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2019年9月13日 (金)

第299回 柳家小満んの会

13日の小満んの会で夕方から日本橋へ。
中秋の名月だが、急に涼しくなって秋が来た。


柳亭市松:牛ほめ
柳家小満ん:搗屋幸兵衛
柳家小満ん:たちきり
柳家小満ん:百川


今回の三席は、そのままで小言がテーマの噺かと。
「搗屋幸兵衛」は「小言幸兵衛」なので、まさに小言。
続く「たちきり」では、若旦那が叔父さん、叔母さんに
小言を食らって、もう勘当になる寸前の情景である。
「百川」では百兵衛さんがしくじって、河岸の連中の
荒っぽい苦情にすっかりお手上げ。小言が満載だ。
「搗屋幸兵衛」は志ん朝師匠の録音をかなり以前に
聞いているけれど、久しぶりですっかり忘れていまい、
こういう噺だったかと面白かった。「小言幸兵衛」との
違いというのは、幸兵衛さんが自分の話をしている。
町内の搗米屋が引っ越してしまい、すると長屋では、
搗米(精米)に関して、不便なので、新しい搗米屋が
引っ越してくるのを待っている。大家も同業の店子を
入れようと待っていたと思わせながら、実は違って、
仕返しをしたいという個人的な恨みだったのである。
昔のおかみさんとその妹を搗米屋に殺されたという、
少々妄想に近い大家の思い込みだが、だとすると、
現在の横にいるおかみさんは、一体、誰なのか?
幸兵衛さんは、ちょっと思い込みが激しくて迷惑だ。
小満ん師匠の「たちきり」は、今回がはじめてである。
東京ではさん喬師匠のイメージが強いが、特に後半、
三味線が鳴り出してからの展開は短く、思い出話や
めそめそと涙の場面はないので、サッパリの印象。
という点では、やはり親族会議の若旦那の勘当で
蔵に押し込められるまでがたっぷり描かれている。
番頭さんは若旦那のことを追い込んでいるようで、
実は心根を入れ替えさせようと忠義の人である。
柳橋芸者のこてるからの手紙が半年続いたなら、
身請けをして、若旦那と一緒にしてやろうと考え、
いろいろ先々のことまで考えている。しんみりして、
悲しい噺だが、オチの「線香が断ち切れました」は、
置き屋のおかあさんがちょっと滑稽で暗くはない。
ここで思ったのだが、芸者のこてるの思い込みで
それが強すぎて、結果、体を壊して死んでしまい、
「百川」でも百兵衛さんの勝手な思い込みから
大事件が起こってしまうわけだから、ここでの
三席に共通するものって、「思い込み」でもいい。
まあ、いつもながら考えすぎであろう…とは思う。
それでお馴染みの「百川」だが、小満ん師匠は、
日本橋のご当所噺と今日もいっておられたが、
第250回の小満んの会でも取り上げられた。
7月13日だったけど、8年前ということになるか。
その翌年か、少しして横浜の会でも演じられた。
「百川」はいい。私も大好きな噺である。面白い。
実話を元にしているというが、ちょっとした誤解と
すれ違いによって、とんでもない間違いが起きて、
落語だからいいが、本当だったらこれは大変だ。
「金明竹」などもそうだけど、現在、考える以上に
お国の訛りは通じなかった。地方出身者にとって、
江戸っ子の早口、巻き舌は恐ろしかったようで、
逃げたくなるようだけど、また同時に江戸っ子は、
それで威勢を付けて、決して負けたくないという、
強がっていたのであろう。意地っ張りなのである。
ということで、次回は11月13日(水)の第300回、
「穴泥」「松枝宿」「三枚起請」の三席。楽しみだ。

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