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2018年7月13日 (金)

第292回 柳家小満んの会

13日で小満んの会である。夕方から日本橋へ。
横須賀線で新日本橋へ行ったが、電車を降りて、
駅構内は暑いし、地上へ上がってくるとさらに暑く、
この蒸し暑い空気で、それでなくても体力消耗。

春風亭朝七:牛ほめ
柳家小満ん:浮世床
柳家小満ん:化物娘
柳家小満ん:涼み船

小満ん師匠の「浮世床」を聞くのは、今回がはじめてで、
寄席版とは違って、いろいろな挿入もあって、本と夢の間に
将棋の場面があり、駒の進め方で差しながら洒落をいい合う。
夢の後、髪結の親方が、代金を置かずに帰った者がいると。
畳屋の職人だから、とってきてやるということになるのだが、
「畳屋だけに床を踏みに来た」というオチ。畳の芯が畳床で、
藁やら土を踏み固めて作るのであり、畳屋の用語としては
イメージできるのだが、「床を踏む」で調べてみたのだが、
よくわからなかった。「太閤記」を読み上げる本の部分は、
くどくてしつこく、あまり好きじゃないのだが、でもなぜか?
小満ん師匠だと不思議に素直に笑えた。つかえて先に
進めないというのではなくて、読み違えて、間違えている、
音が異なると意味まで違ってきて、そうした言葉遊び的な
もって行き方なので、そこが重要なのかも。しつこくって、
もういいと不愉快になってくるのは、吃音的な演り方だ。
「化物娘」は、「本所の七不思議」のひとつだそうである。
実は行く前にちょっと検索してみたら、あらすじが出てきて、
つい読んでしまったものだから、話をしっかりなぞって聞いて、
年頃の娘さんを化物扱いするという、とんでもない噺ながら、
面白くて、大いに笑ってしまった。了見が問われてしまう。
禽語楼小さんというから明治前半の二代目の小さんだが、
速記(百花園)が残っていると書いてあって、近いところでは
志ん生師匠の録音が残されているらしい。帰ってきてから、
改めて落語事典で調べてみたのが掲載はなく、どことなく
圓生師匠の「遠山政談」に似ているのだが、それは別の噺。
「涼み船」は「汲みたて」である。しかしそこはサゲが違って、
「糞でも食らえ!」「食ってやるから持ってこい!」と船と船で
いい争っているところに肥船が一艘、抜けていくのではなく、
熊さんだったか、風呂上がりに師匠のところで一杯飲みたい、
刺身が食いたいと、なのに煙草まみれの湿気た塩煎餅を
食わされたものだから、食い物の恨みは恐ろしいのであり、
師匠と栄さんの船に飛び移ってきて、殴りかかると思いきや
「一杯飲ましてくれ!」と頼み込むオチ。抜け駆けをして、
師匠といい仲になった栄治を袋叩きにしてやろうという
なんとも物騒な展開なのだが、そういう嫌な雰囲気はなくて、
ただ陽気に楽しい印象なのは、小満ん師匠の工夫であろう。
肥船の「汲みたて」が出てこないので、よって題名も変わり、
「棚卸し」の際に「囃子船」の題名で演じられていたのだが、
その後、三遊亭圓右の公演記録に「涼み船」を見付けて、
内容は不明ながら、師匠はその題名が気に入られたそうで
今後は「涼み船」で演じてみたいとお聞きしたことがあった。
今回は「浮世床」と「涼み船」と仲間がワイワイ盛り上がり、
夏のノリでドタバタ騒動も沸き起こるものだから、より一層、
楽しく、笑って、なんとも心地のよい小満んの会であった。
ということで、来週19日の木曜日が横浜での小満んの会、
「道具屋」「麻のれん」「付き馬」の三席である。楽しみだ。

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