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2017年11月15日 (水)

ズービン・メータ 17

ズービン・メータの指揮によるイスラエル・フィルの演奏で
プッチーニの歌劇「ボエーム」、昨日の続きで第3幕と第4幕。
1999年1,2,7月にテル・アヴィヴのマン・オーディトリウムで収録。
第3幕は、病の影が忍び寄るミミに冷たく厳しい冬の情景だが、
メータの音はちょっとたっぷり鳴っている印象か。響きも明るく、
イスラエル・フィルの音にやはり色彩があるので。透明感では、
モノトーンな感じでもここは効果が上がる。この後の春の場面で
第4幕との関係でも対比や変化が欲しかったところではある。
音だけで聞いているので、余計にそう感じるのかもしれないが、
しかしよく歌われて、音楽が作りだす空気と情感は素晴らしい。
それにしても「ボエーム」のこの後半の流れは、感動的である。
第4幕でコッリーネが外套に別れを告げる場面は有名だが、
芸術家仲間たちのロドルフォとミミへの友情にも心打たれる。
そしてふたりきりになって、ミミはロドルフォに想いを伝えるが、
出会った頃の幸福を振り返り、音楽では第1幕のその場面が
回想され、プッチーニの描き出すその微妙な色合いが見事で
オペラの人気作だけど、やはり傑作だ。最高の名場面である。
ミミの死で悲劇の結末だけど、この作品には、歌劇によくある
裏切りや憎しみが存在せず、ロドルフォとミミのふたりの愛が
すべての人によって祝福されているところが珍しい。ちなみに
この歌劇「ボエーム」には、ワーグナーの楽劇からの引用が
所々あると私は思っているのだが、メータはそこを聞かせず。

DECCA 464 060-2

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