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2017年5月13日 (土)

第285回 柳家小満んの会

土曜日の小満んの会で、早く出てぶらぶらしたかったのだが、
午後になってもひどい雨が続いて、歩くのはすっかりあきらめて、
結局、開場の時間に日本橋亭に直行。今日と明日は神田祭で
日本橋もいい雰囲気だったが、何しろ雨で遠くの音だけ。残念。

三遊亭歌実:元犬
柳家小満ん:辻八卦
柳家小満ん:野ざらし
柳家小満ん:愛宕山

一席目「辻八卦」ははじめて聞く噺だ。題名の通りなのだけど、
大道占いの小噺がいろいろ出てきて、それが面白いのだが、
つまりは胡散臭い易者の噺、それらが占いのサンプルとなって、
忠臣蔵の芝居を見てきた男が、五段目の山崎街道の場面を
あれこれと情景豊かに面白おかしく、さんざん喋って、易者は
何を占ってほしいのか?って、呆れて聞いているが、それで
猪と間違えて撃たれた斧定九郎の後生を占ってもらいたいと
わざわざ見料の二十四文を払うのだから物好きなことである。
それを聞いていたまわりの者まで、勘平、おかるに斧九太夫と
次々に後生を占わせて、最後にお武家が、忠義で武士の鏡、
身共もこうありたいと大星由良助を占わせ、そこで出た卦が、
易者はなかなか話したがらないのだが、侍にしつこく聞かれて、
「未だ誕生(参上)つかまつりませぬ」と四段目にちなんだオチ。
続いて、お馴染みの「野ざらし」である。幇間が訪ねてきて、
「さっきの骨は馬の骨だったか」のオチまで。陽気な噺だけど、
小満ん師匠の調子は軽やかで実に愉快。賑やかな向島が、
一番盛り上がるところだが、夜になって、ちょっとひっそり、
八五郎は幽霊の女の訪ねてくるのを待っているのだけど、
外から聞こえてきた声が男の太い声でびっくりするところ、
好きである。それでも宝を運んで、腹に力が入っていると
負けていないところが、また何ともバカバカしくて、最高だ。
仲入り後は、同じくお馴染みの「愛宕山」である。十八番。
「野ざらし」の最後のところでちょっとだけ幇間が出てきたが、
こちらは本格的に一八が大活躍である。その前にマクラで
昔、師匠とおかみさんが京都の愛宕山に登りにいった話で
聞いていたら私も愛宕山に行ってみたくなった。噺で聞くと
どうも実際にそこへ行ってみたくなる方で、困ったものだ。
今日はアクションの多い噺が続いて、師匠も楽しそうで、
聞いているこちらもまた楽しくなる。竹を満月にしならせて、
飛び上がって、戻ってくるところは、今日も大熱演であった。
旦那の「お前は生涯、贔屓にするぞ!」という一言も好き。
一八は、芸の力で見事に旦那に認めてもらったのだが、
次の瞬間、「金はどうした?」「忘れました」で、やっぱり
所詮は目の前の金に目がくらんでいるのであり、本当は
旦那に一生、面倒を見てもらって、その安定感の方が、
価値があるだろうに…目先の利益に負けるのが人間だ。
そこがリアリティ、人間臭さで、この噺の味、面白さである。
ということで、再来週の火曜日、23日は関内の小満んの会、
「しびん」「三方一両損」「御神酒徳利」の三席。楽しみである。

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