リッカルド・シャイー 11
リッカルド・シャイー指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団で
メシアンのトゥーランガリラ交響曲
ジャン・イヴ・ティボーデのピアノと
原田節のオンド・マルトノによって
1992年3月にアムステルダム・コンセルトヘボウ。
リッカルド・シャイーのボックスセットから聞いている。
この演奏は発売時に買って、そのときから聞いている。
トゥーランガリラ交響曲は、メシアンの代表作でもあり、
20世紀の音楽の中でも最も広く知られている作品だが、
この1990年代には、そんなにCDも種類はなかった。
そこに登場したシャイーによる最新の演奏であったし、
ジャン・イヴ・ティボーデが参加して、魅力的に思えた。
それから30年が経過して、すっかり時代も変わって、
メシアンのこの音楽を素直に楽しめるようになったし、
トゥーランガリラ交響曲に現代音楽の難解さはない。
心地よく音楽が膨張されていく感覚とこの壮大さで、
楽しくて仕方なく、いまでは親しみしかないのである。
リッカルド・シャイーが現代音楽の専門家であるという、
そうしたイメージはないのだが、20世紀のその当時に
20世紀の作品を積極的に演奏して、時代を振り返り、
熱心に取り組んでいたのだなと、改めて思わされる。
ベリオやヴァレーズなども聞いて、その鋭い感性に
シャイーは20世紀の音楽に非常に適性があったと
感じるのである。豊かな音響を精妙にコントロールし、
音楽の変化には大胆に対応して、本当に素晴らしい。
DECCA 483 4266
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