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2018年8月19日 (日)

黒門亭で一左・小きん・小満ん

小満ん師匠を聞きに黒門亭に行ってきた。
昨日、今日と暑くなかったので、8月も終わりに近づき、
少しずつ秋の空気を感じる。また夏は戻ると思うのだが。

第2部
柳家り助:二人旅
春風亭一左:鈴ヶ森
柳家小きん:阿武松
米粒写経:漫才
柳家小満ん:応挙の幽霊

はじめて聞く前座さんであったが、めくりは「前座」で
帰りにわかったのでは、柳家り助さんであった。
海舟さんのお弟子さん。つまり大師匠は小里ん師匠。
「二人旅」で旅の気分。季節はないが、旅といえば夏。
一左さんが泥棒の噺に入り、これは「出来心」かなって
聞きはじめたのだが、「鈴ヶ森」であった。親分の泥棒も
少々ドジな印象で、二人そろって抜けているのが面白い。
「鈴ヶ森」を聞くといつも喜多八師匠を思い出してしまう。
言い回しだけでなく、息遣いや言葉の抑揚の中にも
師匠は生き続けている。話芸の継承であり、すごいこと。
小きんさんが「阿武松」で、出世相撲でおめでたいのだが、
いい噺なのだけど、最初から最後まで米と食にこだわって、
戸田の渡し、板橋宿の旅籠で米を夢中で食べるところは
やはり面白い。まだ一度も満腹というのを知らないのだ。
トリは小満ん師匠で、お馴染みの「応挙の幽霊」である。
何度か聞いているが、今日が一番というぐらいによかった。
道具屋さんに関するマクラが、師匠の経験と知識に基づく、
独特の深みがあるのだけど、その流れで道具屋の描写、
店の様子などが、まさに映像になっていて、よくわかる。
そこが違うのである。幽霊を相手に祝杯を上げるのは、
市で見付けたスコッチウイスキーの「スマグラー」であり、
日本酒と違って、それはウイスキーの酔いだからか?
幽霊の洒落が、気が利いて、英語、オランダ語混じりの
その緩い雰囲気がたまらない。絶妙な空気感である。
「京都に来た応挙先生が描いてくれた本物よ」だけど、
その「応挙先生が偽物だった」は笑ってしまう。最高だ。
「ゴースト・ゴー・ホーム!」で、絵の中に戻すけれど、
すっかり酔っぱらってしまった幽霊は、何とも行儀が悪く、
腕枕で寝込んで、朝には旦那が引き取りに来るのだから
きちんと幽霊の格好に戻ってくれと道具屋が必死に頼み、
その慌てぶりはいいのである。師匠の「応挙の幽霊」は
聞けば聞くほどに魅力的。すっかり楽しくなってしまった。
幽霊なのに…。陰気な噺が人を陽気にしてくれるのは、
それは師匠の工夫であり、洒落心、大満足であった。

20180819

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