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2016年12月18日 (日)

黒門亭で蔵之助・時蔵・小ゑん

師走の日曜日、今年、最後の黒門亭である。
昨年に続いて、黒門亭の楽屋噺の会に行ってきた。
企画口演なので早い時間から行列ができたのだが、
前に並んでいた年配の女性が、大きな声で喋って、
日曜日の朝で、まだ静かな町内なのに…近所迷惑。
落語協会のお向いも斜向かいも個人住宅であり、
注意してやろうか!と内心イライラしていたのだが、
他人を嫌な気持ちにさせるのは、避けたいところで
ぐっと堪えていたのだが、その年配の女性二人が、
後から来た友達というのを割り込ませようとしたのだ。
さすがに我慢の限界で「割り込まないでください!」と
注意してやった。みんな、きちんと並んでいるのに
一体、どういう神経なのだろう。その後も次から次に
遅れてきたという友達がやってきて、注意しなかったら
何人の割り込みを許すことになったのか?というので
朝から気分は最悪。ルール違反はやめてほしい!

第1部 今、明かされる!
三遊亭あおもり:堀ノ内
橘家蔵之助:猫と電車
林家時蔵:目薬
柳家小ゑん:ミステリーな午後
鼎談「志ん朝・談志の楽屋噺」

大入りで開演したけれど、この不愉快な気分はさらに続く。
最後に入場した中年男性が、隙間のあった高座の横に
座布団を持っていって陣取り、開口一番のあおもりさんから
マクラの話しにいちいち口を挟んで、とにかく大迷惑である。
蔵之助師匠にも同じことをしていたから…さすがにそこで
「町内会で話してるんじゃないから黙っててください!」って
注意されていた。落語というのは、ひとりで喋る話芸なので
噺家さんは意外と対話で進めていくのが苦手な人もいて、
予想外のタイミングで会話を挟まれると真っ白になってしまい、
落語が続かなくなってしまうことも起きかねない。危険である。
その中年男性には、蔵之助師匠の注意なんて通じないので、
落語の台詞にいちいち、うんうん…って、声を出して頷いて、
気になって仕方がない。つられるということがあるのだろうけど、
隣りのおばさんまで、台詞に反応して、いろいろと喋り出すし、
ちっとも噺に集中できないのである。こんな状況ははじめてだ。
演目ボードには、あおもりさんは「たらちね」となっていたけれど、
今朝の夢の中で「たらちね」の言い立てを稽古して、演じたのは
「堀ノ内」であった。隅から隅まで面白い噺なので、時間があって、
じっくりと丁寧に演じられれば、もっと楽しい仕上がりになるはず。
蔵之助師匠が今回の企画の趣旨を説明して、初代の権太楼が
演じていたという猫シリーズから「猫と電車」である。大好きな噺。
といっても蔵之助師匠でしか聞いたことがないが、幇間の金八が
猫を連れて、路面電車に乗り込み…という、時代感覚が味わい。
時蔵師匠が短く「目薬」だが、かな文字の「め」は「女」の変形で、
「めしりにつけるへし」を「女しりにつけるべし」と読んでしまうのは、
実は起りうることでもあって、こちらも時代性を考えると面白い。
小ゑん師匠は「ミステリーな午後」で寿司ネタのギャグ満載だが、
寿司桶の偽装を見事に成功させたのだけど、ばれてしまうのが
やっぱり落語であり、係長さんを応援したい気持ちで一杯だから
情景に引き込まれるのである。小ゑん師匠のキャラ作りが魅力。
そして鼎談である。面白い話題ばかりで大いに楽しんだのだが、
なかなかネットに出せないことばかりであり、志ん朝・談志という
ライバル関係の二人が、実は互いに認め合っていたのであり、
しかしそれを外に出せないシャイな両師匠であって、その結果が
優しく美談ばかりの志ん朝師匠とヒールの談志が生まれるという
本質では素晴らしいお二人の人柄が伝わってきたところでお開き。
最後に三本締めをして解散。この一年もありがとうございました。

20161218

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