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2017年5月26日 (金)

ウィーン国立歌劇場 2011/2012

ウィーン国立歌劇場2011/2012シーズンにおける
ワーグナーの「ニーベルングの指環」の上演より
クリスティアン・ティーレマンの指揮による
楽劇「ワルキューレ」から第1幕を聞いている。
2011年11月にウィーン国立歌劇場で収録されている。
嵐の情景を示す前奏曲にはじまり、激しい響きというのと
汚い音というのは全くの別なものだが、ウィーンの音色は
追手の迫るジークムントの緊迫した心理を絶妙な具合に
表現している。フンディングの存在による不安の要素が
全体を支配しているけれど、ジークリンデが与えてくれる
束の間の安息が対比となって、その展開の鮮やかさは、
ティーレマンの指揮は上手すぎる。とにかく聞き惚れる。
第3場での未来への絶望感が希望へと転じるところの
弦の音色に一気に輝きが増してきて、その眩しさなど、
こんな音は聞いたことがない。これはすごい。驚いた。
ワルトラウト・マイアーのジークリンデは堂々の歌であり、
比べてジークムントのクリストフ・ヴェントリスは、まさに
傷を負って、力を失っているような印象もあり、それは
物語の上では合っているのだが、音楽の仕上がりでは
バランスがいまひとつ。クリストフ・ヴェントリスに合わせ
もっと可憐な印象の歌手をキャスティングした方が…
とは思ったのだが、しかし聞き直すとジークムントを
迎える前半のジークリンデはぴったりのイメージで、
後半、クリストフ・ヴェントリスが展開の盛り上がりに
付いていけず、息切れしてしまったのかも。それは
あくまでも音で聞いての感想だが。別の方法としては
傷とか疲労という設定はお構いなしに音楽の効果で
ジークムントは英雄として、迫力で歌いきってしまうか。
物語のリアリティと舞台上演の成功は、これも別物か。
異常な興奮での聴衆の拍手が収録されているが、
まさにその感覚を共有でき、これは神がかっている。

DG 00289 479 1560

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