2019年9月12日 (木)

ジャン・フィリップ・コラール 5

ジャン・フィリップ・コラールでフォーレの作品。
夜想曲 第12番 作品107、第13番 作品119
主題と変奏 嬰ハ短調 作品73(1973.6.1-14)
バラード 嬰ヘ長調 作品19(1983.5.20)
9つの前奏曲 作品103(1980.11.12)
パリのサル・ワグラムで収録されている。
夜想曲は、昨日の終わりの第11番もいいのだが、
この晩年の第12番と第13番が特に素晴らしい。
半音階的で落ち着かない不安と揺らぎの響きが
新しい感覚を与えてくれるが、1915年と1921年の
20世紀になり、第1次世界大戦中とその後の作品。
主題と変奏、そしてバラードは、フォーレの中では
大作なのだが、親しまれて、早い時期の作品で、
それに対して、9つの前奏曲はちょっと独特であり、
ますます不安定で不揃いなのは、不思議な感覚。
この統一感のなさは、フォーレの遊び心なのか。
後期の作品は、最初のうち馴染みにくさもあるが、
聞けば聞くほど、引き込まれてしまう魅力がある。

ERATO 0190295633578

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2019年9月11日 (水)

ジャン・フィリップ・コラール 4

ジャン・フィリップ・コラールでフォーレの作品。
夜想曲の第1番から第11番(1973.6.1-14)
パリのサル・ワグラムで収録されている。
いつも書いているが、フォーレの夜想曲が大好きで
若き日のジャン・フィリップ・コラールの名盤であり、
聞けば聞くほどに、この陰影のある音楽は最高だ。
ジャン・フィリップ・コラールは慎重に音色を吟味し、
精妙な響きを再現しているけれど、ちょっと堅くて、
50年近くが経過して、現在ならば、もっと自然体で
いきいきと躍動の中で音楽を進めるのではないかと
思うのである。しかし一方で、短調への切り替わり、
展開における激しさのある緊張、鮮やかな変化は
若い感性ならではの仕上がりで、鋭く、ハッとして、
衝撃の瞬間がある。音楽はシンプルで穏やかに
静寂を基調としながら内面的な密度は圧倒的で
これだからフォーレが好きである。明日は続き。

ERATO 0190295633578

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2019年9月 6日 (金)

パーヴォ・ヤルヴィ 4

パーヴォ・ヤルヴィの指揮によるパリ管弦楽団で
シベリウスの交響曲 第2番 ニ長調 作品43
2015年3月17,18日にパリ・フィルハーモニーで収録。
パリ管弦楽団でのシベリウスを収録順に聞いている。
感動的な演奏だ。ちょっと驚き。この第2番は有名で
とにかくたくさん聞いているので、正直なところでは、
シベリウスの7曲の交響曲でも最も期待していなくて、
しかしそこでこのように衝撃の走る演奏に出会えると
ただただ素直にびっくりしてしまう。実に濃密な表現で
じっくりと歌い上げているのに響きは清々しく爽やかで
動きは極めて機能的なのであり、その快適な空気は
聞く人の心を絶対につかむ。独自の解釈というのも
細部にふんだんに盛り込まれており、画期的な一面、
新鮮な感覚にあふれて、その自在なコントロールは、
驚異的といえる。天才的である。北欧的な厳しさで
誠実に堅固な演奏も素晴らしいが、実にしなやかで
ここまで豊かに描き込まれているともう夢中である。

RCA 19075924512

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2019年9月 3日 (火)

ミヒャエル・ギーレン 43

ミヒャエル・ギーレン・エディション(第8集)から
シュトゥットガルト放送交響楽団の演奏により
シェーンベルクのペレアスとメリザンド 作品5
1973年4月13日にシュトゥットガルト・リーダーハレ、
室内交響曲 第1番 作品9
1974年10月11,12日にシュトゥットガルト放送、
ワルシャワの生き残り 作品46
1971年9月25日にシュトゥットガルト放送、
現代詩篇 作品50c
1979年2月24日にシュヴェービッシュで収録。
1970年代のシュトゥットガルト放送交響楽団との演奏で
ペレアスとメリザンドがこれまで聞いてきたイメージと
かなり違って、驚くほど明晰で、隠れていたところや
音に埋もれて聞き流されていたところまで描き尽くし、
やはりギーレンならではの衝撃と深い感動がある。
しかしそこに捉われていると細部が際立つことになり、
全体の流れが失われ、そういうのは、二度目からは
気にならなくなるのだが、ギーレンの解釈、音作りは、
重要な成果であって、これはぜひ取り入れてほしい。
語りや合唱の入る「ワルシャワの生き残り」や詩篇も
響きがかつてなく鮮やかにくっきりとして、素晴らしい。

SWR>>music CD-No.SWR19063CD

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2019年9月 1日 (日)

キース・ジャレット 18

1976年のキース・ジャレットを聞いている。
ECMのStaircaseでキース・ジャレットのソロ・アルバム。
1976年5月にパリのスタジオ・デヴで収録されている。
Staircase(階段)、Hourglass(砂時計)、Sundial(日時計)、
Sand(砂)、それぞれが2つから3つのパートからなり、
つまり合計で11曲が収録されている。11曲というか、
全体はひとつの流れの中にあり、11の小品が連続して、
連なりの中で演奏されていくような、74分の大作である。
ジャズともクラシックともハッキリした区分けはできないし、
この時代の極端に実験的な方向性でもなく、とはいえ、
キース・ジャレットがどこかに向かっているのは明らかで
独特な世界観がある。現在はCDで1枚に収まって、
しかし当時は、LPの2枚で裏表にそれぞれの場面が、
別々で収録されていたわけだから、聞く側の印象も
多少変わってきているのかもしれない。74分全体が、
連続して発展して進んでいく方が感動も大きいように
いまでは思われる。聞けば聞くほど、深い味わいだ。

CDR945

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2019年8月27日 (火)

パーヴォ・ヤルヴィ 3

パーヴォ・ヤルヴィの指揮によるパリ管弦楽団で
シベリウスの交響曲 第6番 ニ短調 作品104
そして同じく 交響曲 第7番 ハ長調 作品105
2014年1月29,30日にパリのサル・プレイエル。
パリ管弦楽団でのシベリウスを収録順に聞いている。
パーヴォ・ヤルヴィの解釈は独特で、かなり明るく、
ニ短調となっている第6番も喜びにあふれている。
ディテールの響かせ方も個性的な表情を作りだし、
勢いのあるアクセントと熱気もある音楽の進行で
こういう演奏は聞いたことがない。既存の演奏で
これまでの概念に捉われずに全く新しいような、
自分の音楽を作ってしまうところが素晴らしい。
発想として刺激的な部分と一方の完璧な美観で
研き抜かれた音楽を聞かせる、そのバランス感、
多様さをまとめ上げる構成力はいかにもの印象。
第7番もここで存在している要素を通常以上に
拡大して描き出し、非常に豊かに描かれるのだが、
交響詩のような展開で、この上なく面白く聞ける。
画期的な演奏だ。発見に満ちて、全く驚かされる。

RCA 19075924512

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2019年8月25日 (日)

キース・ジャレット 17

1976年のキース・ジャレットを聞いている。
ECMのThe Survivor's Suiteであり、前半と後半で
つまりLPの裏表だが、48分間に及ぶ即興演奏である。
1976年4月にルードヴィヒスブルクの音響スタジオで収録。
デューイ・レッドマン、チャーリー・ヘイデン、そして
ポール・モチアンが参加するアメリカン・カルテット。
ゴンサロ・ルバルカバを聞いてきて、ジャズ熱が復活し、
キース・ジャレットを年代順に聞いていくのを再開した。
1960年代から1975年まで進んでいたのだが、調べたら
2012年から7年間、放置してしまった。私はずっと後の
1990年代のキース・ジャレットで、好きになったのだが、
この1970年代も本当に素晴らしい。実験的というか、
なんでもありの極端な多様性は、とにかくすごい音楽。
後半の滅茶苦茶になって、かなり壊れている感覚は、
何とも圧倒されて、破壊の裏返しって感動なのである。

CDR944

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2019年8月23日 (金)

パレナン四重奏団 1

パレナン四重奏団でフォーレの弦楽四重奏曲。
弦楽四重奏曲 ホ短調 作品121
1975年6月25,26日にパリのサル・ワグラムで収録。
フォーレの弦楽四重奏曲は聞いたことがなかったが、
1924年に完成の最後の作品だそうである。同時期に
歌曲も作曲されたようだが、そちらは破棄されている。
フォーレの晩年の響きであり、死後に初演されたため
作曲者への敬意が込められ、そうした演奏スタイルが
いまに伝わり、最後の想いというのが強く感じられる。
ちょっと調べるとこの曲に絡んで、フォーレの過ごした
最晩年に関わる記述が見つかり、たいへん興味深い。
パレナン四重奏団もはじめて聞いたが、ラヴェルや
ドビュッシー、フランクなどの録音が残されている。

ERATO 0190295633578

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2019年8月22日 (木)

ジャン・フィリップ・コラール 3

ジャン・フィリップ・コラールでフォーレの作品。
舟歌 イ短調 作品26、ト長調 作品41、
変ト長調 作品42、変イ長調 作品44、
嬰ヘ短調 作品66、変ホ長調 作品70、
ニ短調 作品90、変ニ長調 作品96、
イ短調 作品101、イ短調 作品104-2、
ト短調 作品105、変ホ長調 作品106b、
ハ長調 作品116(1970.10.21,22, 1970.12.7,8)
即興曲 変ホ長調 作品25、ヘ短調 作品31、
変イ長調 作品34、変ニ長調 作品91、
嬰ヘ短調 作品102(1980.11.18)
パリのサル・ワグラムで収録されている。
フォーレの作品を聞いているが舟歌と即興曲で
ジャン・フィリップ・コラールの細やかな表現と
力強さもあるしっかりとした響きは素晴らしい。
フォーレの洒落ていて、揺らぎのある響きだが、
1970年というアナログ期の録音であり、やはり
ピアノの音色が硬質な印象があるのは残念だ。
演奏の特徴というよりも録音の性質だと思う。
残念ながら1980年の即興曲でも同じであり、
当時のEMIの録音は、あまり進歩していない。
50年前、40年前という、若いときの名盤だが、
現在のより自由になった演奏で聞いてみたい。

ERATO 0190295633578

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2019年8月21日 (水)

ミシェル・プラッソン 1

ミシェル・プラッソンの指揮でフォーレの作品を聞く。
バラード 嬰ヘ長調 作品19
エレジー ハ短調 作品24
子守歌 ニ長調 作品16
幻想曲 ト長調 作品111(1979.6.12,13,15)
魔神たち 作品12(1980.6.17)
組曲「カリギュラ」 作品52
「ペネロプ」前奏曲(1980.6.18,19)
ピアノはジャン・フィリップ・コラール(作品19,111)
チェロはポール・トルトゥリエ(作品24)
ヴァイオリンはヤン・パスカル・トルトゥリエ(作品16)
トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団の演奏
トゥールーズのグラン・ホールで収録されている。
ミシェル・プラッソンがフォーレのスペシャリストとして
有名になった演奏である。合唱付きの管弦楽作品は
はじめて聞く曲ばかりだが、フランス語の響きが美しい。
ジャン・フィリップ・コラールはファンである。最高だ。
録音年代的にちょっと響きが堅い印象はあるけれど。

ERATO 0190295633578

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