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2020年9月30日 (水)

マリス・ヤンソンス 10

マリス・ヤンソンス指揮サンクトペテルブルク・フィルで
ラフマニノフの交響曲 第1番 ニ短調 作品13
交響詩「死の島」 作品29
1998年1月12-16日にサンクトペテルブルクで収録。
ヤンソンスのラフマニノフ全集もこれで完成である。
1993年の交響曲 第2番から少し時間が空いたが、
この1990年代後半には、ヤンソンスは世界の頂点で
常に活躍する存在へと上り詰めていた。オスロ時代の
最期の時期だが、細やかな配慮の明瞭な音楽である。
交響曲 第1番は、私はあまり聞いていないのだが、
チャイコフスキーの延長のような印象があったけれど、
この演奏ではそうしたイメージはほとんど感じられず、
やはりラフマニノフであった。昨日と一昨日で連日、
チャイコフスキーを聞いていたので、違いというのが、
より際立ったのか。もしそうならば、よいことであった。
交響曲 第1番は、ピアノ協奏曲 第1番と同じく、
初演の失敗が有名な作品あり、出版を取りやめて、
後の改訂をラフマニノフは、強く望んでいたのだが、
ロシアからの亡命で、スコアは失われてしまった。
つまり現在、演奏されているのも初演版ということ。
いま聞くとラフマニノフの個性やスタイルが明確に
発揮されており、少しも悪くない。初演の失敗は、
作品への理解がなかったというのが原因であると
それが現在の認識であり、作品への評価である。
交響詩「死の島」は昔から好きで、こちらは傑作。

WARNER 0825646278275

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2020年9月29日 (火)

小澤征爾 12

小澤征爾の指揮によるパリ管弦楽団の演奏で
チャイコフスキーの交響曲 第6番 ロ短調 作品74
1974年2月25-27日にパリのサル・ワグラムで収録。
小澤征爾のチャイコフスキーを収録順に聞いている。
パリ管弦楽団との録音はここまでであり、この先は、
いよいよボストンでの活躍へと移行していくのだが、
パリ管弦楽団も色彩豊かな表現で、濃密さもあり、
この「悲愴」は感動的だ。心に響いてくる演奏である。
小澤征爾の音作りも隅々まで心を行き届かせて、
基本的にスッキリとした音楽が鳴り出すのだけれど、
「悲愴」という交響曲が、濃厚になりすぎないのは、
チャイコフスキーの作曲にも大いによるのだと思う。
いろいろ仕掛けもあって、個性的ではあるのだが、
名演で聞くと「悲愴」って素晴らしいと思うのである。
小澤征爾は1986年にボストン交響楽団で「悲愴」を
再録音しており、順番にいずれそちらも聞きたい。

CDR983

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2020年9月28日 (月)

小澤征爾 11

小澤征爾の指揮によるチャイコフスキーを聞く。
サンフランシスコ交響楽団でロメオとジュリエット、
1972年6月にクパチーノのフリント・センター、
パリ管弦楽団でバレエ組曲「くるみ割り人形」、
1974年2月25-27日にパリのサル・ワグラムで収録。
小澤征爾の指揮によるチャイコフスキーの交響曲を
収録順に聞いている。間に幻想序曲とバレエ組曲で
アメリカとフランスのオーケストラでそれぞれ独特の
音色があると思うのだが、少しだけ重めの表現を
そこに持ち込んで、するとロシアの雰囲気が生まれ、
作品の響きを大切にする小澤征爾の音作りだなと
実に引き込まれる。基本はスッキリとした音楽だが、
粘りのある歌わせ方でチャイコフスキーにはいい。
誠実に丁寧な解釈で音楽に向き合っている姿には、
日本人ならば、必ず共感するところではあるけれど、
小澤征爾の若き日の名盤だ。ロメオとジュリエットは
ベルリオーズとプロコフィエフによる同名の作品と
組み合わされていた。また「くるみ割り人形」組曲は、
「眠れる森の美女」組曲との組み合わせであった。

CDR982

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2020年9月27日 (日)

アレクシス・ワイセンベルク 7

アレクシス・ワイセンベルクのショパンを聞いている。
夜想曲 嬰ヘ長調 作品15-2、変ホ長調 作品55-2、
ト長調 作品 37-2、ハ短調 作品48-1、
変ニ長調 作品27-2、ホ長調 作品62-2、
ロ長調 作品32-1、変ロ短調 作品9-1、
変ホ長調 作品9-2、嬰ハ短調 作品27-1
1968年3月と1969年1-2月にサル・ワグラム、
マズルカ イ短調 作品17-4、
嬰ハ短調 作品50-3、ハ短調 作品56-3
1971年12月21日にパリのサル・ワグラムで収録。
久しぶりにワイセンベルクのノクターンを出してみた。
本当に素晴らしい。ファンにとっては、たまらない。
ワイセンベルクの硬質な表現は独特で、夜の響きの
柔らかいイメージは微塵も存在せず、しかしながら
不思議と演奏にはムードがあって、感動的である。
夜想曲の演奏曲順は独自の配置となっているが、
こちらは第1集で、実は第2集を私は持っていない。
ここでの選曲の方が好きでそれも当時あったのだが、
いま思うと半端なことをしてしまった。マズルカも最高。

EMI CDM 7 69694 2

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2020年9月26日 (土)

9月26日の感想

ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で
9月開幕の2020/2021シーズン(来年5月まで)の
全公演の中止が決まったらしい。感染対策で
劇場内での安全を確保できないとの判断による。
ウィーンの国立歌劇場などは対策をしつつ、
公演を再開しているが、ニューヨークは厳しい。
日本はGOTOイベントとか、客席定員100%を
復活させる動きだけど、大丈夫なのであろうか。

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チコちゃんに叱られる

NHK「チコちゃんに叱られる」より

「国旗はなぜ三色か?」
世界で最初の三色国旗はオランダ国旗である。
スペイン領であったオランダが独立を宣言し、
ウィレム家の家紋から三色をとって、国旗とした。
シンプルな三色旗は民衆の独立心を高揚させ、
1609年、独立を果たした。当初、その三色は、
独立と繁栄の象徴でオレンジ、白、青であったが、
船上の旗が潮風で色褪せてしまい、オレンジを
赤に変更した。その後、ロシアがオランダをまね、
同じ三色の配列を変えた国旗とした。フランスは、
同じ三色の縦縞とした。イタリアはフランスをまね、
青を緑に変えた国旗とした。197の独立国のうち
三色国旗の国は、現在、55か国あると思われる。


「バナナの皮はなぜ滑るのか?」
チャップリンが、1915年の映画で、バナナの皮に
滑る演技を披露して、広く知られるようになった。
バナナの皮の内側にある白い粒々がつぶれて、
ヌルヌルの粘液が飛び出し、摩擦力が低下する。
粘液の保水性が、暑い国で水分を守っている。


「硬貨にはなぜ製造年が刻まれているのか?」
19世紀初頭のイギリスで1ポンド=金7.3gと定める
金本位制がはじまった。アメリカも1ドル=金7.5g、
フランスの1フラン=金0.3gとイギリスに習い定め、
日本でも1円=1.5gとしたが、日本では品質が悪く、
偽造も多かったため、世界からの信用が低かった。
日本では、きちんと金1.5gが入っていることを守り、
金の量が変更されても区別が付くように製造年を
硬貨に記載した。第一次世界大戦で金が不足し、
管理通貨制度に変わり、金は含まれなくなったが、
以前の名残で硬貨には製造年が刻まれている。
紙幣は5年程度しかもたず、製造年は入れない。

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2020年9月25日 (金)

キース・ジャレット 64

1996年のキース・ジャレットを聞いている。
A Multitude of Angelsでジェノヴァでのソロ・コンサート。
1996年10月30日にカルロ・フェリーチェ劇場で収録。
1996年のイタリア・ツアーからジェノヴァでのコンサートで
キース・ジャレットが休養に入る前の最後の録音となる。
最後のコンサートとなったのかは、わからないのだが、
前半と後半でそれぞれ休みなく弾き続けるスタイルは、
これが最後となる。それを思うと何とも尊く思えてくる。
2曲のアンコールが収録されているが、前半も後半も
30分ほどの演奏時間で、多少短めかとは思うのだが、
恐ろしいほどの集中力が伝わってくるし、感動的だ。
少々狂気にも思えるのが、後半のオスティナートで
これまでにも聞かせてきた暗黒世界は、ファンには
たまらないものがある。これぞ、キース・ジャレットか。
ジャズというよりも現代音楽の即興に近いのであり、
甘い時間は短く、ますます辛口なのは実に通好み。
2年間の休養後、1998年の秋に復活するのだが、
続いて、その先のキース・ジャレットを聞いていく。

ECM 2503 570 2466

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2020年9月24日 (木)

フィリップ・ビアンコーニ 2

フィリップ・ビアンコーニのショパンを聞いている。
バラード ト短調 作品23、ヘ長調 作品38、
前奏曲 嬰ハ短調 作品45、
バラード 変イ長調 作品47、ヘ短調 作品52、
スケルツォ ホ長調 作品54、
舟歌 嬰ヘ長調 作品60、
2013年10月にパリで収録されている。
バラード全曲が前半と後半に分割されているのだが、
全体が作品番号順に演奏されているということである。
フィリップ・ビアンコーニは本当に素晴らしいピアニスト。
もっとメジャーになって、ファンが増えてほしいのだが、
すべての音を丁寧に拾い上げて、響きや余韻までも
精妙にコントロールして、これは最高の感動である。
基本的な姿勢としては、スッキリと明瞭な音楽であり、
ショパンの音楽の構造を明確に示しているのだが、
この鮮やかさには、すっかり聞き惚れてしまった。
後期の作品の深い響きは偉大であり、傑作である。
私も大好きなのだが、残りのスケルツォや夜想曲、
幻想ポロネーズなどもぜひ続編を聞いてみたい。

la dolce volta LDV 14

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2020年9月23日 (水)

リッカルド・シャイー 4

リッカルド・シャイーの指揮でフランクの作品を聞く。
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏で
交響曲 ニ短調と交響的変奏曲(ホルヘ・ボレット)、
1986年4月7-11日にアムステルダム・コンセルトヘボウ。
シャイーのコンセルトヘボウでの最初の録音かもしれない。
発売されたのは、ボレロと展覧会の絵の方が先であった。
ボレットの交響的変奏曲が好きで、昔から聞いてきたが、
私が持っていたのは、前奏曲、
コラールとフーガのCDで
元々のカップリングであった交響曲の方ははじめて聞く。
交響曲も素晴らしい演奏であった。1980年代半ばであり、
デジタル録音の仕上がりは、ちょっと音がドライな印象で、
物足りないところもあるのだが、フランクの独特の音で、
オーケストラが奏でるオルガン・サウンドという点では、
ブルックナーの音色に近いような、そうした方向である。
シャイーはいきいきとエネルギッシュな指揮ぶりなので、
聞く人の心に訴えかけてくる部分が大きくて感動的だ。

DECCA 483 4266

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2020年9月22日 (火)

ラモン・ガンバ 3

ラモン・ガンバ指揮BBCフィルハーモニックによる
ヴォーン・ウィリアムズの映画音楽 第3集を聞く。
「あるベルギー農場の物語」組曲
「ジョアナ・ゴディンの恋」「苦渋の春」
2005年6月22,23日にマンチェスターで収録。
いかにも映画音楽という映像と一体の雰囲気だが、
ところどころにヴォーン・ウィリアムズの音色が現れ、
そういう瞬間にうれしくなってしまう。音楽が映像を
イメージさせる「惑星」などと違い、映像に音を付け、
補完する役割だが、映画音楽の作品集として、
音で聞いていると共通するところが多々あって、
楽しい時間である。他の作曲家が組曲にまとめて、
再編集されていることも多いが、「苦渋の春」は、
ちょっと作風が違って、意外な気もして、それが
元の作品か、編曲によるものか、どちらであろう。
アーネスト・アーヴィングとの共作とある。それか。

CHANDOS CHAN10368

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2020年9月21日 (月)

セミヨン・ビシュコフ 5

セミヨン・ビシュコフ指揮パリ管弦楽団の演奏で
マスカーニの歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」
1990年6月にパリのメゾン・ド・ラ・ミュチュアリテで収録。
ちょっと前にムーティの強烈な個性を聞いた後であり、
ビシュコフの音色はイタリア・オペラ独特の雰囲気で
安心できるのである。非常に丁寧に音楽を扱って、
感覚で進めるのではなくて、端正な仕上がりがいい。
色合いの変化とか、光と陰の表現など、ニュアンスも
絶妙に描き出されており、そこには深みが感じられる。
それでこの演奏は、何といっても聞きどころというのは、
サントゥッツァを歌うジェシー・ノーマンだと思うのだが、
音で聞いてもすぐにわかる存在感であり、やはり違う。
近年はビシュコフの歌劇での活躍をよく見かけるが、
まだ若かったこの時代には、どうだったのであろうか?
「エフゲニー・オネーギン」の録音もあった気がする。

CDR981

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2020年9月20日 (日)

スヴャトスラフ・リヒテル 20

リヒテルとボロディン弦楽四重奏団による
ショスタコーヴィチのピアノ五重奏曲 ト短調 作品57
1983年12月5,6日にモスクワ音楽院大ホールで収録。
リヒテルの室内楽を聞いているが、このCDを出すのは、
また特別に久しぶりなことである。リヒテルを聞きたくて、
リヒテルのショスタコーヴィチだから悪いはずがないと
高校生ぐらいのときに買ってきたのだが、この作品に
興味をもてなかったのと実はいまもあまり面白くなくて、
奥深く眠らせていた。ショスタコーヴィチの室内楽で、
こういう作品なのであり、現在はまあ知っているので、
それなりに鑑賞を楽しめるけれど、繰り返し聞けば、
耳に心地よく、喜んで聞けるようになるのであろうか。
リヒテルはYAMAHAのピアノを弾いていると思うけど、
感覚的な美しい響きを出そうなどとはしていないし、
ショスタコーヴィチの音楽に迫り、真摯に突き詰め、
重厚な世界観である。もっと好きにならなければ。
アシュケナージの演奏の方が親しみやすいと思う。

Melodiya VDC-1142

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2020年9月19日 (土)

小澤征爾 10

小澤征爾の指揮によるパリ管弦楽団の演奏で
チャイコフスキーの交響曲 第4番 ヘ短調 作品36
1970年10月22,23日にパリのサル・ワグラムで収録。
小澤征爾の指揮によるチャイコフスキーの交響曲を
収録順に聞いていく。最初はパリ管弦楽団である。
強烈な主張をするのではなくて、ただただ音楽に
誠実に向き合って、作品の性格を忠実に再現する、
それに尽きるのであり、実に丁寧な音作りである。
色彩豊かなパリ管弦楽団に対して、小澤征爾は、
元々はスッキリとした響きなのだと思うのだけど、
歌わせ方などでもロシア的な雰囲気を出すように
努めて、濃厚ではないが、濃密な印象ではある。
日本人的な真面目さがひしひしと伝わってきて、
もっと色気を出して、格好よく決めてくれたなら、
聞いている側の興奮度も上がり、爽快感もあり、
熱くなるのかもしれないが、それはこの先に期待。
パリ管弦楽団とはさらに「悲愴」を録音している。

Warner 0825646139514

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2020年9月18日 (金)

チコちゃんに叱られる

NHK「チコちゃんに叱られる」より

「お弁当のタコウインナーはなぜ?」
琉球王国の最後の国王尚泰の孫で尚明の次男、
尚承は食が細く、母の道子さんは幼稚園の弁当に
ウインナーを入れたが、当時のものは皮が硬く、
食べにくかったので、切れ目を入れて焼いたところ、
足が開いて、タコのような形に仕上がった。道子の
妹は料理記者の岸朝子で、姉の道子が、はじめて
タコウインナーを作ったことを紹介して広まった。


「寝ているときにビクッとなるのはなぜ?」
人の眠りは、覚醒と睡眠を繰り返しており、
眠りに入るタイミングで筋肉の収縮が起こる。
それをジャーキングといって、睡眠不足のとき、
疲れているとき、運動の後などに起こりやすい。


「数学をなぜ学ぶのか?」
小学校の算数と数学では、学ぶ目的が違っており、
数学では、論理的な思考を身に付ける勉強をしている。
計算方法を学ぶ算数に比べ、数学では、問題を整理し、
論理的な思考を行っている。方程式では、「わかる」
「わからない」ことをハッキリとさせ、それを整理する。
因数分解では、同じ作業をまとめて行うことで、
効率的に物事を進めることを学んでいる。などなど。

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キース・ジャレット 63

1996年のキース・ジャレットを聞いている。
A Multitude of Angelsでトリノでのソロ・コンサート。
1996年10月28日にトリノのテアトロ・レッジョで収録。
1996年のイタリア・ツアーからトリノ王立歌劇場での
ソロ・コンサートで、キース・ジャレットは、なぜだか、
歌劇場でのコンサートが多いのだが、それについて、
どこかに理由は書いていないだろうか。気になる。
馬蹄形の劇場空間が好みとか?歌劇場での演奏に
意味があるのか?歌劇はすべての芸術における、
その頂点に位置しているのであり、場所が重要か。
トリノでの演奏は少々辛口のファンにはたまらない、
まさに通好みの世界観にハマってしまう。感動した。
聴衆を甘く喜ばせるような緩さはどこにも存在せず、
聞く側にも集中が求められるし、硬質な仕上がりだ。
それが素晴らしい。密度の高さは、圧倒的である。
ジャズが取り入れられている現代音楽があるけれど、
現代音楽の即興で、ジャズを超越しているのでは。
純粋なジャズファンの方に聞いてみたいと思うけど、
これはジャズなのであろうか。キース・ジャレットは
どこかの枠にはめるようなことができないところが
格別な存在であり、その奇跡のうちの一つである。

ECM 2502 570 2466

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2020年9月17日 (木)

アルフレッド・ブレンデル 32

アルフレッド・ブレンデルによるベートーヴェンで
ピアノ・ソナタ 第4番 変ホ長調 作品7
ピアノ・ソナタ 第5番 ハ短調 作品10-1
1977年6月1-10日にロンドンで収録されている。
ブレンデルの二度目の全集を収録順に聞いている。
昔のインタビュー記事で、この変ホ長調について、
「熱情」よりも情熱的な作品であると書いてあったが、
激しいまでではなくてもいきいきと元気な演奏である。
この曲を聞く度にブレンデルのその解釈を思い出す。
作品7のソナタは大好きでシンプルながら深い響き。
音の力強さ(激しさ)より内面的な一途な心(想い)を
情熱とブレンデルは表現したのだと思う。素晴らしい。
ハ短調については、後の1995年の再録音の方が、
より自由に感情的だと思うのだが、それに比べて、
こちらは逆に引き締まって、流れるような演奏であり、
ブレンデルとしてはスタイリッシュな印象もあるのだが、
この1970年代の演奏は、やはり抑制が効いていて、
そこが好きならば、三度目の全集に優るとこもある。

DECCA 478 2607

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2020年9月16日 (水)

アルフレッド・ブレンデル 31

アルフレッド・ブレンデルによるベートーヴェンで
ピアノ・ソナタ 第1番 ヘ短調 作品2-1
ピアノ・ソナタ 第2番 イ長調 作品2-2
ピアノ・ソナタ 第3番 ハ長調 作品2-3
1977年6月1-10日にロンドンで収録されている。
ブレンデルの二度目の全集を収録順に聞いている。
1977年6月の10日間で残りの14曲をすべて、
ヘンリー・ウッド・ホールでまとめて録音している。
1970年代も後半になり、アナログ録音の完成期で
音もかなりよくなっているが、ブレンデルの独特な
暖かみのある豊かな色合いが、実に素晴らしい。
細かなところにまで想いが詰まって、じっくりとよく
描き込まれている部分と一方で、抑制を効かせ、
制御されている部分と見事にバランスがとれて、
この調和は魅力である。そこをいえば、三度目と
比較しても二度目の全集も全く引けを取らない。
昔はブレンデルという人は、この上なく真面目で
堅い演奏をする人かと思っていたが、間違いで、
ユーモアにあふれ、とにかく楽しい時間である。

DECCA 478 2607

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2020年9月15日 (火)

アンドレ・クリュイタンス 5

アンドレ・クリュイタンス指揮ベルリンフィルによる
ベートーヴェンの交響曲全集を収録順に聞きたい。
交響曲 第9番 ニ短調 作品125
1957年12月10-17日にグリューネヴァルト教会。
重い足取りでただならぬ雰囲気にはじまるのだが、
この巨匠の響きは、最も雄大な演奏の一つであろう。
60年の月日を経て、この重厚さというのは、むしろ
新鮮なものにも感じられて、解釈というのも現在は、
大きく変わっていることを感じる。それが第2楽章の
スケルツォの楽章になるといきなりテンポが速くなり、
第3楽章はゆったりと安らかになる各楽章の性格を
目立って明らかにするのは、面白い特長なのである。
1957年というステレオ録音がはじまった時期であり、
1960年に録音が完了しているが、ベルリンフィルで
翌年からカラヤンの交響曲全集が録音されるという、
その連続はちょっと驚きである。演奏も全く方向性が
異なって、カラヤンとDGの意地か?あえて類似を
避けたのか?1973年のフィルハーモニーでの録音が
開始されるまでは、イエス・キリスト教会であったが、
この録音では、グリューネヴァルト教会となっている。
カラヤンの録音がすべてイエス・キリスト教会なので、
同時代にクリュイタンスやケンペは逆に避けたのか?
この頃のベルリンフィルは、現在のスーパー集団の
イメージはなくて、ただただ渋いドイツの響きであり、
それも味わいで魅力となっているように思われる。

ERATO 0190295381066

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2020年9月14日 (月)

ジェームズ・レヴァイン 9

ジェームズ・レヴァイン指揮ベルリンフィルで
マーラーの大地の歌を聞いている。独唱は、
ジェシー・ノーマンとジークフリート・イエルザレム、
1992年11月にベルリンのフィルハーモニーで収録。
この大地の歌も当時、すごく感動した演奏なのだが、
久しぶりに聞いてみている。いま聞いてもやはりいい。
じっくりと歌い込んで、とにかく細やかに精妙に描き、
レヴァインの表現はゆったりと広大な印象となるが、
その中身は恐ろしく繊細であり、壊れてしまいそうな
優しさに満ちている。微妙なところにまで心を通わせ、
演奏時間は長くなるのだが、音楽はいきいきと躍動し、
表情の豊かさは格別で、奥行き深く、引き込まれる。
どの情景にも雰囲気があり、各楽器の聞かせ方は、
オペラ的ともいえるのだが、この艶のある音楽を
引き出せるのは、レヴァインしかいないであろう。

DG 0289 482 2464 7

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2020年9月13日 (日)

リッカルド・ムーティ 31

ムーティの指揮によるフィラデルフィア管弦楽団で
レオンカヴァッロの歌劇「道化師」を聞いている。
1992年2月にフィラデルフィアの音楽アカデミー。
ムーティの1979年のフィルハーモニア管弦楽団との
「道化師」を聞いたので、それから12年が経過して、
フィラデルフィアでの演奏会形式によるライブ録音。
ここでの聞きものはカニオを歌うパヴァロッティだが、
ムーティの指揮は、さらにたっぷりと豊かな音になり、
すると普通な印象になった気もして、シャープな音で
強烈な個性は1979年の方が圧倒的かと思うのだが、
どちらにしても素晴らしい。歌劇「道化師」については、
まだ私が子供であった頃に父がLPで聞いていた、
オペラ・アリア集の中の「衣装を付けろ」で惹かれて、
そこが原点となっているが、ずっと「道化師」が好きで
私がいま好きな理由というのは、レオンカヴァッロが
「ニュルンベルクのマイスタージンガー」の影響を
大きく受けているというところにあると思う。後半で
劇中劇の場面もそうだと書いたが、冒頭のトニオの
前口上の語りもザックスのモノローグを思わせる。
このところよく聞いたが、聞けば聞くほど好きになる。

CDR980

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2020年9月12日 (土)

スヴャトスラフ・リヒテル 19

リヒテルとボロディン弦楽四重奏団による
ブラームスのピアノ四重奏曲 第2番 イ長調 作品26
1983年6月にトゥールのグランジュ・ドゥ・メレで収録。
1990年頃であったか?吉田秀和の「名曲の楽しみ」で
このリヒテルのブラームスが放送されて、録音して、
繰り返し、繰り返し聞いて、その後にCDを買ってきて、
持っているのがこれなのだが、久しぶりに聞いている。
リヒテルのオイストラフと共演したヴァイオリン・ソナタや
ボロディン四重奏団とのピアノ五重奏曲もあるけれど、
リヒテルの演奏をきっかけにブラームスの室内楽が、
すごく好きになった時期があったのだが、その頃に
夢中になって聞きこんでいたのがこの演奏であった。
リヒテルの剛と柔の音色の使い分けは独特であり、
その剛の豪快さに昔は圧倒されて感動していたが、
いまはちょっと際立ちすぎかなと思うところもあって、
柔らかい響きの方に魅力を感じられるようになった。
1980年代以降は、リヒテルは静の表現が特長で
晩年のスタイルが確立されていくけれど、これなど
まさに代表的な演奏で本当にリヒテルならではだ。
淡白に弾いているのだけど、なぜかひたすら深い。

PHILIPS PHCP-3546

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サンソン・フランソワ 6

サンソン・フランソワでドビュッシーの作品。
子供の領分
1968年4,5,7月にパリのサル・ワグラムで収録、
版画
1969年5月にモンテカルロのサル・アルカザール、
ベルガマスク組曲、ピアノのために
1968年1,2,5月にパリのサル・ワグラムで収録。
サンソン・フランソワの歌わせ方やその風景が
何とも美しく情緒があり、独特の色合いを出して、
うっとりするような魅力がある。今日の感覚だと、
精妙に響きをコントロールしているようなところは
あまり感じられなくて、その場での発想の輝きで、
まさに天才的な閃きの演奏は絶妙なところだが、
すっかり引き込まれて、虜にさせられてしまう。
音の鳴らし方が、これも現在の常識からすると
逆を行って、聞こえない音が聞こえてきたりして、
平坦に弾くところを大きく波立たせ、絵画である。
ちょっと歴史的な風合いだが、名盤は素晴らしい。

ERATO 50999 638754 2 3

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チコちゃんに叱られる

NHK「チコちゃんに叱られる」より

「山手線ってどこからどこまで?」
品川から新宿を経由して田端までが山手線である。
東京から田端は東北線、東京から品川は東海道線。
新橋~横浜に続いて、上野~高崎が開通した。
高崎と横浜をつなげるために赤羽~品川を結び、
田端から水戸への常磐線ともつなぐために、
田端~池袋を開通させた。当初、反対されていた
上野~新橋も鉄道の普及により理解が得られ、
1925年に山手線の環状の路線が開業された。
低い場所に位置する田端駅から池袋方面を見ると
山ばかりの地形に線路を敷いたので山手線である。


「救急車のピーポーピーポーはなぜ?」
パトカーはウー、消防車はウーカンカンカン、
救急車はピーポーピーポーのサイレンを鳴らす。
昭和45年までは救急車の音もウーであった。
消防団は地元の会社員や自営業の人で構成され、
サイレンの音を聞くと仕事を放り出して出動した。
しかし火事ではなく、パトカーや救急車であり、
消防団から苦情が出た。消防庁の要請により、
音を変更することになり、フランスを参考にして、
ピーとポーの2つの音を組み合わせることにした。
ビブラートをかけ、注意喚起を促し、救急車での
病人のストレスにならないよう、シとソの連続音で
昭和45年に採用された。消防車はウーの音に
カンカンカンという半鐘を連想させる音を加えた。


「レストランの氷に穴が開いているのはなぜ?」
冷やした製氷皿の溝に水を噴射して作っている。
マグネシウムなどの不純物は余った水と落ちて、
取り除かれるため、水分子同士がきれいに並び、
空気や不純物のない透明で丈夫な氷ができる。

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2020年9月11日 (金)

キース・ジャレット 62

1996年のキース・ジャレットを聞いている。
A Multitude of Angelsでフェッラーラでのソロ・コンサート。
1996年10月25日にフェッラーラのテアトロ・コムナーレ。
1996年のイタリア・ツアーから続いて、フェッラーラでの
ソロ・コンサートで派手さはないけれど、引き込まれる。
全体の構成において、大きな変化を作る方向ではなく、
すると淡々と進み、小さな変化を拾って細かな展開で、
強烈なオスティナートで盛り上げていくのは独特だが、
ファンを夢中にさせる要素は揃っている。静かな中に
抑圧された熱気が閉じ込められており、時間をかけて、
それが解き放たれた先に現れるのは、再び静寂という、
浄化された響きと救済の感覚だけど、感動的である。
聞けば聞くほどに陶酔は深まるのだけど、この演奏が
即興演奏という点で、本来はその場限りのものであり、
会場でその時間を共有している人と録音という記録で
さらに協調を深めていく形態と両面を心得ていることで
キース・ジャレットは残すことにこだわっているのかも。

ECM 2501 570 2466

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2020年9月10日 (木)

マレイ・ペライア 12

マレイ・ペライアでシューマンの作品を聞いている。
ダヴィッド同盟舞曲集 作品6、幻想小曲集 作品12
1972年12月、1973年6月にニューヨークで収録。
CBSへのデビュー盤でペライアが25歳のときの録音。
歯切れのよさは弾力性を生んで、その対比となる
オイゼビウスのゆったりとした表現では、滑らかに
まさに抒情的な美しさ。昔、ペライアの強音は汚いと
そういうことをいっている人がいたが、メリハリであり、
荒々しさが美しさを際立たせて、音楽の生命である。
若々しい演奏だと思うけど、それはほとんど先入観で
どちらかといえば、落ち着いた響きと貫禄すら感じる。
新人の出す一枚目を聞き、その場で絶賛するのって、
なかなか自分の耳に相当な自信がないとできないが、
それをした人がいたから現在のペライアがあるわけで、
50年近くが経過して、あまりにも魅力的な名盤である。

SONY 88985416702

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2020年9月 9日 (水)

リッカルド・ムーティ 30

ムーティ指揮フィルハーモニア管弦楽団で
レオンカヴァッロの歌劇「道化師」を聞いている。
1979年5,6,8月にロンドンのワトフォード・タウンホール。
「カヴァレリア・ルスティカーナ」に続いて「道化師」だが、
こちらは鋭さよりもたっぷりと鳴って、重厚さが出ている。
同時に上演されることの多いこれらの作品ではあるが、
ムーティの示すそうした方向性の違いに作品の性格が
表れているのかもしれない。豪快な合唱の仕上がりなど、
どこかヴェルディの雰囲気を醸し出している。どちらも
一幕オペラのコンクール作品だが、若いときの作曲で
そんなことを思わせない傑作である。「道化師」の方は
二幕の構成だと審査されたのだが、後半の劇中劇で
「ニュルンベルクのマイスタージンガー」に似ていて、
第3幕の歌合戦の雰囲気だが、時代的に影響はある。
カニオのホセ・カレーラスがこの二作品で主役を歌い、
ネッダがレナータ・スコット、トニオがカリ・ヌルメラ。
シルヴィオに34歳のトーマス・アレンが出演している。

CDR979

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2020年9月 8日 (火)

リッカルド・ムーティ 29

ムーティ指揮フィルハーモニア管弦楽団で
マスカーニの歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」
1979年5,6,8月にロンドンのワトフォード・タウンホール。
ムーティの1970年代でヴェルディの歌劇を聞いているが、
ちょっと寄り道して、マスカーニとレオンカヴァッロを聞く。
ムーティの颯爽とした音楽は強烈な存在感で感動する。
この時代の演奏を聞いて、天才だと書き続けているが、
ムーティの切れ味のよさは、他では決して聞けない。
粘りある歌わせ方ながら、それを鋭く爽快に聞かせて、
この個性的な表現はムーティ以外ありえないのである。
テンポの加速度とこの劇的な高揚感は、とにかく最高。
「道化師」と共通でトゥリッドゥはホセ・カレーラスだが、
サントゥッツァはモンセラート・カバッレが歌っている。
ルチアでは、アストリッド・ヴァルナイが登場しており、
マッテオ・マヌグエッラのアルフィオにも聞き惚れた。

CDR978

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2020年9月 7日 (月)

フランソワ・グザヴィエ・ロト 7

フランソワ・グザヴィエ・ロト指揮レ・シエクルで
ドビュッシーの牧神の午後への前奏曲、
バレエ「遊戯」、夜想曲(合唱:レ・クリ・ド・パリ)
2018年1月にパリのフィルハーモニーで収録。
音の感触としては、ザラザラと生々しいものがあり、
普通に聞いているイメージとは全く違う印象だが、
時代楽器の採用による初演時の響きの再現と
解釈における研究成果の圧倒的説得力もあって、
知的な面白さもあるけれど、心地よさが勝って、
結論としては、ドビュッシーの音楽の素晴らしさは、
不変なものなのである。しかしそれにしてもやはり
フランソワ・グザヴィエ・ロトの鋭い感性には感動。
音楽の真実を探求しつつ、原点から見つめ直して、
完全に再構築していくその活動には目が離せない。
繊細な柔らかさよりも激烈な仕上がりなのである。

harmonia mundi HMM905291

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2020年9月 6日 (日)

パーヴォ・ベルグルンド 9

パーヴォ・ベルグルンド指揮ボーンマス交響楽団で
シベリウスの交響曲全集を収録順に聞いてきた。
交響曲 第3番 ハ長調 作品52
1977年6月20,21日にサウサンプトンのギルドホール、
「クリスチャンII世」 作品27~ノクターン、エレジー
1978年5月6,7日にサウサンプトンのギルドホール。
ボーンマス交響楽団との交響曲全集はこれで完結。
隅々まで輪郭を際立たせて、くっきりとした音作りだ。
明解そのもので、雰囲気とか描写される風景など、
整理整頓されて、情緒が感じられないという人も
中にはいるのであろうけど、シベリウス好きには、
こういう演奏はたまらなくて、私はハマってしまう。
「クリスチャンII世」組曲は、ネーメ・ヤルヴィ指揮で
聞いているけれど、どういう作品か調べなおして、
スカンジナビアの歴史劇の付随音楽であるらしい。
デンマーク、スウェーデン、ノルウェーを統治した
国王クリスチャンII世にまつわる戯曲だそうである。
劇音楽の方は、パーヴォ・ベルグルンドの指揮も
美しい情感が漂って、丁寧に歌い込まれている。
何ともいえなく爽快で、これは極上の清涼感だ。

EMI 9 73600 2

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2020年9月 5日 (土)

チコちゃんに叱られる

NHK「チコちゃんに叱られる」より

「100万ドルの夜景ってなに?」
海外では、きれいで価値のあるもののことを
100万ドルといった。関西電力の当時の副社長で
中村さんが、六甲山の展望スポットから見える、
夜景のひと月の街の電気代を計算したところ、
3億6000万円となり、1ドル360円の時代で、
実際に100万ドルであった。夜景鑑定士による
日本の美しい夜景は、第3位は北九州市、
第2位が札幌市、第1位は長崎市であり、
第4位が兵庫県神戸市の夜景であった。


「なぜ虫は小さいのか?」
体の中に骨がなく、外骨格が体を支えている。
大きくなると自重を支えられなくなってしまう。
また肺がなく、気管呼吸で気門から酸素を
取り込んでいる。体が大きくなると十分に
酸素が体内に行き届かなくなってしまう。


「にらめっこってなに?」
平安時代の終わりに目競(めくらべ)として、
戦(いくさ)に勝つための武士の訓練であった。
日本人は正面切って対面するのが苦手であり、
真正面で相手を見据え、勝つための鍛錬をした。
にらみっこであったのが、にらめっこと変化した。
鎌倉時代には、相手を笑わせる遊びとなって、
江戸時代には、にらめっこのわらべ歌も生まれ、
子供の遊びとなり、ダルマとは達磨大師であり、
決して笑わない達磨を笑わせたら勝ちである。

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2020年9月 4日 (金)

キース・ジャレット 61

1996年のキース・ジャレットを聞いている。
A Multitude of Angelsでモデナでのソロ・コンサート。
1996年10月23日にモデナのテアトロ・コムナーレ。
1996年秋のイタリアの4都市での録音がまとまって、
日本縦断の「サンベア・コンサート(1976)」を思わせる。
キース・ジャレットが休養に入る前の最後の録音であり、
イタリアでのコンサート中に疲労に襲われたとあるので、
この一週間後の10月30日のジェノヴァが最後なのか?
その次の都市での演奏中に発症したのか?どうなのか。
DATに録音された音源が元になっていると記述があり、
20年が経過した2016年秋にはじめて発表されている。
最初のこのモデナでのコンサートはいつもと変わらず、
好調に弾いているが、前半・後半という演奏スタイルは、
1996年のこれらのコンサートが最後ということになる。

ECM 2500 570 2466

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2020年9月 3日 (木)

フランソワ・ルネ・デュシャーブル 1

フランソワ・ルネ・デュシャーブルでショパンを聞く。
スケルツォ 作品20,31,39,54、幻想曲 作品49
1974年5,6,9,10月にパリのサル・ワグラムで収録。
スケール雄大なヴィルトゥオーゾ的な雰囲気があるが、
細やかな表現を丁寧に動きもしなやかで魅力的だ。
スケルツォの技巧的なところでも角が際立たずに
自然体なよい流れである。1952年4月の生まれで
このとき22歳であり、
それを思うと落ち着きもあるし、
音楽にしっかりとした骨格があって、実に感動的。
録音から40年以上が経過して、元音源の管理と
デジタル化が重要だが、右チャンネルの音がどうも
震えている印象があって、聞きにくいのは残念だ。

ERATO 0190295974961

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2020年9月 2日 (水)

ジャン・フランソワ・エッセール 6

ジャン・フランソワ・エッセールでスペインの協奏曲、
ファリャの交響的印象「スペインの庭の夜」、
アルベニスのスペイン狂詩曲、幻想的協奏曲、
トゥーリナの交響的狂詩曲 作品66
ヘスス・ロペス・コボス指揮ローザンヌ室内管弦楽団、
1996年6月20-23日にラ・ショー・ド・フォンで収録。
ジャン・フランソワ・エッセールが繊細な音色であり、
スペインの音風景をこの上なく美しく描き出している。
オーケストラも思った以上に清々しい響きで感動的だ。
情熱的な音楽のイメージがあるけれど、それは勝手な
先入観であろうか。透明度がすごいし、弱音が効果的。
極彩色な気がしているけれど、そうしたことも全くなく、
夜の風景はモノトーンで、光と陰の表現が魅力である。

ERATO 0190295651497

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2020年9月 1日 (火)

ロリン・マゼール 57

ロリン・マゼール指揮クリーブランド管弦楽団で
レスピーギの交響詩「ローマの祭り」「ローマの松」
1976年5月10-14日にマソニック・オーディトリアム。
ピッツバーグ交響楽団との再録音(1994)を聞いたので、
1976年のクリーブランドでの名盤を聞き直している。
やはり究極だ。その緻密さは驚異的でそれをこちらに
しっかりと伝えてくれる録音技術にも感動してしまう。
あらゆる要素が克明に聞こえてきて、この何もかもが
抉りだされてしまうような感覚は一体、どうしたことか。
本当にすごいのである。でもこの名演を聞いていて、
改めて認識することは、ピッツバーグでの演奏もまた
やはりいいのである。どちらもそれぞれ魅力があって、
優劣は付けがたい。レスピーギのローマの三部作は、
マゼールの天才ぶりが最も発揮される作品である。

DECCA 478 7779

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