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2024年5月15日 (水)

ジョナサン・ノット 8

ジョナサン・ノット指揮バンベルク交響楽団で
マーラーの交響曲 第9番 ニ長調
2008年9月15-19日にバンベルクのコンツェルトハレ。
ジョナサン・ノット指揮バンベルク交響楽団による
マーラーの交響曲全集を収録順に聞いている。
交響曲 第9番で、思ったよりもよい流れに歌われ、
その重圧から解放されることもあるのだが、ここでは、
逆にひたすらに精密に突き詰めて、進行しはじめて、
ジョナサン・ノットは同時に感情的になることを避け、
温度を下げて、聞かせているのであり、独特である。
極めて現代的な感覚での明瞭な響きが特長であり、
激烈な抑揚のない中に打楽器が強調されるのと、
悲劇的なフレーズが際立って、それは心に刻まれ、
突き刺さり、音楽の厳しさや険しさを示している。
ちょっとこれまでにないタイプの冷血な演奏であり、
それがかえって衝撃を与え、引き込まれてしまう。
ジョナサン・ノットというと、現代音楽のイメージで、
そこから来ているマーラーなので、こうなることも
よくわかるのだが、それにしても集中力が高い。
第2楽章以降は、少しずつ動きが出てきており、
舞曲のリズムで、ときに暴れ出すところも見られ、
しかしそれもまた鋭く、刺激がある。第3楽章も
高揚感があり、楽章での描き分けがされている。
それが結果論ではなくて、緻密なアプローチで
徹底的に精密に作り上げられているのがすごい。
第4楽章では再び、音楽との冷徹な対話へと
深く沈みこんでいくが、淡白さもあるのだけれど、
この凝縮の音楽を受け止めるのは、聞く側には
想像以上の重厚な体験が存在し、深いのである。
繰り返し聞くとジョナサン・ノットのこの世界観にも
慣れてくるのだが、すると後は、もう感動のみだ。

TUDOR 1670

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