2017年4月24日 (月)

リッカルド・ムーティ 15

リッカルド・ムーティ指揮フィラデルフィア管弦楽団で
ベートーヴェンの交響曲全集を収録順に聞いている。
交響曲 第2番 ニ長調 作品36と第8番 ヘ長調 作品93
1986年1月10-21日にフィラデルフィアで収録されている。
力強く音楽に切り込んでいく感じと勢いのある速いテンポで、
いかにもムーティらしい仕上がりだが、どうも重みに欠けて、
その辺はアメリカのオーケストラの特徴かもしれないけれど、
しかし細部にまで明瞭に聞こえてくるのは魅力であると思う。
その点でも流麗さの加わる第8番は、一気に惹き込まれる。
今日は第2番と第8番の2曲を聞いたが、このとき同時に
第3番「英雄」が録音されており、そちらは次回、聞きたい。

EMI 0 97946 2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年4月23日 (日)

アンドレ・プレヴィン 19

アンドレ・プレヴィン指揮ロサンゼルス・フィルによる
ドヴォルザークの交響曲 第8番 ト長調 作品88、
スケルツォ・カプリチオーソ 変ニ長調 作品66、
弦楽のためのノットゥルノ ロ長調 作品40
1989年4月3日にUCLAのロイス・ホールで収録。
第8番は濃厚な表現だけど、音楽が濃厚なのではなく、
その美しい色合いと爽やかな流れを維持しつつであり、
たっぷりと歌って、この名曲の楽しさが伝わってくる。
プレヴィンのこのシリーズに共通するのは、どっしりと
低音がしっかり響いて、骨太な仕上がりともいえるか、
重厚なドヴォルザークだ。アメリカのオーケストラに
程よくドイツ的な落ち着きを持ち込んでいるのかも。

TELARC CD-80206

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年4月21日 (金)

ベルナルト・ハイティンク 20

ベルナルト・ハイティンクの指揮によるショスタコーヴィチで
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団との交響曲第13番。
1984年10月にアムステルダム・コンセルトヘボウで収録。
何年もかかってしまったが、この交響曲全集を収録順に
少しずつ聞いてきて、今回の第13番「バビ・ヤール」にて
ついに完結である。問題作とされているけれど、それは、
バスと男性合唱で歌われるエフゲニー・エフトゥシェンコの
歌詞が、ナチスのユダヤ人虐殺を扱っており、ソ連もまた
人種迫害を行っていることを示唆して、当局から改訂を
求められ、様々な妨害工作を受けながら初演したという
そういう作品なのである。音楽が政治的な圧力に耐えて
成立していた時代なのであり、冷戦崩壊後の今となっては、
人気のある作品となっているが、その背景を踏まえて聞くと
ますます感動的である。かなり重苦しい内容ではあるが、
ハイティンクもまた外の人間なのであり、客観性を保って、
ショスタコーヴィチのスコアに冷静に緻密に向き合って、
結果として、その重厚な音楽がストレートに伝わってきて、
そこに込められた真実が、明らかにされているのである。
ショスタコーヴィチの死からの十年間で、冷戦が終わる
ソ連時代の最後の時期に西側で制作されたこの全集は、
まさに偉大な記録で、そしてハイティンクの功績である。

CDR906

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年4月20日 (木)

ハンヌ・リントゥ 2

ハンヌ・リントゥ指揮フィンランド放送交響楽団による
マーラーの交響曲 第1番 ニ長調「巨人」と花の章
2014年5,12月にヘルシンキのミュージックセンターで収録。
じっくりと丁寧に描き込んでいく凝縮された表現を基本として、
一方で速いところでは、鮮やかに快速なテンポで駆け抜けて、
フィンランド放送交響楽団は極上の透明感、爽やかさであり、
これは最高である。なんて気持ちのいい「巨人」なのであろう。
くっきりと明瞭に響かせて、それが音楽に輝きを与えていく…
ハンヌ・リントゥの独特な音作りであり、今回もまた感動した。
きっと熱い指揮姿なのだろうけれど、濃厚になることはなく、
オーケストラの洗練された仕上がりが魅力であり、ギャップや
メリハリ、思い切った発想は新感覚であるようにも思われる。

ONDINE ODE1264

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年4月19日 (水)

ラルス・フォークト 2

ラルス・フォークトでブラームスのピアノ三重奏曲、
第2番 ハ長調 作品87と第3番 ハ短調 作品101
クリスティアン・テツラフ、ターニャ・テツラフと共演。
2014年5月27-29日にブレーメンのゼンデザール。
学生の頃、一時期、ブラームスの室内楽にはまって、
いろいろ聞いたのだが、ピアノ三重奏曲の第1番は
有名だけど、ここでの第2番と第3番は久しぶりだ。
長らく聞いていないと何とも素晴らしい音楽に感動。
ソリストながら室内楽に熱心な三人の共演であり、
気心知れたすっかり慣れているアンサンブルだけど、
ときにラルス・フォークトなど、どこか荒々しいような
力技で豪快に聞かせるような場面もあって、迫力だ。
即興性のような動きにも感じられるし、大きな起伏で
繊細さとの対比から生まれる重厚な立体感は最高。

ONDINE ODE1271-2D

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年4月18日 (火)

ズービン・メータ 13

ズービン・メータ指揮イスラエルフィルによる
ブラームスの交響曲全集を聞いている。
交響曲 第2番 ニ長調 作品73と悲劇的序曲 作品81
1992年10月4-27日にマン・オーディトリウムで収録。
冒頭の僅かを聞いただけでもあまりの心地いい音色に
すっかり引き込まれてしまう。イスラエルフィルの明るく、
艶やかな響きは、ブラームスのニ長調にぴったりであり、
メータのゆったりと大きく聞かせる音楽と一体となって、
実に感動的な演奏だ。じっくりと深く歌い込まれており、
メータは本当に素晴らしい指揮者である。ということを
現在は思うのだが、この80年代から1990年の頃って、
メータは聞かなかったのだ。当時はクライバーばかり、
こういった穏やかなブラームスには惹かれなかった。
いまは心に響いて、私も歳を取ったな…って、実感。
悲劇的序曲は少し変わって、重厚な迫力が魅力的!

SONY 88875166762

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年4月17日 (月)

リン・ハレル 1

ベルナルト・ハイティンクの指揮によるショスタコーヴィチで
交響曲全集を聞いてきたが、今日はチェロ協奏曲 第1番、
独奏はリン・ハレル、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団で
さらに後半は、ブロッホのヘブライ狂詩曲「シェロモ」である。
1984年4月にアムステルダム・コンセルトヘボウで収録。
チェリストはあまり詳しくないのだが、リン・ハレルが好きで、
よくいわれている人の声に近いような音色は素晴らしい。
ハイティンクの指揮が交響曲と同じく引き締まった響きで
最高である。ユダヤ音楽がここでのテーマでもあるのだが、
ブロッホの「シェロモ」が感動的だ。あまり聞いていないが、
マイスキーのCDを持っている。聞き直してみたくなった。

CDR905

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年4月15日 (土)

アルバン・ベルク四重奏団 27

アルバン・ベルク四重奏団のベートーヴェンで
弦楽四重奏曲 第15番 イ短調 作品132
1989年6月にウィーン・コンツェルトハウスで収録。
ベートーヴェンの弦楽四重奏曲で最も好きな作品で
それは、高校生のときに当時はまだ新しかった
サントリーホールで、アルバン・ベルク四重奏団で
この曲を聞いているからであり、格別なのである。
傑作なので名演も多いけれど、やはりいま聞いても
アルバン・ベルク四重奏団の演奏がぴったり来て、
それはきちっとした造形で細部にまで鋭く、明瞭で
結果的にこの作品の格調高さがよく伝わってくる。
ベートーヴェンが最後に到達した高みの境地が、
透明感あふれる輝きの音色で表現されている。

Warner 0724347682025

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年4月14日 (金)

ロンドン交響楽団

ヴァレリー・ゲルギエフ指揮ロンドン交響楽団で
ラヴェルのバレエ音楽「ダフニスとクロエ」(全曲)、
亡き王女のためのパヴァーヌ、ボレロを聞いている。
2009年9,12月にバービカン・センターで収録。
「ダフニスとクロエ」が大好きで、全曲がいいのだが、
今日はゲルギエフの演奏。かなり昔の来日公演でも
第2組曲が演奏されていたような記憶があるのだが、
ロシアのイメージで、接点がなさそうなフランス音楽に
ゲルギエフは若い頃から熱心だったのかもしれない。
指揮姿が目に浮かぶしなやかな表現を最大の特長に
全体に滑らかな音色で聞かせている。意外に普通だと
ゲルギエフならではの強烈な個性を期待していたなら
肩すかしのようで拍子抜けもするが、音楽に正面から
真っ直ぐに取り組んで、変化球はどこにも見られない。
音色豊かなロンドン交響楽団も非常に洗練されている。

LSO Live LSO0693

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年4月13日 (木)

クラウディオ・アバド 31

クラウディオ・アバド指揮シカゴ交響楽団による
チャイコフスキーの交響曲全集を聞いている。
交響曲 第4番と幻想序曲「ロメオとジュリエット」
1988年4月2-4日にシカゴ・オーケストラホール。
アバドにしては、ゆったりとしたテンポ設定であり、
ロシア色を濃厚に歌い上げようという姿勢なのかも、
というのは思うのだが、しかしシカゴ交響楽団であり、
スッキリとシャープな音色を響かせて、アバドもまた
丁寧に細部まで、客観性と平衡感覚を保ちながら
音楽を進めていくので、そこはやはり独特である。
ここでもやはりつい思ってしまうのが、ドイツ色で
安定した重みのあるベルリンフィルであったなら…
という、この十年後の演奏を聞いてみたかった。
「ロメオとジュリエット」では、ますます洗練されて、
この美しい響きは最高だし、雰囲気も実によくて、
さらに後半へ向かっての盛り上げにも感動した。

SONY 88697836722

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧