楽四重奏曲 第10番 変ホ長調 作品51
2008年12月から2009年12月にニューヨークで収録。
有名な「アメリカ(第12番)」はよく知っているけれど、
ドヴォルザークの弦楽四重奏曲は聞いたことがなくて、
エマーソン弦楽四重奏団の演奏で勉強してみたい。
第10番はチェコ時代の作品だが、穏やかな曲想で
チェコの風景を思わせるような…そんな雰囲気である。
特長的なのが第2楽章の「ドゥムカ」で、濃厚な民族色、
弦楽四重奏曲でこんな作品は聞いたことがない。
いかにもドヴォルザークといった色合いである。

DG 00289 477 8765

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2016年8月18日 (木)

ウラディーミル・アシュケナージ 13

ウラディーミル・アシュケナージのピアノによる
ショスタコーヴィチのピアノ三重奏曲 第1番と第2番
ツォルト・ティハメール・ヴィゾンタイのヴァイオリン、
マッツ・リードストレムのチェロと共演している。
後半はヴィオラ・ソナタで、アダ・メーニッヒとの演奏。
2015年9月17-20日にサフォークのポットン・ホール。
アシュケナージのピアノは魅力いっぱいで大好きだ。
複雑な印象のあるショスタコーヴィチの音楽ながら、
非常にシンプルで無駄のない表現のピアノなのであり、
そこで深みのある響き、奥行きの感じられる陰影を
聞かせているのが、アシュケナージの名人芸である。
落ち着きある懐の深い音楽には、余裕が満ちているし、
弦楽器を包み込むような大きさには感動してしまう。
アシュケナージが期待の若手奏者と共演だそうで、
弦楽器の精妙な響きが生み出すその感触もいい。

DECCA 478 9382

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2016年8月17日 (水)

ジェフリー・テイト 1

ジェフリー・テイト指揮ベルリンフィルによる
グリーグの劇音楽「ペール・ギュント」(全17曲)。
1990年3月にベルリンのフィルハーモニーで収録。
暑い夏は、こういう爽やかな音楽で涼をとりたい。
でも北欧的な音かというとベルリンフィルなので、
テイトが丁寧に聞かせているし、深みがあって、
ベルリンフィル特有の厚みのある響きである。
どこかカラヤン時代の音を思い出させるが、
亡くなった翌年であり、その特色は、まだ色濃く
残っていた。この時期はジェフリー・テイトのCDが
いろいろと出てきた頃で、ベルリンフィルを相手に
大活躍の売れっ子指揮者であった。素晴らしい。

CDR884

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2016年8月16日 (火)

ウィグモア・ホール 2007

ウィグモア・ホールのライブ・シリーズから
クリストファー・モルトマンによる歌曲リサイタル。
シューベルトのさすらい人 D.493、さすらい人の夜の歌1 D.224、
休みなき愛 D.138、さすらい人の夜の歌2 D.768
ヴォルフの炎の騎士、庭師、恋人に、散歩、ねずみ取りの男
ドビュッシーのロマンス、鐘、マンドリン
デュパルクの旅へのいざない、波と鐘、フィディレ
ウォーロックのキツネ、歌い手、ストラットン船長奇譚
アンコールにドナルド・スワンの不似合いな結婚
ピアノは、ジュリアス・ドレイクである。
2007年6月16日にウィグモア・ホールでライブ収録。
前半はお馴染みのドイツ歌曲であり、後半はフランス歌曲、
ピーター・ウォーロックとドナルド・スワンはイギリスの作曲家。
作品のバランスも魅力的だし、クリストファー・モルトマンは好き。
私は歌曲ピアニスト・マニアなので、ジュリアス・ドレイクに注目。

Wigmore Hall Live WHLive0020

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2016年8月15日 (月)

アルバン・ベルク四重奏団 12

アルバン・ベルク四重奏団でシューベルトを聞いている。
弦楽四重奏曲 第14番 ニ短調 D.810「死と乙女」で
1994年4月にウィーン・コンツェルトハウスで収録。
1984年の名盤から10年が経った1994年のライブ盤。
起伏の大きな表現になって、深みも増しているような
より豊かな音楽のように感じられる。ライブということも
重要なのだが、あえて即興的な表情を様々に盛り込み、
シャープな切れ味よりもいきいきと躍動する動きが特長。
一方で骨太な力強さも存在しており、そういうところは、
どこかアマデウス四重奏団の「死と乙女」を思い出す。

Warner 0825646123476

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2016年8月14日 (日)

カラヤンの1980年代 36

ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリンフィルで
ベートーヴェンの交響曲全集を収録順に聞いている。
今日は交響曲 第9番 ニ短調 作品125「合唱付き」で
1983年9月にベルリンのフィルハーモニーで収録。
中学生だった頃には、カラヤンがまだ生きていて、
このデジタル録音による新しいベートーヴェンは、
まさに代表盤であったのだけど、いかにも…なので
わざわざアンチな立場を装って、私はクライバーに
夢中だったのだが、しかしここで改めて聞いてみると
ただただ感動的なベートーヴェンで、今さらながらに
カラヤンの偉大さを思うのである。芸術の集大成。
その後の六年でますます多彩な記録を残すのだが。

DG 439 200-2

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2016年8月13日 (土)

南西ドイツ放送交響楽団

フランソワ・グザヴィエ・ロト指揮南西ドイツ放送交響楽団で
R.シュトラウスのアルプス交響曲と交響詩「ドン・ファン」
2014年11月5,6日にフライブルクのコンツェルトハウス、
「ドン・ファン」は、2014年9月28日にフランクフルトの
アルテオーパーでライブ収録されている。このシリーズは、
本当にどれを聞いても最高の感動で圧倒的な興奮だ。
録音の素晴らしさもあると思うけど、とにかく鮮やかな音、
グザヴィエ・ロトは個人的な想いを込めることはせずに
スコアの音を丁寧に再現することに専念して、雑念がなく、
まさに今、音が生み出されていくその生々しさは凄まじく、
R.シュトラウスの演奏はこうあってほしい。その点では、
派手な色彩を押し出すことはなく、絵画的ではないが、
アルプス交響曲でも「山での一日」という映像効果よりも
あくまでも交響曲なのであり、しかしここまで徹底すれば、
それは頂上を極め、これぞ名演である。夏はこれに限る。

Hanssler CD 93.335

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2016年8月12日 (金)

8月12日の感想

20160812

明日からお盆で、その前にお墓参りに行ってきた。
父はクリスチャンだったので、お盆もお彼岸もないのだが、
まわりがみんな、お参りに来て、お花が入っているのに
自分のところにないのはかわいそう…ということで。

昨日の山の日からお盆休みははじまっているのか、
平日なのに道が混んでいる。それに墓地に着くと
たくさんの人が、一日早いお参りに来ていて、
みんな考えることは同じだな…というのを感じた。

厚木に出て、臼井農産の直売所で豚肉を買って、
いつも寄り道をしてくるので、午後になってしまう。

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2016年8月11日 (木)

ベルナルト・ハイティンク 15

ベルナルト・ハイティンクの指揮によるショスタコーヴィチで
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団との交響曲第12番、
そしてロシアとキルギスの民謡による序曲を聞いている。
1982年2月にアムステルダム・コンセルトヘボウで収録。
ショスタコーヴィチの演奏は、現在ではもっとしなやかに
堅さが抜けてきていると思うのだが、1980年代特有の
厳しさと攻撃性で突き進むような感覚に満ちている。
当時はソ連の作曲家であり、模範とすべき解釈というと
ムラヴィンスキーなど象徴的な存在が健在だったわけで
それに対し、ヨーロッパの演奏家たちは、どのような音楽を
目指していけばよいのか…方向性を模索していたのであり、
非常に強い意気込みが感じられる。このレコード全体に
異様な緊張感がみなぎっていて、聞いていて興奮する。
交響曲第12番は、1917年のロシア革命を題材にして、
四つの楽章が連続して演奏されるところは、より映像的で
交響詩のような作品だが、ハイティンクはそこを引き締めて、
荘厳な響きで威厳に満ちた指揮である。最高の感動だ。

CDR883

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2016年8月10日 (水)

イルジー・ビエロフラーヴェク 13

イルジー・ビエロフラーヴェク指揮チェコフィルによる
ドヴォルザークの交響曲全集を収録順に聞いている。
今日はフランク・ペーター・ツィンマーマンの独奏による
ヴァイオリン協奏曲 イ短調 作品53を聞いている。
2013年12月2-6日にプラハのルドルフィヌムで収録。
ドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲は、かなり昔から
聞いているのだが、それほど親しんでいる印象はなく、
しかしこの数年、しだいにその魅力が分かってきたのか、
最近はむしろ好きである。この作品も協奏曲としての
華やかさよりもむしろ音楽的な深まりで、その点では
ブラームス的な方向性でもあり、さらに渋いような
そんな気もするのだが、いまはそこが感動的である。
フランク・ペーター・ツィンマーマンで聞けるのも喜び。

DECCA 478 6757

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2016年8月 9日 (火)

ヘルベルト・ブロムシュテット 13

ブロムシュテット指揮サンフランシスコ交響楽団で
シベリウスの交響曲全曲を収録順に聞いている。
今日は、交響曲 第1番(1994.5)と第7番(1993.5)で
デーヴィス・シンフォニーホールで収録されている。
ブロムシュテットのシベリウスは非常に丁寧な表現で
音楽の情景に流されずにこんなにも緻密に聞かせて、
その点では北欧的というよりもドイツ的かもしれない。
しかし響きは明るくて、スッキリとした音作りながら、
徹底して色彩を抑えた透明感、この強い輝きは、
シベリウスの音色の追及としてはこだわりである。
豊かさを廃して、とことん突き詰めていったところに
生まれてくるこの研ぎ澄まされた感覚に感動する。

DECCA 475 7677

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2016年8月 8日 (月)

落語につぶやき 278~幽女買い

新仏の長さんが、三途の川手前の冥土で
遊女買いでない…幽女買いに出掛ける。
あの世の噺なので、縁起の悪い言葉が、
逆様に縁起がいいという。うす暗い場所で
「ここは極楽じゃねえなあ」「冥土だよ!」
「えっ?亀戸(かめいど)?」なんという…
あの世でも芝居は見られるし、「白波五人男」は
團十郎だけで五人が揃う…という、寄席だって、
死んだ噺家がみんないるから、それは名人揃い。
「志ん生なんて、死んで生きるってんだから」。
友達の案内で幽女屋(遊女屋)へ出掛けるが、
「病は治るし、痛くも痒くもねえ、死ぬ心配もねえ」
「死宿(四宿)といって、し(死)の字が縁起いい」
あの世では、酒を飲むにも精進ものが乙で、
吉原への道筋で、田町は「たまちい(魂)」という。
大門手前の有名な「釣瓶蕎麦」は「首釣瓶蕎麦」、
江戸町一丁目二丁目は「冥土町一丁目二丁目」、
京町一丁目二丁目は「経町一丁目二丁目」、
高尾がいた三浦屋は、字を返して「うらみ屋」。
張り見世の花魁は経帷子で、店に出る前に湯灌、
若い衆の掛け声で「お上がんなるよ、仏様二つ」
幇間がお数珠で百万遍を唱え「南無阿弥陀仏」、
北向きのお床入りで、しかし考えてみたら…
死人で、肝心の腰から下が何にもなかった。
烏カアで夜が明けて、御あし(足)のない世界で、
勘定は払わない。洒落で言葉だけ…という。
「またの御出でを末期の水とさせていただきます、
お客様、お帰りになるよ、冥土ありがとう存じます」

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2016年8月 7日 (日)

アルバン・ベルク四重奏団 11

アルバン・ベルク四重奏団でシューベルトを聞いている。
弦楽四重奏曲 第14番「死と乙女」(1984.12.14-21)
弦楽四重奏曲 第13番「ロザムンデ」(1984.6.14-20)
セオンの福音教会で収録。1980年代の名盤である。
「死と乙女」が大好きな私にとっては、大切なCDで
厳しさと鋭利な感覚、音楽への深い切り込みは独特で
その素晴らしさは、別格な存在感ではあるのだけれど
今になって思うことは、アルバン・ベルク四重奏団が
同時に人間っぽい部分も醸し出しているし、それは
暖色系な色合いにもつながって、どこか近いのである。
高い完成度ながら、超人的なところはなくて、つまり
聞けば聞くほどに引き込まれ、これこそが名演だ。

Warner 50999 7 35870 2 6

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今日の月は…月齢4.3

20160807

明日は台風の影響で雲が出そうだが、
今日はいい天気で、夕方はきれいな青空に。
三日月に見えるけど、月齢4.3の月である。
19時01分に西の空高くに見えた立秋の月。
これからの暦を調べると11日(木)が上弦、
来週の木曜日で18日が満月(月齢15.3)。

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2016年8月 6日 (土)

カラヤンの1980年代 35

ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリンフィルで
ベートーヴェンの交響曲全集を収録順に聞いていく。
交響曲 第5番 ハ短調と第6番 ヘ長調 「田園」で
1982年11月にベルリンのフィルハーモニーで収録。
録音から34年の月日が過ぎて、改めて聞いてみると、
1970年代に比べ、カラヤンも角の取れた穏やかな音を
聞かせていたな…というのと、そしてベルリンフィルも
今日の演奏に比べて、甘い印象がある。カラヤンの
統率力の低下かもしれないが、しかし、とはいっても
カラヤンの存在というのはやはり格別なものがあり、
その音楽は不思議なぐらいに感動的で、聞くものを
惹きつける魅力にあふれている。いうまでもないが、
それがカラヤンの魔法であり、20世紀の歴史だ。

DG 439 200-2

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2016年8月 5日 (金)

ウィグモア・ホール 2004

ウィグモア・ホールのライブ・シリーズから
ローベルト・ホルによる歌曲リサイタル。
シューマンのリーダークライス 作品39
プフィッツナーの4つの歌曲 作品32
ブラームスの4つの厳粛な歌 作品121
ピアノは、ロジャー・ヴィニョールズである。
2004年12月7日にウィグモア・ホールでライブ収録。
ドイツ・ロマン派の歌曲による重厚なプログラムだが、
暑い夏の晩に聞いて、これが思ったよりも心地がいい。
私はローベルト・ホルのハンス・ザックスを聞いて以来、
大ファンなもので…なんとも心落ち着く歌声でもあって、
選曲の魅力もあって、感動的だ。バス・バリトンの声に
合わせ、ここではゆったりと深みのある音楽なのだが、
ロジャー・ヴィニョールズのピアノは、知的で緻密に
歌曲ピアニスト・マニアにとっては、偉大な存在。

Wigmore Hall Live WHLive0015

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吾輩ハ猫デアル 79

朝日新聞に連載中の「吾輩ハ猫デアル」、
苦沙弥先生の家に泥棒が入る場面で…

一代の画工が精力を消耗(しょうこう)して
変化を求めた顔でも…

「消耗」のルビが「しょうこう」となっており、
岩波文庫を参照して、朝日新聞が掲載しているので、
間違えているわけがないのだが、気になって調べると
本来は「しょうこう」で、「しょうもう」は慣用表現らしい。
漱石の時代には、まだ「しょうこう」だったのであろう。

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2016年8月 4日 (木)

ウラディーミル・アシュケナージ 12

ウラディーミル・アシュケナージのピアノによる
ラフマニノフのピアノ三重奏曲「悲しみの三重奏曲」
ツォルト・ティハメール・ヴィゾンタイのヴァイオリン、
マッツ・リードストレムのチェロと共演している。
2012年10月3-5日、2013年3月25日に
サフォークのポットン・ホールで収録されている。
近年のアシュケナージのピアノ演奏だが、感動!
独特の骨太な表現で、深みのある音色であり、
そして音楽が見せる表情はこの上なく美しい。
余裕すら漂う…ゆったりとした空気が魅力的で
なんとも豊かに歌い上げている。これは名演だ。
弦楽器は、若手二人と共演ということだそうだが、
アシュケナージの重みのある響きとは、方向性で
ちょっと隔たりもあるような気もするのだけど、
精妙でリアルな感触のある演奏は素晴らしい。

DECCA 478 5346

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2016年8月 3日 (水)

圓朝速記~真景累ヶ淵(三一)

お累と新吉の婚礼について、村方の作右衞門が
土手の甚蔵のところへ相談に来る場面である。

甚蔵「ヘエーそうで、其の男と云うなア
身寄でも親類でもねえ奴ですが、困るてえから
私(わっち)の処に食客(いそうろう)だけれども、
何を不調法しましたか、旦那堪忍しておくんなえ、
田舎珍らしいから、柿なんぞをピョコピョコ取って
喰いかねねえ奴だが、何でしょうか生埋にする
などというと、私も人情として誠に困りますがねえ、
何を悪い事をしたか、何(どう)云う訳ですえ」
作右衞門「誰(だり)が柿イ取ったて」

甚蔵は、新吉が柿を食ったと勘違いだが…

新吉「成程、三蔵さんの妹娘で、成程、存じて居ります、
一度お目に掛りました、然う云って来るだろうと思って居た」
甚蔵「…、此様(こん)な田舎だから少し色が白いと
目に立つのだ、田舎には此様な色の黒い人ばかりだから、
イヤサお前(めえ)さんは年をとって居るから色は黒いがね、
此様な有難え事はねえ、冗談じゃアねえ」

こういう台詞が面白い。

甚蔵「ヘエ仔細(しせえ)有りません、有りませんが
困る事には此の野郎の身体に少し借金が有るね」

といって、三蔵から三拾両の金を引き出す。

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2016年8月 2日 (火)

リッカルド・ムーティ 8

リッカルド・ムーティ指揮フィルハーモニア管弦楽団で
チャイコフスキーの交響曲を収録順に聞いている。
今日は交響曲 第5番 ホ短調 作品64で
1978年7月1,2日にキングズウェイ・ホールで収録。
ムーティの指揮はスタイリッシュで洗練された響き、
スッキリとシャープな音色なのだが、一方では、
じっくりと歌い込んで、濃厚な音楽を聞かせて、
その見事なバランス、完成度の高さは圧倒的だ。
ロシア的な重厚さを発揮する音ではないけれど、
独裁的な統率力で強靭な音楽を創り上げるのは、
どこかカラヤン的な方向性も感じさせられる。
オーケストラ全体が、ムーティの元に結集して、
完璧な一体感を築いているのは、実に爽快だ。

CDR882

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2016年8月 1日 (月)

クラウディオ・アバド 25

クラウディオ・アバド指揮ベルリンフィルによる
マーラーの交響曲 第8番 変ホ長調を聞いている。
1994年2月にベルリンのフィルハーモニーで収録。
アバドは、第1番「巨人」と第5番をベルリンフィルで
再録音した後で、この第8番を録音して、マーラーの
交響曲全集を完成させているのだが、その後も
ベルリンフィルでの再録音が続き、「復活」を除いて、
すべて揃っている。1990年代の後半に第2番も
取り上げられていたと記憶しているし、さらには
第10番「アダージョ」や大地の歌も指揮しており、
未発表の録音は残されていて、ぜひ聞いてみたい。
ここでもライブ収録ということもあるのかもしれないが、
巨大な音響にはじまり、緊張感と精妙な響きによる
第2部へと導かれていく流れは、やはり感動的だ。
アバドはマーラーの音楽の聞かせ方を心得ている。

DG 445 843-2

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