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2016年9月13日 (火)

第281回 柳家小満んの会

今日は13日で、日本橋亭での小満んの会である。
朝から大雨だったが、午後は上がってくれて助かった。
天気も悪く、寄り道もせずに横須賀線で新日本橋へ。

三遊亭歌むい:鮑のし
柳家小満ん:高尾
柳家小満ん:嵩谷
柳家小満ん:佃祭

今回はちょっと…仲入り後の三席目で「佃祭」から。
江戸時代の佃祭は、六月の三十日(みそか)あたりと
決まっていて、新暦に直すと八月上旬ということになるが、
現在は八月六・七・八日で、時期は一致しているそうである。
祭りの当日、暮六つの終い船が沈んでしまい、その翌日から
与太郎が懐に三両の金を入れ、身投げを探して回るのだから、
少し月日が流れ、七月の上弦の月が頭上に煌々と輝いているが、
同様に新暦に直すならば、つまりは八月の下旬から九月の上旬、
ちょうど今頃ということになる。それで梨の季節ということなのだ。
与太郎が身投げと勘違いしたのは、戸隠様の歯痛の願掛けであり、
梨の実に所・名前、歯痛の場所を書いて川に流す。懐の中の物は、
重しの石ではなく、梨の実だったのだ。「佃祭」は祭の噺なので、
祭のシーズンで、盛り上がる初夏に演じられることも多いような?
そんなこともないのか?しかしこの噺に関しては、夏の終わりか、
秋祭りの感覚で聞く方がいいということに気付かされたのである。
祭好きの小満ん師匠は、佃祭にも参加するほど、精通しているし、
何より佃島の風景が見えているので、伝わってくる情景がまるで
違っている。私も佃島に行っているが、船着場があって、そこから
真っ直ぐに住吉神社への参道がのびていて、描写にもあったけど、
船から上がり、まずは住吉神社にお参り、それから獅子頭を見たり、
御輿を追っかけたり、佃の狭い路地を歩き回り、いつの間にか日は
西に傾いて、気付くと暮六つ(日の入り)の鐘が鳴り、慌ただしい…
祭の一日を感じながら、佃島を訪ねて聞くと100倍楽しいのである。
落語ファンの方は、とにかく一度、ぜひとも佃島に行ってみてほしい。
本当に素晴らしい場所である。今日の「佃祭」もすごくよかったので、
実は前の二席をすっかり忘れてしまった。必死に思い出すことにして、
「高尾」は、十一代あった高尾太夫の内、仙台高尾に関する噺である。
つまりは仙台の伊達様に身請けされたが、手痛く当たって降り続け、
高尾丸という太夫の名を付けた船の上で、吊るし斬りにされたという。
それが元で伊達政宗の孫、綱宗公は二十一の若さで隠居させられる。
二席目の「嵩谷」は、絵師高嵩谷(こうすうこく)の噺であり、こちらは
温州公の招きで、鍾馗(しょうき)様の画を描くという。しかしこの方が…
またたいへんな大酒飲みであり、嵩谷の腰を上げさせるのは一苦労、
そこが物語である。使者として迎えに来たお侍とのやりとりも面白さ。
以前に同じく大酒飲みの俳人で、関津富(せきしんぷ)の噺を聞いたが、
どこか似ているかも。そのイメージで聞くとさらにわかりやすくも感じる。
ということで、少し先になるが27日は、関内での横浜小満んの会で、
「名人昆寛」「男の花道」「鉄拐」の三席。名人・名医名優・仙人が登場。

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