2018年10月10日 (水)

小満ん語録~珍談

今年の春のことなのだけど、落語会に出かけて、
ロビーで待っていたところ、師匠が到着されて、
楽屋が開くまでお話ししていたのだが、そこで
「月村さん、何か最近は、珍談はないのかい?」
という質問で、咄嗟のことで何も答えられなかった。
ずっとそれが引っかかっていて、日常の時間でも
何か面白い話題を見付けられるはずだと注意して
心がけているのだけど、なかなか見当たらない。
実に難しい。「珍談はないのかい?」というのは、
晩年の文楽師匠(八代目)の口癖であったらしい。
引退して、出かけなくなった黒門町のお宅に弟子が
訪ねてくると面白い話を聞きたがったそうなのである。
大概は楽屋の様子を報告するのだが、小満ん師匠は
別のところで何かいい話を探してきては、文楽師匠に
聞かせていたそうなのである。師匠のいう珍談とは、
噂話や人の失敗をネタに笑うような内容はいけない。
ましてや悪口などは以ての外。するとますます難しい。
一日一珍談を目指したいところ。とは思いながらも
そう面白いネタは、滅多に落ちていないのである。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年9月22日 (土)

小満ん語録~斗酒

一昨日の小満んの会に関する師匠の句から
「斗酒尚辞さず」について、調べてみると
「一斗の酒も辞退せずに平気で飲む」
大酒飲みのことをいうそうで、五升に五升で
一斗の酒を飲んだ久蔵さん、「試し酒」である。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年7月20日 (金)

小満ん語録~荷足船

少し前だが、13日の日本橋での小満んの会での
「涼み船」による師匠の一句から「荷足船」について。
荷足船(にたりぶね)は、東京湾、相模湾あたりで
使われていた小型の和船とある。猪牙船よりは大きく、
主として荷船として利用され、幅が狭く,船足が速く、
飛脚船としても使われていたらしい。「涼み船」で
炎天下に船の上で太鼓を叩いてバカ騒ぎをするが、
師匠と栄さんを乗せた川遊びの屋根船に対して、
こちらの船は荷足船であったのだ。速いそうなので
三味線の音色も漏れて優雅に進んでいる屋根船に
あっという間に追いついてしまうのもよくわかる。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年4月21日 (土)

小満ん語録~夏子物語

久須美酒造の「夏子物語」という日本酒の
瓶のラベルが小満ん師匠の書である。
新潟の酒屋さんからネットで取り寄せてみた。
語録ではないのだけど、師匠の見慣れた字。
どういう経緯で字を書いたのかはわからないが、
新潟県長岡市(旧和島村)にある久須美酒造は、
漫画「夏子の酒」のモデルになった蔵元だそうで、
1994年にドラマ化されて、和久井映見や中井貴一、
萩原聖人が出演したようだが、知っているような…
知らないような、それにちなんでの「夏子物語」。
久須美酒造は、天保四年(1833)の創業。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年3月22日 (木)

小満ん語録~八笑人

月曜日の吉野町での小満んの会における
「花見の仇討」にちなんでの師匠の一句から
「八笑人」について、「花暦八笑人」の初編で
春の場面が「花見の仇討」の元の話である、
ということ。滝亭鯉丈作の「花暦八笑人」で
江戸の気楽な仲間の八人が、茶番を仕組み、
思わぬ手違いで失敗するという滑稽話らしい。
四季折々の行楽の趣向で春は花見である。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年2月 5日 (月)

小満ん語録~芝

「芝浜異聞」のマクラより芝の話題。

横丁に 一つずつある 芝の海
金杉橋から高輪の大木戸にかけて
東海道筋に大名の蔵屋敷、町屋が並び、
辻々に芝浦の海が見えた。雑魚場といって
金杉と本芝の二か所の魚河岸があり、
雑魚とは近海ものの小魚で、これが
本物の江戸前の魚だが、芝魚といって、
たいへんに美味かったという。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年1月27日 (土)

小満ん語録~火消

先日の小満んの会で聞いた「火事息子」より
江戸時代の消防は、現在の放水による消火と違って、
破壊消防であり、風下の建築を解体することによって
延焼を防ぐ方法であったと、これについてはよく聞くが、
消火活動において、建築を壊すので、火消人足には
鳶の者が採用されたとこの件についてははじめて聞く。
落語の登場人物において、頭(かしら)がよく出てくるが、
一般的に町火消の組の頭というのが思い浮かぶけれど、
建築の鳶の頭の雰囲気もあり、鳶≒火消であるならば、
それも正しかったことになる。モヤモヤがひとつ解決。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年1月25日 (木)

小満ん語録~気散じ

月曜日の大雪の中での小満んの会であったが、
師匠の一句が(「火事息子」については別の句)
「初雪に誘われて、気楽に出掛けてみたものの、
殊の外の大雪で往生してしまい」という内容で
帰りは空いていたが、ご苦労されたであろうと
そこで出てきた言葉が「気散じ」であり、意味は
「気晴らし」「気苦労のない、気楽、のんき」で
思いつくのが「富久」の中での一節であった。
久蔵が富札を大神宮様に供え、御神酒を飲み、
高いびきで寝込んでしまい、「独り者の気散じ」
独り者の気楽さで、誰に遠慮することもなく、
酔ってそのまま寝てしまう、そんな様子である。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年1月15日 (月)

小満ん語録~ブルドック

13日の小満んの会で戌年にちなんだ小噺。
正確にはわからないが、こんな感じだったと。

はじめてブルドックを見る子供には、
それは恐ろしい形相だと思いますが、
「おっかぁ、おっかぁ、いまね、ブルドックがね」
「あらま、たいへん、恐かったでしょ」
「うん、あたいのことをね、べろべろっと味見した」

この程度にしか思い出せないのだけど、
すっかり気に入ってしまって、ブルドックは、
イギリスで闘犬用に改良された品種で
ブル(bull)とは雄牛のことだそうである。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年12月10日 (日)

小満ん語録~目貫

昨日の「大神宮」での話題なのだが、
吉原に関するマクラを聞くときに
金龍の裏は遊女の目抜きなり
という川柳を耳にすることがあるけれど、
金龍山浅草寺の裏にあるのが吉原であり、
そこでは遊女が中心的存在ということか。

浅草寺の御本尊は一寸八分の観音様だが、
秘仏で見た者はなく、ただ一人、見たことあるのが、
十一代将軍徳川家斉であったという。開けてみると
観音様はなく、龍の彫られた刀の目貫があったそうな。
もちろんガセネタだが、秘仏を見た者がいないので、
そんな噂まで立つのであり、川柳に詠み込まれている。
つまり「金龍の裏は遊女の目抜きなり」の川柳は、
「目抜き」と「目貫」を掛けているのだ。川柳は深い。

| | コメント (0) | トラックバック (0)