2021年4月 9日 (金)

マルク・アンドレ・アムラン 26

マルク・アンドレ・アムランでジャズに関連の作品集。
グルダのプレイ・ピアノ・プレイ~エクササイズ 第1番
ニコライ・カプースチンのピアノ・ソナタ 第2番 作品54
グルダのプレイ・ピアノ・プレイ~エクササイズ 第4番
ワイセンベルクのジャズ・ソナタ
グルダのプレイ・ピアノ・プレイ~エクササイズ 第5番
グルダの前奏曲とフーガ
ワイセンベルクのシャルル・トレネによって歌われた歌曲
ジョージ・アンタイルのジャズ・ソナタ
2007年7月10-12日にヘンリー・ウッド・ホールで収録。
企画の素晴らしさで、アムランはすごいディスクを作った。
グルダの作品は自身の演奏を昔から聞いているけれど、
もっとこってりとして、独特のくどい部分があるのだが、
アムランはさすがに洗練された演奏で爽快感が漂う。
前奏曲とフーガなど、まさにそうした方向性が顕著で
グルダの演奏とはずいぶん違うのだけど、これがいい。
カプースチンやアンタイルなど、ジャズ風で有名だが、
ワイセンベルクにこんな作品があるとは知らなかった。
不協和音も盛り込まれてのジャズ・ソナタも魅力だが、
シャンソン歌手のシャルル・トレネによって歌われた、
6つの歌曲をピアノ独奏用に編曲した作品が秀逸。

hyperion CDA67656

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2021年4月 8日 (木)

ボリス・ベレゾフスキー 6

ボリス・ベレゾフスキーでラフマニノフを聞いている。
前奏曲 嬰ハ短調 作品3-2
10の前奏曲 作品23
13の前奏曲 作品32
2004年12月にグルノーブル文化会館で収録。
ベレゾフスキーの表現はより大胆に起伏に富んで、
同時に精妙な響きのコントロールも実現させて、
実にしなやかな音楽である。強靭なイメージだが、
繊細な表情付けや弱音の美しさも大きな特長だ。
何よりもこの躍動感と超人的な運動性は健在で、
この多様な可能性の実現には感動させられる。
前半の作品23の前奏曲の方が変化に富んで、
ロマンティックな傾向も楽しめるのだが、後半で
作品32の前奏曲は、統一感とつながりが強く、
調和が重要になり、私は面白いと思っている。
ベレゾフスキーのラフマニノフは録音が多いが、
練習曲「音の絵」は抜粋で全曲になっていない。
これだけ素晴らしい前奏曲を聞くともう一方の
「音の絵」も全曲を残してほしいと思ってしまう。

MIRARE MIR004

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2021年4月 7日 (水)

ヴァレリー・アファナシエフ 32

ヴァレリー・アファナシエフによるムソルグスキーで
組曲「展覧会の絵」、
間奏曲、情熱的な即興曲、お針子、瞑想、夢
1991年6月3-6日にフランクフルトで収録。
遅いテンポで重々しい空気が強調されており、
粘りある音楽は、まさにロシアの雰囲気であり、
ラヴェルが再現したフランス風な仕上がりとは
全く別の世界である。ピアノによる原曲では、
そうした方向性が顕著に聞かれるのだけど、
アファナシエフのピアノだとさらに感じられる。
ムソルグスキーのピアノには、型破りな奏法、
斬新な音色が多用され、当時のロシアでは、
理解されず、受け入れられず、様々な形で
その後、手が加えられてしまった。ここでの
使用されている楽譜がどういった改訂版か、
わからないのだが、作曲者が求めた響きに
アファナシエフは迫ろうとしているのであり、
深い感動がある。テンポの速い遅いでなく、
音楽にどれだけ踏み入って表現しているか、
聞き手に何が伝わるかなのであり、その点、
アファナシエフという人は、特別な存在だ。
30年前の録音になるが、実に鮮烈である。

DENON COCO-73150

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2021年4月 6日 (火)

ギドン・クレーメル 11

ギドン・クレーメルとマルタ・アルゲリッチのデュオで
ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全集を聞く。
ヴァイオリン・ソナタ 第6番 イ長調 作品30-1
ヴァイオリン・ソナタ 第7番 ハ短調 作品30-2
ヴァイオリン・ソナタ 第8番 ト長調 作品30-3
1993年12月にモントルーで収録されている。
この作品30の3曲は、昔から私のお気に入りだ。
クレーメルの演奏も発売当時から聞いているが、
実に楽しくて心が躍る。アルゲリッチは天才的で
クレーメルは鋭く、その両者が激しくぶつかり合い、
そのスリリングな感触が大いに話題であったが、
この辺まで来るとあまりそうしたことも意識せず、
本当に一体感の中での緊迫した時間が流れて、
それはもう感動するばかりである。CDなので、
いつでも繰り返し、体験できるものではあるが、
時代が変わっても常に新鮮さを保っているのは、
やはりこの二人の音楽の瑞々しさによるもの。
それにしてもやはり激しい演奏だ。それが快感。

DG 474 648-2

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2021年4月 5日 (月)

ファジル・サイ 4

ファジル・サイによるベートーヴェンで
ピアノ・ソナタ全集を収録順に聞いている。
ピアノ・ソナタ 第8番 ハ短調 作品13「悲愴」
ピアノ・ソナタ 第9番 ホ長調 作品14-1
ピアノ・ソナタ 第10番 ト長調 作品14-2
2018年6,7月にザルツブルク・モーツァルテウムで収録。
「悲愴」の冒頭で荒れ狂う激しさに少し驚かされたが、
個人的な感情で大きく逸脱するようなところはなくて、
ロマンティックな表現による歌いこまれた演奏である。
作品14は少し変わり、軽やかに躍動する作風だが、
比較的スタンダードな仕上がりで、素直に楽しめる。
ファジル・サイの歯切れのいいタッチは実に魅力で、
これまで強烈な個性を発揮してきた独自のスタイルと
ベートーヴェンのソナタとじっくり向き合う普遍性とで
その間にいて揺れ動く現在の姿が垣間見えるのだが、
落ち着いて音楽に取り組み、安心できる解釈である。

Warner 0190295380243

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2021年4月 4日 (日)

クリスティアン・ツィメルマン 8

クリスティアン・ツィメルマンでショパンの作品。
バラード ト短調 作品23、ヘ長調 作品38、
変イ長調 作品47、ヘ短調 作品52、
舟歌 嬰ヘ長調 作品60、幻想曲 ヘ短調 作品49
1987年7月にビーレフェルトのルドルフ・エートカー・ハレ。
こちらも1980年代のショパンの名盤だと思うのだが、
久しぶりに出してみて、新鮮な感動で聞いている。
ツィメルマンの圧倒的な明瞭度で、その透明感が
半端ではない完璧なコントロールであり、超人的だ。
響きを精妙に聞かせることでは、消え入るようで
しかししっかりと聞こえる最弱音から、最強音でも
決して濁ることのない純度の高い迫力の音色まで、
この完成度には息が詰まるようなすごさを感じる。
それにしても美しい響きで、これは一つの極致だ。
しかし改めて、表情付けに関しては、思い切って、
ロマンティックな表現としているところもあった。

DG F32G20258

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2021年4月 2日 (金)

キース・ジャレット 86

2016年のキース・ジャレットを聞いている。
ミュンヘンでのソロ・コンサートである。
I: Part 1 - Part 7
II: Part 8 - Part 12
Answer Me, My Love
It's A Lonesome Old Town
Somewhere Over The Rainbow
2016年7月16日にミュンヘン・フィルハーモニー。
ブダペストのコンサートから二週間ほどが経過して、
この夏のヨーロッパ・ツアーにおける最初の公演と
最後のミュンヘン・フィルハーモニーでの録音が、
現在のところ、CD化されている。その間には、
ボルドー、ウィーン、ローマで演奏が行われた。
現在のところ、キース・ジャレットの最新の録音で
その後の演奏は発表されていない。翌年2月の
カーネギー・ホールのコンサートを最後にして、
活動は中止されており、病気のこともあるので、
この先、それ以後の演奏が発表されなければ、
ミュンヘンでのコンサートが最後の録音となる。
今回も現代音楽的な破壊の即興ではじまるが、
その後は、美しい旋律も交互に織り交ぜつつ、
やはり感動的である。この2016年のツアーは、
ブダペストとミュンヘンを聞く限り、素晴らしい。
12のパートに分かれ、即興演奏が行われるが、
構成もバランスも完成度は高く、こうしてCDで
後に繰り返し聞くこととなる作品としても完璧だ。

ECM 2667/68 779 3748

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2021年4月 1日 (木)

キース・ジャレット 85

2016年のキース・ジャレットを聞いている。
ブタペストでのソロ・コンサートである。
I: Part 1 - Part 4
II: Part 5 - Part 12
It's A Lonesome Old Town
Answer Me, My Love
2016年7月3日にベラ・バルトーク・コンサート・ホール。
いよいよキース・ジャレットの最後の録音に近づくが、
この2016年の夏のツアーでは、ブタペストから
ボルドー、ウィーン、ローマ、ミュンヘンという都市を
巡ったようだ。ウィーンでは楽友協会で演奏している。
そのコンサートこそ、CD化してほしいと思ってしまう。
このブタペストでのコンサートも素晴らしい。前半は
現代音楽の即興に近い印象は、相変わらずであり、
後半の方が、変化に富んで、楽しい雰囲気もある。
このスタイルも確立されているが、極められている。
2011年のRioのときにも最高の感動であったが、
聞くたびにより高みの境地へ本当に偉大である。

ECM 2700/01 073 0194

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2021年3月31日 (水)

セミヨン・ビシュコフ 7

セミヨン・ビシュコフ指揮フィルハーモニア管弦楽団で
R.シュトラウスの交響詩「ツァラトゥストラはこう語った」
1989年9月にロンドンで収録されている。
後半はロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団で
交響詩「ドン・ファン」
1988年6月にアムステルダム・コンセルトヘボウで収録。
R.シュトラウスの名曲が若き日のビシュコフで聞けて、
最高の喜びだが、オーケストラが統一されていないのが、
なんとも残念な印象である。いろいろ事情はあるのか。
しかしこの時期のビシュコフは、まさに才能を開花させ、
輝かしい演奏を次々と聞かせていた。実に素晴らしい。
緊張感のある響きでシンフォニックな音楽を聞かせるが、
じっくりと深く歌い上げており、つまり全体の統一感よりも
場面ごとの情景をより豊かに描き出して、その関係性を
的確に示すことによって、劇的な展開が実現されている。
交響詩の変化に富んだ時間の流れだが、激しい起伏に
見事な一本の筋道が作り出され、引き込まれるのである。
その後にビシュコフは、ケルン放送交響楽団との録音で
「英雄の生涯」やアルプス交響曲も取り上げているが、
R.シュトラウスの交響詩は他にも聞いてみたいと思うし、
これらの作品もまた再録音を希望したいところであろう。
現在ならチェコフィルとのシリーズが実現しそうである。

DECCA 0289 482 6331 8

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2021年3月30日 (火)

クラウス・テンシュテット 4

クラウス・テンシュテット指揮ベルリンフィルによる
ワーグナーの歌劇「タンホイザー」序曲
歌劇「リエンツィ」序曲
歌劇「ローエングリン」~第1幕前奏曲
歌劇「ローエングリン」~第3幕前奏曲
楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲
1982年12月15日と1983年4月16,17日に
ベルリンのフィルハーモニーで収録されている。
音楽の展開でテンシュテットの盛り上げ方って、
本当に心を揺さぶられるようであり、感動的だ。
こちらも劇場的な雰囲気を出しているのよりは、
コンサートのスタイルだと思うのだけど、しかし
ベルリンフィルの響きが圧倒的な緻密さであり、
この方向性における究極というのが示される。
引き締まった響きで、この渋さもたまらない。
歌劇「リエンツィ」の全曲は聞いたことがないが、
序曲は名曲で親しまれており、時代と作風では、
「さまよえるオランダ人」の雰囲気に似ている。

Warner 0 94433 2

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