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2016年10月31日 (月)

末廣亭余一会 小満ん独演会

新宿末廣亭の10月の余一会は小満ん独演会。
13時開演なので、少しゆっくり出掛けて、助かる。
でも新宿三丁目へは、東横線経由で行ったので
西武か東武かどこかで遅延が発生したらアウトなので
結局は12時10分頃の到着を目指して、早すぎた。

柳家あお馬:小町
柳家やなぎ:松竹梅
柳家一九:時そば
柳家小満ん:長者番付
桃月庵白酒:四段目
柳家小満ん:がまの油
柳家小菊:俗曲
柳家小満ん:明烏

あお馬さんが「小町」で、久しぶりに聞いた。「道灌」の前半。
やなぎさんが汗だくの「松竹梅」で、いつもこんなに汗っかき?
すごく余裕があって演じているようだけど、内心は緊張か?
一九師匠が「時そば」だったが、これがものすごくよかった。
もちろん小満ん師匠から伝わっている「時そば」で、昨日で
十月の下席の十日間が終わっているが、すると今日から
気分は11月に入っているようで、つまりはもう冬である。
「時そば」のシーズン到来。つゆの湯気が温かそうだった。
小満ん師匠の「長者番付」は大好き。2010年3月の関内で
師匠の「長者番付」をはじめて聞いたのだが、それ以前は
実はこの噺は嫌いだったのだけど、田舎者を馬鹿にして、
仕返しをされて、恐ろしい目に合うというのが何とも不快で
基本的にはそういう噺だが、小満ん師匠で聞いてからは、
何となくそれも落語として受け入れられたような。後半の
「うんつく」で、鴻池の澄み酒と三井の井戸から三千両は、
実に面白い。作り酒屋の親父も騙され、私も騙されている。
今回のゲストは白酒さんで、近年のハロウィンの過熱ぶりを
いじった後、噺は「四段目」だ。旦那に楯突いている定吉が、
かわいいながらも悪質で、この辺は最高!芝居を見ていて、
昼飯を食べ損ねている…というのが、噺の伏線なのだが、
好きな芝居の真似事をしていれば、空腹も忘れられる…
というのは、素直でもあって、まだ子供らしいところもあって、
小僧である。口はませているけれど、結局は子供なのが、
重要なのであって、白酒さんは、そこが絶妙なのである。
仲入り後、小満ん師匠の二席目は「がまの油」。5月の会で
この噺も聞いているが、がまの油売りの口上がよかったのと
マクラの見世物興行から大道商いの話題で、焼継ぎ屋という
割れた瀬戸物を呼び継ぎで元に戻して、その材料を売る…
つまり実演販売だが、その小噺があって、はじめて聞いたが、
それが「がまの油」のオチに効いてくるのである。刀で切った…
血が止まらず、「お立ち合い、血止めはないか!」というのが、
一般的なオチだが、そこで「焼継ぎ屋はいないか!」と繋げる。
小菊さんが、新内の「明烏」から有名な一節を聞かせた後、
いよいよ落語の「明烏」である。小満ん師匠の「明烏」は、
これまでに何度か聞いているが、大体が最後の三席目で、
終演時間までに急ぎ足の27分ほどで聞かせてしまうという、
そういうことが多かったので、今日は時間に余裕があって、
吉原に関するマクラをたっぷりの解説で聞かせて、それから
じっくりと聞かせる「明烏」であった。これまで聞いた中でも
一番よかったと思う。時次郎は本を読んで、学問があって、
ひとり理屈っぽいのが面白いのだが、それゆえに翌朝、
「結構なお籠もりで…」という、その落差が絶品である。
やはり末廣亭の空気は心地よく、楽しい余一会であった。

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