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2017年1月13日 (金)

第283回 柳家小満んの会

今年最初の小満んの会で、夕方から急ぎ日本橋へ。
早めに準備して、余裕をもって出かければいいのだけど、
夕方から東京に出るのって、何だか忙しい。慌ててしまう。

柳家寿伴:真田小僧
柳家小満ん:成田詣り
柳家小満ん:一刀成就
柳家小満ん:うどんや

「成田詣り」は、ごく短いバレ噺が見事に一席になってしまって、
マクラで江戸っ子の憧れの伊勢詣り、お馴染みの大山詣り、
そして最も簡単に遊山できた成田詣りと旅の解説が入って、
成田山へは、小名木川から中川へと、舟で行徳まで行って、
その先の陸路も平らで歩きやすく、宿場も松戸に船橋、佐原と
旅がしやすかった。成田への旅の気分を十分に感じたところで
明日は旦那のお供で、成田のお詣りに出立するというところ。
前夜のその一幕である。こまっちゃくれた子供が活躍するが、
翌朝、向かいの搗米屋の鶏が出てきて、酉年にちなんだ一席。
「一刀成就」は、古本屋で出会った一冊からはじまったそうで、
幸田露伴の「一口剣」という小説だそうである。ネタ下ろしだ。
悪妻に五十両の金を持ち逃げされるという災難を乗り越えて、
三年の間、命を懸けて、ついに名刀を鍛え上げる。殿様より
お褒めの言葉をいただいて、試しに斬ってみたいと…そこで
自らが的になると申し出たことから殿様は驚いて、その言葉に
「余が真二つにされた」というオチで…これはどういう意味?
殿様への言葉、切り返しがそれだけ鋭かったということか?
原作の「一口剣」が読んでみたくなるけれど、こういう古い話、
そういうときは青空文庫だが、作業中でまだ公開されていない。
今後もチェックしておきたい。すっかり落語化されているが、
やはり元は小説で、地味な中に味わいが存在するのであり、
この穏やかな空気に喜びを感じるのは小満んファンならでは。
仲入り後は、お馴染みの「うどんや」である。小満ん師匠のが
一番好きで、横浜の会でも演ったし、「棚卸し」でも聞いたし、
よく知っている気はしていたのだが、時間にも余裕があったし、
細かいところがすごく丁寧な印象もあって、これまでの中でも
一番よかった気がする。うどんを食べるところが記憶に残るが、
風邪っぴきの奉公人の具合が悪そうながら、温かいうどんに
ホッとして、美味しそうに完食をして、代金を払ってしまうので
やっぱり一杯だけかと残念そうに引き上げようとするのだけど
風邪声で「うどん屋さん」と呼び止められて、「へい!」って、
一瞬、うれしそうな表情を見せるところ、そこは最高だった。
思い返すといつもそうだったかもしれないけれど、でも今日も
すごくよかったのだ。薄い土鍋にわずかばかりのうどんで
寒い冬の夜に暖が値打ちだが、おいしそうに見えるのである。
ということで、来週の木曜日、19日は関内の小満んの会で、
「千早ふる」「姫かたり」「質屋庫」の三席。楽しみである。

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