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2019年6月30日 (日)

メルヴィン・タン 1

メルヴィン・タンの「師と弟子」による作品集から
ベートーヴェンの6つのバガテル 作品126
ピアノ・ソナタ 第30番 ホ長調 作品109
ツェルニーのロードの主題による変奏曲 作品33
ベートーヴェンがある英雄の死を悼む葬送行進曲
リストのピアノ・ソナタ ロ短調という選曲。
2015年11月19-21日にサフォークのポットン・ホール。
メルヴィン・タンというとフォルテ・ピアノのイメージで
古典派の作品を専門にしているという認識であったが、
現在は通常のピアノでリストまで、これは注目である。
聞くとピアノの響きはすごく自然で、違和感は微塵もなく、
とは思ったのだが、進むとやはりピリオド奏法の経験は
随所に活かされており、それは表現・解釈上での話だが、
ベートーヴェンのピアノ・ソナタなど、細部は独特である。
後期の作品に特有のロマン派的表現を最大に引き出し、
変奏曲の特徴を発揮させて、各変奏の描き分けなどは、
個性的に際立っている。リストのピアノ・ソナタも最高で
ベートーヴェンから弟子のツェルニー、そしてリストへ
受け継がれていく伝統とピアノの発展の歴史の中で
作品の解釈は、古典派に寄りそう演奏かもしれないが、
抑えられた色彩とシンプルな響きが、かえってむしろ
リストが獲得した極限の表現を示す結果となっている。
こうした演奏を聞いていると最新のスタインウェイで
メルヴィン・タンの弾くショパンが聞いてみたくなる。

ONYX 4156

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