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2017年10月31日 (火)

末廣亭余一会 小満ん独演会

新宿末廣亭の10月余一会は今年も小満ん独演会。
開場の少し前、向かう途中に新宿三丁目の交差点で、
偶然におかみさんにお会いして、すれ違いにお喋りして、
テンションが上がる。毎年、この会を楽しみにしている。

春風亭きいち:道灌
柳家小はぜ:加賀の千代
柳家一九:だくだく
江戸家小猫:ものまね
柳家小満ん:文違い
入船亭扇遊:天狗裁き
柳家小満ん:社長さん
柳家小菊:俗曲
柳家小満ん:胴乱幸助

小満ん師匠は「文違い」から、末廣亭のある新宿三丁目は、
甲州街道の宿場で内藤新宿であり、最後にできた宿場で、
内藤家の屋敷の一部を切り取って、新しくできた宿場という、
それで「新宿」だそうだが、その新宿にちなんだ噺である。
師匠の「文違い」は、以前に日本橋でも聞いているけれど、
私は大好きで、お杉は芳次郎の忘れていった手紙を見つけ、
半七もまた、お杉宛の手紙を見つけ、騙されていたのを知り、
怒り狂っていい合う掛け合いが最高。「色男がいるんだろう」
「色女がいたんだい」って、激しい応酬は実によいテンポ感。
ヒステリックなお杉とどうにも治まらない半ちゃんで、それに
割って入ろうとする田舎者角蔵が、おっとりとしていい仲裁。
というのを書いて思い付いたが、今回の三席のキーワードは
「仲裁」?「胴乱幸助」の幸助さんは、喧嘩の仲裁が生きがい。
仲入り後の二席目は、「社長さん」という噺だそうで、ここでの
小使いの熊さんという人は、癇癪持ちの社長と社員の間で、
ある意味、仲裁役なのである。テーマは「仲裁」?偶然か。
「社長さん」は、初代の林家正楽作による新作だそうである。
正楽の名跡は紙切りで有名だが、新作をいくつも作っている。
時代としては、大正から昭和の初期といった感じであろうか。
聞いての印象は、戦後昭和の雰囲気。というのも師匠は、
セピア色で「三丁目の夕日」の感じだとマクラで仰っていた。
癇癪持ちの熊谷社長と小使いの熊さんがそっくりであり、
晩ごはんに熊さんを招待するはずが、急遽の変更によって
社長が来てしまったものだから、奥さんは熊さんと勘違いで、
いいようにからかってしまう。怒って帰ってしまった社長に
翌日、平謝りして、「社長が家内と思われたのは女中です」
というオチ。忘れていたのが出てきたので、記録しておいた。
そして三席目は「胴乱幸助」である。「棚卸し」で聞いて以来、
関内でも聞いたし、いろいろな場面で、師匠が演じている、
お馴染みになった噺である。上方の噺であり、大阪の人は
浄瑠璃に慣れ親しんで、「お半長右衛門」も誰でも知っている
というので成立する噺なのだと思うが、師匠は会話の中に
「お半長」の筋をうまく入れて、何にも知らない幸助さんと
「嫁いじめ」の状況を一緒に学んでいく仕掛けとなっており、
わざわざ京都へ仲裁に行くところでは、気持ちもひとつに
そのちぐはぐさがおかしくて、こんなにも面白い噺はない。
東京版の「胴乱幸助」では、東京駅から神戸行の鈍行で
三十数時間もかかって京都へ行くのであり、明治である。
東京の町に義太夫が大流行したのも明治になってからで
そこもぴったりだ。お半と長右衛門はとっくの昔に桂川で
心中したと聞かされて、下関行の急行で来ればよかったと
そうしたオチで、明治の雰囲気たっぷりなのが好きである。

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2017年10月30日 (月)

シュトゥットガルト放送交響楽団

ステファヌ・ドゥネーヴ指揮シュトゥットガルト放送交響楽団による
ラヴェルの作品集 第5集で歌劇「子供と魔法」とマ・メール・ロワ
歌劇は2015年12月14,15日にジンデルフィンゲンでの録音、
バレエ「マ・メール・ロワ」は組曲版だが、2013年9月19,20日に
シュトゥットガルトのリーダーハレ、ベートーヴェン・ザールで収録。
この第5集でラヴェルのシリーズも完成であり、そしてドゥネーヴと
シュトゥットガルト放送交響楽団による最後の録音となるのだろうか。
童話的な題材のオペラであり、各場面にはバレエが盛り込まれて、
粗雑に扱った道具たちに子供は仕返しされ、いじめた動物たちの
深い悲しみを知り、自分のしてきた行いを反省し、よい子となって、
ママの元へと帰っていく。室内オペラといった印象があるのだが、
独特の夢の世界を描き出すラヴェルの音楽が美しくて感動的だ。
つまりは後半の「マ・メール・ロワ」との組み合わせもぴったりだが、
全曲版は第2集に収録されており、こちらの組曲はその少し後、
別収録のようである。無邪気に楽しく、明るい色彩に満ちている。

SWR>>music CD-No.SWR 19033CD

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2017年10月29日 (日)

シュトゥットガルト放送交響楽団

ステファヌ・ドゥネーヴ指揮シュトゥットガルト放送交響楽団による
ラヴェルの作品集 第4集でシェエラザードと歌劇「スペインの時」
ステファニー・ドゥストラック独唱の歌曲は2015年3月2-5日に
歌劇は2014年12月11,12日にシュトゥットガルトのリーダーハレ。
ドゥネーヴのこのラヴェルのシリーズは、最初から非常に期待して
熱心に聞いてきているのだが、何とも素晴らしい音色になってきた。
ドイツのオーケストラとは思えないような、独特なしなやかさがあり、
その色彩はもちろん、ドゥネーヴが柔らかい響きを引き出している。
「スペインの時」は、時計屋さんを舞台にしたドタバタ喜劇であり、
しかし題名は「時計」というのではなく、スペイン風な時間といった
意味であるらしい。ラヴェルがスペインを題材にしたのはこれが
はじめてで、東洋趣味のシェエラザードとはいい組み合わせだ。

SWR>>music CD-No.SWR 19016CD

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2017年10月28日 (土)

10月28日の感想

10月はずっと雨だった気がするが、
二週連続の台風の来る週末であり、
明日も大雨になりそうで困ったもの。
直撃はないのか?進路が気になる。

昨日の夕方までは快晴で、南の空に
半月の前の月(月齢7.3)が見えたのだが、
今日が上弦の月(月齢8.3)で、しかし雨。
来週(11月4日)が満月(月齢15.3)である。
そして7日が立冬。台風の後、寒くなるか?

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2017年10月27日 (金)

ジョナサン・ノット 1

ジョナサン・ノットの指揮によるウィーンフィルで
マーラーの交響曲「大地の歌」を聞いている。
全6楽章をヨナス・カウフマンが歌うという企画である。
2016年6月16-22日にウィーン楽友協会大ホール。
かつてバーンスタインがウィーンフィルとの大地の歌で
テノールとバリトンの歌唱で録音をしたというのがあって、
そのバリトンのパートもヨナス・カウフマンが歌っている
という感じだが、アルトとテノールによる通常版の方が
私は好きであり、一人で全曲歌ってしまったというのは
すごいことなのだろうが、鑑賞の点では、変化に乏しい。
緩急や音色の変化でも極めて自在なウィーンフィルだが、
そこをジョナサン・ノットが隙なくコントロールしているので、
あまり遊びがなく、余裕のない印象もある。洗練されて、
透明感が強いので、この作品の泥臭さや大地の香りも
あまり感じられず、美しい演奏であるだけに弱いかも。
しかしやはりウィーンフィルのマーラーはさすがであり、
結局はすっかり聞き惚れて、あっという間の一時間。

SONY 88985389832

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2017年10月26日 (木)

ルドルフ・ブッフビンダー 2

ルドルフ・ブッフビンダーがウィーンフィルと協演した
ベートーヴェンのピアノ協奏曲 第1番と第2番
2011年5月にウィーン楽友協会大ホールでライブ収録。
まずウィーンフィルのしなやかな音色にさすがだ!って、
すぐに引き込まれてしまうのだが、ピアノが入ってくると
ブッフビンダーが美しい音から歯切れのよいリズム、
ベートーヴェンらしい重厚で荘厳な響き、それを流れよく、
実に鮮やかに聞かせており、この熟練の技は素晴らしい。
自由に思うがまま弾いているようで、しっかりとした造形、
伝統の上に成り立った演奏スタイルは確固たるもので、
とにかく感動してしまう。大胆に躍動しているところも
ところどころあって、それはライブならではの魅力だ。
第1番のカデンツァは、ベートーヴェンの作ではあるが、
通常のではない方の版が採用されており、興味深い。

SONY 88883745212

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2017年10月25日 (水)

シャルル・デュトワ 9

シャルル・デュトワ指揮モントリオール交響楽団で
オッフェンバックの「パリの喜び」(ロザンタール編曲)
グノーの歌劇「ファウスト」からバレエ音楽
1983年9月22,23日にモントリオールで収録されている。
洒落ていて、優美で愉快なフランスのバレエ音楽だが、
デュトワが圧倒的に鮮やかな響きでスッキリと仕上げて、
独特な効果である。隅々にまで徹底したコントロールで、
その完成度は、ただ明るく陽気なだけでは終わらせない。
しかし完璧すぎるこだわりの音色には、余裕がないか。
録音が素晴らしくて、聞いている心地よさは格別である。

DECCA 478 9466

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2017年10月24日 (火)

落語研究会 柳家小満ん

落語研究会で放送された小満ん師匠の「髪結新三」。
師匠のは日本橋と関内で二度、聞いたことがあるのだが、
研究会では、昨年の五月と六月、(上)と(下)に分けて、
二回で演じられた。(上)は車力の善八が弥太五郎源七に
拐かしの解決を頼みに行き、源七の女房の勧めもあって、
渋々承諾してもらうところまで。(下)では、源七の交渉が
不首尾に終わり、そこへ大家が現れて、新三をいいように
やり込めていくという、痛快な場面である。一番の悪党は
大家だったというのが面白くて、無宿人の入れ墨新三を
長屋に置いている段階で、かなりの悪徳家主なのである。
三十両のうち、二十両を大家に巻き上げられてしまい、
結局、新三は十両しか手にできないという。しかしその後、
新三はこの件で名を上げ、源七の恨みを買って殺される。

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2017年10月23日 (月)

パーヴァリ・ユンパネン 2

パーヴァリ・ユンパネンのピアノでベートーヴェンを聞く。
ピアノ・ソナタ 変イ長調 作品26「葬送」(2010.6)
ピアノ・ソナタ 変ホ長調 作品27-1(2010.6)
ピアノ・ソナタ 嬰ハ短調 作品27-2「月光」(2012.6)
ピアノ・ソナタ ニ長調 作品28「田園」(2010.6)
クーモ・アートセンターのレントゥア・ホールで収録。
この透明で爽快な流れ、清潔感のある響きは最高だ。
音楽はこの上なく明解であり、鮮やかに知的でもある。
聞いていて、その気持ちよさと楽しさは格別である。
2010年から2012年にかけてのピアノ・ソナタ全集で
これから収録順に聞いていきたい。新時代の名盤。

ONDINE ODE1280-2D

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2017年10月22日 (日)

アルバン・ベルク四重奏団 35

アルバン・ベルク四重奏団の1970年代の録音を
収録順に聞いている。今日はブラームスの作品で
弦楽四重奏曲 第1番と第2番、作品51の2曲。
1976年6月にウィーンのテルデック・スタジオで収録。
アルバン・ベルク四重奏団のブラームスは素晴らしくて、
何とも心落ち着く感じだ。作品は非常に緊張度が強く、
その演奏も厳格に鋭く、落ち着くというのも変だけど。
研ぎ澄まされた感覚と透明感あふれる響きが魅力。
ドイツ的というよりは、やはりウィーンのカルテットで
音楽の根底にその優雅さが存在しているのだろう。

Warner 2564 69606-7

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2017年10月21日 (土)

10月21日の感想

先週からずっと雨で、今日も雨であり、
明日も台風の前で大雨になるという。
その前にみんな、考えることは一緒で
店もたいへん混んでいたし、この雨の中、
車が多く出て、どこも道路が混んでいた。
期日前投票は一時間待ちだったらしい。
10月も下旬でこの時期に台風が来るとは、
台風一過で月曜日からは晴れてほしい。

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2017年10月20日 (金)

ミヒャエル・ギーレン 26

ミヒャエル・ギーレン・エディション(第4集)から
ベルリオーズの幻想交響曲を聞いている。
南西ドイツ放送交響楽団の演奏で1995年12月20日に
フィリンゲン・シュヴェンニンゲンでライブ収録されている。
響きの美しさでスコアの隅々までがいきいきと語り出して、
私は大好きな演奏である。これは素晴らしい幻想交響曲だ。
ギーレンの音の作り方、音楽の構成は徹底して明確であり、
南西ドイツ放送交響楽団が際立って機能的な音色を奏でて
無色透明ながら、こんなにも豊かな音楽を聞かせるのは、
やはりギーレンって最高!スリリングにこの漲る緊張感は、
なかなか得られない感覚。他ではちょっと考えられない。

SWR>>music CD-No.SWR19028CD

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2017年10月19日 (木)

イスラエルフィル 2011/2012

クルト・マズア指揮イスラエルフィルによる
ベートーヴェンの劇音楽「エグモント」 作品84と
交響曲 第7番 イ長調 作品92を聞いている。
2012年3月にテル・アヴィヴ大学でのライブ収録。
クルト・マズアのベートーヴェンは数多くの録音があるが、
イスラエルフィルの魅力が全開であまりにも素晴らしい。
明るく色彩的な響きだが、マズアの求める重厚さもあって、
ベートーヴェンの深い響きに感動する。この数日の寒さで
こうしたエネルギッシュな音楽が聞きたくなってしまった。
秋になって、ベートーヴェンを聞く機会が増えている。

helicon 02-9660

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2017年10月18日 (水)

10月18日の感想

昨日の寝不足と疲れ(激しく筋肉痛)もあるのだけど、
私は体が冷えるとどうも頭痛が出るのであり、
午後からの寒さで頭がガンガンする。こういうときは
お風呂でゆっくりと温まり、体温を上げるのである。
すると頭痛はスッキリ消えるのだが、しかし今日は
早寝することにして、その前に「相棒」の初回拡大版。
夕方、衆議院選挙の期日前投票を済ませてきた。
明日から雨だそうだし、すること済ませて、ホッとする。

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2017年10月17日 (火)

10月17日の感想

埼玉の叔父の家で庭の木が大きくなりすぎてしまい、
伐るのを手伝いに行ってきたのだが、チェーンソーで
木を切り刻んで、ジェイソンになった気分。というのは、
真っ赤なウソであり、木を倒すのって、容易ではなく、
両側から切り込みを入れて、力もいるし、時間もかかり、
ギシギシいいはじめたら、綱で力いっぱい引っぱって、
引き倒すという、大人三人がかりで大変な仕事だった。

夜9時過ぎに出て、1時ちょうどに戻ってきたのだが、
遅い時間で順調だったけど、東名中井での死亡事故で
危険なあおり運転がこれだけ話題になっているのに
夜はやはり今も暴走している車がある。大型トラックで
先を急いでどこへ行こうというのか?スピードを出して、
抜きたがるのは外車である。性能を自慢したいのか?

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2017年10月16日 (月)

小満ん語録~左平次

来月の柳家小満んの会の案内ハガキが届き、
「居残り佐平次」にちなんでの師匠の一言だが、
「左平次」とは、出しゃばり、さしで口、おせっかい、
また、さしで口をきく人、おべんちゃらを言う人、
というので使われるそうである。歌舞伎の台詞に
こういうのがある。「いらざる家老の左平次にて」
「居残り」とは、金が払えず止め置かれることだが、
「居残り佐平次」の左平次(落語では佐平次)に
そんな意味があったとは、ちっとも知らなかった。

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2017年10月15日 (日)

10月15日の感想~日没

秋のつるべ落としとこの数日の雨で
日暮れが早く、急激に寒いのだが、
今日の日の入りは、17時07分である。
毎日、1分ずつ日没が早まっているが、
10月21日(土)には、16時59分となり、
11月28日からしばらくの間が16時29分、
12月5日と6日の16時28分が最も早い。
そして12月13日までが16時29分である。
日が短いが秋の夜長を有効に楽しみたい。

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2017年10月14日 (土)

ウォルフガング・サヴァリッシュ 8

ウォルフガング・サヴァリッシュ指揮ロンドンフィルで
ブラームスの交響曲全集を収録順に聞いてきた。
交響曲 第3番 ヘ長調 作品90で完成である。
1991年12月にアビー・ロード・スタジオで収録。
実はこの交響曲第3番と大学祝典序曲のCDだけ
発売と同時に買っており、最初のも持っているのだが、
その当時に感じていたことは、誠実で渋い演奏ながら
聞くほどに味わいがあって、サヴァリッシュはさすがと
しかしいま聞くとまた少しずつ感じ方も変わっており、
豪快な力強さもあるし、思い切って鳴らす歌も魅力。
作りごとがないので、ブラームスの音楽の真実に
ふれている気がして、こういう演奏こそ大切である。

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2017年10月13日 (金)

ウラディーミル・アシュケナージ 18

ウラディーミル・アシュケナージのピアノによる
ベートーヴェンのピアノ三重奏曲を聞いてきた。
イツァーク・パールマン、リン・ハレルと共演。
ピアノ三重奏曲 第6番 変ホ長調 作品70-2
ピアノ三重奏曲 第7番 変ロ長調 作品97「大公」
1982年2月22-24日にニューヨークのRCAスタジオ。
アシュケナージのピアノが明るいきれいな音で最高だ。
有名な「大公」に比べて、第6番は親しみなかったが、
今回、アシュケナージの魅力的な演奏で聞き込むと
これがまた楽しい。優美で軽やかに穏やかな作品かと
それが次々に変化し、独特の重厚な響きも加わって、
ベートーヴェンならではのユーモアにあふれている。
響きの変化もだが、技法の宝庫ともいえて、面白い。
「大公」はベートーヴェンの代表作品のひとつだが、
特に第3楽章などはロマン派の先駆けともいえて、
ベートーヴェンの後期の作風が現れる傑作である。

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2017年10月12日 (木)

圓朝速記~真景累ヶ淵(四二)

三蔵がお累を見舞っている場面はさらに続く。

三蔵「私が余(あんま)り小言を云ったのは悪うございました、
ついお前の身の上を思うばっかりに愚痴が出て、
病人に小言を云って、病に障る様な事をして、
兄(あに)さんが思い切りが悪いのだから、
皆定まる約束と思って、もう何(なん)にも云いますまい、
小言を云ったのは悪かった、堪忍して」
與助「誰エ小言云った、能くねえ事(こっ)た、
貴方(あんた)正直だから悪(わり)い、
此の大病人に小言を云うってえ、此の馬鹿野郎め」
三蔵「何(なん)だ馬鹿野郎とは」

三蔵がお累のことを深く思い遣っている台詞だが、
與助の「馬鹿野郎め」のやり取りは、笑えるところ。

三蔵「蚊帳を持って来たから釣りましょう、
恐ろしく蚊に喰われた、釣手があるかえ」
お累「釣手は売られないから掛って居ります」

お累は冗談をいえる様子ではないのだが、
釣手は質に入れられない…というのも上手い台詞。

三蔵「アヽ鼻血が出た、與助、男の鼻血だから
仔細はあるまいけれども、盆凹(ぼんのくぼ)の毛を
一本抜いて、ちり毛を抜くのは呪(まじねえ)だから、
アヽ痛(いて)え、其様(そんな)に沢山抜く奴があるか、
一掴(ひとつかみ)抜いて」
與助「沢山(たんと)抜けば沢山験(き)くと思って」

お累の死を予言する不吉なことが起こるのだが、
鼻血を止める呪いにちり毛を抜くというのがあるのだ。

三蔵「アヽ痛」
與助「何(ど)うかしましたかえ」
三蔵「下駄の鼻緒が切れた」

不吉なことはさらに続くのである。
圓朝のこうした表現がやはりすごい。

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2017年10月11日 (水)

エリーザベト・レオンスカヤ 1

エリーザベト・レオンスカヤでシューベルトの作品を
収録順に聞いていきたい。これが最初の録音で
「さすらい人」幻想曲、ピアノ・ソナタ ト長調 D.894
1988年11月にベルリンのテルデック・スタジオで収録。
音色的には美しい演奏だが、やはり硬質な響きである。
この時代だとそれはソ連のピアニストの伝統ともいえて、
スケールが大きいのと音楽をクリアに構築していくのは、
ロシア的なシューベルト解釈であるようにも思われる。
作品の特徴として、幻想ソナタは柔らかい響きだが、
全体としては、鮮やかに強い意志と信念が感じられて、
やはり独特の印象はある。リヒテルやギレリスに通じ、
どうしても一括りに考えてしまうが、その世界観である。

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2017年10月10日 (火)

アリシア・デ・ラローチャ 7

アリシア・デ・ラローチャでアルベニスの「イベリア」、
昨日に続き、第4集「マラガ」「へレス」「エリターニャ」
ナバーラと組曲「スペイン」より「グラナダ(セレナータ)」
「カタルーニャ(コランダ)」「セビーリャ(セビリャナス)」
「カディス(カンション)」「アストゥリアス(伝説)」
「アラゴン(ファンタジア)」「キューバ(カプリッチョ)」
「カスティーリャ(セギディーリャ)」という選曲である。
1986年10,12月にケンブリッジ音楽大学で収録。
あまりにも素晴らしい。とにかく釘付けになる感動だ。
スペインの音楽はスペイン人でないと表現できないと
よくいうが、ラローチャのアルベニスはまさにそれで
細やかな表情付け、独特の揺らぎは天性のもの。
複雑なリズムによる超絶技巧だけど、正確すぎても
それはつまらないだろうし、工夫したからといって
作りものの効果では興醒めである。その絶妙さで
ラローチャでなくては出せない世界がそこにある。

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2017年10月 9日 (月)

アリシア・デ・ラローチャ 6

アリシア・デ・ラローチャでアルベニスの「イベリア」、
第1集「エボカシオン」「港」「セビーリャの聖体祭」
第2集「ロンデーニャ」「アルメリア」「トリアーナ」
第3集「アルバイシン」「ポーロ」「ラバピエス」
1986年10,12月にケンブリッジ音楽大学で収録。
緩急も強弱も自在度が増して、あまりに感動的である。
音色の美しさ、透明感がまず魅力、その煌めきは絶品、
繊細な表現に引き込まれるが、躍動感と運動性も最高。
何て素晴らしい演奏なのか。アリシア・デ・ラローチャは、
この1980年代半ばから1990年代にかけて、数多くの
録音を残しているが、すでに大ベテランの域にあって、
しかしこの超絶技巧で難曲とされている「イベリア」を
余裕をもって、鮮やかに描き出しているのを聞くと、
円熟の芸とまさに絶頂期にあったことを思わされる。
明日は後半の「イベリア」第4集と組曲「スペイン」。

DECCA 478 0388

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2017年10月 8日 (日)

10月8日の風景~鎌倉の海

満員電車の江ノ電を七里ヶ浜で下車。
池田丸で刺身定食を食べた後、稲村ケ崎へ。

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七里ヶ浜から稲村ケ崎への海岸線。

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目の前に稲村ケ崎を見る岩場。

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稲村ケ崎の展望台から江の島方面を見下ろす。

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江の島に移動して、逆に稲村ケ崎の方面を見る。

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江の島の反対側まで歩き、岩屋の手前の岩場。

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2017年10月 7日 (土)

ミヒャエル・ギーレン 25

ミヒャエル・ギーレン・エディション(第4集)から
ラフマニノフの交響詩「死の島」 作品29を聞いている。
南西ドイツ放送交響楽団の演奏で1993年8月19日に
バーデン・バーデンのハンス・ロスバウト・スタジオで収録。
ギーレンのラフマニノフというと珍しい印象があるのだが、
「死の島」を取り上げているというと頷けるところもあるか。
しかし非常に鋭い音作りで、明瞭な解釈は明るい響き、
透明感を生み出して、ロシア色は薄まって、ギーレン流。
細部の描き込みが徹底して緻密であり、私は好きである。
この雰囲気そのままで交響的舞曲を聞いてみたいところ。

SWR>>music CD-No.SWR19028CD

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2017年10月 6日 (金)

ウォルフガング・サヴァリッシュ 7

ウォルフガング・サヴァリッシュ指揮ロンドンフィルで
ブラームスの交響曲全集を収録順に聞いている。
交響曲 第1番 ハ短調と運命の歌、大学祝典序曲で
1991年4月にアビー・ロード・スタジオで収録されている。
まさにスタンダードな遊びや揺れのないブラームスで、
サヴァリッシュならではの引き締まった演奏に感動する。
この渋さのその値打ちは当時の私にはとてもわからず、
25年が経過して、今となっては心に響いてくるのである。
とはいえ、昔からN響を指揮しているサヴァリッシュの
大ファンではあったのだが。日本で格別の存在である。
運命の歌も素晴らしく、そして有名な大学祝典序曲の
重厚で迫力の響きは圧倒的。気合いがこもっている。
サヴァリッシュは聞けば聞くほどに偉大な指揮者だ。

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2017年10月 5日 (木)

ロイヤル・コンセルトヘボウ

マリス・ヤンソンスの指揮によるマーラーで
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団のライブ盤。
今日は、交響曲 第4番 ト長調を聞いている。
独唱は、ソプラノのドロテア・レシュマンである。
2015年2月11,12日にアムステルダム・コンセルトヘボウ。
ヤンソンスのアムステルダムでのマーラーは、この録音で
終わりとなる。バイエルン放送交響楽団に引き継がれる。
この曲にぴったりの清々しい響きで実によい流れである。
豊かに歌い込まれているけれど、透明感のある仕上がりで
このバランス感覚は、まさにヤンソンスという感じがする。
マーラーの交響曲では、規模の小さい第4番なのだけど、
ヤンソンスのコンセルトヘボウでの集大成といえるような
そんな密度の高い名演に感動した。録音も素晴らしい。

RCO 15004

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2017年10月 4日 (水)

新宿末廣亭 10月上席

朝日新聞の懸賞で末廣亭の平日券が当たって、
新宿の10月上席、昼のトリは志ん弥師匠で、
小満ん師匠も出ているし、末廣亭に行ってきた。

昼席
林家やまびこ:寿限無
古今亭ちよりん:本膳
ニックス:漫才
古今亭菊生:親子酒
三遊亭歌奴:初天神
ダーク広和:奇術
古今亭菊春:お血脈
橘家圓太郎:強情灸
ひびきわたる:キセル漫談
古今亭菊太楼:子ほめ
柳家小袁治:犬の目
柳家小菊:俗曲
柳家小満ん:締め込み
-仲入り-
蜃気楼龍玉:ぞろぞろ
ロケット団:漫才
古今亭菊之丞:短命
林家鉄平:代書屋
翁家小楽・和助:太神楽曲芸
古今亭志ん弥:幇間腹

菊生さんが「親子酒」で、息子が仕事先で飲まされてくるけれど、
「麹町の中澤さんに行ってきた」を連呼して、袖にいるのか?
続いて出てくる歌奴さんを意識して、思わず笑ってしまった。
やはり圓太郎さんがすごくよくって、歌奴さんや菊太楼さんと
若手の真打が絶好調の印象で、でも噺は定盤のネタというか。
私は小袁治師匠が大好きで、しかし「犬の目」はちょっと苦手。
一番嫌いな噺は「不精床」なのだけど、「犬の目」も同じく嫌い。
それでも小袁治師匠のお喋りは心地よくて、まあ、いいかと。
小満ん師匠は泥棒のマクラ、小噺から「締め込み」だった。
間男と思い込んで大暴れに怒っている旦那と風呂から帰って、
何をそんなに怒られているのか?意味も分からず、理不尽で
ヒステリックな反応をしているおかみさん、その喧嘩は恐ろしく、
一気に緊張が走るのだが、やかんの煮え湯を浴びた泥棒が、
まるで幇間の対応で、喧嘩の仲裁をするのは楽しいのである。
すっかり緊迫は和らいで、泥棒が「これを機に御贔屓願います」
このサゲは文楽師匠の形だと師匠にお聞きしたことがある。
菊之丞さんが「短命」で、夜席はこみちさんの真打披露なのに
この噺はあり?って、昼夜替われば、関係ないのだろうか。
その点では、お目出度い「寿限無」で開口しているのだけど。
昼のトリは、志ん弥師匠である。幇間のマクラになったので、
「愛宕山」を期待したいところだったけれど、時間も足りずに
幇間の小噺もたくさんで、若旦那の登場、「幇間腹」だった。
昼席のトリだし、軽い展開で16時30分にぴったりの終演。
帰りに「追分だんご」に寄って、豆大福の土産を買ってきた。

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2017年10月 3日 (火)

クラウディオ・アバド 39

アバドの指揮によるチャイコフスキーの交響曲を聞いてきた。
ウィーンフィルの演奏で、交響曲 第4番 ヘ短調 作品36
1975年8月にウィーン楽友協会大ホールで収録されている。
アバドのチャイコフスキーは、協奏曲の録音もいろいろあるが、
ひと通りこれまで聞いてきたので、そちらは今回、よしとして、
すると交響曲を中心に、これですべて聞いたことになると思う。
やはりウィーンフィルの演奏が素晴らしい。しなやかさと色彩、
しかしその音楽は力強く、この表現の幅はウィーンならでは。
独特の魅力があると思うし、これを聞いてしまうと格別の輝き。
今さらながらに気付くのも遅いのだが、アバドは若い頃から
やはり圧倒的な統率力を発揮して、カリスマだったのだと。
クライバーもウィーンフィルを指揮していたし、すごい時代だ。
ベーム、カラヤンがいて、そのまわりに若いメータ、ムーティ、
ドホナーニもいて、1970年代の録音はもっと聞かなくては。

CDR922

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今日の月は…月齢12.9

20171003a

日没(17時23分)から少しした17時33分に
東の空の低いところに上ってきた月齢12.9の月。

20171003b

ちょっと蒸し暑い感じで赤い月は妖しい印象。
明日、10月4日が中秋の名月(月齢13.9)である。

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2017年10月 2日 (月)

シャルル・デュトワ 8

シャルル・デュトワ指揮モントリオール交響楽団で
リムスキー・コルサコフの交響組曲「シェエラザード」
スペイン奇想曲を聞いている。1983年5月5,6日、
1983年9月22,23日にモントリオールで収録されている。
デュトワの「シェエラザード」は、やはり名盤として有名で、
シャープな仕上がりで引き締まった演奏としての代表盤。
ロシア的な感じではなく、やはりフランス系の音色である。
オリエンタルな「シェエラザード」からぐっと趣きを変えて、
スペイン奇想曲となるが、こちらがますます素晴らしい。
ラヴェルやドビュッシーでもスペインの響きは聞けるが、
デュトワのスペイン音楽は天下一品。心が躍ってしまう。

DECCA 478 9466

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2017年10月 1日 (日)

アマデウス四重奏団 9

アマデウス四重奏団によるベートーヴェンの弦楽四重奏曲を
録音年代順に聞いている。第10番 変ホ長調 「ハープ」と
第11番 ヘ短調 「セリオーソ」で、中期から後期への作品。
1960年5,6月にハノーヴァーのベートーヴェン・ザールで収録。
ベートーヴェンの作曲技法は、圧倒的に高度なものとなって、
緻密な音楽が強い集中力で、凝縮されて、表現されているが、
「セリオーソ」では、そこに鋭さと激しさが加わって傑作である。
アマデウス四重奏団の演奏は、気合いが入って、力強い音色、
豪快な主張で迫ってくるのが本当に感動的で、これぞ名演だ。
「ラズモフスキー」も好きだけど、私はこの「ハープ」がいい。

DG 463 143-2

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