2018年9月19日 (水)

ダヴィッド・フレイ 3

ダヴィッド・フレイでバッハのパルティータを聞いている。
パルティータ 第2番 ハ短調 BWV826
トッカータ ハ短調 BWV911
パルティータ 第6番 ホ短調 BWV830
2012年9月24-26日にパリのノートルダム寺院で収録。
ダヴィッド・フレイのピアノは本当に素晴らしい。心に響く。
30年以上、ずっとバッハが苦手だった私が、このところ
聞くようにしていて、吸収しているが、その私が惹かれて、
気付くといつの間にかバッハが好きになっているような、
そんな魅力あふれる演奏である。非常に繊細な動きで
ロマンティックな空気を漂わせつつ、透明感を超越して、
清らかさすら感じられる独特な美しさ。実に聞かせる。
すべて短調の作品で統一されているが、荘厳な空気で
悲壮感もある深刻な時間にはならずに、冷たくなくて、
いつもどこか人の温もりが感じられるのが特長である。

ERATO 50999 070944 2 2

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2018年9月18日 (火)

パーヴァリ・ユンパネン 11

パーヴァリ・ユンパネンでベートーヴェンを聞いている。
ピアノ・ソナタ 第1番 ヘ短調 作品2-1
ピアノ・ソナタ 第2番 イ長調 作品2-2
ピアノ・ソナタ 第3番 ハ長調 作品2-3
2012年6月にクーモ・アートセンターで収録されている。
収録順に聞いてきたが、これらの初期のピアノ・ソナタで
全集をすべて聞き終える。パーヴァリ・ユンパネンは最高!
なんて魅力的な…軽やかな表現で、透明で実に清々しく、
音楽の構造や指の運動性が隅々まで明瞭に響いてくる。
ここまで鮮やかに何もかも聞こえるのは、とにかく快適。
すべての繰り返しを実行しているが、反復をする際には、
即興的な装飾やかなり大胆な解釈が加えられており、
それも面白く、あらゆる部分で集中力は途切れない。
ベートーヴェンの緻密で揺るぎない後期の作風とは違い、
自由と余白の部分で新たな可能性が引き出されている。

ONDINE ODE1248-2D

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2018年9月12日 (水)

ウォルフガング・サヴァリッシュ 12

ウォルフガング・サヴァリッシュの指揮による
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏で
ベートーヴェンの交響曲全集を収録順に聞いている。
交響曲 第1番 ハ長調と第3番 変ホ長調「英雄」
1993年6月にアムステルダム・コンセルトヘボウで収録。
この時代のいかにもスタンダードな仕上がりで、一方で
ピリオド奏法による時代考証の解釈が出てきた時期だが、
サヴァリッシュの演奏には、ゆったりと風格のある中にも
折り目正しく格調高い音作りが感じられて、改めて聞くと
深く心に響いて、感動する。新解釈とか個性的な演奏を
散々聞いた先にいまだからこそ再認識できるよさがある。
こうした全集の完成もあって、サヴァリッシュの評価が
世界的に高まっていた時期だが、きっと1960年代でも
1970年代のN響との演奏でもサヴァリッシュにとって、
ベートーヴェンの解釈は不変であり、その絶対の存在に
我々は強く惹かれていたのだと思う。大切な名盤だ。

WARNER 0999 9 93565 2

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2018年9月 7日 (金)

ダヴィッド・フレイ 2

ダヴィッド・フレイでバッハとブーレーズを聞いている。
バッハのパルティータ 第4番 ニ長調 BWV828
ブーレーズのピアノのためのノタシオン
バッハのフランス組曲 第1番 ニ短調 BWV812
ブーレーズのアンシーズ
2005年6月にパリ国立高等音楽院で収録されている。
ダヴィッド・フレイのピアノの響きに引き込まれてしまう。
あまりの素晴らしさに作品よりも音そのものに感動がある。
バッハのパルティータで繊細な表現や透明感ある響きより
それだけにとどまらない優しい音に何とも打たれてしまう。
作為的なものを感じさせず、そうではない、こんなにも
想いの詰まった演奏はないのであり、その調和は偉大だ。
ブーレーズのノタシオンもこれまで聞いた中で最も美しく、
少しの驚きもありながら感激した。ブーレーズとの写真が
掲載されているが、作曲者にとっても満足であっただろう。
アンシーズでは、さらに変化に富んだ仕上がりであり、
ダヴィッド・フレイが最後に次への飛躍を見せている。

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2018年9月 6日 (木)

セドリック・ティベルギアン 3

セドリック・ティベルギアンの演奏でショパンを聞いている。
24の前奏曲 作品28
ピアノ・ソナタ 第2番 変ロ短調 作品35
スケルツォ 第2番 変ロ短調 作品31
2016年12月にロンドンのヘンリー・ウッド・ホールで収録。
24の前奏曲がマジョルカ島で完成したというのは有名だが、
ちょうど同時期の傑作が集められており、素晴らしい選曲。
前奏曲集には24種類のすべての調性が収められているし、
ソナタとスケルツォは、どちらも変ロ短調で統一されている。
セドリック・ティベルギアンはますます繊細に透明感も増して、
色合いとしては独特のモノトーンな世界だ。非常に緻密に
細部の表情付けにこだわっており、その精度には感動する。
聞き進むにつれて、葬送ソナタからスケルツォへとしだいに
激しさや熱気も増していくようで、勢いに引き込まれるのだが、
どんな瞬間にもティベルギアンの表現には美しい音色による
滑らかなうねりが存在して、そこは最大の魅力であって最高。

hyperion CDA68194

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2018年9月 5日 (水)

アリス・紗良・オット 1

アリス・紗良・オットでフランス音楽の作品集を聞いている。
ドビュッシーの夢、ベルガマスク組曲、
サティのグノシエンヌ 第1番、第3番、ジムノペディ 第1番、
ラヴェルの夜のガスパール、亡き王女のためのパヴァーヌ
2018年3月にベルリンのマイスターザールで収録されている。
アリス・紗良・オットの丁寧に描き出される落ち着きある音楽で
しっかりとした安定感のある響きながら細やかに自在な表現で
美しい表情付けが印象的である。でもそこで左手の伴奏型が
際立ってハッキリと聞こえてくるのは、少し気になってしまった。
しかし仕上がりは自然体で、あらゆる要素が合理的であり、
聞く側の気持ちしだいか。分析的な傾向が人工的に聞こえる。
目指す方向性が明確になっているところを評価すべきだが、
独自性は発見、面白さであり、しかしそれが目立ってしまう。
二回目以降は、あまり意識せずに聞けるようになるもので
特に後半のラヴェルの演奏は魅力的で聞き入ってしまう。

DG 00289 483 5187

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2018年9月 4日 (火)

フローリアン・ウーリヒ 1

フローリアン・ウーリヒでラヴェルの作品を聞いている。
水の戯れ(2012.6.8-10)、鏡(2012.11.5-8)、
シャブリエ風に、ボロディン風に、
亡き王女のためのパヴァーヌ、
ハイドンの名によるメヌエット、
メヌエット 嬰ハ短調、ソナチネ(2012.6.8-10)
カイザースラウテルンのSWRスタジオで収録されている。
しっかりとした響き、深みのある音色で存在感のある演奏。
幽玄な世界とは違って、濃淡や揺らぎの感覚は聞かれない。
明確な音で紡ぎ出される音楽は、ラヴェルの独特な和音に
豊かな色合いを生み出している。かつてギーゼキングが、
ドビュッシーやラヴェルの作品で名演を残しているように、
ドイツのピアノ界でフランス音楽を演奏する伝統が現在も
生きているのであろう。音の印象では、ケンプからオピッツ、
その先に来るのがフローリアン・ウーリヒではなかろうかと
そういう印象で聞きはじめた。ラヴェルの作品を聞いていく。

Hanssler CD-No.93.318

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2018年9月 3日 (月)

ジャン・エフラム・バヴゼ 5

ジャン・エフラム・バヴゼでドビュッシーの作品を聞いている。
夜想曲、ベルガマスク組曲、ボヘミア風舞曲、
2つのアラベスク、夢、マズルカ、子供の領分、
ハイドンを讃えて、コンクールの小品、レントよりも遅く、
小さな黒人、アルバムのページ、英雄の子守歌、エレジー
2008年2月27-29日にダンウィッチのポットン・ホールで収録。
バヴゼによるドビュッシーの全曲録音から第3集を聞いているが、
ピアノの音色はますます美しい印象で、響きの透明度も抜群だが、
余韻に浸って、じっくりと表情付けを行っていくような演奏ではない。
かなりキッパリとした表現で、明瞭に音楽が進んでいくところは、
何とも気持ちがよく、一つの方向性として、強い意志が感じられて、
私は好きである。高度なテクニックを基本として、鮮やかであり、
ドビュッシーはこう弾くべき…というような、流れにとらわれずに
新しいスタイルの創造を目指しているのかも。バヴゼの演奏は、
個性豊かな仕上がりではないけれど、明確な独自性が聞ける。
非常にスタンダードなところに聞けば聞くほど、面白さがある。

CHANDOS CHAN 10743

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2018年8月31日 (金)

ジャン・フランソワ・エッセール 1

ジャン・フランソワ・エッセールでファリャの作品集。
バレエ「三角帽子」から3つの踊り、
ドビュッシーの墓碑銘のための讃歌、
4つのスペイン風小品、ベティカ幻想曲、
ポール・デュカスの墓碑銘のための讃歌、
若き日の3つの小品、バレエ組曲「恋は魔術師」
1989年9月にパリのサル・アドヤールで収録されている。
エッセールは独特の乾いた響きで、青い空と強い太陽、
焼かれた大地が香り立つようで、まさにラテンである。
ピアノの美しい音色よりも踊りのリズムやアクセント、
力強さが勝っている気がする。それが最大の魅力で
このスペイン音楽の情景や世界観には強く惹かれる。
有名な「三角帽子」や「恋は魔術師」もいいけれど、
ベティカ幻想曲が好きである。「ベティカ」というのは、
アンダルシア地方のことを指し、演奏旅行で来ていた
アルトゥール・ルービンシュタインの委嘱作品らしい。

ERATO 0190295651497

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2018年8月30日 (木)

ロジェ・ムラロ 4

ロジェ・ムラロでラヴェルの左手のためのピアノ協奏曲。
チョン・ミョンフン指揮フランス国立放送フィルハーモニーで
ボレロ(2007.12)、左手のためのピアノ協奏曲(2011.9)、
バレエ「マ・メール・ロワ」(2007.3)、クープランの墓(2007.12)
パリのサル・オリヴィエ・メシアン、サル・プレイエルで収録。
フランス国立放送フィルハーモニーの明るく色彩的な音色に
チョン・ミョンフンのいきいきと表情豊かな音楽が加わって、
作品の楽しさもあって、なんとも魅力的な時間だ。実にいい。
そしてロジェ・ムラロのピアノが、やはり私にとっては最高!
音が美しくて、こちらも細部にまで、どの瞬間にも歌があり、
この聞き慣れた作品をますます好きにさせてくれる演奏。
左手だけというところに個性が現れて、表現の自由度も
高いのかもしれないが、こう弾くべきという絶対がなくて、
そこにロジェ・ムラロの存在が感じられる。感動した。

DG 476 5148

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