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2020年10月14日 (水)

クリスティアン・ツィメルマン 6

クリスティアン・ツィメルマンでシューベルトの作品。
ピアノ・ソナタ 第20番 イ長調 D.959
ピアノ・ソナタ 第21番 変ロ長調 D.960
2016年1月に柏崎市文化会館で収録。
明瞭な響きによる圧倒的な透明感はいまも健在で
これはツィメルマンの演奏である。究極の表現だ。
ここまで透き通ったクリスタルな響きは聞けない。
しかし現在のツィメルマンはそれだけではなくて、
表情付けの自由度が高く、曲の場面によっては、
内側から力強いエネルギーが噴き出してきて、
聞く側の感情移入度も高くて、感動的である。
実は30年近く前にツィメルマンの来日公演で
変ロ長調のソナタ D.960を聞いたことがある。
そのときはとにかく音色は美しかったのだが、
あまりにもきれいすぎるのが気持ち悪くなって、
どこか自然でない印象があったと思うのだが、
それに比べるとこの演奏では、ツィメルマンの
人間的な部分が感じられて、ずっと入りやすい。
実は少しも変わっていないのかもしれないが、
だとしたら、私の方が変わったのであろうけど。
そのコンサートで聴衆が熱い反応で拍手を送り、
アンコールを求めたのだが、ツィメルマンは、
このシューベルトの後には何も弾きたくないと
ジョン・ケージの「4分33秒」の話を持ち出して、
ピアノの前で4分間、沈黙をして、終演した。
私としては、それも非常に不快であったので、
以来、ツィメルマンという人は、近づきがたく、
コンサートに出かけることは二度となかった。
その一方でCDでは、熱心に深く聞いている。
この完成度とツィメルマンの音楽への想いで
それだけの存在感があり、いま聞いていると
コンサートでも楽しめそうな気もするのだけど。

DG 00289 479 7588

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