マウリツィオ・ポリーニ 19
マウリツィオ・ポリーニによるシューマンで
ピアノ・ソナタ 第1番 嬰ヘ短調 作品11
幻想曲 ハ長調 作品17
1973年4月にミュンヘンのヘルクレスザールで収録。
ポリーニの初期の録音でシューマンを聞いている。
1972年のショパンの練習曲の後、シューマンが続き、
集中力と強い緊張感で隙のない力強い演奏である。
感情の揺らぎや色合いの変化も見せず、引き締まり、
若い頃のポリーニに特有のこの立体感は実に特長だ。
かなり硬質な響きに存在感があって、色を付けない。
幻想曲に関しては、ポリーニはずっと弾き続けたが、
1995年と2004年に実演で聞いており、色彩が増し、
2004年のときには、第3楽章での柔らかい表現で
聞く人を夢の世界に誘う、あの感覚は絶品であった。
若い頃の演奏には、このときだからこそのよさがあり、
ポリーニには、ぜひ幻想曲を再録音してほしかった。
1990年代から2000年頃のライヴ録音が聞けたら、
さらにうれしい。その魅力、素晴らしさは保証できる。
DG 423 134-2
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