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2018年7月19日 (木)

第146回 柳家小満んの会

横浜での小満んの会で夕方から吉野町へ。
出るのが少し遅くなってしまって、この暑さで
汗かきながらヘトヘトになって会場に到着。

春風亭朝七:のめる
柳家小満ん:道具屋
柳家小満ん:麻のれん
柳家小満ん:付き馬

小満ん師匠の「道具屋」は、髭抜きやお婆さんの木魚で
長い型だが、教わったのは五代目小さん師匠なのだけど、
四代目小さんの「道具屋」だそうである。目白の師匠は、
自分が四代目から教わった通りに稽古を付けてくれたと
以前にお話を聞いたことがあった。四代目の型の特長は
与太郎が洒落ていて、台詞の一つ一つで気がきいている。
36歳の与太郎は、与太郎なりに人生経験を積んでいる。
おじさんに元帳をもらって、儲け方を教わり、儲かった分で
旨いものでも食ってこいといわれるのだが、天婦羅の屋台が
出ていて、客の冷やかしに付き合って、時間ばかりが過ぎ、
だんだん腹が減ってきて、無茶に儲けようとするところが
面白い。元帳で五円の小刀を客は三円で買うといい出すし、
ガラクタ同然の品物で、刃先が痛んで、「先が切れなくて、
元が切れてしまいます」というオチ。ここも難しいことを
いっていて、与太郎の馬鹿と天才は紙一重なのであり、
四代目小さんの凄いところだ。「お雛様の首が抜けます」
「値は?音はズドーン」とかだと与太郎はかわいらしい。
今日の「道具屋」「麻のれん」とこれらは「棚卸し」で
聞いているのだが、師匠の「麻のれん」も洒落ている。
それは按摩の杢市さんが、枝豆で直しを飲む辺りだが、
今回、聞いて、この噺は夏だなって強く感じたのは、
蚊帳の中に上手く入れなくて、蚊に刺されるところである。
暑い夏の夜がすごく伝わってきた。蚊帳が重要であり、
それはわかっていたのだけど、なぜか蚊の飛び交う音に
夏を感じてしまった。ちょっと皮肉なことのようにも思うけど、
それだけ蚊に悩まされている。そういうことかもしれない。
「付き馬」は、2013年の日本橋の会で演じられていると
記録してあるが、私は聞き逃して、師匠でははじめて聞く。
吉原の若い衆が、客に引っ張りまわされて、大門を出て、
浅草まで来て、観音様にお参りして、最終的に田原町で
早桶屋さんのところまで来るのだが、浅草の描写では、
他の噺家さんとはかなり違っている。粋で通な浅草案内。
雷門が慶応の火事で焼けて、再建されず、門がないのに
雷門と呼ばれているというところに時代が感じられるが、
昭和35年に再建されるので、つまりは明治から大正、
それか昭和の初期、前半という感じで、朝飯の湯豆腐が
二人前で五円弱という感じだから、昭和なのだろうけど、
一晩、盛大に遊んで、五十円、巨大な早桶の木口代、
つまり材料費だけで二十円とそこに雰囲気を感じる。
最後の早桶屋さんのところでちぐはぐな会話ながら
「拵える、拵える」と見事に若い衆が騙されてしまって、
その辺はとにかく面白いのだが、極悪ながら傑作!
ということで、次回は9月20日(木)の第147回であり、
「お見立て」「疝気の虫」「試し酒」の三席。楽しみだ。

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