スヴャトスラフ・リヒテル 25
スヴャトスラフ・リヒテルの1977年の演奏で
ショパンのスケルツォ 第1番 ロ短調 作品20
スケルツォ 第2番 変ロ短調 作品31
スケルツォ 第3番 嬰ハ短調 作品39
スケルツォ 第4番 ホ長調 作品54
1977年7月にミュンヘンで収録されている。
スケルツォの演奏としては、異色だと思うのだが、
ここでのリヒテルは、奇跡のような鮮やかさで、
昔から大好きな演奏である。完全に力が抜けて、
すべてにおいて軽やかで、柔らかい響きであり、
ショパンの演奏としては、表情付けは控えめで
そっけないほどではあるのだが、本当の名演。
雑念を削ぎ落して、可能な限りシンプルな形に
作品の本質に迫った結果、美しい響きだけが
そこに残ったという印象である。最初は驚くが、
聞けば聞くほどに深い世界が広がってくる。
リヒテル以外には考えられない感動の演奏。
Melodiya VICC-2059
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