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2016年10月25日 (火)

圓朝速記~真景累ヶ淵(三五)

伯父の勘蔵を見送って、新吉は下総羽生村へ
戻ろうとするが、有名な「迷いの駕籠」の場面である。

駕籠屋「押ちゃアいけねえ、歩けやアしねえ」
新吉「アア、若衆(わかいしゅ)もう来たのか」
駕籠屋「ヘエ」
新吉「もう来たのか」
駕籠屋「ヘエ、まだ参りません」
新吉「ああ、トロトロと中で寝た様だ、何処(どこ)だか
薩張(さっぱり)分らねえが何処だい」
駕籠屋「何処だか些(ちっ)とも分りませんが、
鼻を撮(つま)まれるかも知れません、ただ妙な事には、
なア棒組、妙だなア、此方(こっち)の左り手に見える
燈火(あかり)は何うしてもあれは吉原土手の何だ、
茶屋の燈火に違えねえ、そうして見れば此方に
この森が見えるのは橋場の総泉寺馬場の森だろう、
して見ると此処(ここ)は小塚ッ原かしらん」

吾妻橋を渡って、今夜のうちに亀有まで行っておこうと
雨の中、駕籠に桐油(とうゆ)をかけて、急いでいるのだが、
どうしても小塚原のお仕置場へ来てしまうという不思議な晩。

男「何を仰しゃる、これは貴公が駕籠から出る時落したのだ、
是は貴公様のか」
新吉「ヘエヘエ、恟(びっく)り致しました何だかと思いました、ヘエ」
と見ると迷子札。
新吉「おや是は迷子札、是は有難う存じます、駕籠の中で
トロトロと寝まして落しましたか、御親切に有難う存じます、
是は私(わたくし)の大事な物で、伯父の形見で、
伯父が丹精してくれたので、何(ど)うも有難うございます」

兄新五郎が現れる。幽霊というか、夢の中での出来事だが、
小塚原に導かれた…というのもどうした因果か、怨念である。

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