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2023年12月31日 (日)

横浜の風景から 563~七サバ参り

今年も一年の終わりで大晦日に
厄払いで七サバ参りに行ってきた。
朝のうちは、雨が降っていたのだが、
天気予報の通りに昼前には晴れてくれ、
七つの神社をお参りしてくることができた。
横浜市瀬谷区、泉区、大和市、藤沢市の
境川流域のこの地域で疫病が発生すると
七つのサバ神社を巡って、疫病退散を
地域の人々が祈願していたのであり、
一年の禍をふり払おうと巡ってきた。

20231231a
七サバ参り 1/7 左馬社
横浜市瀬谷区橋戸3丁目

20231231b
七サバ参り 2/7 左馬神社
大和市上和田

20231231c
七サバ参り 3/7 左馬神社
大和市下和田

20231231d
七サバ参り 4/7 飯田神社
横浜市泉区上飯田町

20231231e
七サバ参り 5/7 七ツ木神社
藤沢市高倉

20231231f
七サバ参り 6/7 左馬神社
横浜市泉区下飯田町

20231231g
七サバ参り 7/7 今田鯖神社
藤沢市湘南台7丁目

今年も一年間、ありがとうございました。

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2023年12月30日 (土)

シルヴァン・カンブルラン 2

シルヴァン・カンブルラン指揮南西ドイツ放送交響楽団で
ストラヴィンスキーのバレエ「春の祭典」(2006.11)
ドビュッシーのバレエ「遊戯」(2006.7)
デュカスのラ・ペリのファンファーレ
舞踏詩「ラ・ペリ」(2004.2)
収録時期のみの表記で演奏会場については不明。
シルヴァン・カンブルランの「春の祭典」は期待で
間違いなく研き抜かれた表現であろうとそれは、
ハッキリとわかるのだが、録音の音質がこもって、
どうも濁った感じは残念である。独特の雰囲気や
音作りの空気感は素晴らしく、これは間違いなく、
鮮烈な「春の祭典」だが、それが伝わってこない。
ドビュッシーの「遊戯」も音質は同じ方向なのだが、
断然によい仕上がりで、演奏もまた魅力的である。
かなり細やかに緻密に描き込まれているのだが、
シャープな感覚とは対称的に躍動感に満ちており、
勢いよく駆け出すのと立ち止まって熟慮するのと
音楽を作る上でのこのリアルな感触は実に最高だ。
そしてデュカスの舞踏詩「ラ・ペリ」ははじめて聞くが、
こちらは何もかもすべてが魅力的である。色彩的で
極上の華やかさは陶酔の感覚を生み、光り輝いて、
音楽を聞く上でのこんなに幸せな時間というのは、
そうは得られるものではない。フランス音楽の力、
魔法の世界であり、素晴らしい作品に出会えた。
聞き終えて思うのは、「春の祭典」は巨大であり、
それは編成も音量も迫力もすべてを捉えるには、
距離を保つことが求められ、そこに原因があって、
どこか音楽が遠く感じられているのかもしれない。

Hanssler CD-No.93.196

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2023年12月29日 (金)

ニコラ・アンゲリッシュ 4

ニコラ・アンゲリッシュによるブラームスで
4つのバラード 作品10
2つのラプソディ 作品79
パガニーニの主題による変奏曲 作品35
2005年3月26-29日にグルノーブル文化センター。
ブラームスの若いときの作品というわけでもないが、
まさにこのラプソディの方向性で情熱的な印象の
そうした作品で統一されている感じもあり、そこで
ニコラ・アンゲリッシュのテクニックが冴えるのだが、
安定感を生み出して、ただただ深みのある表現が
目指されている。激しさは出さずに実に落ち着いて、
どこか穏やかさも感じられる角のない音色である。
ブラームスの室内楽まで、様々な録音を残したが、
我々が想う理想ともいえるブラームス像というのを
実現してくれていると思うのである。後半は盛大に
パガニーニの主題による変奏曲を第1集、第2集、
全曲を演奏してくれているが、さすがに技巧的で、
その明瞭度は圧倒的だが、刺々しないのがいい。
ギスギスしたところはなく、とにかく美しいのである。

ERATO 0190295869212

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2023年12月28日 (木)

イーヴォ・ポゴレリチ 21

イーヴォ・ポゴレリチによるモーツァルトで
幻想曲 ニ短調 K.397
ピアノ・ソナタ 第5番 ト長調 K.283
ピアノ・ソナタ 第11番 イ長調 K.331
1992年6月にハンブルクのフリードリヒ・エーベルト・ハレ。
モーツァルトは柔らかい音色で弾いてほしく思うと、
イーヴォ・ポゴレリチは硬質であり、造形を強調して、
クリスタルな感覚を出すためにもそうなるのだけど、
それにしても異形である。くっきりとした右手に対し、
左手の運動性はというと、そちらは弱音が効果的で
滑らかなところもあるので、独特な仕上がりである。
一点の曇りもなく、清廉な心で、音楽はどこまでも
清々しく続いていきそうで、ふと気付き、立ち止まり、
考えると病んでいるようにも思え、実に難解である。
特に幻想曲に関しては、いかにも特殊な雰囲気で
個性的な方向性が出やすい作品でもあるけれど、
ソナタの方が自然な空気で、切り口も鮮やかに
歯切れよさとリズムの冴えで聞きやすく思われる。
第5番 ト長調 K.283は、ハイドン的な傾向が強く、
その点でもポゴレリチの表現が合いそうなのであり、
第11番 イ長調 K.331へと進むと音楽そのものが
モーツァルトらしくなってきて、そこでポゴレリチは、
なぜか、ひたすら無機質に弾き進めるのであって、
やはり変わっている。明瞭な響きは圧倒的だが、
右手と左手が全く別の音楽を奏でているようで、
何かが不自然だ。技術的には極端に高度であり、
その鮮やかさが作り出す透明度は特長であるが、
そこに気持ちよさが感じられず、少々複雑である。
この時期、ポゴレリチはハイドン、スカルラッティ、
そしてモーツァルトと古典的な作品を録音したが、
モーツァルトに関しては、ちょっと評価が難しい。

DG 00289 479 4350

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2023年12月27日 (水)

マリス・ヤンソンス 28

マリス・ヤンソンス指揮バイエルン放送交響楽団による
マーラーの交響曲 第9番 ニ長調
2016年10月20,21日にミュンヘンのフィルハーモニー。
マリス・ヤンソンスがマーラーのこの難曲においても
非常に自然な流れを生み出して、安らぎも感じられる、
美しい音色から恐怖の混沌とした世界へとその共存も
不思議なぐらいに無理がないのである。無理な展開を
際立たせることで壮絶な世界を作り出すこともあるが、
ヤンソンスは少しの強引さもなく、調和の響きの中で
マーラーのこの複雑に屈折した領域を描き切っている。
整っているということは、美しい側面に偏りがちだが、
ここに存在するあらゆる要素を丁寧に再現する作業で
完璧なコントロールの元、この上なく明瞭に描かれて、
音楽のすべてが伝わってくる。高度な技術の表層部に
意識が向きがちではあるのだが、その内部において、
静かに激しく、うごめいているものや爆発する感情も
ヤンソンスの精巧な設計の中にあふれ出すのである。
2016年の秋は、直前の9月末にコンセルトヘボウで
交響曲 第7番を取り上げ、そしてミュンヘンにおいて、
その翌月のこの第9番だが、ヤンソンスのマーラーは、
現在、聞けるのは、ここでの録音が最後となっている。
マーラーはその後も演奏していたのか?最後なのか?

BR 900151

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2023年12月26日 (火)

フランソワ・フレデリック・ギィ 14

フランソワ・フレデリック・ギィによる
ベートーヴェンのピアノ協奏曲全集から
ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 作品73「皇帝」
シンフォニア・ヴァルソヴィアとの協演で
2019年3月14-17日にモナコで収録。
フランソワ・フレデリック・ギィのベートーヴェンで
2019年のピアノ協奏曲の全曲演奏を聞い
ている。
締めくくりは「皇帝」だが、まずその音の美しさと
そしてピアノも管弦楽もすべてがいきいきと歌い、
音楽の素晴らしさもあって、実に感動的である。
ライヴ録音の魅力も加わり、勢いよく、立体的に
音楽が構築物として立ち上がって、その迫力に
圧倒される感覚は、何にも変えがたいのである。
躍動感のある演奏であり、その動きに惹かれて、
すっかり導かれ、引き込まれ、聞き入ってしまう。
これまで他の協奏曲で、カデンツァで聞かれた、
ヴィルトゥオーゾの要素が、「皇帝」では全編に
華々しく、表れ出るのであり、絢爛豪華である。
第4番のカデンツァに関して、はじめてのだが、
CDの広告では、ブラームスの作とされており、
あまりブラームスらしくなく、不思議なのだけど、
微妙なニュアンスの変化が淡い色合いを生み、
音楽としては素晴らしい。現代の作曲家かと、
新作と思っていたので、ちょっと意外であった。

Printemps des Arts de Monaco PRI034

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2023年12月25日 (月)

フランソワ・フレデリック・ギィ 13

フランソワ・フレデリック・ギィによる
ベートーヴェンのピアノ協奏曲全集から
ピアノ協奏曲 第3番 ハ短調 作品37
ピアノ協奏曲 第4番 ト長調 作品58
シンフォニア・ヴァルソヴィアとの協演で
2019年3月14-17日にモナコで収録。
フランソワ・フレデリック・ギィのベートーヴェンで
2019年のピアノ協奏曲の全曲演奏を聞いている。
壮麗なハ短調の協奏曲において、あえて力強く、
豪快に重々しい迫力を出しているが、聞き進むと
やはり美しい音色でしっかりと描き込まれている。
細やかな表情付けがなんとも魅力的なのである。
ここでもカデンツァのヴィルトゥオーゾが凄まじく、
まさに圧巻なのだけど、それがあってこそ、続く、
ベートーヴェンでも最もロマンティックな音楽の
第2楽章がこの上なく美しく、感動的なのである。
ピアノ協奏曲 第4番は、優美なイメージだが、
しっかりと響き、迫力もあって、実に引き込まれ、
そして驚いたのが、はじめて聞くカデンツァで
ベートーヴェン自身が2種類を残しているが、
それらではなく、ここでは逆に超絶技巧を抑え、
神聖な空気を生み出し、実に清らかであった。
第2楽章も豪壮な響きのオーケストラと対比で、
ピアノは神秘的であり、各作品の性格を強調し、
様々な対比がここでの演奏には存在していて、
フランソワ・フレデリック・ギィはベートーヴェンで
独自の世界を創造している。第4番の終楽章で
最後のカデンツァも新作であった。実に面白い。

Printemps des Arts de Monaco PRI034

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2023年12月24日 (日)

エマニュエル・アックス 16

エマニュエル・アックスによるシューマンで
ピアノ四重奏曲 変ホ長調 作品47
ピアノ五重奏曲 変ホ長調 作品44
クリーヴランド四重奏団との共演で
1986年11月3-5日にロチェスターのイーストマン・シアター。
エマニュエル・アックスによる室内楽を聞いている。
クリーヴランド四重奏団とは、ドヴォルザーク、
ブラームスのピアノ五重奏曲に続く共演である。
このピアノ四重奏曲がよほど気に入っているのか、
エマニュエル・アックスはその後、ヨーヨー・マとも
さらには2016年の再録音もあって、3種類である。
近年の穏やかで柔らかい音色とも違うと思うのだが、
もう少しだけ濃密であり、勢いもあって、色彩的で
しかしエマニュエル・アックスの丸みのある表現と
優しさの感じられる語り口は、本当に素晴らしい。
シューマンの室内楽でピアノ五重奏曲は有名だが、
他の作品はあまり聞かないのだけど、色合いや
特に深い陰影が魅力だが、独特の美しさである。
聞いていると弾きたくなる気持ちもわかってくる。

RCA 88985485192

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2023年12月23日 (土)

テディ・パパヴラミ 7

テディ・パパヴラミによるバッハで
無伴奏ヴァイオリン・パルティータ 第2番 ニ短調 BWV1004
無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ハ長調 BWV1005
無伴奏ヴァイオリン・パルティータ 第3番 ホ長調 BWV1006
2020年10月にメッツのアルセナル劇場で収録。
バッハの無伴奏ヴァイオリンの後半を聞いていきたい。
若いときの鋭く斬り込んでいく感じはすっかりなくなり、
音楽を慈しむように、ひとつひとつの音を噛みしめて、
体の中にある音楽を魂込めて、ひねり出すようであり、
深く、重く受け止め、ただただ感動的な時間が流れる。
力は抜けて、軽やかになっているところもあり、すると
音楽は自然にそうあるべき姿で歩みはじめるのだが、
これまでひたすらに突き詰めてきた先にある演奏は、
完璧なコントロールと揺るがぬ造形を示しながらも、
どこか安らぎが感じられて、彼方の光へと導かれる。
厳格で引き締まったパルティータ 第2番にはじまり、
明るく、晴れやかな第3番のソナタ、パルティータへ
開放されていく、ここでの情景も素晴らしいのである。
最後のパルティータ 第3番では、抑えられてきた、
強い想いが、一気にはじけるような強い輝きであり、
その眩しさに感激する。色付けしない真っ白な光は、
この上なく強い力を発し、生きていることを実感する。
テディ・パパヴラミの魂、命をかけたバッハである。

ALPHA 756

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2023年12月22日 (金)

テディ・パパヴラミ 6

テディ・パパヴラミによるバッハで
無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ト短調 BWV1001
無伴奏ヴァイオリン・パルティータ 第1番 ロ短調 BWV1002
無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第2番 イ短調 BWV1003
2020年10月にメッツのアルセナル劇場で収録。
コロナ禍のロックダウンで、ひとり、バッハと向き合い、
ヴァイオリンを弾き続ける孤独な時間は、技も精神も
研ぎ澄ますのであり、その成果がここでの演奏である。
より簡潔に素朴な表現へと向かっており、色も失って、
モノトーンな世界が広がっている。テディ・パパヴラミは
古楽的な要素はそれほど入れていないが、シンプルで
若いときの突き詰め、勢いで進めていく感じはなくなり、
力みもすっかり取れ、心も開放されている印象がある。
バッハの曲調もあるが、美しさよりもこちらに迫ってくる、
真実の音色であり、そこに格別な想いを感じるのである。
先の見えなかった2020年であり、誰もが死と向き合い、
そうした中でのバッハの演奏なのであり、その状況と
心境を思えば、感動せずにはいられない深さがある。
コロナが開けた現在ならば、また違った解決がなされ、
違った表現が生まれてくるかもしれないが、気になる。

ALPHA 756

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2023年12月21日 (木)

イーヴォ・ポゴレリチ 20

イーヴォ・ポゴレリチによるブラームスで
カプリッチョ 嬰ヘ短調 作品76-1
間奏曲 イ長調 作品118-2
2つのラプソディ 作品79
1992年6月にハンブルクのフリードリヒ・エーベルト・ハレ、
3つの間奏曲 作品117
1991年7月にハノーヴァーのベートーヴェン・ザール。
ブラームスを超越した音色で、不思議な仕上がりだが、
隅々にまで完璧なコントロールで、あまりにも美しい。
音楽の流れは断絶されて、推進力の停滞は著しく、
しかしそれで空中分解することもなく、絶妙な調和で
バランスを保っており、清々しくも感じられるのだから、
全く謎の世界観である。この少し前(1990)にリストを
録音しているが、古典派の作品でなく、ブラームスや
ロマン派の作品だと、音楽の要素を極限まで増幅させ、
ポゴレリチもこの辺の時代から、自由に個性を発揮し、
少しずつ極端な印象を与えることも増えてきたか。
しかし解釈における説得力は圧倒的で、引き込まれ、
この世界に深くのめり込めば、そこは底なし沼である。
時期的にも近いが、アファナシエフのブラームスに
スタイルはよく似ているのだけど、やはり違っており、
この個性は誰とも重なることはなく、詩的というより
存在は奇跡なのであり、演奏はほとんど超人的だ。
1990年代にこの演奏であったが、現在はどうなのか。

DG 00289 479 4350

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2023年12月20日 (水)

イツァーク・パールマン 13

イツァーク・パールマンのヴァイオリン、
ダニエル・バレンボイムのピアノによる
モーツァルトのヴァイオリン・ソナタを聞いている。
ヴァイオリン・ソナタ イ長調 K.526
ヴァイオリン・ソナタ ヘ長調 K.547
1990年6月にパリのサル・ワグラムで収録。
パールマンの切れ味と歯切れのよさは格別であり、
バレンボイムのピアノが滑らかにぴったり寄り添い、
素晴らしい演奏である。安定感があるが、落ち着き、
風格を示すような印象でもなく、しなやかに快活で、
それというのもバレンボイムは、このとき47歳だ。
すべてにおいて、充実の極みであり、幸福がある。
モーツァルトのヴァイオリン・ソナタもK.500番台で
後期の作品となると規模も大きく、完成度が高いが、
パリ時代のシンプルで少々半端な仕上がりながら、
各曲が強烈な個性を発揮して、魅力にあふれて、
それに比べるとわかりやすさでは、渋いのである。
パールマンとバレンボイムでじっくりと聞き込もう。

DG 479 4708

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2023年12月19日 (火)

イツァーク・パールマン 12

イツァーク・パールマンのヴァイオリン、
ダニエル・バレンボイムのピアノによる
モーツァルトのヴァイオリン・ソナタを聞いている。
ヴァイオリン・ソナタ 変ロ長調 K.454
ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 K.481
1990年6月にパリのサル・ワグラムで収録。
パールマンの美しい音色はなんと優雅なことか。
古典的な様式美よりもロマン派の豊かな色合い、
歌い上げる方向性というのは顕著かもしれない。
バレンボイムが勢いのある表現で、溌溂として、
この当時の二人は、本当に圧倒的なのである。
無敵の輝きが眩しくて、まさに香り立つようだ。
1990年6月のパリで4曲のソナタが録音され、
次回のK.526とK.547がいよいよ最後となる。

DG 479 4708

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2023年12月18日 (月)

フランソワ・グザヴィエ・ロト 14

フランソワ・グザヴィエ・ロト指揮レ・シエクルで
ベートーヴェンの交響曲 第3番 変ホ長調 作品55
2020年3月にグルノーブルのトゥルコアン市立劇場、
メユールの「アマゾネス」序曲
2020年2月にブローニュ・ビヤンクールで収録。
作曲当時の楽器を収集して、その響きを蘇らせる、
レ・シエクルの演奏で、ベートーヴェンの交響曲だと
やはりよく聞きなれている古楽演奏の印象である。
モーツァルトやハイドン、もちろんベートーヴェンも
古楽器による演奏は好きであったはずなのだけど、
どうも近頃は、物足りなく感じてしまうようである。
音楽がスッキリとして、ヴァイオリンの両翼配置は、
明瞭なステレオ効果を発揮し、実に鮮やかだが、
その響きはいかにも軽く、薄く、シャリシャリと鳴る。
古楽器の演奏は、他もこうなので、レ・シエクルが
悪いということではない。演奏は素晴らしいと思う。
古楽器の演奏やその音色だからこそという解釈に
もはや新鮮味を感じなくなってしまったのであろう。
原典に戻っているのならば、それが新鮮というのも
おかしいのだが、歴代の巨匠たちの様々な想いで、
壮大に膨れ上がっていた響きをすべて洗い流して、
古楽器の演奏は、たしかに作品を生まれ変わらせ、
聞く人に新しい感覚の喜びというものを与えていた。
かつて1990年代の頃には、そうした感覚があった。
フランソワ・グザヴィエ・ロトは、様々な発想をここに
盛り込み、それは大胆で面白さもしっかり存在する。
そして耳も慣れてくるので、曲の後半へと行くほど、
その充実度は増してくる。偉大な作品なのである。
後半にはメユールの「アマゾネス」序曲が収録され、
はじめて聞くが、エティエンヌ・ニコラ・メユールという
ベートーヴェンと同時代のフランスの作曲家である。
これまで知らなかったが、モーツァルト的な印象が、
なかなか劇的に壮大に広がって、魅力的である。

harmonia mundi HMM902421

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2023年12月17日 (日)

12月17日の感想

レイアウトなどは少しずつ準備していたのだが、
最終の修正をして、年賀状を印刷、完了した。
昔、お世話になった方などは、歳を取られて、
年賀状終いをする方も多く、この数年で枚数が
かなり減った。一年に一度、新年のはじめに
年賀状で挨拶をすることは大切なことだと、
当然のように思ってきたが、意識は変わって、
年賀状を出す方が、時代に遅れているような、
そんな気すらするのである。これも近い将来、
消えゆくものかも、もうしばらく続けていこう。

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2023年12月16日 (土)

イアン・ボストリッジ 3

イアン・ボストリッジとラルス・フォークトによる
シューベルトの歌曲集「白鳥の歌」 D.957
孤独に D.620
2021年11月にロンドンのウィグモア・ホールで収録。
イアン・ボストリッジによるシューベルトの歌曲だが、
「白鳥の歌」では、ラルス・フォークトとの共演である。
2019年の「美しき水車小屋の娘」から時間が経過し、
やはりコロナ禍でシリーズは中断していたのであろう。
そしてこの翌年(2022)の9月に亡くなってしまった、
ラルス・フォークトがピアノを弾き、闘病中の演奏で、
シューベルトが最後の年に死を意識した白鳥の歌で
どんな音楽を聞かせるのか、実に複雑な思いがある。
イアン・ボストリッジがどんな演奏にも自在に対応でき、
それをまた取り入れて、音楽は無限に深まっていくと、
そうしたことが根底にあるのだが、ラルス・フォークトは
シンプルな方向へと向かいながらも独特の揺らぎの中、
絶妙な浮遊感を持ち込み、軽やかながらも壮絶である。
諦めの感情に支配され、もはや激情は残されていない、
シューベルトのそんな時の流れに、ラルス・フォークトは
力を振り絞り、最後の炎を燃やして、それは命を削って、
死を呼び寄せる行為のようにも感じられるけれど、誰も
止めることはできず、「白鳥の歌」の音楽がそうさせる。
悪魔の取り引きで最高の感動だ。ラルス・フォークトは、
イアン・ボストリッジとの共演に、そしてシューベルトに
自身のすべてを捧げている。その覚悟に圧倒される。

PENTATONE PTC5186786

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2023年12月15日 (金)

フランソワ・フレデリック・ギィ 12

フランソワ・フレデリック・ギィによる
ベートーヴェンのピアノ協奏曲全集から
ピアノ協奏曲 第1番 ハ長調 作品15
ピアノ協奏曲 第2番 変ロ長調 作品19
シンフォニア・ヴァルソヴィアとの協演で
2019年3月14-17日にモナコで収録。
フランソワ・フレデリック・ギィのベートーヴェンで
ピアノ・ソナタ全集を聞いてきたが、それに続いて、
2019年の演奏でピアノ協奏曲を聞きたいと思う。
ベートーヴェンの生誕250年(2020)に合わせて、
制作された全集であり、最近の演奏ともいえるが、
色合いも豊かになり、粒立ちよく、音も立体的で
より大胆な表現を聞かせて、実に華やかである。
ここでも細やかな表情付けが独特の効果であり、
濃淡の変化や光と陰の移ろいは魅力なのだが、
若き日のベートーヴェンが見せた、大きな挑戦で
ここに存在しているヴィルトゥオーゾ的な要素を
華麗に飛躍させて表現し、そこはライヴ録音の
特性も活かされ、思い切って、やり抜いている。
カデンツァには圧倒され、その迫力は凄まじい。

Printemps des Arts de Monaco PRI034

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2023年12月14日 (木)

レナード・バーンスタイン 38

レナード・バーンスタイン指揮ウィーン・フィルによる
マーラーの交響曲 第10番 嬰ヘ長調~アダージョ
1974年10月にウィーン・コンツェルトハウスで収録、
ニューヨーク・フィルの演奏で
交響曲 第10番 嬰ヘ長調~アダージョ
1975年4月8日にニューヨークの30番地スタジオで収録。
SONYの旧の交響曲全集とDGの再録音の全集から
交響曲 第10番のアダージョをそれぞれ聞きたいと思う。
バーンスタインの死により、再録音が叶わなかったのが、
交響曲 第8番と第10番であり、交響曲全曲とするため
1970年代のライヴ録音が採用された。その結果として、
1975年のニューヨークでの最初の録音よりも前の演奏が
DGの全集には収録されたことになる。バーンスタインは、
ウィーン・フィルの美しい音色を駆使して、優しく穏やかに
この作品の気持ち悪さは薄まるのだけれど、後半での
不協和音の大洪水では、それは極端に過剰に鳴り響き、
すっかり拒絶反応が出るのである。この作品の特徴だ。
その半年後の録音で、ニューヨーク・フィルの方を聞くと
おどろおどろしいのが全編にわたり、怪奇趣味も際立ち、
このグロテスクは何なのか、凄まじい雰囲気なのである。
ウィーン・フィルは、やはり洗練されたところに行きつき、
その点では、この時期だとニューヨーク・フィルの方が、
バーンスタインの求めに応じ、その描き込みも濃厚に、
想いの実現というのを尺度にするならば、1975年の
ニューヨークの方が、完成度は高いようにも思われる。
ウィーン・フィルの方は放送音源を使用しているのか、
バーンスタインの踏み込む足音は臨場感で反応する。

1974: DG 477 8668
1975: SONY 19439708562

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2023年12月13日 (水)

マリス・ヤンソンス 27

マリス・ヤンソンス指揮バイエルン放送交響楽団による
マーラーの交響曲 第5番 嬰ハ短調
2016年3月10,11日にミュンヘンのフィルハーモニー。
本当にすごい演奏だ。強靭であり、音の力に圧倒され、
その迫力も凄まじいが、音楽が心の奥深くに迫ってくる。
刻まれる傷の痛みというのは、あまりにも壮絶である。
ヤンソンスの表現の幅は広がり、音楽は壮大になって、
より濃密に歌い込まれているが、オーケストラを自在に
縦横無尽に操っていく様子には、とにかく感動してしまう。
ヤンソンスのロイヤル・コンセルトヘボウでの2007年の
交響曲 第5番が出ており、おそらく同時期であったか、
バイエルン放送交響楽団でのライヴもFMで聞いたが、
そちらもあまりの素晴らしさに驚いたのだけど、さらに
上を行く雄大なスケールで、なんという充実度であろう。
2010年頃のヤンソンスの演奏とも少し印象は変わって、
2016年というと、晩年の時期に近付いていくわけだが、
引き締まって、鋭い演奏を聞かせていたヤンソンスが、
巨匠風のスタイルへと変貌していったかと思わされる。

BR 900150

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2023年12月12日 (火)

ヴァーツラフ・ノイマン 27

ヴァーツラフ・ノイマン指揮チェコ・フィルによる
マーラーの交響曲 第3番 ニ短調
1981年12月16-19日にプラハのルドルフィヌムで収録。
ヴァーツラフ・ノイマンによるマーラーの交響曲全集を
収録順に聞いている。ノイマンの音作りは厳格であり、
豊かに鳴り響く感じではないのだが、強く引き締まり、
彼方への発散ではなく、求心的な構築性に感動する。
感情に左右されての劇的な表現は抑制を基本として、
ここでの激しさというのは、付け加えられたものでなく、
マーラーの音楽、その内面から湧き起こるものであり、
これが素晴らしいのだ。やはりノイマンのマーラーは、
格別なものに感じられる。第2楽章以降は落ち着き、
するとチェコ・フィルの美しい音色が際立ってくるが、
第3楽章はきびきびと潔く響き、その流れからくる、
第4楽章以降でのこの透明感はまさに極みである。

Supraphon SU3880-2

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2023年12月11日 (月)

フランソワ・グザヴィエ・ロト 13

フランソワ・グザヴィエ・ロト指揮レ・シエクルで
ベートーヴェンの交響曲 第5番 ハ短調 作品67
2017年3月にパリのフィルハーモニーで収録、
ゴセックの17声の交響曲 ヘ長調
2020年2月にブローニュ・ビヤンクールで収録。
作曲当時の楽器を収集して、その響きを蘇らせる、
レ・シエクルの演奏であり、古楽器で取り上げない、
近代の作品では、その音色に夢中になるのだが、
ここではベートーヴェンであり、これまでに何度も
聞いてきている古楽器の演奏と印象は変わらない。
フランソワ・グザヴィエ・ロトが生み出した表現は、
新鮮な感覚もあるし、独特な手法も取り入れて、
それは素晴らしく、だからこそ思ってしまうのは、
モダン・オーケストラでこれを実践してくれたなら
さらに面白く、刺激的で圧倒されたに違いない。
南西ドイツ放送交響楽団の時代に交響曲全集を
完成させてくれていたならば、よかったであろうと
当時はどのくらいベートーヴェンを指揮していたか、
不明ではあるが、N響でも第9番が取り上げられ、
演奏していたには違いない。古楽器での演奏と
モダン・オーケストラへのピリオド奏法の導入と
方向性がハッキリしない中で、何となくの実践は、
逆効果で音楽を台無しにするのだが、ここでの
フランソワ・グザヴィエ・ロトならば、こだわりは
徹底しているのであり、突き詰めて、よい結果を
もたらすに決まっているのである。これを聞くと
発展の可能性は、まだまだ残されているようだ。
ゴセックの17声の交響曲ははじめて聞いたが、
ベートーヴェンも影響を受けたということであり、
フランスで活躍したベルギーの作曲家とあるが、
その音楽はハイドンの交響曲に近い印象である。

harmonia mundi HMM902423

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2023年12月10日 (日)

ヘルベルト・ブロムシュテット 30

ヘルベルト・ブロムシュテット指揮バイエルン放送交響楽団で
モーツァルトの交響曲 第40番 ト短調 K.550
2013年1月31日、2月1日にヘルクレスザールで収録、
交響曲 第41番 ハ長調 K.551「ジュピター」
2017年12月21,22日にミュンヘンのヘルクレスザール。
ブロムシュテットはト短調の交響曲における悲劇性を
しっかりと表現し、落ち着きある中にも激しい表情を
力強く示して、冒頭からすぐに引き込まれてしまった。
古楽の響きを取り入れ、しなやかに躍動する動きで、
第2楽章以降も非常に速いテンポだ。むしろこれが、
現代のスタンダードになりつつあるのかもしれない。
なぜかブロムシュテットのときに意識するのだけど、
ヴァイオリンが左右に分かれることよりも正面左に
低弦が配置されて、音楽の基礎がそこにあるのが、
心地よいように感じられて、ブロムシュテットによる
重低音の扱いには特長があって、そこに惹かれる。
奇を衒うところはないし、表現は誠実そのものだが、
音の作り方や楽器間のバランスでも独特の発想で
しっかりと伝統の流れにありながらも響きは新鮮に
音楽を記憶で扱わず、新たな目で向き合っている。
「ジュピター」に関しては、90歳の巨匠の演奏で、
歳を重ねるほどに若返って、新しい表現が次々と
生まれてくるのであろうといまも最先端なのである。

BR 900164

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2023年12月 9日 (土)

イアン・ボストリッジ 2

イアン・ボストリッジとサスキア・ジョルジーニによる
シューベルトの歌曲集「美しき水車小屋の娘」 D.795
2019年4月にロンドンのウィグモア・ホールで収録。
イアン・ボストリッジによるシューベルトの歌曲だが、
「美しき水車小屋の娘」はサスキア・ジョルジーニと
共演している。三大歌曲集の再録音では、それぞれ
別のピアニストと演奏し、違った方向性が示されるが、
サスキア・ジョルジーニは感情豊かに激しい表情で
また独特な仕上がりである。イアン・ボストリッジも
様々なピアニストとの共同作業により影響を受け、
新鮮な音楽を生み出していると思われるのだが、
一方でイアン・ボストリッジの変化に富んだ表現に
サスキア・ジョルジーニが、ぴったりと寄り添って、
ピアノが歌に合わせている、という印象もあって、
ライヴに特有の瞬発的な盛り上がりに感動する。
でも思ってしまうのが、イアン・ボストリッジには、
三大歌曲集をさらに録音してほしくて、そこでは
ぜひジュリアス・ドレイクが弾いてほしいのである。

PENTATONE PTC5186775

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2023年12月 8日 (金)

テディ・パパヴラミ 5

テディ・パパヴラミによるバッハで
無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第2番 イ短調 BWV1003
無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ハ長調 BWV1005
無伴奏ヴァイオリン・パルティータ 第3番 ホ長調 BWV1006
2004年8,9月にグリムスアトのスタジオ・ティボール・ヴァルガ、
イザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第2番 イ短調 作品27-2
2012年10月にラ・ショー・ド・フォンのサル・ド・ミュジーク。
音楽は一挺のヴァイオリンから奏でられているのだが、
この緻密で複雑な構造を持つ作品が、不思議なほど
安定して、美しいフォルムで構築され、表れるのであり、
その研ぎ澄まされている感覚は、とにかく最高である。
厳格なソナタ 第2番にはじまり、後半は長調に転じて、
明るく、光の世界へと精神が解放されていく様子には、
どこかへ連れて行かれる感があり、その強い輝きには、
逆らえないのである。パルティータ 第3番の眩しさは、
これは何なのであろうか。かつて経験したことのない、
強靭なものが感じられ、細く、真っすぐに、しなやかで、
それは決して切れない線である。手に入れた新素材で
これを知ったら、もう他に替えは、存在しないのである。
最後にイザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第2番が、
収録されているが、パルティータ 第3番のパロディで
調性はイ短調という、バッハの同じくソナタ 第2番に
呼応するのであり、素晴らしい発想に共鳴するけれど、
こちらはイザイの全曲盤からの抜粋で、聞き出すと
その全貌が知りたくなるのであり、興味が沸いてくる。

Zig-Zag Territoires ZZT320

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2023年12月 7日 (木)

テディ・パパヴラミ 4

テディ・パパヴラミによるバッハで
無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ト短調 BWV1001
無伴奏ヴァイオリン・パルティータ 第1番 ロ短調 BWV1002
無伴奏ヴァイオリン・パルティータ 第2番 ニ短調 BWV1004
2004年8,9月にグリムスアトのスタジオ・ティボール・ヴァルガ。
コロナ禍で人の接触が禁じられていた2020年に
バッハの無伴奏ヴァイオリンの作品に取り組んだ、
ヴァイオリニストは多かったが、テディ・パパヴラミも
二度目の録音に取り組み、完成されているけれど、
まずは2004年の最初の録音から聞きはじめている。
新しい録音には、それはさらなる進化があると思うが、
こちらの演奏もあまりに素晴らしくて、感動的である。
孤独の中でいかに自身と向き合うのか、突き詰めて、
その深化の時間がこれらの作品に反映されるけれど、
自らに厳しく問い続け、妥協なく、甘い音色などなくて、
ただただ崇高な世界が広がっている。心の豊かさより
奏でられる音色は精神に直結し、荘厳の境地である。
このとき、テディ・パパヴラミは33歳であり、若さより
どこか、何かを悟って演奏しているような空気だけど、
何がその世界へと導いたのか、それは知りたくなる。
アルバニアに生まれ、11歳でフランスに渡り、亡命し、
若い頃から壮絶な人生を歩んできたとあるのだが、
それらが音楽に影響を与えているのか、それを感じ、
様々な話を重ねて、想いながら聞くとさらに深まる。

Zig-Zag Territoires ZZT320

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2023年12月 6日 (水)

レナード・バーンスタイン 37

レナード・バーンスタイン指揮イスラエル・フィルによる
マーラーの交響曲「大地の歌」
クリスタ・ルートヴィヒ、ルネ・コロの独唱で
1972年5月18,20,23日にテル・アヴィヴのマン・オーディトリウム。
バーンスタインのマーラーの交響曲全集の続編であり、
「大地の歌」は1966年のウィーン・フィルとの録音もあるが、
6年後に早くも新しい録音が制作されている。旧録音では、
アルトの楽章でフィッシャー・ディースカウが歌っていたが、
こちらはクリスタ・ルートヴィヒで、通常の仕上がりである。
それほどに濃厚な音を聞かせている印象はないのだが、
細部にまで、じっくりと歌い込んでいるのは独特であり、
しかしその歌というのが、押し付けてくるところがなくて、
何とも優しい感触なのである。マーラーに深く取り組み、
作品への愛情は極まっているが、1960年代の勢いとは
少し変わってきているところもあるのか、音楽の世界に
没入して、ますます一体になりたいと想いを強めている。
作品を音にするというのから、音楽は沸き起こるもので
マーラーの交響曲が、バーンスタインそのものになって、
そうしたスタイルは、この先、傾向を強めていくのだが、
ここでそれを意識し、作為的な表現というのは姿を消し、
実に感動的である。バーンスタインが長生きしていれば、
間違いなく、「大地の歌」のさらに新しい録音がされて、
晩年のスタイルでの演奏が聞けたと思うが残念である。

SONY 19439708562

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2023年12月 5日 (火)

マリス・ヤンソンス 26

マリス・ヤンソンス指揮バイエルン放送交響楽団による
マーラーの交響曲 第2番 ハ短調「復活」
アニヤ・ハルテロス、ベルナルダ・フィンクの独唱、
バイエルン放送合唱団の合唱で
2011年5月13-15日にミュンヘンのフィルハーモニー。
ヤンソンスのオスロ・フィルの時代には、マーラーの
イメージはあまりなかったのだが、その終わりの頃に
マーラーの交響曲がCDで出はじめ、2000年代以降、
コンセルトヘボウとバイエルン放送交響楽団との演奏が
聞けるようになってからは、マーラーは活動の中心で、
期待も大きく、安心して聞ける存在でもあるのだけど、
やはりきらりと光るところがあると一気に引き込まれて、
その点では、第1楽章の冒頭から冴えわたる音作りで
夢中になって聞けるのである。ちょっと聞きすぎであり、
マーラーの交響曲でも心に深く響いてくることが減って、
バランスを取ることが重要だが、ヤンソンスの演奏だと
魅力あふれて感じられるから、やはり上を行くのである。
バイエルン放送交響楽団は統制のとれた端正な響きで、
引き締まった演奏であり、研き上げられている印象だが、
個々の要素に注目すると豊かな表情を聞かせており、
細部の描き込みとそれを統括するヤンソンスの手腕が、
実に見事なのであって、これは最高の感動といえる。
非常に大胆に思い切った表現を試みているのだけど、
音楽の流れはまさに理想的で、自然な調和が美しい。
当時は知らなかったのだが、ヤンソンスのマーラーで
初録音というのが、オスロ・フィルとの交響曲 第2番で
それが1989年11月の録音であり、そうした記録でも
ヤンソンスにとって、この第2番「復活」という作品は、
格別な交響曲なのかもしれない。この演奏を聞いても
何かそうした想いを感じる。素晴らしい名演を聞けた。

BR 900167

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2023年12月 4日 (月)

ロリン・マゼール 77

ロリン・マゼール指揮バイエルン放送交響楽団で
R.シュトラウスの家庭交響曲 作品53
交響詩「死と変容」 作品24
1995年2月6,7日にミュンヘンのヘルクレスザール。
ロリン・マゼールとバイエルン放送交響楽団による
R.シュトラウスのシリーズを収録順に聞いている。
1995年2月6-8日の3日間に前回の3曲に加え、
これらの作品で、CDで2枚分が最初に制作された。
家庭交響曲も再録音であるが、ますます穏やかに
優しい音色の愛があふれる演奏であり、心地よい。
張り詰めた緊迫感や強いコントロールは姿を消し、
リラックスした中での音作りゆえに美しいのだが、
尖っていた頃のマゼールとは、かなり違うけれど、
これも素晴らしいのである。この雄大に和やかで
そのスタイルも慣れてしまって、すっかりよくなった。
正直なところ、アルプス交響曲の方が断然好きで、
家庭交響曲はどうも捉えにくいのだが、マゼールは
前回のウィーン・フィルとの録音でもこちらの演奏も
細かいところまで描き尽くしている感は圧倒的で、
不思議なぐらいに引き込まれ、夢中にさせられる。
「死と変容」はマゼールに向いている印象もあり、
実際に演奏もブレンドされた音色も素晴らしい。
1990年代後半のバイエルン放送交響楽団との
その時代のマゼールって、実は、当時はあまり、
関心がなかったのだが、いま聞くといいのである。
次回は、この翌年の「英雄の生涯」を聞きたい。

SONY 88697932382

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2023年12月 3日 (日)

イアン・ボストリッジ 1

イアン・ボストリッジとトーマス・アデスによる
シューベルトの歌曲集「冬の旅」 D.911
2018年9月にロンドンのウィグモア・ホールで収録。
イアン・ボストリッジによるシューベルトの歌曲だが、
歌曲集「冬の旅」では、作曲家のトーマス・アデスと
共演している。最初の録音の際にも三大歌曲集では、
歌曲ピアニスト以外と歌っていた。影響はあるのか、
様々な要因を積極的に取り込んで、変化を楽しみ、
イアン・ボストリッジも豊かに歌っている気がする。
トーマス・アデスのピアノが魅力的だ。シンプルで、
スッキリと弾き進めるのだけど、ときに大胆になり、
薬にも毒にもなって、深く突き刺さってくるところは
実に刺激的なのである。作曲家の目で再構築して、
イアン・ボストリッジがまた、いかにでも対応できて、
二人の可能性は、シューベルトの音楽を通して、
まさに無限大だ。これまで聞いてきたのと違って、
全く斬新といえる不協和音が鳴り出すこともあるし、
リズムのズレや歪みが曖昧な感覚を生み出して、
それがシューベルトの世界を強調することもある。
この発見は、歌曲好きにはたまらず、聞くほどに
夢中になってしまう素晴らしさである。感動した。

PENTATONE PTC5186764

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2023年12月 2日 (土)

エマニュエル・アックス 15

エマニュエル・アックスによるブラームスで
ピアノ五重奏曲 ヘ短調 作品34
クリーヴランド四重奏団との共演で
1982年12月22,23日にニューヨークのRCAスタジオ。
エマニュエル・アックスによる室内楽を聞いている。
クリーヴランド四重奏団とは、ドヴォルザークに続き、
ブラームスのピアノ五重奏曲が録音されている。
エマニュエル・アックスというと丸みのある音色で
柔らかい表情を聞かせているイメージなのだが、
ピアノ協奏曲でもヨーヨー・マと共演の室内楽でも
ブラームスの作品が深い音色で実にいいのである。
重厚さや音楽の構築性を強調するよりも抒情性で
美しい歌に満ちた世界は、ブラームスの若々しく、
想いのあふれる豊かな音色を響かせ、感動的だ。
共通して、穏やかな色調というのがあるのだが、
第3楽章では動きが出てくるし、情熱的な部分が
しだいににじみ出てくるが、終楽章になるとさらに
陰影が増して、彫りが深く、劇的な要素は極まって、
本当に素晴らしい音楽である。いいピアニストだ。
現在なら、間違いなく、さらに深みのある演奏で
偉大であろうけど、その若き日も魅力的である。

RCA 88985485192

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2023年12月 1日 (金)

12月1日の感想

埼玉の叔父の家に行ってきた。
今年の夏は行かなかったので、一年ぶり。
早朝に出かけて、深夜に帰宅し、疲れた。
12月に入り、真冬の寒さであったようで、
少々凍えてしまって、帰りはきつかったが、
熱があったから、寒かったのではなくて、
体温を測ってみると35.4度しかなかった。
暖まったら頭痛も消えて、すぐに復活した。

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