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2018年3月13日 (火)

第290回 柳家小満んの会

今月も13日の小満んの会で夕方から日本橋へ。
横須賀線で急いで新日本橋まで。汗ばむ暖かさ。

柳家小多け:真田小僧
柳家小満ん:泣き塩
柳家小満ん:道具の意地
柳家小満ん:百年目

「泣き塩」は「在庫棚卸し(2014)」で聞いて以来だが、
今回は筋も知っていて、すると場面ごとの滑稽ぶりに
思わず笑ってしまった。というのは、若侍の悔し涙や
塩屋の爺さんの涙脆さが、少々臭いところもあって、
そこが面白さなのである。それを眺めている野次馬で
江戸っ子の早合点がすべての間違いの元なのだが、
こうしたいい加減なやり取りは、度々登場してくるので、
きっと江戸っ子らしい特徴なのであろう。江戸の風景だ。
知られている岡鬼太郎作の「意地くらべ」とは別なのだが、
道具の「意地くらべ」があると師匠から聞いたことがあって、
思い出されたが、それが今日のこの噺だ。四代目圓喬の
速記が残されており、お菓子の話題にはじまり、この辺は
名人圓喬もまた、明治の頃の名菓子を紹介するマクラだと
それからお茶の話題になり、茶事の様子も面白おかしく、
噺に入り、菓子とお茶に共通の道具の話になるのである。
耳の遠い旦那が、道具屋の持ってきた十五両の茶碗を
十両で買うと困らせて、年寄りの頑固、意地っ張りだが、
実はすっかり聞こえているようでもあり、足りない五両は
負け賃として、別に用意しているという、ちょっとした遊び。
騒動が店の方にも聞こえてきたものだから、見かねて、
若旦那はこっそりと道具屋に五両を渡す。それが余計で
道具屋も意地で返そうとするが、貰っておきなというのに
今度のために取っておいてくださいというのがオチである。
そして「百年目」だが、流れがよくて、台詞もコンパクト、
大ネタの長い印象を感じさせない、スッキリとした展開だ。
堅物で小言を連発するやかましい番頭さんはいかにもだが、
旦那は細かく帳簿を確認したりせずに、そこは、昨晩、
実は確認したのかもしれないけれど、それにはふれずに
むしろ番頭さんの粋な心得のあることにすっかり安心して、
心置きなく暖簾分けができると別居が決まるのである。
よって旦那のお説教もシンプルであり、天竺の栴檀の話も
番頭さんへのはなむけの言葉になっていた。もっと練って、
言葉も増えると当然、時間的にも長くなってくるのだが、
逆に今日の展開だと寄席のトリでも行けそうな感じである。
「道具の意地」でも話題に上っていたが、長命寺の桜餅を
旦那が向島で土産に買ってきたようで、翌朝の場面では、
番頭さんのお茶請けに桜餅が振る舞われていた。春だ。
ということで、来週の月曜日、19日は横浜の小満んの会、
演目は「家見舞」「お茶汲み」「花見の仇討」の三席である。

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