2018年6月19日 (火)

ルツェルン音楽祭2010

クラウディオ・アバド指揮ルツェルン祝祭管弦楽団による
ベートーヴェンの歌劇「フィデリオ」から第2幕を聞いている。
2010年8月12,15日にルツェルン文化会議センターで収録。
アバドの音作りは、隅々にまで明瞭に響いて、透明感があり、
引き締まったテンポ設定だが、暗く冷たい監獄の場面では、
何とも深く陰影に富んだ音色を引き出して、その印象では、
オーケストラの編成は、決して小さいわけではないらしい。
それでこの細やかな配慮がすべてに行き渡っている音楽を
生み出せるアバドの指揮というのは、やはり最高の感動だ。
第2幕では、注目はヨナス・カウフマンのフロレスタンである。
囚われの身であり、やつれているような弱々しさを出しつつ、
声の伸びが超絶的。その存在感にはとにかく圧倒された。
ドン・ピツァロは逆に投獄され、フロレスタンは見事に勝利し、
群集の祝福で盛り上がる後半だが、緊張感のある加速で、
これは演奏会形式ならではの集中力なのかもしれないが、
あまりにも素晴らしくて熱くなってしまった。これは名盤!

DECCA 478 2551

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2018年6月18日 (月)

ルツェルン音楽祭2010

クラウディオ・アバド指揮ルツェルン祝祭管弦楽団による
ベートーヴェンの歌劇「フィデリオ」から第1幕を聞いている。
2010年8月12,15日にルツェルン文化会議センターで収録。
古楽奏法というのではないが、あらゆる部分に古楽の要素が
ふんだんに盛り込まれて、音楽がいきいきと躍動するのだが、
管楽器の柔らかい音色や豊かに深みのある響きを聞かせて、
絶妙なバランス感覚の演奏に感動する。アバドのこだわりだ。
歌手も豪華な名前が並び、ニーナ・シュテンメのレオノーレ、
ヨナス・カウフマンのフロレスタン、ファルク・シュトラックマンに
ペーテル・マッティとアバドは素晴らしい録音を残してくれた。
ここでは、ファルク・シュトラックマンのドン・ピツァロが最高!
歌声に痺れてしまう。明日は後半の第2幕を聞きたいと思う。

DECCA 478 2551

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2018年6月14日 (木)

ミヒャエル・ギーレン 30

ミヒャエル・ギーレン・エディション(第7集)から
シュレーカーのあるドラマへの前奏曲(1995.2.7)
ヒンデミットの交響曲「画家マチス」(1968.2.8)
ペトラッシの管弦楽のための協奏曲(1961.1.24,25)
シュレーカーとペトラッシは南西ドイツ放送交響楽団で
バーデン・バーデンのハンス・ロスバウト・スタジオで収録、
ヒンデミットはザール・ブリュッケン放送交響楽団の演奏。
「統合への道のり」と題された一枚。20世紀前半の作品。
シュレーカーとヒンデミットの録音は30年近くも離れるが、
聞いての印象はほとんど違和感がなくて、それは驚きだ。
ドイツの放送局の技術力の高さって、本当に素晴らしくて、
50年前のヒンデミットの演奏が鮮やかに甦る。感動した。
ギーレンの明解な音作りとキッパリといい切る歯切れよさ、
この当時も絶対的な支持者を獲得していたに違いない。
シュレーカーのあるドラマへの前奏曲はマーラーのCDに
収録されていたので、以前、そのときも聞いているのだが、
久しぶりに聞き直してみるとすごくよかった。聞きやすい。
ゴッフレド・ペトラッシの作品は、おそらくはじめて聞くが、
1961年のモノラル録音だけど、音質の点は気にならず、
力強い響きと圧倒的な鋭さで、すっかり引き付けられた。
ペトラッシは1904年生まれ、2003年没のイタリア人で
管弦楽のための協奏曲は8曲あるらしく、今回の曲は
1933年から1934年にかけて作曲された第1番であり、
気に入ってしまったので、すると他も聞いてみたくなる。

SWR>>music CD-No.SWR19061CD

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2018年6月13日 (水)

シュトゥットガルト放送交響楽団

ロジャー・ノリントン指揮シュトゥットガルト放送交響楽団で
ハイドンのロンドン交響曲を聞いている。その第3回。
第95番 ハ短調、第99番 変ホ長調、第103番 変ホ長調
2009年9月7-12日にシュトゥットガルトのリーダーハレで収録。
ハ短調が特徴的な第95番は、昔から馴染みがあったのだが、
聞いたこともない軽さで自由そのものである。楽しくて仕方ない。
ちょっと深刻さを伴うハ短調で、ハイドンのユーモアに徹する。
運命の動機のような激しいフレーズがいきなり登場するが、
変形しつつも繰り返し、全体に影響を及ぼしていくようだけど
それもジョークのように聞こえてきて、さすがにアイデア満載。
第99番と第103番「太鼓連打」は、どちらも変ホ長調であり、
ロンドン・セットの第2期だが、どこか作風も雄大になって、
こうして並べてみると面白い。ノリントンの解釈は素晴らしい。

Hanssler CD 93.252

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2018年6月12日 (火)

サイモン・ラトル 3

サー・サイモン・ラトルの指揮によるベルリンフィルで
ビゼーの歌劇「カルメン」から第3幕と第4幕を聞いている。
2012年4月16-21日にベルリンのフィルハーモニーで収録。
昨日の続きで「カルメン」の後半だが、研き抜かれた表現で
やはり響きの美しさが格別である。引き締まった音楽であり、
派手な色合いを出さずとも十分に劇的な効果を築いているし、
シャープに洗練された「カルメン」で本当に聞き惚れてしまう。
ベルリンフィルの演奏なので、オペラ的な世界観を超越して、
シンフォニックに渋いながらも深い陰影のある情景に感動。
声を張り上げずに繊細な歌声を追及していったコジェナーと
室内楽のような緻密さを引き出したラトルの指揮が話題だが、
実際に体験してみると予想以上の完璧な調和が感じられて、
世界の頂点に位置する演奏だが、これは奇跡的であった。

EMI 50999 4 40285 2 7

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2018年6月11日 (月)

サイモン・ラトル 2

サー・サイモン・ラトルの指揮によるベルリンフィルで
ビゼーの歌劇「カルメン」から第1幕と第2幕を聞いている。
2012年4月16-21日にベルリンのフィルハーモニーで収録。
響きが美しくて、清々しいような洗練された印象は衝撃的だ。
ラトルの徹底したコントロールは隅々にまで行き届いており、
しかしバーミンガム時代のような作為的な作り込みではなく、
あくまでも自然体であり、とにかく素晴らしくて夢中になる。
劇場的な収録ではなく、完璧に整えられた仕上がりだが、
この前半の熱気に包まれた展開で盛り上がりの場面でも
派手にならずに端正に透明感で聞かせるのには感動した。
コジェナーのカルメンやヨナス・カウフマンのドン・ホセで
最強の歌手が結集して、この録音に臨んでいると思うが、
すっかり聞き惚れてしまって、やっぱり「カルメン」は最高!
明日はこの続きで後半の第3幕と第4幕を聞きたいと思う。

EMI 50999 4 40285 2 7

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2018年6月 8日 (金)

アマデウス四重奏団 13

アマデウス四重奏団でベートーヴェンの弦楽四重奏曲を
録音年代順に聞いているが、続いて後期の作品であり、
第13番 変ロ長調 作品130、大フーガ 変ロ長調 作品133
1962年9,10月にベルリンのイエス・キリスト教会で収録。
なんて素晴らしい演奏なのだろう。アマデウス四重奏団の
まさに全盛期の名演であり、この緊密な響きに圧倒される。
豪快なまでの力強さがあり、一方で音楽の構造に関しては
緻密に表現。聞く人の心をゆさぶる勢いある輝きの音色に
大きさと深さが感じられて、とにかく感動的だ。偉大である。

DG 463 143-2

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2018年6月 6日 (水)

ロリン・マゼール 35

ロリン・マゼール指揮クリーブランド管弦楽団で
チャイコフスキーの交響曲 第5番 ホ短調 作品64
1980年10月10日にマソニック・オーディトリアムで収録。
くっきりと明快に整理されていて、この個性的な仕上がりは、
いかにもクリーブランド時代のマゼールらしく、聞き惚れる。
響きは軽く、シャープに角を際立たせて、とにかく鮮やか。
徹底したこだわりで表面的なコントロールを追及するのと
力強い推進力が一体となって、実に引き締まった演奏だ。
最初に聞いたときは、ドライな印象が強く、深みがなくて、
何かが足りないようにも思われたのだが、繰り返し聞くと
この演奏の味わいがわかってきて、一度それに気付くと
どんどん集中できるようになる。ディテールを追及して、
すべてをクリアにすると音楽の自然な流れというのは
失われる傾向にあって、作為的な表情作りも多いのだが、
マゼールの演奏意図を感じて、するとやはり素晴らしい。

SONY 88697932382

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2018年6月 5日 (火)

クラウディオ・アバド 44

クラウディオ・アバド指揮モーツァルト管弦楽団による
シューマンの交響曲 第2番 ハ長調 作品61、
マンフレッド序曲 作品115、ゲノヴェーヴァ序曲 作品81
2012年11月にウィーンの楽友協会大ホールでライブ収録。
アバドが指揮するシューマンの交響曲というのは、これまで
聞いたことがなかったのだが、レコードで残してくれたのは、
この第2番が唯一の録音であろう。ベルリンフィル時代の
一時期と比べるとかなりゆったりとして、穏やかな響きだが、
アバドの独特のオーケストラ全員が互いの音を聞き合って、
交響曲の第3楽章などでは、非常に彫の深い格調高さで
決して感情移入し過ぎない中にも心に響いてくるものがある。
その感情的にならない部分では、端正な仕上がりで淡々と
隅々までバランス制御とやはり渋めな音色ではあるのだが、
「マンフレッド」序曲なども見事に色彩を消し去ったところに
不思議なぐらいに美しさが宿って、これまで聞いた中でも
最高の名盤だ。こうした演奏を聞いていると晩年の録音で
ブラームスの交響曲を最後に遺してほしかったと思えてくる。

DG 00289 479 1061

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2018年6月 4日 (月)

ベルナルト・ハイティンク 29

ベルナルト・ハイティンク指揮ロンドンフィルによる
ヴォーン・ウィリアムズの交響曲を収録順に聞いている。
田園交響曲(第3番)と交響曲 第4番 ヘ短調
1996年12月にワトフォード・コロッセウムで収録。
海の交響曲、ロンドン交響曲、そして田園交響曲と
この三曲には、番号が付いていなかったのだが、
それ以降の作曲と合わせ、この曲が第3番である。
「田園」といっても自然描写の牧歌的な印象ではなく、
何かとても神聖な風景であり、第一次世界大戦の
犠牲者を哀悼する作品であるらしい。第2楽章には、
軍隊のラッパの描写が現れて、荒涼とした情景は、
何とも独特な喪失感の漂う世界を感じさせる。
第4番は変わって、激しい作風は衝撃的なのだが、
この辺は、それほど聞く機会がないので、なかなか
覚えられなくて、毎回が新鮮だが、素晴らしい作品。

WARNER 9 84759 2

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