2026年6月14日 (日)

アレクシス・ワイセンベルク 13

アレクシス・ワイセンベルクによる
ブラームスのピアノ協奏曲 第1番 ニ短調 作品15
リッカルド・ムーティ指揮フィラデルフィア管弦楽団で
1983年2月2日にフィラデルフィアのオールド・メット、
ブラームスの間奏曲 イ長調 作品118-2
1971年6月2日にパリのサル・ワグラムで収録、
フランクの前奏曲、フーガと変奏曲 作品18
バッハの来たれ、異教徒の救い主よ BWV659(ブゾーニ編曲)
1969年6月20日にパリのサル・ワグラムで収録、
ツェルニーの「思い出」による変奏曲
1950年にパリで収録。
昔のCDを出して、ワイセンベルクを聞いている。
旧EMIの録音がWarnerの全集として出るようで、
内容を確認すると持っていない録音も多々あって、
初CD化の音源も登場するようで、ぜひ聞きたい。
ワイセンベルクのブラームスを聞いて盛り上がるが、
この演奏は昔からお気に入りで、改めて聞いてみて、
録音が冴えなくて、少し残念な気持ちになるけれど、
硬質なブラームスを聞かせて、格調高い音楽であり、
極めて上質な演奏でこの上なく説得力に満ちている。
ワイセンベルクは本当に素晴らしいピアニストだ。
抑制されて、色のないモノクロな情景が広がるが、
冷たく輝き、それは強い光を放って、名盤である。
後半の独奏曲の方が古い録音なのだが、音では、
色合いも豊かなように感じられて、味わいもある。

EMI 724358583724

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2026年6月13日 (土)

アマデウス四重奏団 19

アマデウス四重奏団による
ベートーヴェンの弦楽四重奏曲 第9番 ハ長調 作品59-3
ハイドンの弦楽四重奏曲 第76番 ニ短調「五度」
1983年1月25日にロンドンのウィグモア・ホールで収録。
アマデウス四重奏団の後年の演奏でベートーヴェンを聞く。
ウィグモア・ホールでのライヴ録音であり、デビューから
35周年を記念した演奏会だそうである。ベートーヴェンの
この「ラズモフスキー 第3番」については、デビュー時に
取り上げられて、選曲にはそうした想いが込められている。
1947年にロンドンで結成され、翌年の1948年1月10日に
このウィグモア・ホールで成功を収め、知られるようになった。
ベートーヴェンの偉大な名曲だが、そうした話を知って聞くと
ますます惹かれるのである。アマデウス四重奏団の演奏は、
かつての強い集中力からすると、さすがに揺れが多くなり、
それを味わいとして受け止めるか、ベテランの熟練であり、
独特の風格ある時間が流れている。凝縮した感じはない。
しかしその空間に歴史の深みを感じる。そこに感動がある。

DG PROC-2186

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2026年6月12日 (金)

ピエール・ブーレーズ 67

ピエール・ブーレーズ指揮BBC交響楽団で
マーラーの交響曲 第5番 嬰ハ短調
1968年8月28日にロイヤル・アルバート・ホール。
プロムス1968からBBC交響楽団の演奏会であり、
ブーレーズが43歳のときのマーラーの演奏である。
64分という時間を見るとかなり驚かされるのだが、
速すぎる感じや焦っているところはどこにもなくて、
濃厚な表現や密度において、積極性が感じられて、
畳みかけるような推進力が生まれ、そうした印象が
最大の特長なのである。ブーレーズは変わらずに、
スコアの音を隅々まで明瞭に、適確に鳴らすという、
その方向性は一貫していたが、ここではテキパキと
残響や余韻のすべてを吸い上げ、一気に表現して、
そこはブーレーズも若かった、というのはいえるかと
その点に関しては、広く衝撃を与えると思うのである。
それにしても力強く、凝縮して、エネルギーが噴出し、
ライヴの魅力もあるが、感動して、熱くなってしまった。

ATS ATS999-2

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2026年6月11日 (木)

マレク・ヤノフスキ 5

マレク・ヤノフスキ指揮スイス・ロマンド管弦楽団で
ブルックナーの交響曲 第6番 イ長調(ノヴァーク版)
2009年1月にジュネーヴのヴィクトリア・ホールで収録。
マレク・ヤノフスキ指揮スイス・ロマンド管弦楽団による
ブルックナーの交響曲全集を収録順に聞いていく。
交響曲 第6番からはじまっているが、思う以上に
ゆったりとした響きであり、それは丁寧に細部まで、
明瞭に聞かせているからであり、その結果として、
低音の音型が不気味に鳴り出すのには驚かされる。
しかしやはり音楽の運びは滑らかで、適切であって、
極めて自然体に流動し、武骨にゴツゴツすることなく、
美しく、研き上げられた構築はヤノフスキらしく思う。
ブルックナーの演奏の昔からの巨大な感じでもなく、
今日の現代的な解釈ともそれは明らかに異なって、
ヤノフスキは独自のスタイルを貫き、少しもぶれず、
真っすぐに音楽が響いてくるのであり、感動的である。
強い意思が感じられて、この揺るがない説得力であり、
ここまで硬派なブルックナーもそうは聞けないけれど、
それゆえに惹きつけられ、代わりのない印象である。
集中力と持続する緊張感で間違いなく最上の名演だ。

BRILLIIANT 97082

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2026年6月10日 (水)

ダニエル・バレンボイム 78

ダニエル・バレンボイム指揮パリ管弦楽団で
ベルリオーズのレクイエム 作品5
序曲「ローマの謝肉祭」 作品9
「ファウストの劫罰」 作品24~自然の祈り
ラ・マルセイエーズ
プラシド・ドミンゴのテノール独唱で
1979年6月30日-7月7日に
パリのメゾン・ド・ラ・ミュテュアリテで収録。
バレンボイムのパリ管弦楽団との時代における
ベルリオーズの演奏を聞いている。レクイエムで
壮大な作品なのであり、バレンボイムの音楽も
豪快に鳴り出して、そのスケールに圧倒される。
しかしすぐに気付くのは、それだけでなく、繊細に
精妙に進めているのであり、実に若々しい感覚で
その後の巨匠のイメージとは違うバレンボイムが、
この巨大な音楽と向き合い、興味深いのである。
ベルリオーズのレクエイムは、あまり面白くないと
これまで、以前は魅力がわからずにいたのだが、
この数年、聞くようになって、最近は好きである。
後半は「ローマの謝肉祭」や「ファウストの劫罰」で
一気に親しみも増すが、カラッと晴れ渡るような、
明るく、スッキリとした音色で最高に気持ちいい。

DG 00289 483 5494

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2026年6月 9日 (火)

トン・コープマン 2

トン・コープマン指揮アムステルダム・バロック管弦楽団で
バッハのマタイ受難曲 BWV244~第2部
2005年3月22,23日にアメルスフォールトの聖ヨリス教会。
トン・コープマンによるマタイ受難曲の再録音を聞く。
第2部はまた格別に素晴らしい。イエスの審問が進み、
予言の通りに弟子たちは離散し、悲しみは増していく。
マタイ受難曲はオルガンの音色や管楽器の響きもまた、
不吉な色に支配されて、安息はなく、張り裂けそうだが、
それはバッハが音に示した、キリストの受難なのであり、
しかしその中で、トン・コープマンの生み出す音楽は、
清らかに透明感が増していくのであり、有名なアリアで
「憐れみ給え、わが神よ」の美しさはかつてなく心に響く。
イエスへの訊問から民衆に突き放される判決が下って、
あえて苦しい道を選び、受け入れている印象があるが、
後半、合唱の歌声には、緊張感がみなぎる場面もあり、
イエスは十字架にかけられ、息絶え、荒れ狂う奇跡で、
小さな響きにも激しさは表れ、その情景は衝撃である。
イエスの埋葬でアリア「わが心よ、おのれを浄めよ」も
ただただ感動的であり、こんなにも偉大な作品はない。

CHALLENGE CC72642

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2026年6月 8日 (月)

トン・コープマン 1

トン・コープマン指揮アムステルダム・バロック管弦楽団で
バッハのマタイ受難曲 BWV244~第1部
2005年3月22,23日にアメルスフォールトの聖ヨリス教会。
トン・コープマンによるマタイ受難曲の再録音を聞く。
優しい表情と暖かい感情がにじみ出てくるのであり、
トン・コープマンの豊かな音作りには、深く感動する。
荘厳な雰囲気よりイエスと周辺にいる人々の物語が、
起伏に富んだ情景で描き出されていることを感じて、
わかりやすく、馴染みやすく、結果、心が動かされる。
導入から前半のイエスの預言の場面も素晴らしいが、
第1部では、ユダが裏切り、イエスが捕縛される後半、
やはり迫ってくるものがあり、深く引き込まれてしまう。
通奏低音にはオルガンとともにリュートが用いられて、
味わいがあり、トン・コープマンの発想に満ちている。

CHALLENGE CC72642

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2026年6月 7日 (日)

トルルス・モルク 4

トルルス・モルクによるバッハで
無伴奏チェロ組曲 第4番 変ホ長調 BWV1010
無伴奏チェロ組曲 第5番 ハ短調 BWV1011
無伴奏チェロ組曲 第6番 ニ長調 BWV1012
2005年7月にオスロのリスク教会で収録。
第4番以降、後半の作品において、音楽は力強く、
ますます壮大になっていく。第4番が好きなのだが、
第5番のこの荘厳な世界はたまらないものがある。
巨大な存在であり、近づきがたい印象もありながら、
この音楽からは離れられずに、永遠の憧れである。
第6番が素晴らしく、緻密な作風も頂点ではあるが、
雄大な中でより自由に表現や解釈は拡大されており、
ときに現代の感覚にある音色も現れて、夢中になる。
トルルス・モルクは鮮やかに聞かせ、最高の感動だ。
シンプルに素朴なところから極限の精緻な世界まで、
拡大してきたことをここで感じる。偉大な作品である。

ERATO 724354565021

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2026年6月 6日 (土)

トルルス・モルク 3

トルルス・モルクによるバッハで
無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調 BWV1007
無伴奏チェロ組曲 第2番 ニ短調 BWV1008
無伴奏チェロ組曲 第3番 ハ長調 BWV1009
2005年7月にオスロのリスク教会で収録。
素朴な色合いでこの渋い世界に引き込まれる。
もっと艶やかに光沢のある音色を出せるところ、
感情を抑制し、あえてこの色を選択する演奏で
そこに深い感動を覚えるのである。素晴らしい。
トルルス・モルクはしなやかな表現を聞かせるが、
音楽の骨格には、しっかりと厳格さも感じられて、
バッハのこの偉大な音楽を厳粛な想いで伝える。
第3番になると音楽もいきいきと躍動してくるが、
そこではさらにゆったりと大らかさも感じられて、
無限の広がりがあり、音への集中力も高まるが、
続いて、後半の第4番から第6番を聞いていく。

ERATO 724354565021

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2026年6月 5日 (金)

ピエール・ブーレーズ 66

ピエール・ブーレーズ指揮ロンドン交響楽団と
イヴォンヌ・ミントンのメゾ・ソプラノ独唱で
ワーグナーのヴェーゼンドンクの5つの詩
マーラーのリュッケルトの詩による歌曲
1979年5月にロンドンのアビー・ロード・スタジオ。
ピエール・ブーレーズのボックスから聞いている。
ブーレーズのワーグナーとマーラーの歌曲であり、
それは貴重に思え、昔からこのCDは持っていたが、
ブーレーズの余韻も吸い上げて、すべては適切に
テキパキと処理していく演奏には驚き、感動する。
この音に夢中になるのだが、ワーグナーの音楽が
やはり何とも素晴らしい。ブーレーズは明瞭に描き、
くっきりと響かせてしまうのだが、音楽は直線で流れ、
平面的な印象もあるけれど、これがいいのである。
マーラーも雑味を寄せ付けず、純粋な響きを求め、
透明感があふれ出し、これこそが究極に思えてくる。
ブーレーズのマーラーの魅力は、それなのであり、
濃厚な音色の感情的な演奏とは対極にあるのだが、
これを聞いてしまったら、抜けられなくなるであろう。

SONY 88843013332

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