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2016年8月 3日 (水)

圓朝速記~真景累ヶ淵(三一)

お累と新吉の婚礼について、村方の作右衞門が
土手の甚蔵のところへ相談に来る場面である。

甚蔵「ヘエーそうで、其の男と云うなア
身寄でも親類でもねえ奴ですが、困るてえから
私(わっち)の処に食客(いそうろう)だけれども、
何を不調法しましたか、旦那堪忍しておくんなえ、
田舎珍らしいから、柿なんぞをピョコピョコ取って
喰いかねねえ奴だが、何でしょうか生埋にする
などというと、私も人情として誠に困りますがねえ、
何を悪い事をしたか、何(どう)云う訳ですえ」
作右衞門「誰(だり)が柿イ取ったて」

甚蔵は、新吉が柿を食ったと勘違いだが…

新吉「成程、三蔵さんの妹娘で、成程、存じて居ります、
一度お目に掛りました、然う云って来るだろうと思って居た」
甚蔵「…、此様(こん)な田舎だから少し色が白いと
目に立つのだ、田舎には此様な色の黒い人ばかりだから、
イヤサお前(めえ)さんは年をとって居るから色は黒いがね、
此様な有難え事はねえ、冗談じゃアねえ」

こういう台詞が面白い。

甚蔵「ヘエ仔細(しせえ)有りません、有りませんが
困る事には此の野郎の身体に少し借金が有るね」

といって、三蔵から三拾両の金を引き出す。

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