2021年1月20日 (水)

ボリス・ベレゾフスキー 3

ボリス・ベレゾフスキーでラフマニノフを聞いていく。
ピアノ協奏曲 第3番 ニ短調 作品30
エリアフ・インバル指揮フィルハーモニア管弦楽団、
10の前奏曲 作品23~第6番 変ホ長調、
第5番 ト短調、第10番 変ト長調、
第9番 変ホ短調、第2番 変ロ長調
1991年7月にワトフォード・タウンホールで収録。
ベレゾフスキーとしては意外な仕上がりにも思えて、
迫力と勢いで駆け抜けるかという予想に反して、
繊細さを大切にして、丁寧に細やかな表情付けで
何と精密に描き込まれていることか。緻密である。
驚異的なテクニックで安定したコントロールであり、
細部の完成度には聞き入ってしまう。一方では、
その客観性により熱気に欠けて、盛り上がりの
足りないところもあるけれど、美しい演奏である。
インバルの指揮もラフマニノフの音楽を分析して、
解体して、明瞭に聞かせていくところは興味深い。
余白の前奏曲も弱音が印象的で豪快さを脱却。

TELDEC 2564 66468-4

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2021年1月19日 (火)

ベルトラン・ド・ビリー 4

ベルトラン・ド・ビリー指揮ウィーン放送交響楽団で
ベートーヴェンの歌劇「フィデリオ」から第3幕、
1805年の初演時を再現しての上演である。
2005年8月にアンデア・ウィーン劇場で収録。
「フィデリオ」の後半であり、第3幕を聞いている。
地下牢の悲劇的で緊迫した響きが素晴らしい。
ベルトラン・ド・ビリーがリアルな感触で明瞭に
鮮烈な音を引き出しているので心に響いてくる。
フロレスタンの嘆きの歌が何と魅力的なことか。
この暗いはじまりから救出と勝利の物語であり、
その力強く輝きに満ちた展開はいかにもという、
やはりベートーヴェンの偉大な傑作である。
初演版は非常に興味深い。序曲に関しては、
「レオノーレ」序曲の方がよいように思われる。
舞台に関しては、整理された改訂版の方が、
よくまとまって、密度が高い印象があるか。
しかしムラがあったとしても初演の再現には、
初版ならではの勢いと新鮮さが存在している。

OEHMS OC919

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2021年1月18日 (月)

ベルトラン・ド・ビリー 3

ベルトラン・ド・ビリー指揮ウィーン放送交響楽団で
ベートーヴェンの歌劇「フィデリオ」から第1幕と第2幕、
1805年の初演時を再現しての上演である。
2005年8月にアンデア・ウィーン劇場で収録。
レオノーレ序曲 第2番ではじまり、全3幕の構成、
後に削除された曲、修正された曲も演奏されるし、
独特な印象が面白い。ブルックナーの交響曲が
初稿で演奏されるとむしろ前衛的な感じがするが、
それに似ていて、ここでのベルトラン・ド・ビリーが、
不確定要素を際立たせているのかもしれないが、
半音階的に安定しない感覚も見られて、新しい。
削除された曲に関しては、逆だけど、普段に比べ、
追加されているように思ってしまうので、やはり、
音楽的には後の改訂版の方が合理的な流れだ。
上演形体に関心が向いてしまうのだが、演奏も
ベルトラン・ド・ビリーはいきいきとリアルな音色で
生命力あふれる音楽に感動する。明日は第3幕。

OEHMS OC919

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2021年1月15日 (金)

キース・ジャレット 73

2002年のキース・ジャレットを聞いている。
ECMのup for itというアルバムであり、
アンティーブ・ジャズ・フェスティバルでの録音。
If I Were a Bell, Butch & Butch,
My Funny Valentine, Scrapple From The Apple,
Someday My Prince Will Come,
Two Degrees East, Three Degrees West,
Autumn Leaves - Up for It
2002年7月16日にジュアン・レ・パンで収録。
ゲイリー・ピーコックとジャック・ディジョネットとのトリオ。
2002年7月はスタンダード・トリオでイタリア、スペイン、
フランスの各地をまわり、半ばでジュアン・レ・パンの
アンティーブ・ジャズ・フェスティバルに参加している。
コンサートホールの落ち着いた時間の流れと違って、
夏のジャズ・フェスティバルであり、その熱い空気に
録音でも会場に吸い込まれていくようで興奮する。
選曲も魅力的だし、レコードとしても聞くべき一枚だ。
後半、枯葉から自作になだれ込むのには感動した。

ECM 1860 038 317-2

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2021年1月14日 (木)

ヘルベルト・ブロムシュテット 19

ブロムシュテット指揮サンフランシスコ交響楽団で
ブルックナーの交響曲 第4番 変ホ長調
1993年6月にデイヴィス・シンフォニーホールで収録。
ブロムシュテットが得意としているブルックナーだが、
サンフランシスコでの録音は第6番とこの第4番で
とにかく素晴らしく、他の交響曲がないのは残念だ。
サンフランシスコ時代のブロムシュテットに共通の
眩しいまでの明瞭な響きは何とも輝かしい音色で
ブルックナーの緻密に織りなす様々な作曲手法を
不思議なぐらいに明確に音に再現して完璧である。
徹底したコントロールとブロムシュテットの要求に
サンフランシスコ交響楽団はどこまでも応えて、
この完成度の高さには、聞く側も圧倒されてしまう。
そういえば、ドイツ的な深い響きはあまり聞けなくて、
しかしそこが気にならないのは、ブロムシュテットの
音楽への誠実さとブルックナーへの愛情である。

DECCA 478 6787

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2021年1月13日 (水)

リッカルド・ムーティ 33

ムーティ指揮フィルハーモニア管弦楽団で
ヴェルディの歌劇「椿姫」から第2幕第2場と第3幕、
1980年7月5-15日にロンドンのキングズウェイ・ホール。
後半へと向かうにしたがって、音楽も変わってくるが、
ムーティの引き出す音色はますます豊かになってくる。
一方で明確で力強い響きゆえにそうした方向性で
歌手や合唱がときに絶叫のような印象になるのは、
残念ではある。しかしやはり圧倒的な素晴らしさだ。
という点では、第3幕の病に倒れたヴィオレッタで
レナータ・スコットの歌は聞く人の心に訴えてくる。
ヴェルディの最後の場面での悲痛な音楽は格別だ。
有名な「過ぎし日よ、さようなら」だが、名アリアが、
そこだけが特別ということでなくて、全体の調和で、
「椿姫」は名曲が多々あり、それゆえに上演も多い。
しかし記録だと初演は大失敗に終わったらしい。
現在はいうまでもなく、歌劇の最高傑作である。

Warner 0190295945886

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2021年1月12日 (火)

リッカルド・ムーティ 32

ムーティ指揮フィルハーモニア管弦楽団で
ヴェルディの歌劇「椿姫」から第1幕と第2幕第1場、
1980年7月5-15日にロンドンのキングズウェイ・ホール。
ムーティのフィルハーモニア管弦楽団とのヴェルディは
この「椿姫」が最後である。独特の筋肉質な響きであり、
力強い推進力は圧倒的でこの世界に引き込まれる。
じっくりと歌い込む濃密な音色とキビキビとした動きの
その対比はいかにもムーティの特長であり、感動する。
屋敷での賑やかなパーティーの場面で、乾杯の歌や
ヴィオレッタの「ああ、そは彼の人か」「花から花へ」と
明るく晴れやかに躍動的な第1幕は有名な導入で、
それから月日が過ぎて、第2幕は雰囲気も変わり、
アルフレートの父ジョルジョ・ジェルモンが登場して、
レナート・ブルゾンが歌っているのだが、素晴らしい。
心のすれ違いや誤解、様々な想いが絡み合って、
音楽はますます充実していく。やはり名盤である。

Warner 0190295945886

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2021年1月11日 (月)

コリン・デイヴィス 11

サー・コリン・デイヴィス指揮ボストン交響楽団による
メンデルスゾーンの交響曲 第4番 イ長調 作品90
劇音楽「真夏の夜の夢」~序曲 作品21
スケルツォ、夜想曲、結婚行進曲 作品61-1,7,9
1976年1月にボストン・シンフォニーホールで収録。
遅めのテンポ設定でくっきりと明瞭な響きを聞かせ、
とにかく几帳面にすべての音が聞こえるようにと
コリン・デイヴィスの独特の丁寧な音作りである。
音楽のその場の勢いや流れはあまり重視されず、
きちんとした佇まいで端正にこの上なく誠実であり、
流麗さはあまり感じられないのだけど、いま聞くと
これが何とも深い感動で、心惹かれるのである。
ボストン交響楽団が渋い音色だが、軽やかさと
きめ細かな響きで指揮者と一体に魅力的である。
「真夏の夜の夢」の音楽も物語より実に交響的で
劇の要素はどこにもないのだが、それが実にいい。

DECCA 482 4532

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2021年1月 9日 (土)

クラシックCD専門ブログ開設

これまでの15年間の記事から整理をして、
クラシックCD専門の新しいブログを開設した。


クラシックCD 鑑賞の記録
http://ttclassic.livedoor.blog/


内容は同じなのだけど、演奏家やレーベルで
カテゴリー分類をして、検索できるようにしたのと
聞いてみたいけど、探せない、見つからないという、
そうした声に応え、そして廃盤になっているものは
新しい型番を紹介して、お手伝いができるように
わかりやすく整理されている名盤リストを目指した。


訪問者が少なく、宣伝させてください。

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2021年1月 8日 (金)

クラウス・テンシュテット 1

クラウス・テンシュテット指揮ベルリンフィルによる
シューマンの4つのホルンのための小協奏曲 作品86
交響曲 第3番 変ホ長調 作品97「ライン」
1978年10月にベルリンのフィルハーモニーで収録。
テンシュテットというとロンドンフィルのイメージだが、
ベルリンフィルとも数多くの録音が残されている。
その初期のものだが、シューマンの交響曲であり、
勢いのある音色で引き締まった響きは素晴らしい。
テンシュテットは病気で早くに亡くなってしまって、
そういう記憶があるのだが、改めて調べてみると
1998年に71歳のときである。この1978年というと
52歳のときの録音で、そんなに若くはなかったのだ。
北ドイツ放送交響楽団の首席指揮者への就任も
翌年1979年だそうで、ロンドンフィルの音楽監督は、
さらに先の1983年である。そうした時期にあって、
ベルリンフィルと様々な録音を行っていたのだ。
マーラーの交響曲全集に関しては、1977年から
ロンドンフィルとの録音でこのときはじまっていた。

Warner 0 94433 2

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