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2017年3月13日 (月)

第284回 柳家小満んの会

何となく余裕をもって出かけたので、順調に着けた。
夕方からお江戸日本橋亭で柳家小満んの会である。

春風亭きいち:寄合酒
柳家小満ん:伽羅の下駄
柳家小満ん:小いな
柳家小満ん:小言幸兵衛

伽羅の下駄といえば、吉原通いの仙台の伊達様だか、
銘木に六つの穴を開けて下駄にしてしまったという、
川柳が紹介されて、穴を開けてというのでつながるのが、
続く覗きからくりの「小いな」かと。一方「伽羅の下駄」で
活躍するのが、豆腐屋の六さんだが、「小言幸兵衛」でも
豆腐屋がひと暴れする場面があり、豆腐屋つながりか?
何となく関連ありそうな演目の選び方ではあるけれど、
これも毎回、私の考えすぎで、まあ、偶然なのだと思う。
去年だったか?関内の小満んの会で「仙台高尾」を
聞いているのだが、すると「伽羅の下駄」という題名で
連想するのは仙台の伊達様である。伽羅の下駄を履き、
吉原の三浦屋高尾太夫の元へ通い詰めていたという。
その途中、暴漢に襲われ、豆腐屋に逃げ込んだそうな、
その辺を踏まえた落語であり、このところ商売をサボって
朝起きてこない豆腐屋の六さんが大家さんに説教をされ、
今日は夜明け前から大豆をごろごろ挽いているのだが、
そこに訪ねてきたのが派手な形のお侍で、水を所望せれ、
汲みたての井戸水を差し上げるのだが、礼に…といって、
伽羅の下駄を置いていく。竈の下にあったので、香りが
漂いはじめたのだか、そこで小満ん師匠は、お香の演出、
ニッキのような甘い香りが会場に漂って、実に洒落た一席。
大家さんに片っ方で百両、一足で二百両はする下駄だと、
家宝にしろと教わるのだが、そこで六さん、ゲタゲタと笑い、
おかみさんはキャラキャラと笑う少々バカバカしいオチで、
軽くて楽しい何ともいい噺だ。こういう噺は大好きである。
続いて二席目は「小いな」だが、時代は明治の頃であり、
三井物産の創始者で益田孝の息子、益田太郎は英国に
留学をして、本場の喜劇を日本に伝え、その脚本も書き、
落語の方では、益田太郎冠者の名前で知られているが、
品川の御殿山にある豪邸で派手な暮らしをしていたという
その辺の情景が盛り込まれての噺であり、幇間の一八が
新富座の芝居へと迎えに来る。主人は調べもので忙しく、
代わりに女房と女中を連れていき、その流れで湯河原へ
ゆっくりしてくるといい…と送り出すが、するとその間に
柳島の芸者で小いね(演目「小いな」だが)を連れてきて、
芸者、幇間の鳴り物に料理を誂え、離れの広間で大宴会。
観劇中の奥様だったが、ふとこの悪巧みに気付き、急遽、
戻ってきてしまったが、広間の襖に心張りをかって、撤収。
女中に無理に襖を開けさせようとするが、引手が取れて、
穴が開いてしまった。中の大慌てを一八が覗きからくりで
語り聞かせるが、時間を稼ぎ、奥様が覗き穴から様子を
伺ってみると主人は元の通りに中で調べものをしていた。
明治の派手な遊びで、ここでの空気にちょっと感じたのは、
どこか小満ん師匠の「つるつる」に通じる気がしたけれど
それは幇間が、見事な裁量で場をやりくりする…という
可笑しいながらも細やかな気遣いで、やはり幇間の芸が
印象的だったからであろうか。前半のはじめて聞く二席は、
楽しかった。仲入り後はお馴染みの「小言幸兵衛」である。
こちらも師匠のお得意の噺であろう。今日、気付いたのは、
最初の乱暴な豆腐屋が戸を閉めずに帰ってしまうのだが、
仕立屋は中の様子を伺って、気難しい家主の小言を聞き、
格別に気を使って、丁寧な口をきいていたのかもしれない。
家主の立て続けの質問に周到に答えていく仕立屋であり、
豆腐屋とのやり取りを外でずっと聞いていた可能性もある。
それによって見事に模範解答の受け答えをしていくのだが、
雑でも丁寧でも家主はどちらも気に入らないのであって、
幸兵衛さんの逆鱗に触れて、追い返されてしまうのだ。
どう答えても小言をいわずにいられないのが田中幸兵衛、
そこで小言幸兵衛なのである。続いて花火職人の登場で、
今回もオチは、「花火職人!どうりでポンポン言い通し」。
ということで、来週の火曜日、21日は関内の小満んの会、
「和歌三神」「鶯宿梅」「味噌蔵」の三席。楽しみである。

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