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2024年5月 5日 (日)

イモジェン・クーパー 3

イモジェン・クーパーによるシューマンの第3集で
ノヴェレッテ 嬰ヘ短調 作品21-8
ダヴィッド同盟舞曲集 作品6
ノヴェレッテ ニ長調 作品21-2
アベッグ変奏曲 ヘ長調 作品1
主題と変奏 変ホ長調(幽霊変奏曲)
2014年11月3-6日にスネイプ・モルティングスで収録。
イモジェン・クーパーのシューマンは、第3集まで
制作されており、いまのところ、これですべてである。
ノヴェレッテの第8番は、もう昔、アシュケナージで
聞いて以来、好きな曲なのだが、このノヴェレッテは
なかなか聞けない。全曲で演奏されることは少なく、
ここでの抜粋もうれしいことである。続く、第2番も
ルービンシュタインが弾いていたことで知られるが、
一部は非常に馴染みもあり、実に素晴らしい曲だ。
ダヴィッド同盟舞曲集は夢中にさせる完成度である。
対極する要素を丁寧に描き出し、精妙な表現であり、
走り出しては立ち止まり、先に進んでいくにつれて、
対比はますます際立っていく。いきいきと躍動して、
あくまでも自然な流れの中にあり、感動的である。
ここで取り上げられている作品のテーマというのは、
性格表現によるストーリー展開というのがあるのか、
変奏曲もまた、主題の向こう側に、どれだけ豊かに、
様々な顔が隠されているのかとそれを解きほぐして、
筋道を立てていく作業で、何とも高度なことである。
初期のアベッグ変奏曲と遺作の幽霊変奏曲に続き、
シューマン自身の人生における対比というものも
ここに表現されている。幽霊変奏曲は第5変奏で
唐突に終わってしまうのが一般的だが、ここでは、
最後にもう一度、主題が奏でられ、この形がいい。
ゴルトベルク変奏曲のように原点に立ち戻る形だ。
安心が得られたところで、静かに終わるのである。
イモジェン・クーパーのシューマンはやはり最高だ。

CHANDOS CHAN10874

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