« ハンヌ・リントゥ 2 | トップページ | 黒門亭で小せん・小里ん・小ゑん »

2017年4月21日 (金)

ベルナルト・ハイティンク 20

ベルナルト・ハイティンクの指揮によるショスタコーヴィチで
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団との交響曲第13番。
1984年10月にアムステルダム・コンセルトヘボウで収録。
何年もかかってしまったが、この交響曲全集を収録順に
少しずつ聞いてきて、今回の第13番「バビ・ヤール」にて
ついに完結である。問題作とされているけれど、それは、
バスと男性合唱で歌われるエフゲニー・エフトゥシェンコの
歌詞が、ナチスのユダヤ人虐殺を扱っており、ソ連もまた
人種迫害を行っていることを示唆して、当局から改訂を
求められ、様々な妨害工作を受けながら初演したという
そういう作品なのである。音楽が政治的な圧力に耐えて
成立していた時代なのであり、冷戦崩壊後の今となっては、
人気のある作品となっているが、その背景を踏まえて聞くと
ますます感動的である。かなり重苦しい内容ではあるが、
ハイティンクもまた外の人間なのであり、客観性を保って、
ショスタコーヴィチのスコアに冷静に緻密に向き合って、
結果として、その重厚な音楽がストレートに伝わってきて、
そこに込められた真実が、明らかにされているのである。
ショスタコーヴィチの死からの十年間で、冷戦が終わる
ソ連時代の最後の時期に西側で制作されたこの全集は、
まさに偉大な記録で、そしてハイティンクの功績である。

CDR906

|

« ハンヌ・リントゥ 2 | トップページ | 黒門亭で小せん・小里ん・小ゑん »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/121598/65179815

この記事へのトラックバック一覧です: ベルナルト・ハイティンク 20:

« ハンヌ・リントゥ 2 | トップページ | 黒門亭で小せん・小里ん・小ゑん »