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2016年12月13日 (火)

圓朝速記~真景累ヶ淵(三八)

作蔵「深川の櫓下(やぐらした)に居たって、
名前(なめえ)はおしずさんと云って
如才(じょさい)ねえ女子(あまっこ)よ、
年は二十二だと云うが、…」

ずっと後でわかることだが、お賤という女は、
新吉の腹違いの妹であり、歳はいくつも
違わないはずである。お熊という女中に
深見新左衞門のお手が付き、その娘で、
父が乱心して、家が取り潰しになったときに
幼かった新吉も門番の勘蔵に引き取られ、
つまりは、歳は離れていないことになる。

お賤「…、おや新吉さんというので思い出したが、
見た訳だよ私がね櫓下に下地子(したじっこ)に成って
紅葉屋(もみじや)に居る時分、彼(あ)の人は本石町の
松田とか桝田とか云う貸本屋の家(うち)に奉公して居て、
貸本を脊負(しょ)って来たから、私は年のいかない頃
だけども、度々(たびたび)見て知って居るよ、…」

その間にも二人は遭遇しているという偶然というか、
因縁というか、出来すぎているが、知らぬうちに
引かれ合うという宿命のようなものなのだろう。
この複雑に絡み合う関係性は、圓朝の噺の特徴。

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