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2018年11月17日 (土)

黒門亭で文雀・木久蔵・一九

一九師匠が「にらみ返し」で黒門亭に行ってきた。
年末ネタがいよいよスタート。文雀さんも楽しみ。

第2部
春風亭与いち:道灌
桂ぽんぽ娘:シングルデブ
桂文雀:七五三
林家木久蔵:天狗裁き
柳家一九:にらみ返し

開口一番は一之輔さんのお弟子で与いちさんだが、
お馴染みの「道灌」だけど上手い。ぽんぽ娘さんにも
ほめられていたが、今年の一月下席からでまだ一年目。
上方からぽんぽ娘さんが出演で、聞くのははじめてで
どんな人かと昨日、調べたぐらいだが、面白かった。
クリスマスの新作で「ジングルベル」からの連想により
それを「シングルデブ」と読み替えるとできてしまう噺。
最後はなんとなくハッピーエンドの展開でかなり爆笑。
自虐的で台詞にも毒の多い印象だけど、後味はいい。
文雀さんは、金馬師匠から教わったという珍しい噺で
それは季節…というか時期の限定される噺で今月、
ちょうど今頃がいい七五三にまつわる噺なのである。
八五郎が二軒の祝いに行くのだが、七五三と還暦。
それがどちらも日延べにしたいといい、理由を聞くと
包みを拾って、中身は坊さんの袈裟や数珠だった。
蜀山人の狂歌で機嫌を治させようとするのだが、
七五三は上手くいったのに還暦の方でやり損う。
数珠の珠数だけ長生きすると百八と思ったところに
五十四しかなくて、還暦の歳数よりも少なかった。
いい噺が聞けた。まさに珍品で、これは宝である。
仲入り後、木久蔵さんが父木久扇さんのマクラで
鉄板ネタなのだろうけど、やはり面白い。噺の方は
お馴染みの「天狗裁き」で、しかしかなり独特であり、
木久蔵ワールドである。夢の聞き出し方は強烈だ。
今日のトリは一九師匠で「にらみ返し」は大好き。
流行語大賞のノミネートで一年を振りかえりつつ、
この空気感が大晦日で「にらみ返し」の特徴である。
何も喋らず、にらみ返して、掛取りを撃退するので
後半は顔芸になってしまうのだが、煙管を使って、
その顔の恐ろしさ、目付きの恐さで何ともよかった。
はじめのうちは威勢がよかったのが、途中からは
怯えながらにヘラヘラ愛想笑いをする那須正和が
言訳屋の恐い顔との対比で、恐い顔同士だったら
収まらず、すっかり圧された負け顔が重要である。
にらみ返す恐さばかりに気が行ってしまうが、実は
それで怯えて、隙を見て逃げ出す掛取りにも注目。
「にらみ返し」は顔の変化、表情で見せる噺であり、
そこに魅せられた素晴らしい一席を楽しんできた。

20181117

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