2019年5月20日 (月)

ミヒャエル・ギーレン 36

ミヒャエル・ギーレン・エディション(第7集)から
南西ドイツ放送交響楽団の演奏で
アイヴズの答えのない問い(1995.2.3)
ヴァレーズのアルカナ(1995.2.6)
ストイアマンの管弦楽のための変奏曲(1990.2.12)
ハンス・ロスバウト・スタジオで収録されている。
アメリカの現代作品が集められているが、これらは
現代音楽ともいえないか…もっと親しみのある作品。
ギーレンは鋭い感性により現代音楽に熱心であったと
そういうイメージが強いのだが、同時にそうした音楽を
我々のごく身近な存在へと紹介してくれたのであり、
ヴァレーズを聞いて、もはや現代音楽とも思わないか。
「アルカナ」は力強い迫力で、その炸裂はもう最高だ。

SWR>>music CD-No.SWR19061CD

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2019年5月19日 (日)

ダニエル・バレンボイム 38

ダニエル・バレンボイム指揮シュターツカペレ・ベルリンで
ブルックナーの交響曲 第9番 ニ短調(ノヴァーク版)
2010年6月にベルリンのフィルハーモニーでライブ収録。
バレンボイムの新しいブルックナー交響曲全集である。
ゆったりとした重い足取りでそこには異様な威圧感もあり、
ただならぬものが感じられて、すぐに引き込まれてしまう。
壮大な広がりながら熱い想いが込められて歌われるので
とにかく感動的である。このシリーズは、表情付けなどで
親しみやすい響きが特長であったのだが、やはり第8番、
ここでの第9番となると独特の荘厳な音色であり、深い。
ときにハッとするような神聖な瞬間が存在して、偉大だ。

DG 00289 479 6985

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2019年5月16日 (木)

ネルソン・フレイレ 5

ネルソン・フレイレでブラームスの作品を聞いている。
ピアノ・ソナタ 第3番 ヘ短調 作品5、
間奏曲 変イ長調 作品76-3、間奏曲 変ロ長調 作品76-4、
カプリッチョ ニ短調 作品116-1、間奏曲 ホ長調 作品116-4、
間奏曲 変ロ短調 作品117-2、間奏曲 イ長調 作品118-2、
バラード ト短調 作品118-3、4つの小品 作品119、
ワルツ 変イ長調 作品39-15
2017年2月にハンブルクのフリードリヒ・エーベルト・ハレ。
ネルソン・フレイレは独特な色彩感で歌にあふれており、
内省的なブラームスではないが、ピアノ・ソナタ 第3番では、
作品のリスト的な方向性が活かされて、勢いのある表現だし、
後期の小品は選曲も素晴らしくて、何とも感動的だ。最高!
ネルソン・フレイレが大好きで、こういう演奏を聞いていると
その幸福感はたまらないが、すっかり引き込まれてしまう。

DECCA 00289 483 2154

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2019年5月15日 (水)

ヴァレリー・アファナシエフ 11

ヴァレリー・アファナシエフの2005年の東京公演。
シューベルトの3つのピアノ曲 D.946
ピアノ・ソナタ 第20番 イ長調 D.959
ショパンのマズルカ イ短調 作品67-4
2005年10月23日に浜離宮朝日ホールでライブ収録。
渋めの音で深みのある重厚な響きが強調されており、
アファナシエフならではの演奏に聞きほれてしまう。
1990年代の録音に比べ、ますます自在になっており、
それはライブ録音ゆえの仕上がりなのかもしれないが、
叩きつけるような、張り裂ける強さがあるかと思うと
消え入るようなささやきで柔らかい音が引き出され、
表現の幅は極限まで広げられている。その一方で
そうした可能性豊かな多様さが際立つことはなく、
全体が自然な流れに調和の中でまとめられており、
そこにアファナシエフの音楽との同化が存在する。
シューベルトの繊細な歌が強調されるのではなく、
ここまで巨大な音楽に響いてくることはないけれど、
これこそがアファナシエフであり、最高の感動だ。

WAKA 4115‐6

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2019年5月12日 (日)

マウリツィオ・ポリーニ 9

マウリツィオ・ポリーニでショパンの作品を聞いている。
2つの夜想曲 作品55、3つのマズルカ 作品56、
子守歌 作品57、ピアノ・ソナタ 第3番 ロ短調 作品58
2018年3,5月にミュンヘンのヘルクレスザールで収録。
昔のポリーニの強い集中力で凝縮した仕上がりを思うと
ずいぶん巨匠風でゆったりとした大きな演奏になったが、
ますます深い響きであり、重さの一方で高音の輝きは、
研きがかかって、細やかな表情付けは美しいのである。
完璧主義から解放されて、より自由な表現を獲得して、
とにかく素晴らしくて、引き込まれる。いまのポリーニも
やはりいい。演奏スタイルは変わったが、現在の想いで
それが衰えから来るものではないことに安心する。
再録音でも何でも構わないので、いまのポリーニが
弾きたいと思う作品をとにかく録音に残してほしい。

DG 00289 483 6475

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2019年5月10日 (金)

ミヒャエル・ギーレン 35

ミヒャエル・ギーレン・エディション(第7集)から
南西ドイツ放送交響楽団の演奏で
ヤナーチェクのグラゴル・ミサ(1988.6)
狂詩曲「タラス・ブーリバ」(1986.11.25)
ツェムリンスキーの詩篇 第23番(1988.6.28)
グラゴル・ミサと詩篇はミュンスター・シュヴァルツァハ、
タラス・ブーリバはハンス・ロスバウト・スタジオで収録。
ミュンスター・シュヴァルツァハというのは修道院か?
グラゴル・ミサでは、オルガンの響きも重要だけど、
その豊かな音色は修道院の響きなのかもしれない。
ヤナーチェクは力強く迫力だけど、響きは美しい。
本当に素晴らしくて、どちらも大好きな作品である。
となるとシンフォニエッタの録音はないのだろうか。
ツェムリンスキーの詩篇 第23番ははじめて聞いた。
後期ロマン派の濃密で色彩的な響きは心地よい。
この曲は、新ウィーン楽派への移行というよりは
マーラーの影響が大きく、その点でも親しみやすい。

SWR>>music CD-No.SWR19061CD

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2019年5月 8日 (水)

ジャン・フランソワ・エッセール 4

ジャン・フランソワ・エッセールでモンポウの作品。
歌と踊り(1921-79)、郊外(1916/17)、魔法の歌(1919)
1995年5月3‐6日にパリの福音ルター派教会で収録。
モンポウはこれまであまり聞いてこなかったのだが、
やはり独特のスペインの空気感があって、心地よい。
調べてみると郊外と魔法の歌は、20世紀の前半で
モンポウの20代の作品である。それに対して、
歌と踊りは、1987年の94歳まで生きたモンポウが、
生涯にわたって、書き続けた作品ということがいえて、
全15曲だが、第13曲はギター、第15曲はオルガンと
ここに収録されている13曲で、ピアノのための曲は
すべてを演奏ということらしい。モンポウの心の内を
音にして、パリから故郷のカタルーニャのことを想い、
その点でもショパンのマズルカなどに類似している。
民謡と舞曲のリズムによっていることでもなおさらだ。
中で第6曲はルービンシュタインに献呈されており、
同時代の作曲家が、ルービンシュタインのために
書いた作品は傑作が多く、偉大な共同作業である。

ERATO 0190295651497

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2019年5月 7日 (火)

フランソワ・グザヴィエ・ロト 5

フランソワ・グザヴィエ・ロトの指揮によるレ・シエクルで
ラヴェルのバレエ音楽「ダフニスとクロエ」(全曲)
2016年にパリのシテ・ド・ラ・ミュジーク他で収録。
私は「ダフニスとクロエ」の特にこの全曲版が大好きで
フランソワ・グザヴィエ・ロトの演奏は注目の存在である。
条件を限定した中で雄弁な音楽を創り上げているような、
それ以上に思ったよりも激しく、色彩も豊かで刺激的だ。
通常のモダン・オーケストラの方が、巨大な編成ながら
コンパクトに音をまとめている気がして、こちらは逆で
とにかく最大限のあらゆる要素をスコアから拾い上げて、
かつてない多彩な音楽と音響効果で聞く人を圧倒する。
レ・シエクルのこれまで聞いた中では、一番面白い。
といって、枠をはみ出すことはなく、安心して聞ける。

harmonia mundi HMM905280

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2019年5月 6日 (月)

ウラディーミル・アシュケナージ 22

アシュケナージでドビュッシーの前奏曲集を聞いている。
第1巻は2017年10月29日にウィーン・コンツェルトハウス、
第2巻は1971年11月20日にニューヨークのハンター大学。
前奏曲集 第1巻は、アシュケナージの新しい録音であり、
肩の力が抜けて、非常に自然体な音楽が何とも素晴らしい。
ドビュッシーの響きを精妙に聞かせる演奏は、客観的であり、
緻密に徹しているのだが、アシュケナージは心にある音楽を
素直に考えすぎることなく表現していくので、前向きな姿勢で
明るく楽しい。親しみを感じさせる。そして後半の第2巻は、
46年も前の若いときの録音であり、残念ながら音は悪いが、
しかしそれでも響きの美しさ、透明感はハッキリとわかって、
これは感動的である。第1巻は新たに収録で、第2巻は
なぜ昔のライブ録音を持ってきたのだろうと疑問だったが、
聞いて納得する。この演奏は、現在はもうできないのだろう。
もちろんいまは、いまのよさがあるが、このときの集中力、
響きのコントロールは圧倒的だ。何となくわかってきたのは、
この第2巻の録音が残されていて、第1巻はなかったので
今回、追加で収録されたのかもしれない。録音はよくないが、
演奏は最高。驚いてしまうぐらいの出来にこうした録音って、
他にも残されていないのだろうか。眠らせておくのは惜しい。

Paladino music pmr0100

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2019年5月 3日 (金)

ダヴィッド・フレイ 5

ダヴィッド・フレイでシューベルトの作品を聞いている。
楽興の時 D.780、アレグレット D.915、4つの即興曲 D.899
2009年4月25-29日にベルリンのテルデックス・スタジオ。
ダヴィッド・フレイのピアノは最高だ。とにかく弱音である。
シューベルトの音楽は、滑らかな響きで優しく進めていく。
弱音が主体の音楽にも強弱のメリハリは存在するけれど、
つい勢いで強くなりそうなところも美しく歌い上げている。
心のこもった表現でシューベルトはこういう演奏で聞きたい。
すべての音を大切にして、どの瞬間にも音楽に表情があり、
聞けば聞くほど、なんて素晴らしい。するとふと思うのは、
ベートーヴェンが聞いてみたくなる。ダヴィッド・フレイの
この感じがよくて、それで「熱情」など、弾いてくれないか。

ERATO 50999 694489 0 4

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