2017年3月22日 (水)

ミヒャエル・ギーレン 17

ミヒャエル・ギーレン・エディション(第4集)から
シュトゥットガルト放送交響楽団の演奏で
ヨゼフ・スークのヴァイオリン独奏による
ドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲 イ短調
1970年1月9日にシュトゥットガルトのリーダーハレ。
明解な響きの追及でしっかりとした造形が特長だが、
ヨゼフ・スークも力強いヴァイオリンを聞かせているし、
ギーレンだからといって特徴的なことがあるのではなく、
ドヴォルザークの感動的な音楽をたっぷり堪能できる。
この曲をはじめて聞いたときは地味に感じたものだが、
現在ではよく聞くようになって、理解が深まるほどに
ますます素晴らしく思えてくる。シンフォニックである。

SWR>>music CD-No.SWR19028CD

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2017年3月20日 (月)

クラウディオ・アバド 30

クラウディオ・アバド指揮シカゴ交響楽団による
チャイコフスキーの交響曲全集を聞いている。
交響曲 第6番 ロ短調「悲愴」とスラブ行進曲
1986年11月10日にシカゴ・オーケストラホール。
アバドの「悲愴」は、速めのテンポで流れるようであり、
響きも渋めの色合いで、まさに引き締まっている。
鋭く緻密に音を追及していく辺り、指揮している姿が
目に浮かぶようで、アバドならではの仕上がりだ。
要所で畳み掛けるように音楽を加速させるけど、
あくまでも客観的に冷静なコントロールであって、
シカゴ交響楽団のシャープな音色も協調している。
この演奏も魅力的だけど、しかしこの「悲愴」こそ、
ベルリンフィルで後の録音を残してほしかった。
逆に1970年代のウィーンフィルとの録音もある。
スラブ行進曲はさらに荘厳な響きでまた感動的!

SONY 88697836722

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2017年3月18日 (土)

アルフレッド・ブレンデル 21

ブレンデルのシューベルトを1980年代の録音で
今日は、ピアノ・ソナタ 第21番 変ロ長調 D.960と
「さすらい人」幻想曲 ハ長調 D.760を聞いている。
1988年7月にノイマルクトのオーベル・プファルツで収録。
ブレンデルは明るい音色で穏やかに滑らかに歌わせて、
晩年のシューベルトに付きまとう死への恐怖や絶望感を
それほど感じさせない。一方で安息や悟りに近い境地を
瑞々しい透明感で表現して、何とも心に響く感動である。
さすらい人幻想曲も剛の表現だけでない、角が取れて、
柔の響きを適切に取り入れているところがさすがだ。
この1980年代のシリーズを収録順に聞き直してみたが、
当時、聞いていたより格段に素晴らしく思える。もちろん
演奏は変わらずにこちらの心境の変化だが、それだけ
歳をとったということか。ブレンデルのシューベルト録音は
名演として有名であり、これらも最高の評価が与えられて、
広く知られてきたが、やはり代わりは存在しないようだ。

PHILIPS 422 062-2

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2017年3月17日 (金)

ジャン・エフラム・バヴゼ 2

ジャン・エフラム・バヴゼのピアノでラヴェルの作品。
クープランの墓、前奏曲、グロテスクなセレナード、
ボロディン風に、シャブリエ風に、古風なメヌエット、
ハイドンの名によるメヌエット、優雅で感傷的なワルツ、
亡き王女のためのパヴァーヌを聞いている。
2003年1月にバート・アーロルゼンで収録されている。
後に管弦楽に編曲されている作品が選ばれているが、
そのイメージだとピアノの音域に収まっていないような
ついそんなことも考えてしまう豊かな可能性なのであり、
素直に楽しい音楽。そういう中でピアノだけでの演奏で
優雅で感傷的なワルツは、私の大好きな作品である。
亡き王女のためのパヴァーヌも深い余韻で感動的だ。

CDR902

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2017年3月16日 (木)

ジャン・エフラム・バヴゼ 1

ジャン・エフラム・バヴゼのピアノでラヴェルを聞く。
今日は、夜のガスパール、水の戯れ、ソナチネ、鏡、
2003年1月にバート・アーロルゼンで収録されている。
非常に丁寧に模範的で、私はこういう演奏が好きだ。
超絶技巧も鮮やかに音楽の作りが明瞭に表現されて、
閃きとか瞬間の輝き、そして音の揺らぎといったものは、
それほど強調される演奏ではないのだが、この手堅さ、
端正な仕上がりは、よく知っている人には安心感である。
何かが加えられるのではない音楽のそのものの美しさ、
細やかな表情が自然な形で伝わってきて、素晴らしい。
とはいったものの14年前の録音で、現在のバヴゼなら
どんなラヴェルを聞かせるのだろう…って、考え出すと
その閃きとか輝きとか、色彩が増しているかもしれない。

CDR901

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2017年3月11日 (土)

アレクサンドル・タロー 3

アレクサンドル・タローのラフマニノフを聞いている。
アレクサンドル・ヴェデルニコフの指揮による
ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニーと協演した
ラフマニノフのピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 作品18
2016年1月5-7日にリヴァプール・フィルハーモニック。
幻想的小品集 作品3、ヴォカリーズ 作品34-14、
6手のための3つの小品~ロマンス、ワルツ
2016年2月13-16日にパリのサル・コロンヌで収録。
協奏曲では、指揮のアレクサンドル・ヴェデルニコフ、
6手のピアノで高音にはアレクサンドル・メルニコフ、
低音にはアレクサンダー・マザールが参加しており、
このアレクサンドルがよってたかってラフマニノフという
何かの冗談なのだろうか。いや、少しのおふざけもなく、
あまりにも素晴らしい演奏に感動した。期待通りである。
アレクサンドル・タローは細やかな表情付けが魅力だが、
ときに大胆に歌って、豊かに表現の幅は広がっている。
それにヴェデルニコフの指揮がまた雄弁でこれは最高!
ラフマニノフで大いに脱皮している印象はあるのだが、
幻想的小品集も美しい演奏だし、とにかく納得の一枚。
6手のためのロマンスは、協奏曲の第2楽章と類似で
はじめて聞いたけれど、企画や選曲もまた凝っている。

ERATO 019029595469

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2017年3月10日 (金)

ズービン・メータ 12

ズービン・メータ指揮イスラエルフィルによる
ブラームスの交響曲全集を聞いていきたい。
今日は、交響曲 第1番 ハ短調 作品68で
1992年10月4-27日にマン・オーディトリウムで収録。
心にずっしりと響いてくる感動的な演奏だ。素晴らしい。
丸みを帯びた表現で角が当たるところがなく、ハ短調の
厳しさのある音楽にもどこか幸福な気分が感じられて、
音楽に自然に深く入っていける。イスラエルフィルの
弦の音色は独特な明度があって、美しいブラームス。
メータはこの第1番の交響曲をウィーン、ニューヨーク、
そしてイスラエルフィルとは、このCDと後のライブ盤と
多くの録音を残しているが、この演奏がベストだと思う。

SONY 88875166762

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クラウディオ・アバド 29

チャイコフスキーの交響的バラード「地方長官」について
ちょっと補足だが、初演の後にチャイコフスキーは、
オーケストラの総譜を破棄しており、現在のスコアは、
没後にパート譜から復元されたものである。このCDの
発売された当時には、あまり演奏されていなかった。
その後の録音で聞いたことがあるのは、プレトニョフと
インバルぐらいだが、私はかなり好きな作品である。
その中でもアバドの指揮は一段と緊迫感のある響きで
スコアから音を引き出す力はすごい。感動的な演奏だ。
後半に「悲愴」とそっくりのところがあって、同時期の作曲。

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2017年3月 9日 (木)

クラウディオ・アバド 28

クラウディオ・アバド指揮シカゴ交響楽団による
チャイコフスキーの交響曲全集を聞いている。
交響曲 第5番 ホ短調と交響的バラード「地方長官」
1985年2月25,27日にシカゴ・オーケストラホール。
アバドの1980年代の名盤だが、いま聞いても最高だ。
音の勢い、鋭さ、明確さ、音楽はシャープに鳴り響いて、
同時に雄弁に歌い、音楽にうねりが生まれてくるのは、
アバドのチャイコフスキーの最大の魅力、凄さである。
しかしその後、基本的には同じ方向性だと思うのだが、
ベルリンフィルでこの第5番は再録音しているので、
新しい録音の方が目立ってしまう傾向にあると思うが、
こちらの演奏に不満が残ったから…ということでは、
決してないと思う。私はそう感じているのだけど。
「地方長官」の緊張感がまた圧倒的であり、感動!

SONY 88697836722

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2017年3月 7日 (火)

ミヒャエル・ギーレン 16

ミヒャエル・ギーレン・エディション(第4集)から
ザールブリュッケン放送交響楽団の演奏で
メンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」序曲(1968.5.3)
スメタナの歌劇「売られた花嫁」序曲(1968.10.11)
以下は、南西ドイツ放送交響楽団の演奏だが、
リストのメフィスト・ワルツ 第1番(2007.6.5)
ワーグナーの歌劇「ローエングリン」前奏曲(1992.8.19)
「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲(1990.9.5)
ベルリオーズの序曲「ローマの謝肉祭」(1995.12.13)
ウェーバーの歌劇「魔弾の射手」序曲(1990.6.15)
J.シュトラウスII世の皇帝円舞曲(1990.6.15)
「ローエングリン」の前奏曲は、ブルックナーとの収録で
今回が初出ではないのだが、久しぶりに聞くと感動的だ。
そういえば、当時もたいへん気に入ったと思い出された。
「マイスタージンガー」の方は、聞いた記憶がないけれど
これがまた最高。ギーレンが楽劇の全曲を演奏したという
記録は残っていないと思うが、この「マイスタージンガー」は
コンサートの演奏というよりこれから幕が開きそうな雰囲気、
不思議だけど、そんな空気が感じられて、何ともうれしい。
丁寧な指揮で主導動機の扱いが劇場の感覚に近いのかも。
ギーレンには珍しい名曲集の印象だけど、こういう作品だと
かえって個性が発揮されるし、手を抜かない厳格さが冴え、
リラックスして楽しみながらにギーレンの妙技が堪能できる。
拍手からそのまま入る「皇帝円舞曲」はアンコールのようで、
これがまたなんて素敵な演奏だ。短縮版なのが実に惜しい。

SWR>>music CD-No.SWR19028CD

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