ピエール・ブーレーズ 29
ピエール・ブーレーズ指揮クリーヴランド管弦楽団で
ラヴェルのスペイン狂詩曲
道化師の朝の歌
1969年7月21日にセヴェランス・ホールで収録、
亡き王女のためのパヴァーヌ
1970年4月3日にセヴェランス・ホールで収録、
左手のためのピアノ協奏曲 ニ長調
ピアノはフィリップ・アントルモンで
1970年11月20日にセヴェランス・ホールで収録。
ここからは旧録音でブーレーズのラヴェルを聞く。
ラヴェルの音楽の雰囲気があり、情景が広がって、
そうした元々の特性が消えてしまうことはないが、
ブーレーズの直線的な音作りでくっきりと聞かせ、
明確にしっかりとした輪郭が浮かび上がるのは、
かなり独特である。ブーレーズもフランス人だが、
アンドレ・クリュイタンス(出身はベルギーだけど)、
ジャン・マルティノンなどの名盤が知られる中で
アメリカからブーレーズの演奏が発信されたのは、
当時、衝撃であったかと、50年以上が経過して、
いま聞いてもそれは感じる。ここから20年が経ち、
ベルリン・フィルで再録音されたラヴェルの演奏は、
広く受け入れられる普遍性を備えており、比べると
こちらはやはり強烈な存在感があるともいえるか。
そうした中で亡き王女のためのパヴァーヌは美しく、
やはり感動する。左手のためのピアノ協奏曲では、
フィリップ・アントルモンが演奏しており、懐かしい。
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