2009年11月 5日 (木)

第1654回N響定期公演

9月のN響定期公演から
クリストファー・ホグウッドの指揮による演奏会。
前半は古典様式による近代の作品で
プロコフィエフの古典交響曲と
ストラヴィンスキーの組曲「プルチネルラ」
後半はモーツァルトのフリーメーソンのための葬送の音楽、
そしてハイドンの交響曲第104番「ロンドン」である。
2009年9月25日にNHKホールで収録されたものを
BS2で録画して映像付きで聞いている。
実は「プルチネルラ」の放送中に地震発生で
途中かなり長く各地の震度の情報が流れていて、
ちょっとがっかりでDVD保存に関しては、
「プルチネルラ」は省略することにした。残念。
9月のホグウッド指揮の公演もこれで最後だが、
もう奏法がどうとか…解釈がどうとか…
そういうことは意識するまでもなく、考えるまでもなく、
圧倒的に素晴らしい演奏。プロコフィエフもいいし、
特に後半のハイドンの交響曲が何とも魅力的だ。
作品の構造に鋭く踏み込んでいっているのはもちろんだけど、
それにしても生命力あふれる…活気あるテンポ感と表情づくり。
重くするのではない、力強さと歯切れのよさ、明解さ、
この辺に関しては古楽出身の指揮者ならではの仕上がりである。

DVDR138

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2009年11月 4日 (水)

第1653回N響定期公演

9月のN響定期公演から
クリストファー・ホグウッドの指揮による演奏会。
今回はオール・メンデルスゾーン・プログラム。
序曲「フィンガルの洞窟」(ローマ稿)にはじまり、
ヴァイオリン協奏曲(初稿)。独奏はダニエル・ホープ。
そして後半は交響曲第3番「スコットランド」。
2009年9月19日にNHKホールで収録されたものを
BS2で録画して映像付きで聞いている。
「フィンガルの洞窟」はホグウッドの校訂による
「ローマ稿」だそうでかなり違っていて興味深い。
そしてヴァイオリン協奏曲も「初稿」ということだが
こちらもところどころ違っている気がする。
あまり詳しくないので、はっきりとは指摘できないのだが。
この辺は原典主義なのか…ホグウッドならではであろう。
そして今回ももちろんピリオド奏法が用いられていて、
スッキリと透明感のある音色は私には大いに魅力である。
でもベートーヴェンに比べて、こちらはロマン派音楽なので
より豊かに音楽が広がりをもって聞こえてくるのは当然で
作品の様式を明確にとらえて、表現するという点ではさすが!
自らの個性の表出よりもまずは作品の存在がすべてであり、
これまでホグウッドはあまり聞いてこなかったのだが、
本当に素晴らしい指揮者で今後は注目せねばなるまい!

DVDR137

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2009年11月 3日 (火)

第1652回N響定期公演

N響の2009/2010シーズン開幕の公演。
9月の指揮はクリストファー・ホグウッド。
オール・ベートーヴェン・プログラムで
序曲「コリオラン」にはじまり、ピアノ協奏曲第4番。
独奏はクリスティアン・ベザイディンオート。
そして後半は交響曲第7番である。
2009年9月9日にサントリーホールで収録されたものを
BS2で録画して映像付きで聞いている。
古楽で有名なホグウッドの指揮なので
ピリオド奏法が取り入れられていて、
スッキリと明解な響きによって、細部にまで
すべてきれいに聞こえてくるのが心地よい。
ピアノ協奏曲に登場のクリスティアン・ベザイディンオートも
古楽で活躍中の奏者だそうで、しかしここでは
通常のスタインウェイを用いて、響きは普通に近く、
しかし基本はシンプルな表現を目指しているようで
透明で美しい音色を魅力として
そこに少々の古楽的装飾が加えられている。
演奏配置はオーケストラがピアノを囲む形を採用。
やはりホグウッドの指揮が素晴らしい。
序曲「コリオラン」から目が覚めるようで
ノリントンにしてもホグウッドにしても…古楽の発想によって
モダンオーケストラから新鮮な響きを引き出しているのは
私は大好きで…何より聞いていて楽しいのである。

DVDR136

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2009年11月 2日 (月)

レナード・バーンスタイン 6

バーンスタイン指揮ウィーンフィルによるシューマンで
今日は交響曲第2番とチェロ協奏曲。
チェロ独奏はミッシャ・マイスキーである。
1985年10月29日から11月6日にかけて
ウィーン楽友協会で収録。この録音はライブではない。
どちらも繊細な表情の美しい作品で
バーンスタインの心のこもった歌が魅力である。
でも交響曲はライブ録音にしてほしかった気がする。
というのは、第3楽章などは非常に感動的で盛り上がるのだけど
一方で前半の第1楽章、第2楽章などは
精妙さもあるのだろうが、どこか淡々とこなしていく感じで
他で聞けるバーンスタインならではの燃焼が感じられない。
私はこの第2番の交響曲が大好きなので
バーンスタインならば、この仕上がりでは満足できない…って。
シューマンのチェロ協奏曲はどちらかというと
独奏ばかりが目立つ作品ではあるが、そうでもないか?
さすがにマイスキーは聞かせる。しなやかな音楽性。

DG F35G 20099

「レナード・バーンスタイン」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2009年10月31日 (土)

私が聞いた今年の名盤2009

10月も終わって、いよいよ残り少なくなってきたが、
月末なので、今年の名盤の途中経過。
ヤンソンスのマーラーを追加。評価は
にした。
ポリーニの平均律クラヴィーア曲集は、
演奏は素晴らしいけれど、やはり私はバッハへの関心が低いようだ。
中に数曲、すごく気に入った演奏があったのだが、
しかし曲集を全曲というと…私にはちょっと重荷で。


《交響曲》
◎マーラー 交響曲第7番~ジンマン指揮チューリヒ・トーンハレ管弦楽団
◎マーラー 大地の歌 ケント・ナガノ指揮モントリオール交響楽団


《管弦楽》
◎ニューイヤーコンサート2009~バレンボイム指揮ウィーンフィル

《協奏曲》
◎ブラームス ヴァイオリン協奏曲、二重協奏曲
  ~ヴァディム・レーピン シャイー指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団


《室内楽》
今のところなし

《器楽曲》
今のところなし

《歌劇》
○プッチーニ 歌劇「蝶々夫人」~パッパーノ指揮ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団

《声楽曲》
◎シューベルト 歌曲集「美しい水車小屋の娘」
  ~マティアス・ゲルネ、クリストフ・エッシェンバッハ

○シューベルト 歌曲集「白鳥の歌」~イアン・ボストリッジ、アントニオ・パッパーノ

《ライブ盤》
◎ブルックナー 交響曲第4番(第1稿)~ノリントン指揮シュトゥットガルト放送交響楽団
○ラヴェル 「ダフニスとクロエ」(全曲)~ハイティンク指揮シカゴ交響楽団
○マーラー 交響曲第1番「巨人」~ハイティンク指揮シカゴ交響楽団
○マーラー 交響曲第7番~ヤンソンス指揮バイエルン放送交響楽団

は特に大切に感じられる名盤です)

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レナード・バーンスタイン 5

バーンスタインの指揮によるブラームスの交響曲を聞いたが、
続いてウィーンフィルの演奏でシューマンを聞いていく。
今日は交響曲第1番「春」と交響曲第4番。
第1番が1984年10月10-14日、第4番が1984年2月2-5日、
ウィーン楽友協会におけるライブ録音である。
まずは初夏を思わせる熱い力のこもった「春」にはじまって、
第4番も思い切り感情の込められた迫力の熱演であり、
バーンスタインならではの仕上がりである。
現在の緻密な感覚からするとかなり大らかに自由に飛躍しているが、
でも1980年代は巨匠のこうした芸風に酔いしれていた時期であり、
しかし今聞いても魅力的なのは、バーンスタインの豊かな音楽性、
表現の喜びが全面にあふれ出ているのに心動かされるのである。
こうした熱血なシューマンは、今ではあまり聞けない。
やはりバーンスタインは強烈な個性を発揮していたのであり、
特別な存在であった。聞いていて夢中にさせられるのだから…

DG F35G 21017

「レナード・バーンスタイン」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2009年10月30日 (金)

バイエルン放送交響楽団2006/2007

バイエルン放送交響楽団の自主制作ライブシリーズで
マリス・ヤンソンスの指揮によるマーラーの交響曲第7番。
2007年3月8,9日、ミュンヘンのガスタイクでのライブ録音である。
ヤンソンスのマーラーは今回も洗練された表現で
透明感あふれる音色が魅力であり、そうした要求に応えて
バイエルン放送交響楽団もシャープで明瞭な響きは絶好調である。
とにかく素晴らしい仕上がりでこの録音が手に入ったのは喜びだ。
しかし何の不満もないのだが、といって…もうひとつ心に来るものがない。
この演奏を実際に会場で聞けたなら、どんなに感動的であろう。
こういった演奏って、CDになってしまうと何か拍子抜けしてしまうような…
というか…CD制作上の仕上がりがよすぎて、ライブ独特の緊張感、
会場の興奮…そういうものが伝わってこないということか?
ヤンソンス自身があまり熱い音楽を目指していないので、
ファンもヤンソンスにはそういうものを期待していないのだけど、
それだから…こういうマーラー像が鳴り響いてくるし、
間違いなく理想の完成なのだけど、微妙なところで違う…
ライブ盤なのだから、あまりきれいに整えなくてもいいと思うのだが。
ロイヤル・コンセルトヘボウと分担する形になるのだろうけれど
ぜひバイエルン放送によるこのシリーズでマーラーの続編を期待したい。

BR KLASSIK 403571900101

「マリス・ヤンソンス」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2009年10月29日 (木)

メトロポリタン歌劇場2007/2008

BShiで放送されたメトロポリタン歌劇場のライブから
ブリテンの歌劇「ピーター・グライムズ」
ドナルド・ラニクルズの指揮、演出はジョン・ドイルである。
(2008年3月15日 ニューヨーク メトロポリタン歌劇場)
今日は後半で第2幕と第3幕を聞いている。
舞台はすべて統一して黒を基調とする壁が背景に立っている。
焦がした杉板張りのような仕上がりで漁村のイメージでもあると思う。
各場面で必要とするスペースに応じて、その壁が移動する。
窓や扉が様々に用意されており、そちらも各場で多様に開閉し、
壁はピーター・グライムズを拒絶し、抑圧しているのであり、
そして窓からは常に群衆によって監視されているのである。
第3幕の後半へと追いつめられていくピーター・グライムズだが、
アンソニー・ディーン・グリフィの透明な声と緊迫した演技が素晴らしい。
それに対してパトリシア・ラセットによるエレンに
グライムズの孤立を包み込むような優しさが感じられるのである。
今回の番組案内役はナタリー・デッセイで
合唱指揮のドナルド・パルンボとの対話の中で
合唱も主役のように重要って語っているが
まさにそう感じられる後半の清らかさは感動的だ。
やはりブリテンの音楽が最高!それに尽きるのかも。

DVDR134/135

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2009年10月28日 (水)

メトロポリタン歌劇場2007/2008

BShiで放送されたメトロポリタン歌劇場のライブから
ブリテンの歌劇「ピーター・グライムズ」
ドナルド・ラニクルズの指揮、演出はジョン・ドイルである。
(2008年3月15日 ニューヨーク メトロポリタン歌劇場)
コンサート用の「ピーター・グライムズ」からの4つの海の間奏曲は
私の大好きな作品でときどき聞いていると思うのだが、
歌劇の全曲はというと昔にハイティンク盤を買って、
それ以降、あまり聞く機会はなかったと思うので
今回はせっかくなので丁寧に聞き進みたいと
まずは前半の序幕と第1幕を聞いている。
20世紀オペラなので、舞台も黒を基調としたシンプルな構成で
私的には非常に好ましい印象である。抽象化されている方が好き。
衣装については、物語の設定をストレートに表現しているようだが、
モノトーンな空間の中にあるとより象徴的でよい効果。
指揮のドナルド・ラニクルズの登場はうれしい。
私がまだ学生だった頃にバイロイトの「タンホイザー」で
ラニクルズが指揮していたのだけど、それ以来、名前は覚えていて、
ワーグナー指揮者の一面もあるのだろうけれど
ウィーン国立歌劇場でも重要な演目を指揮していて、
しかしなかなか聞けるチャンスがなかったので、
ここでの「ピーター・グライムズ」での出会いはうれしい。
この前半では、間奏曲以降の嵐の場面(第1幕第2場)での
劇的な表現には夢中になって聞いてしまった。
舞台でも音楽の上でも合唱団が重要な役割を果たすが
嵐を恐れるそのイノシシ亭の場面で実に素晴らしい。
そしてやはりブリテンの音楽が素晴らしいのである。
美しく透明な響きで、それが大胆に飛躍し、躍動し、
極めて前衛的でありながら、親しみやすい存在なのである。

DVDR134/135

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2009年10月27日 (火)

ヘルベルト・ブロムシュテット 2

ブロムシュテット指揮サンフランシスコ交響楽団による
R.シュトラウスの交響詩「ドン・ファン」とアルプス交響曲。
1988年5月31日と6月1日の二日間で収録された。
ブロムシュテットはシュターツカペレ・ドレスデンでも
このサンフランシスコへ移籍するちょうど前の時期に
同じくR.シュトラウスの交響詩をいろいろと録音しており、
そちらも非常に評価が高いのだが、今日はDECCAへの録音で
最初のR.シュトラウスとなったドン・ファンとアルプス交響曲である。
このCDもずいぶん久しぶりに聞いてみたのだが、
改めてやっぱりブロムシュテットのR.シュトラウスは完璧だ。
20年前の録音なので、マエストロも若かったのかもしれないけれど
アメリカのオーケストラはスカッとした響きを聞かせて、
輝きは120%の爽快感あふれる演奏である。
ゲヴァントハウス管弦楽団との渋いブロムシュテットのイメージだと
ここでは多少表面的な効果に関心が向いてしまいがちだが、
しかし必要以上の絵画的色彩に走らない引き締まった仕上がりは
やはりブロムシュテットならではの誠実な音楽であり、感動的である。

DECCA 421 815-2

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2009年10月23日 (金)

レナード・バーンスタイン 4

バーンスタインの指揮によるブラームスを順番に
ウィーンフィルの演奏で交響曲第4番と悲劇的序曲。
1981年10月6-12日 ウィーン楽友協会におけるライブ録音である。
感情のこもった歌心のあふれる演奏で私の大好きな名盤だが、
ウィーンフィルのブラームスはちょっと音が明るくて、色彩も強く…
その傾向は特にこの第4番では顕著にも感じられるのであり、
私の場合、このバーンスタインやクライバーにはじまっているので
それらの演奏が昔は基準となっていたのだが、今の感想としては
もう少し渋い音色の方が好みなのである。
しかしバーンスタインも第3楽章などは切れ味鋭く決まっているし
終楽章の力のこもった迫力は感動的でやはり素晴らしい。
同じときの録音のようだが、悲劇的序曲との統一感もよくって
イメージ的にはもっと濃厚な印象があったのだけれど
聞くと意外に洗練されていて、繰り返しになるが、
それはウィーンフィルの魅力が引き出されているのである。

DG F35G 21022

「レナード・バーンスタイン」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2009年10月21日 (水)

メトロポリタン歌劇場2007/2008

BShiで放送されたメトロポリタン歌劇場のライブから
プッチーニの歌劇「ボエーム」
ニコラ・ルイゾッティの指揮、演出と美術はフランコ・ゼッフィレルリ。
(2008年 4月5日 ニューヨーク メトロポリタン歌劇場)
メトロポリタン歌劇場のフランコ・ゼッフィレルリ演出による舞台で
有名で歴史に残る名演出ということだと思うのだが、
これも保守的で物語そのままなのである。
メットは基本的に演出で冒険はしないということで。
でも第1幕でパリの貧しいアパートの下宿生活だが
ここまで廃墟のような…現代の生活意識とはかけ離れ…
それなのにロドルフォもマルチェルロもショナールも
服装はきちっとしていて、部屋は汚くても服はきれいだ…という。
でも家賃も払えず…食料も買えず…燃やす薪もないのに…
ラモン・ヴァルガスのロドルフォはすごくいい感じ。
アンジェラ・ゲオルギウはもちろんすごいけど…
でもちょっとミミのイメージじゃないような?カルメンみたい。
しかし第1幕の有名な二重唱はうっとり聞かされる。
勢いあふれるニコラ・ルイゾッティの明快な指揮が
ここではぐっとテンポを落として、聞き手の心を鷲づかみ!
ルイゾッティのような若い指揮者は緩急の使い分けが見事で
メリハリがきいているし、「ボエーム」のような作品はぴったり。
第2幕のクリスマスの街の風景は贅沢の極みだ!
でもその絵はというと庶民の感覚そのものであり、
その辺が長く親しまれている理由のひとつでもあるのかも。
そして第3幕以降、苦しい別れで悲劇的な展開となるのだが、
今度はアンジェラ・ゲオルギウが圧倒的な存在感。
あまり病人ぽくはないのだが、そこは表現力である。
第3幕の別れの二重唱はとにかく感動的。
第4幕では季節は春を迎え…舞台にも色彩が戻ってくるのだが、
その中で運び込まれたミミは力尽きて、ついに息を引き取る…
この辺の色合いがプッチーニの天才的なところだなって
いつも感じるのだが、メットの今回の舞台でも素晴らしい。

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2009年10月20日 (火)

メトロポリタン歌劇場2007/2008

BShiで放送されたメトロポリタン歌劇場のライブから
プッチーニの歌劇「マノン・レスコー」
ジェームズ・レヴァインの指揮、演出はジーナ・ラピンスキー。
(2008年 2月 ニューヨーク メトロポリタン歌劇場)
マノン・レスコーをカリタ・マッティラが歌っていたり、
レヴァインの指揮や注目すべきところはたくさんあるのだが、
舞台も衣裳も古風で装飾的で保守的な演出であり、
視覚的にはあまり興味がわかないのが残念。
プッチーニの音楽も歌も魅力的なのはもちろんで
その点では喜んで聞いているのだが…
今回の案内役はルネ・フレミングで
第1幕が閉じて、カリタ・マッティラにインタビューするところ
ふたりのトークは絶好調で面白すぎる。さすがフレミング!
興奮気味のマッティラが衣装そのままでヨガを披露するのにはびっくり。
横でフレミングが「カリタ、ダメよ!」って顔をして…かなり焦っている。
第2幕の後には、マエストロ・レヴァインが登場で
「今日はきれいだね!」ってフレミングを褒めるシーンも。
本当にルネ・フレミングは歌っていなくても素敵な人だ!
第1幕は田舎的な庶民の空気がそのままだし、
第2幕の貴族趣味はさらに敬遠したい感じで
やはりいま観るのなら物語の読み替えは必要だし、解釈が重要である。
後半に行くほど、舞台がシンプルになっていて、特に第4幕だけど
マノンとデ・グリューの二人だけに集中するという狙いもあるのか?
それは演出上の効果というよりもプッチーニがそう創り上げたのである。
それにしてもプッチーニの音楽は美しくて、やはりときどき聞かないと!
レヴァインの指揮はさすがに細やかで繊細な表現はあまりに見事!
最近の傾向でよくありがちな輪郭をクリアにしすぎることもないし、
もっと自然に柔らかい音色が広がるのだが、同時に雄弁でもある。

DVDR130/131

「ジェームズ・レヴァイン」に関する記述はホームページにもございます
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2009年10月15日 (木)

レナード・バーンスタイン 3

バーンスタインの指揮によるブラームスを順番に
ウィーンフィルの演奏で交響曲第3番とハイドンの主題による変奏曲。
交響曲が1981年2月18-23日、変奏曲が同年10月6,30日
こちらもウィーン楽友協会におけるライブ録音である。
まずハッキリしているのが、驚くべき遅いテンポで
この上なく個性的な展開であり、しかし同時に創造性にあふれ、
バーンスタインの天才的な音楽性に引き込まれてしまう。
どの瞬間にも思いっきりの感情移入と作り込みがあり、
やりすぎだとは思うのだけど、それが魅力的なのだから仕方ない。
力強い迫力の響きも特長でバーンスタインの気迫も充実していたのだろう。
ハイドンの主題による変奏曲も名演で、ここで感じられる広がりには、
何か超越した存在、宇宙とか天体とか、そういうものまで連想させられる。

DG F35G 21011

「レナード・バーンスタイン」に関する記述はホームページにもございます
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2009年10月14日 (水)

ミケランジェリのシューマン 1984

ミケランジェリのシューマンのピアノ協奏曲がついに登場。
ダニエル・バレンボイム指揮パリ管弦楽団による
1984年10月のサル・プレイエルにおけるライブ録音である。
この録音の存在は以前から知っていた。
長くミケランジェリのプロデューサーを務めていた
コード・ガーベンの著書の中に記述があったからである。
当初はグリーグのピアノ協奏曲とのカップリングで企画が進んでいたが
先に行われたシューマンの演奏にミケランジェリが満足せず、
グリーグに関しては、録音すら実現しなかったそうだ。
DGは、シューマンのこの録音だけでも発売できるよう交渉を進めたようだが、
結局ミケランジェリは許可をせずに長年お蔵入りしていたのである。
このままでは本当に永遠に日の目を見ることはないと…
今度はミケランジェリ夫人と辛抱強く交渉したようで
25年の月日を経て、ついにここに実現したわけだ。
私のようなマニアには興奮を抑えられない無上の喜びなのだが、
しかし正直なところ、聞いてみるとちょっと残念な仕上がり。
1984年という録音年代を考えるとあまりにも音が悪すぎる。
客席にマイクを立てているような印象で全くクリアでないし…
ミケランジェリのピアノも遠く、オーケストラとのバランスも悪い。
残響が長いし、ピアノのソロが埋もれてしまう。
この録音の仕上がりでだと…どうも集中力散漫に聞こえるところも多くて
一方でハッとするような魅力的な瞬間もあることは事実であり、
より鮮明な優秀な録音で聞けたなら、どんなに素晴らしかっただろう…
と思うと残念でならない。何でこんなに音がこもっているのか?
ライブとはいえ、DGはレコード収録の配置でマイクを立てていたはずで
でもこの品質というのでは、ちょっとDGとも思えない…

後半は1982年3月収録のドビュッシーの「映像」からの4曲である。
「水に映る影」「ラモーを讃えて」「葉ずえを渡る風の音」「金色の魚」
全曲でないことが残念だが、こちらは録音状態もいいし、安心して聞ける。
ミケランジェリの細部へのこだわりとその効果による圧倒的な輝き、
「映像」に関しては1971年の不滅の名演があるので
あまり比較はしたくないとは思うのだけど…
繊細さではやはり1971年の演奏は完璧な仕上がりで
今回の録音では、その後の巨匠的な余裕と深まりが感じられるのである。

DG 00289 477 8569

「アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2009年10月13日 (火)

マウリツィオ・ポリーニ

ポリーニの最新録音でバッハの平均律クラヴィーア曲集第1巻。
2008年9月と2009年2月にミュンヘンのヘルクレスザールで収録。
平均律クラヴィーア曲集の第1巻は、私が中学生のころから
ポリーニの録音予定に入っていたので、それから20年以上を経て、
ついに実現したな!という。まあ、なぜ今になって?というのと
あまりに長く待ちくたびれて、もうどうでもよくなっていた印象もあるのだが、
それはさすがに言い過ぎか…私がバッハの作品への関心が低いのと
ポリーニにはもっと他に録音してほしい曲がたくさんあるというので…
しかしそうはいいながらも早速に聞きはじめたのだが。
しっかりと音を鳴らしてくれているのは私のうれしいところで
でも比較的…曇りがちな音色で透明度は低い気がする。
その辺がモーツァルトを取り上げる際にも聞ける場合がある
ポリーニの古典作品へのアプローチの手法のひとつといえるのか?
バッハの世界からは外れてしまうかもしれないけれど、
ベートーヴェンに挑む際の少々攻撃的な面も見せる緊迫感が欲しかったかも。
ここでの演奏も近年の肩の力が抜けた余裕すら感じられるバッハであり、
もっとゴツゴツした感触で輪郭を角張らせて、昔のポリーニで聞きたかった気も…
以前のようなアクロバットな躍動、超越したスピード感覚はなくなり、
ひたすら深く内面に対話を求めていくような、落ち着きのある世界。
明るい長調の作品でいきいきとした運動性の感じられる曲の方が
何となく今の私には好みのようで、暗く静かに停滞していくのは疲れる。

DG 00289 477 8078

「マウリツィオ・ポリーニ」に関する記述はホームページにもございます
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2009年10月 9日 (金)

ヘルベルト・ブロムシュテット 1

昔のCDを出して、いろいろ懐かしがっているが、
今日はブロムシュテット指揮サンフランシスコ交響楽団による
ヒンデミットの交響曲「画家マティス」、ヴィオラと弦楽のための葬送音楽、
そしてウェーバーの主題による交響的変容(1987年11月の収録)
ブロムシュテットとサンフランシスコ交響楽団は
1980年代後半から1990年代にDECCAへ数多くの録音を行っているが、
このヒンデミットのアルバムが最初の一枚であったと記憶している。
ブロムシュテットはドレスデンからサンフランシスコへ移り、
その後、ハンブルク、ライプツィヒとドイツへ戻っているが、
このアメリカ時代は明るく、スッキリした音をさせていて、
近年の渋さを思うと…改めてしっかり聞いてみてちょっと驚いた。
これがサンフランシスコ交響楽団の魅力でもあるのかなって。
かなり爽やかに健全なヒンデミットである。都会的だ!

DECCA 421 523-2

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2009年10月 8日 (木)

レイフ・オヴェ・アンスネス

レイフ・オヴェ・アンスネスの現代作品を集めたアルバム。
ベント・セレンセン:子守歌
ヴィトルド・ルトスワフスキ:ピアノ協奏曲(1987)
ジェルジ・クルターク:「遊戯」から8曲
マルク・アンドレ・ダルバヴィ:ピアノ協奏曲(2005)
ベント・セレンセン:沈黙の影
協奏曲では、メスト指揮バイエルン放送交響楽団と共演しており、
2007年5月16-19日にミュンヘンのヘルクレスザールでライブ録音。
その他の独奏曲は2007年7月13,14日にロンドンで収録された。
ダルバヴィのピアノ協奏曲とセレンセンの沈黙の影は
アンスネスのために書かれた作品だそうでこれが初録音。
最近の現代音楽は聞きやすくって、難解さは感じられないが、
といって普通のファンが聞いたら物足りないだろう。
昔からの現代音楽専門の人にもどこか中途半端なのでは?
アンスネスならではの透明感と洗練された輝きが特長で
その点では美しい音色の現代音楽を聞くことができるし、
清らかさと優しさに関してはヒーリングである。
難しさはない。でも最初から好きか?というと微妙…
親しみを感じるようになるには少し時間がかかりそう。
ルトスワフスキのピアノ協奏曲は有名だが、
クリスティアン・ツィメルマンに捧げられた作品である。
やっとツィメルマン以外の名手で聞けるようになった。

EMI 2 64182 2

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2009年10月 7日 (水)

NHK音楽祭2009

BS2で放送されたNHK音楽祭2009の公演から
ダニエル・バレンボイム指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団による
ヴェルディのレクイエム(死者のためのミサ曲)
2009年9月10日 NHKホールで収録された映像。
バレンボイムの音作りが渋いのか…私には心地よい音色。
劇的な表現が魅力だけど、細部にまでコントロールが行き届いて、
透明で繊細な響きに感動する。弱音が美しい。室内楽的な緻密さも。
現在のバレンボイムって、多少音が軽くなって、見通しよくなって、
濁りがなくなり、完成されてきたなって思う。
決して迫力がなくなったということではなくて…
ドイツ的な重厚さが基本だし、そこに洗練された感覚が加わり。
私にとってもヴェルディのレクイエムにずいぶん親しみが増したと思う。
ミラノ・スカラ座の引越し公演の一部なので歌手も豪華。
ソプラノはバルバラ・フリットリ、メゾ・ソプラノのエカテリーナ・グバノワ、
テノールはヨハン・ボータ、そしてバスのルネ・パーペである。
ルネ・パーペがカッコいい!バルバラ・フリットリもいいし。
なぜか?ウェルナー・ヒンクさんがコンサートマスターで弾いている。

DVDR129

「ダニエル・バレンボイム」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2009年10月 6日 (火)

レナード・バーンスタイン 2

今日もバーンスタインの指揮によるブラームス。
ウィーンフィルの演奏で交響曲第2番と大学祝典序曲。
1982年9月1-5日 ウィーン楽友協会におけるライブ録音である。
交響曲第2番は、アバドやハイティンク、ブロムシュテットのように
引き締まった造形で、渋く、格調の高い演奏も素晴らしいのだが、
バーンスタインだとどの瞬間にもこの上ない歌に満たされて
音楽への愛情、その想いを全身で表現するような演奏、
やはりこちらのタイプのブラームスも感動的である。
というのもとことん歌うのだが、しつこくなることはないし、
くどい感じがしないのもウィーンフィルの洗練された響きゆえで
それぞれの声部がいきいきと躍動して
むしろセンスにあふれているような…この辺が名演だ。
明るい音色でこの輝きの演奏がウィーンフィルのブラームス。

DG F35G 21010

「レナード・バーンスタイン」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2009年10月 4日 (日)

ミラノ・スカラ座 2008/2009

20091004a

ミラノ・スカラ座のホームページより
ヴェルディの歌劇「ドン・カルロ」第3幕第1場の舞台写真である。
http://www.bayreuther-festspiele.de/

昨日に続いて、ミラノ・スカラ座2008/2009シーズンの開幕公演。
2008年12月7日に上演されたヴェルディの歌劇「ドン・カルロ」
ダニエレ・ガッティの指揮、演出はステファヌ・ブロンシュウェグ。
BS2で放送されたものを録画して、その後半で第3幕と第4幕。
私はワーグナー好きなので…ヴェルディだとずいぶん違うなって思うのだが、
「ドン・カルロ」のこの作品に漂う色合いというか、悲劇が生み出す独特の空気、
運命に翻弄され…その不条理とむなしさ、ヴェルディの最大のテーマだと思うのだが、
ガッティの指揮もますます雄弁で、さすがにミラノ・スカラ座は素晴らしい。

20091004b

第3幕第1場はフィリッポ2世のフェルッチョ・フルラネットが活躍。
フィリッポ2世のモノローグに続いて、この場面で共演しているのは、
大審問官のアナトーリ・コチェルガ。動きなく、静かではあるが緊迫の場面。
そして次の場面では、「宝石箱が盗まれた」とエリザベッタが登場。
フィリッポ2世は、エリザベッタにドン・カルロとの仲を責め立て、
音楽も激しさを増して、ヴェルディの重厚な響きとともに感動的である。

20091004c

ドン・カルロとエリザベッタは死して、天上で愛を成就させることを誓い、
先代のカルロ5世の墓の前に倒れる。第4幕もフィナーレである。
「ドン・カルロ」は物語も音楽も親しみやすいような内容ではないが、
それゆえに深く心動かされるものがある。ヴェルディの傑作である。

DVDR127/128

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2009年10月 3日 (土)

ミラノ・スカラ座 2008/2009

20091003a

ミラノ・スカラ座のホームページより
ヴェルディの歌劇「ドン・カルロ」第2幕第1場の舞台写真である。
http://www.bayreuther-festspiele.de/

ミラノ・スカラ座2008/2009シーズンの開幕公演。
2008年12月7日に上演されたヴェルディの歌劇「ドン・カルロ」
ダニエレ・ガッティの指揮、演出はステファヌ・ブロンシュウェグ。
BS2で放送されたものを録画して聞いている。
今日はその前半で第1幕と第2幕。
イタリア・オペラはあまり聞かないのだが、
ヴェルディの「ドン・カルロ」はやはり素晴らしい。
この数年、絶好調のダニエレ・ガッティが開幕公演に登場で
スケール大きい表現ながら、細部にまで細やかな表情を聞かせている。
ヴェルディについてはあまり知らないので、
演出についても詳しいことはいえないのだが、
シンプルで抽象的な舞台だけれども、衣裳は保守的な印象で
筋の読み替えもなさそうだし、それほど斬新さはないのか?
イタリア人は前衛的な演出を極端に嫌っているようで
ミラノ・スカラ座は挑戦的なことはあまりやらないということだけど
ここでも特別な冒険はなしということでいいのか?

20091003b_4

イタリアの最新事情も知らないし、ヴェルディ歌手もわからないので
スカラ座の開幕公演なのに、恥ずかしながら…歌手が全然知らない。
写真は第1幕第1場からドン・カルロのステュアート・ニール、
ロドリーゴのダリボール・イェニスである。

20091003c

第2幕第2場からフィリッポ2世のフェルッチョ・フルラネット、
エリザベッタのフィオレンツァ・チェドリンス、
そして右にはドン・カルロのステュアート・ニールも。

DVDR127/128

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2009年10月 2日 (金)

レナード・バーンスタイン 1

久しぶりにバーンスタインを振り返ってみたいと思う。
もう昔だけど…私は中学生の頃はバーンスタインが大好きだった。
というのは、その頃はまだバーンスタインは絶好調の頃で
夏冬にFMで放送されるウィーンフィルの定期演奏会というと
カラヤンとバーンスタインは番組の目玉であり、夢中になったものだ。
しかし実は、本当のことを書くと…その後、クライバーにはまってしまい、
あの急速なテンポ感に憧れを感じると…バーンスタインは遅すぎる。
晩年のカラヤンもそうだし、当時のジュリーニのスローテンポは格別だが、
私もまだ青かったので…あの遅さには耐えられなくなってしまった。
しかしその後、時間もたって、チェリビダッケの演奏を聞くようになって、
私もずいぶん変わり…今ならばバーンスタインも受け止められそうな気がする。
今日はウィーンフィルを指揮した演奏でブラームスの交響曲第1番。
1981年10月1-10日 ウィーン楽友協会でのライブ録音である。
このブラームスのCDが、私の買ったはじめてのバーンスタイン。
ゆっくりと濃厚に歌い上げるところ、かなり引っ張る表現が目立つが、
ここではそれほど遅くはなくて、つまりはメリハリかもしれないけれど、
特に後半、バーンスタイン独特の燃え上がるようなブラームスである。
音楽への想いを率直に形にする人なので、個性的なデフォルメも多いし、
バーンスタイン流の創り込みはいつも気になるのだが、
でも今日のピリオド解釈における演奏形態の変化を思えば、
バーンスタインはまだ、ずっと普通の仕上がりだし、当時のスタイルだなと。
このブラームスは名演として有名だが、ウィーンフィルの魅力も大きいと思う。

DG F35G 21009

「レナード・バーンスタイン」に関する記述はホームページにもございます
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2009年10月 1日 (木)

ジェームズ・レヴァイン 2

実はこれからバーンスタインを聞きなおしてみたいと思っていて
奥からCDを引っ張り出して整理していたのだが、
そうしたらレヴァインのシューベルト「グレイト」を発見して、
久しぶりに聞いてみたくなってしまい、今日は早速これである。
レヴァインがシカゴ交響楽団を指揮した演奏で
シューベルトの交響曲 第9番 ハ長調 D.944
(1983年7月11日 シカゴのオーケストラ・ホールで収録)
私が中学生のときにはじめて買った「グレイト」がこれで
何となく今も思い入れがあるし、もしかしたら現在は廃盤か?
録音から時間がたっているし、ちょっと珍しくなってしまったかも…
ここでのレヴァインはとにかく元気で、細かいところにまで躍動して、
シカゴ交響楽団も溌剌として勢いがあるし、もう最高!
すべての音に生命が注ぎこまれているような
若々しいレヴァインが、才能を爆発させて、
強い輝き、大きなエネルギーが放射されている感動の名演。

DG F35G 50140

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2009年9月30日 (水)

私が聞いた今年の名盤2009

先月からあまり変化はないのだけど、今年の名盤の途中経過。

《交響曲》
◎マーラー 交響曲第7番~ジンマン指揮チューリヒ・トーンハレ管弦楽団
◎マーラー 大地の歌 ケント・ナガノ指揮モントリオール交響楽団


《管弦楽》
◎ニューイヤーコンサート2009~バレンボイム指揮ウィーンフィル

《協奏曲》
◎ブラームス ヴァイオリン協奏曲、二重協奏曲
 ~ヴァディム・レーピン シャイー指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団


《室内楽》
今のところなし

《器楽曲》
今のところなし

《歌劇》
○プッチーニ 歌劇「蝶々夫人」~パッパーノ指揮ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団

《声楽曲》
◎シューベルト 歌曲集「美しい水車小屋の娘」
 ~マティアス・ゲルネ、クリストフ・エッシェンバッハ

○シューベルト 歌曲集「白鳥の歌」~イアン・ボストリッジ、アントニオ・パッパーノ

《ライブ盤》
◎ブルックナー 交響曲第4番(第1稿)~ノリントン指揮シュトゥットガルト放送交響楽団
○ラヴェル 「ダフニスとクロエ」(全曲)~ハイティンク指揮シカゴ交響楽団
○マーラー 交響曲第1番「巨人」~ハイティンク指揮シカゴ交響楽団

は特に大切に感じられる名盤です)

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クリストフ・フォン・ドホナーニ 12

今日はドホナーニ指揮クリーブランド管弦楽団の演奏で
R.シュトラウスの「英雄の生涯」(1992年1月27日)と
「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」(1991年8月18日)
私は「英雄の生涯」が大好きで、結構聞いている方だと思っているのだが、
その中でもこのドホナーニ盤は昔から特にお気に入りで
久しぶりに聞いてみて、やはりこれぞベスト盤だ!という完璧さ。
ドホナーニとしては、オーケストラがたっぷりとよく鳴っているし、
雄大な広がり、この頃になると表現に丸みも出てきているが、
相変わらずそのバランス感覚はあまりにも見事だし、
細部まで鮮やかに聞かせる耳のよさ、スコアの深い理解は圧倒的。
各楽器の音色の絡み合い、空間における位置関係から遠近感にまで
ここまで明瞭に確固たる説得力をもって聞かせられることって、
本当にないと思う。ドホナーニという人は特殊なセンスを備えた人だ。
「ティル」も「英雄の生涯」の延長線上で素晴らしい演奏である。
ただただ感動するばかりのひとつの極致にふれる喜びがここにある。

DECCA 436 444-2

「クリストフ・フォン・ドホナーニ」に関する記述はホームページにもございます
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2009年9月29日 (火)

モーツァルトの歌劇 6

今日もモーツァルトで歌劇「魔笛」K.620を聞いている。
カール・ベーム指揮ベルリンフィルによる
1964年6月18-25日のベーム69歳のときの録音。
ベームならではの隙のない充実の極みという印象。
何もかもが順調にいく安心感というか…すごい!
親しみあって、楽しくて仕方ない「魔笛」とはちょっと違って
ここでも気品にあふれる偉大な芸術にまで高められている。
ベームにとっては、モーツァルトの音楽は
いかなるときにも荘厳に気高い存在であったのだろう。
パパゲーノがフィッシャー・ディースカウである。
喜劇役者というイメージではなく、タキシードで決めていそうだが、
優しさと暖かさに満ちた仕上がりで、思わず引き込まれる。
タミーノはフリッツ・ヴンダーリッヒ、弁者がハンス・ホッター。
1960年代のことはあまりわからないので、知っているのはその辺だが、
他の主な配役はザラストロがフランツ・クラス、
夜の女王がロバータ・ピータース、パミーナがイヴリン・リアー、
パパゲーナがリザ・オットー、モノスタトスがフリードリヒ・レンツ。
コロラトゥーラの夜の女王のアリア「復讐の炎は…」は圧巻!
やはり「魔笛」は傑作の中でも特に夢中になってしまう逸品である。

DG 449 749-2

「カール・ベーム」に関する記述はホームページにもございます
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2009年9月28日 (月)

モーツァルトの歌劇 5

今日は歌劇「後宮からの逃走」K.384を聞いている。
カール・ベーム指揮シュターツカペレ・ドレスデン
1973年9月、ベームが79歳のときの録音だが、
驚くほどに若々しく、音楽が引き締まっている。
格調高い響きは感動的であり、端正な造形だが、
あまりにも律儀に遊びのない展開でもあるので
人によっては堅苦しかったり、真面目すぎるのかもしれない。
しかしこれこそがカール・ベームの芸術なのであり、
心から尊敬の想いに包まれる偉大な巨匠の業績である。
歌手はコンスタンツェがアーリン・オージェ、
ベルモンテがペーター・シュライアー、オスミンがクルト・モル、
私が知っているのはその辺で…セリムはオットー・メリエス。
ベームのモーツァルトでは、シュライアーはお馴染みの存在。
歌劇「後宮からの逃走」は序曲が有名だが、
当時の流行だったトルコ風の曲が何曲か含まれており、
全体に様々なスタイルの音楽が並んでいることで
一貫性がないというような批評もあるようだが、
それはオペラを分析する音楽学上の問題であり、
鑑賞していてはモーツァルトの中期の作品では
圧倒的に充実している素晴らしい作品。楽しい!
その…ここで感じられる完成度の高さというのも
ベーム指揮の演奏の見事さゆえのことか。

DG 429 868-2

「カール・ベーム」に関する記述はホームページにもございます
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2009年9月27日 (日)

カラヤンの1960年代 12

カラヤン指揮ベルリンフィルによる1960年代の録音で
シベリウスの交響曲第6番と第7番そして交響詩「タピオラ」。
交響曲 第6番(1967年4月18日)
交響曲 第7番(1967年9月20,21日)
交響詩「タピオラ」(1964年10月30日)
シベリウスの交響曲は素晴らしい!大好きだ。
まずは交響曲第6番だが、田園的な光に満ちた作品。
極めて繊細な音色が追求されていて、カラヤンのこだわりである。
美しい仕上がりにうっとりと聞き進んでいくが、
終楽章も後半に行くと一気に盛り上がって、
ここもちょっと北欧的なイメージからは外れるが、
カラヤン独特のシンフォニックな展開は聞きもの。
第7番もいかにも徹底したコントロールが強烈な個性であり、
これは重厚な交響詩の世界な気もするけれど、やはり名演!
カラヤンだと壮大に鳴り響くので…その辺が違う気もするけれど
雄大な広がりを思わせるフィナーレは感動的だ。
「タピオラ」も最高!まさに物語的な起伏に富んで驚異の集中力。

DG 457 748-2

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2009年9月26日 (土)

カラヤンの1960年代 11

1960年代のカラヤンとベルリンフィルはDGに
シベリウスの第4番から第7番の4曲の交響曲を録音している。
現在では「トゥオネラの白鳥」と交響詩「タピオラ」を加えて、
2枚組CDとなっているが、今日と明日で聞きたいと思う。
交響曲 第4番(1965年2月26,27日、5月12日)
「トゥオネラの白鳥」(1965年9月18-21日)
交響曲 第5番(1965年2月22-24日)
まずは交響曲第4番だが、シベリウスの交響曲の中でも
難解というか…とにかく姿を捉えにくい作品だと思うのだけど、
それは最初の印象でこれが好きになったらたまらない。
実は私はこの第4番が圧倒的に好きである。
カラヤンの演奏は1976年の再録音(EMI)の方を先に聞いたのだが、
交響曲第4番はカラヤンに向くのか?非常に名演である。
とても北欧的とは思えない重厚な響きを追求して、
しかしその何かとてつもない深刻さや重圧感はすさまじく、
とにかく感動的なのである。カラヤンの厳しい姿勢が作品に合う。
1965年のこの演奏の方が、素直にエネルギーは発散傾向にあるような…
しかしベルリンフィルの緻密な演奏はさすがとしかいいようがなく、
この時点でカラヤンは作品もオーケストラも完璧に掌握できているのだと。
交響曲第5番は明るく牧歌的な作品でここでの演奏も楽しめる。
でもちょっとカラヤンは大袈裟な感じか?もう少し引き締まっている方が…
ベルリンフィルの輝きに満ちたサウンドはすごいのだけど!

DG 457 748-2

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2009年9月25日 (金)

ニコラウス・アルノンクール 15

アルノンクールの指揮によるブラームスの続きで
今日はヴァイオリン協奏曲と二重協奏曲。
ヴァイオリンの独奏はギドン・クレーメルで
二重協奏曲ではチェロのクレメンス・ハーゲンが加わっている。
こちらはロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏。
どちらもライブ録音でヴァイオリン協奏曲が1996年3月、
二重協奏曲が1997年4月にアムステルダムで収録された。
ずいぶんとさっぱりとしたブラームスでかなり淡白な味わい。
というのもクレーメルのシャープな演奏に合わせてのことだろう。
ドライな音で色彩も抑えられた…でもそれに不満があるのではなく、
その辺はさすがにクレーメルの天才的な感性に圧倒されるばかり。
あまりの素晴らしさに…どうしてもクレーメルを聞いてしまって、
交響曲のときよりもさらに…アルノンクールは特別な印象はなく…
独奏とオーケストラの一体感が深まる二重協奏曲がまた聞きもので
ここでもアルノンクールは、ピリオド解釈をもち込んでいる感じではなくて
手堅くしっかりと協奏曲を聞かせているという仕上がりである。

TELDEC 0630-13137-2

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2009年9月24日 (木)

ニコラウス・アルノンクール 14

アルノンクール指揮ベルリンフィルによる
ブラームスの交響曲全集から交響曲第3番と第4番
1997年4月にベルリンでのライブ録音である。
私の印象では普通のブラームスだなと…名演だけど!
ところどころアルノンクールによるピリオド解釈はみられるが、
ベルリンフィルが本来の演奏をしているということなのだろう。
モダン・オーケストラがピリオド奏法を取り入れるという点で
90年代の後半には、まだそれほど普及はしていなかったのか…
現在のベルリンフィルならば、もっと思い切ったこともやるのかも?
それともアルノンクールは、音色にまでは要求しないのか?
第3番ももちろん魅力的だけど、第4番は特に感動的な演奏。

TELDEC 0630-13136-2

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2009年9月23日 (水)

ニコラウス・アルノンクール 13

アルノンクール指揮ベルリンフィルによる
ブラームスの交響曲全集から交響曲第2番
そして悲劇的序曲と大学祝典序曲。
1996年3月と12月のライブ録音だが、
悲劇的序曲はスタジオ収録である。
こちらもゆったりとした巨匠的穏やかさが感じられて、
それほどには特別なことはないのだが、
木管楽器の音色にところどころ特長があったり、
金管楽器が突如叫びをあげるところなど、刺激的な場面もある。
第1楽章の展開部なども独特なバランス・コントロールで
すごく面白いし、歌わせ方に古楽的な傾向がみられて、
交響曲第2番はアルノンクール向きの作品かな…とも。
本当はかなり個性的で発見も多いのだが…
いま聞くとそれほどには思わないところに
その後の10年でピリオド解釈が広く浸透したのだなって…
かえってそういうことに関心が向いたりもする。
悲劇的序曲も感動的で、しかし解釈の点ではより普遍的だ。

TELDEC 0630-13136-2

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2009年9月22日 (火)

ニコラウス・アルノンクール 12

先週はパーヴォ・ベルグルンドの指揮で
ブラームスの交響曲全集を聞いたのだが、
久々にアルノンクールの指揮で聞いてみたくなり、
今日はハイドンの主題による変奏曲と交響曲第1番
1996年12月のベルリンでのライブ録音である。
アルノンクール独特の息づかいが感じられて
その源は古楽的アプローチにあることはよくわかっているのだけど
基本的には、ここでのベルリンフィルの演奏には、
ピリオド奏法で新しいブラームス像だとはそれほど思わない。
というのは、アルノンクールのゆったりとした巨匠的な方向性と
ベルリンフィルの重厚な響きが結びついて、
思った以上にスタンダードな仕上がりなのである。
スッキリとして、音楽の構造が極めて明解に
そして低音の伴奏音型が目立って聞こえてくるところなどは、
古楽における通奏低音の扱いのようだが、
現在の感覚からするとそれほど特別でもなく…驚かない。
フィナーレで一気に加速していくところが、
当時は新解釈で話題になっていたと思うのだが、
これも今では当たり前になっていて、よく聞けるし、
21世紀のブラームス解釈のひとつの規範になっていることはあるのかも。
アルノンクールという人はそういう存在だ。

TELDEC 0630-13136-2

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2009年9月21日 (月)

クリストフ・フォン・ドホナーニ 11

今日はドホナーニ指揮クリーブランド管弦楽団の演奏で
ブルックナーの交響曲第7番(1990年8月の収録)
正直お恥ずかしいが、発売当時に買ってきて、
最初に聞いたときとずいぶん感想が変わってしまっている。
昔はブルックナーというと先ず重厚でゆったりとしたイメージで
そういうのと比べていたから、ドホナーニはシャープで
引き締まって、温度の低い…ドライな印象があったのだが、
いま聞くと響きは明るいし、輝きに満ちた音色で私は好きである。
でもやはりシャープな音作りというのは相変わらずで
緩急自在にメリハリの効果はかなりきいていると思う。
そこに間というものが創造されてくるが、
ある程度の深まりも感じさせるし、繊細な弱音には神秘性も。
クリーブランド管弦楽団のブルックナーという点では、
現在のメストの演奏にも受け継がれているものはあるなと…
ドホナーニとメストを簡単にひとくくりに考えてもいけないとは思うのだが。

DECCA 430 841-2

「クリストフ・フォン・ドホナーニ」に関する記述はホームページにもございます
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2009年9月17日 (木)

パーヴォ・ベルグルンド 3

パーヴォ・ベルグルンドの指揮によるブラームスの交響曲全集。
ヨーロッパ室内管弦楽団の演奏で今日は交響曲第3番と第4番。
2000年5月11-14日バーデン・バーデンにおけるライブ録音である。
第3番は元々からコンパクトな印象もある作品なので
この全集では最もコンセプトに合っているのではないかと聞きはじめるけれど
それが意外と重い響きに仕上がっていて、予想通りにならないところが面白い。
もちろんきびきびとした動きで解釈の鋭さはベルグルンドならではの感性である。
ブラームスは第1番も第2番もいいのだけど、名演だと第3番が光り出す。
そして第4番に進んで、むしろこちらの方が…個性が出やすいというか、
集中力と緊張感、独特の厳しさが音楽に浸透して、感動的なのである。
透明感ある響きで…演奏は室内楽的な緻密さだが、
ブラームスの複雑な書法がひとつずつ明瞭に解き明かされていく。
そういえば…ピリオド解釈については、あまり気にならず、
ここまで来るとブラームスの音楽の成熟、深まりが圧倒的であり、
表面的効果のような奏法の問題はもはや関係ないということか。

ONDINE ODE 990-2T

「パーヴォ・ベルグルンド」に関する記述はホームページにもございます
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2009年9月16日 (水)

パーヴォ・ベルグルンド 2

パーヴォ・ベルグルンドの指揮によるブラームスの交響曲全集。
ヨーロッパ室内管弦楽団の演奏で今日は交響曲第2番。
2000年5月11-14日バーデン・バーデンにおけるライブ録音である。
第1番に比べると第2番はずっと普通の感覚で楽しめると思う。
流麗ではあるが、穏やかでゆったりとした曲調はいかされており、
ここでの最大の魅力は、小編成ゆえに音楽がスッキリと聞こえて
かつて聞いたことのないレベルにまで、音楽の構造も
細かい表情づくりも明瞭に鳴り響いたことであろう。
ピリオド奏法によると弦の音色の透明感もあって、
管楽器がより表情豊かに前に目立って聞こえてくるが、
ここでもそれが非常に効果的であり、この交響曲にはふさわしい。
ベルグルンドは新鮮な感覚で新しい音楽を創りあげているが、
一方の巨匠的ともいえる解釈の深まり、大きさもあるのではないか。
この第2番は私の好きな演奏である。

ONDINE ODE 990-2T

「パーヴォ・ベルグルンド」に関する記述はホームページにもございます
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2009年9月15日 (火)

パーヴォ・ベルグルンド 1

パーヴォ・ベルグルンドの指揮によるブラームスの交響曲全集。
ヨーロッパ室内管弦楽団の演奏で今日は交響曲第1番。
2000年5月11-14日バーデン・バーデンにおけるライブ録音である。
小編成の室内管弦楽団によるブラームスの交響曲というと
チャールズ・マッケラス指揮の方が先なのではないかと思うのだが、
ベルグルンド盤を聞くとモダン・オーケストラでありながら
仕上がりは古楽的な印象であり、ピリオド奏法も取り入れているけれど
その点では、ノリントンとシュトゥットガルト放送交響楽団の先を行く。
ノリントンも古楽演奏によるロマン派音楽としては、
ロンドン・クラシカル・プレイヤーズとブラームスに取り組んでいたので
1990年代後半には、こういった解釈がすでに多く聞けたということかもしれない。
そういえば…アルノンクール指揮のベルリンフィルの全集は、
このベルグルンド盤よりもたしか先だったように記憶している。
思い出すと久しぶりにアルノンクールの方も聞きたくなるが、
ベルグルンドは小編成オーケストラという点でより古楽的だ。
残響を抑え、音が消えては、音楽は前に進むという手法、
ティンパニの扱い、リズム感も完全にピリオド奏法である。
こういうコンパクトなブラームスもありかな…とは思うが、
やっぱり私は…重厚な演奏の方がしっくりくるかも。
ベーム、カラヤン、バーンスタイン、アバド、ハイティンク、…

ONDINE ODE 990-2T

「パーヴォ・ベルグルンド」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2009年9月14日 (月)

クリストフ・フォン・ドホナーニ 10

今日はドホナーニ指揮クリーブランド管弦楽団の演奏で
ブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」(ハース版)
1989年10月8,10日の収録で第9番の翌年の録音である。
とにかく透明な響きで全体像がきちっと造形されているという
鳴りすぎて、うるさい…汚い…ということはまずないし、
完璧に輪郭が美しい線でコントロールされている印象。
逆に弱音を追求しすぎて、聞こえないということもなく、
どんなに細かい表情も逃さずに…きれいに聞こえてくるのである。
あまりにも整然と美しく、音楽の整理が行き届いているので
聞き手によっては、表面的で深みがないという人もいるかもしれない。
でもドホナーニはやはりすごい。徹底したこだわりであり、個性である。
実はかなり久しぶりに聞いているのだが、当時より感動しているかも?
最初に聞いたときは引き締まりすぎて、筋肉質な音楽には
もうちょっと味がある方がいい…なんて思っていたのだが、
今聞くとこの明るい音色が心地よくて、音の鳴り方も自然だし、
そして何よりもこの輝きが素晴らしく感じられるのである。

DECCA 430 099-2

「クリストフ・フォン・ドホナーニ」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2009年9月11日 (金)

第1617回N響定期公演

準・メルクルの指揮によるN響定期公演で
昨年4月11日のNHKホールでの演奏会。
メシアンのトゥランガリラ交響曲である。
ピアノはピエール・ローラン・エマール
オンド・マルトノが原田節という理想の顔ぶれ。
BS2で昨年秋に放送されたのだが、
これまで聞かずに取ってあった。
エマールが来日して弾いてくれているので
現在の最高の演奏が期待できる。
トゥランガリラ交響曲は有名でさすがに知っているけれど
私は正直なところ、メシアンはそれほど詳しくない…
演奏がいいのか…NHKの収録が上手いのか?
大音響に潰されないでクリアに聞こえるので
エマールのピアノがここまで隅々まで聞けるなら
会場で聞くよりもいいかも…なんて思ってしまう。
準・メルクルとメシアンというのは意外なような気もするが、
かなり深くスコアを読みこめているのかも?
私の記憶に残っているN響のトゥランガリラ交響曲は
サロネンとデュトワのふたりが取り上げていて、
調べてみたら、面白いのだけど、サロネンは1988年、
デュトワは1998年、そして準・メルクルのこの公演が2008年と
10年ごとに演奏しているみたい。デュトワのときも
ピアノはエマール、オンド・マルトノは原田節であった。
それにしてもエマールの音がきれいでさすがだ!

DVDR126

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2009年9月10日 (木)

第1651回N響定期公演

6月のN響定期公演から準・メルクルの指揮による演奏会。
華やかな色彩による楽しいスペイン・プログラム。
ファリャのバレエ組曲「三角帽子」から第2部
ラロのスペイン交響曲(独奏はヴァディム・レーピン)
ドビュッシーの映像第3集から「イベリア」
最後にラヴェルの「ボレロ」という選曲。
2009年6月17日にサントリーホールで収録されたものを
BS2で録画して映像付きで聞いている。
ファリャの「三角帽子」第2部というと
ムーティがよく取り上げているので聞いているが、
最初から大いに盛り上がって、濃厚だ!
レーピンは以前にもN響でスペイン交響曲を弾いていて、
前回はシャルル・デュトワの指揮だった。
スペイン交響曲は、昔は基本的に聞かなかったのだが、
レーピンなどが素晴らしい演奏を聞かせてくれて、
今では普通に楽しんで親しめるようになった。
とにかく濃い曲で私には重いのだけど…
レーピンならば!なんて素敵な音楽だろうって。
それくらい聞き手を夢中にさせるものがある。
レーピンは一番好きなヴァイオリニストといってもいい存在。
準・メルクルの指揮も引き締まってセンスいいのだと思う。
後半は「イベリア」と「ボレロ」なので、私の好みの作品。
「イベリア」の情景は本当に素晴らしい…夏の夜。
風景が広がって、色と香りとその地の大気が感じられる。
準・メルクルはN響の最も重要な指揮者の一人だが、
毎年のように来日しているけれど、以前に比べて、
格段によくなっている気がして、何か変わったのか?
私が慣れただけなのか?今年は選曲がいい?
2008/2009シーズンは「ボレロ」で終了。

DVDR125

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2009年9月 9日 (水)

第1650回N響定期公演

6月のN響定期公演から準・メルクルの指揮による演奏会。
前半はベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番ハ長調
独奏はジャン・フレデリック・ヌーブルジェ。
そして後半はメンデルスゾーンの「夏の夜の夢」の音楽
2009年6月12日にNHKホールで収録されたものを
BS2で録画して映像付きで聞いている。
ジャン・フレデリック・ヌーブルジェを聞くのははじめて。
何となくイメージ的に繊細な響きを聞かせるのかと思ったら
重い音でしっかり弾くタイプ。今日的なシャープな印象ではなく、
少し前の時代を思わせるような味わいのある演奏だった。
意外な感じがするけど、それはこちらの勝手な思い込みなわけで。
メンデルスゾーンの「夏の夜の夢」がすごくいい。
準・メルクルが表情づくりも細やかに魅力的な指揮だ。
物語の朗読が長くて、ちょっと音楽が分断されているのは残念。
振り返ると準・メルクルはN響でよくメンデルスゾーンを取り上げている。
少し前になるが、交響曲で「スコットランド」も「イタリア」も。
しかし今日の方が断然よくなっている気がする。
響きの冴えは圧倒的で準・メルクルはずいぶん変わったような…

DVDR124

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2009年9月 8日 (火)

第1649回N響定期公演

6月のN響定期公演からジョナサン・ノットの指揮による演奏会。
今回のジョナサン・ノットは「ミュージック・トゥモロー2009」と
この第1649回の定期公演に出演した。
ストラヴィンスキーの管楽器のための交響曲
庄司紗矢香の独奏でプロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第1番
ラヴェルの優雅で感傷的なワルツとドビュッシーの交響詩「海」
2009年6月6日にNHKホールで収録されたものを
BS2で録画して映像付きで聞いている。
20世紀プログラムでこの選曲もうれしいし、
ジョナサン・ノットの指揮だとN響の響きが
隅々まで精妙にコントロールされている印象で素晴らしい。
そうした方向性によるプロコフィエフなんだろうけど
庄司紗矢香の独奏もさすがに鮮やかで鋭く、
でもそうなるとちょっと線が細いような…贅沢なこといっているが。
後半のラヴェル、ドビュッシーの方が色彩を開放しているようで
私的にはさらによかったような気もして、実に丁寧な仕上がり。
「海」もジョナサン・ノットはとにかく明るい響きが好みのようだ。
巨大編成のオーケストラではあるけれど、一瞬の濁りもなく…

DVDR123

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2009年9月 7日 (月)

ロイヤル・オペラハウス 2008/2009

ロンドンのコヴェントガーデン王立歌劇場で上演された
フンパーディンクの歌劇「ヘンゼルとグレーテル」
コリン・デイヴィスの指揮で2008年12月12,16日の収録。
演出はモーシュ・レゼールとパトリス・コーリエによる。
BShiで放送されたものを録画して聞いている。
ワーグナー好きの私には「ヘンゼルとグレーテル」はたまらなく…
楽しくって楽しくって、とにかく大好きな作品である。
子供も喜んで、そして大人が観ても夢の世界に。
コリン・デイヴィスの指揮はゆったりと穏やかな演奏で
もうちょっときびきびした方が、わかりやすい気もするのだけど
美しく歌って、表情づくりは洗練された細やかさもあり、
さすがに巨匠の芸風で角が取れている。
しかし幕が開くとアンゲリカ・キルヒシュラーガーのヘンゼル、
ディアナ・ダムラウのグレーテルとこのふたりが最高!
続いて登場が母親(ゲルトルート)のエリザベス・コネルで
さらに父親(ペーター)がトマス・アレン、何と豪華な配役!
そして第3幕ではアニヤ・シリヤの魔女が激しい!
第2幕、ヘンゼルとグレーテルは森の中で深い眠りに落ちる。
夢の中で天使たちはふたりの元に父と母を連れてきてくれて
きれいに包まれた豪勢なプレゼントをくれる。
リボンをほどいて、梱包用の紙を一枚一枚出していくと
中からサンドイッチが出てくるという…
ふたりにとっては食べ物が何よりもの贈り物。
飢えに苦しむ子供たちというテーマがあるのだが、
毎回ちょっと考えさせられてしまう。
苦しい中にも元気に振舞うふたり。
第3幕では魔女をオーブンに叩き込んで
ヘンゼルとグレーテルのそのはじけっぷりも笑える。
最後に子供たちは勝利し、自由を獲得するという
「ヘンゼルとグレーテル」は実に感動的な作品だ。

DVDR122

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2009年9月 4日 (金)

ホルシュタイン音楽祭2003

シュレスヴィヒ・ホルシュタイン音楽祭2003の開幕公演から
クリストフ・フォン・ドホナーニ指揮ハンブルクNDR交響楽団の演奏会。
前半のモーツァルトのピアノ協奏曲(エマニュエル・アックス)はとってあって
今日は後半のベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」を聞いている。
(2003年7月13日 リューベクの音楽会議場で収録)
ハンブルクNDR交響楽団の響きが渋い!さすが。
機能性は高いし、音色も明るめの柔らかい表情も聞けるのだが、
しかしそれでも渋い。これぞドイツの放送オーケストラの真髄。
いや、やはりかなりの辛口か…素朴なところもある。
ドホナーニの解釈もスタンダードの極みだが、そこに感動があり、
現在ではある程度の重量感に安定した音楽を進行させ、
巨匠の芸風としては、きっちりとした造形が今も健在だけど、
何とも玄人好みのいぶし銀の存在なのである。
残念なのは、あまり最新録音を聞く機会がなく…

CDR557

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2009年9月 3日 (木)

クリストフ・フォン・ドホナーニ 9

今日はドホナーニ指揮クリーブランド管弦楽団の演奏で
ブルックナーの交響曲第9番(1988年10月収録)
ドホナーニのブルックナーの交響曲シリーズでは
この第9番が最初の録音となったのである。
当時のドホナーニは極めて挑戦的な姿勢が魅力であり、
鋭く切り込んでいく鮮やかな解釈に私は夢中になった。
ブルックナーの豊かな音響を精妙にコントロールして、
引き締まった表現で音楽の構造を明瞭に描き出していく。
一時代を築いたドホナーニ・スタイルによる
クリーブランド管弦楽団の響きがこれなのであり、
全体のバランスは徹底して吟味されて、
どこまでもどこまでもクリアにそのすべてが聞こえてくる。
精神論のブルックナー解釈ではないが…
独特の美観と透明性の獲得、こだわりの極致は
一方でひとつの頂点に達しているのである。
1980年代後半のドホナーニって、強烈な個性が際立って、
かなり刺激的な演奏に私は興奮して、はまっていたのだ。
もちろん今聞いても実に新鮮な感覚だし、
ここでのドホナーニは、私にとってはかなりのお気に入り。

DECCA 425 405-2

「クリストフ・フォン・ドホナーニ」に関する記述はホームページにもございます
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2009年9月 2日 (水)

シューベルトの歌曲 36

昨日に続いて歌曲集「白鳥の歌」を聞いている。
こちらは新しいCDだが、イアン・ボストリッジのテノール、
アントニオ・パッパーノのピアノによる演奏である。
2008年8月15-17日にロンドンで収録。
秘密、フランツ・シューベルトに D.491、
馭者クロノスに D.369、水鏡 D.639(D.949)、
歌曲集「白鳥の歌」 D.957、別れ D.475
イアン・ボストリッジもパッパーノのピアノも
非常に繊細な表情で透明感と静寂の美しさは圧倒的。
でもやはり昨日のクヴァストホフのバス・バリトンと比べると
ずいぶん印象は違っていて…ガラッと変わる感じ。
歌がテノールになるのだから当たり前なのだけど
アントニオ・パッパーノのピアノがそれにしても軽い。
「白鳥の歌」前半のレルシュタープの詩による歌曲など
驚くほど軽快でこんなに速く弾くの!という…
「セレナード」などは、すごく魅力的に仕上がっているが。
でも後半のハイネの詩による歌曲に進むと素晴らしい。
絶望感は薄まっているが、弱音が冴えわたって、
イアン・ボストリッジも聞かせる。感動的である。

EMI 2 42639 2

「イアン・ボストリッジ」に関する記述はホームページにもございます
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2009年9月 1日 (火)

シューベルトの歌曲 35

今日は歌曲集「白鳥の歌」を聞いている。
昨日に続いてトーマス・クヴァストホフのバス・バリトン、
ユストゥス・ツァイエンのピアノによるCDを出してみた。
こちらは2000年12月にミュンヘンで収録。
やはりクヴァストホフは「白鳥の歌」の方がいいと思う。
このCDは本当に名盤だと私のお気に入りである。
全14曲における集中力が驚異的だし、
深い底から湧きおこってくるような緊迫感、
動きは抑えつつも力強い迫力に追いつめられる感覚。
ユストゥス・ツァイエンのピアノに聞き惚れる。
「美しい水車小屋の娘」と続けて聞くと
やはり右手は柔らかい自在な動きが心地よく、
低音部がしっかりと鳴って、音楽に活力を生み出し、
同時に非常に豊かな表情を創りだしている。
後半はブラームスの4つの厳粛な歌。

DG 471 030-2

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2009年8月31日 (月)

私が聞いた今年の名盤2009

今月も少しだけ追加したので、今年の名盤の途中経過。
ジンマンのマーラーとマティアス・ゲルネの「美しい水車小屋の娘」。
どうもみんな「
」になってしまう。気に入ったということで。

《交響曲》
◎マーラー 交響曲第7番~ジンマン指揮チューリヒ・トーンハレ管弦楽団
◎マーラー 大地の歌 ケント・ナガノ指揮モントリオール交響楽団


《管弦楽》
◎ニューイヤーコンサート2009~バレンボイム指揮ウィーンフィル

《協奏曲》
◎ブラームス ヴァイオリン協奏曲、二重協奏曲
 ~ヴァディム・レーピン シャイー指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団


《室内楽》
今のところなし

《器楽曲》
今のところなし

《歌劇》
○プッチーニ 歌劇「蝶々夫人」~パッパーノ指揮ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団

《声楽曲》
◎シューベルト 歌曲集「美しい水車小屋の娘」
 ~マティアス・ゲルネ、クリストフ・エッシェンバッハ


《ライブ盤》
◎ブルックナー 交響曲第4番(第1稿)~ノリントン指揮シュトゥットガルト放送交響楽団
○ラヴェル 「ダフニスとクロエ」(全曲)~ハイティンク指揮シカゴ交響楽団
○マーラー 交響曲第1番「巨人」~ハイティンク指揮シカゴ交響楽団

は特に大切に感じられる名盤です)

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シューベルトの歌曲 34

今日もまた歌曲集「美しい水車小屋の娘」。
このところこの曲ばかり聞いているが、好きなので。
今回はトーマス・クヴァストホフのバス・バリトン、
ピアノはユストゥス・ツァイエンである。
2005年7月にベルリンで収録。
「美しい水車小屋の娘」はテノールで聞くのがいい!
とはよくいわれるけれど、クヴァストホフはやはり別格。
フィッシャー・ディースカウやマティアス・ゲルネもいいし。
クヴァストホフとツァイエンのデュオは、私はすごく好きで
全曲がひとつの流れに張りつめた緊迫感がたまらない。
でもここではあまり厳しい感じの仕上がりではなく、
クヴァストホフの声には優しさもあって、深みのある表現。
ツァイエンのピアノも柔らかい響きが基本で
特に右手に滑らかな表情を創りだして、
左手の低音部がしっかり支えているという印象。
低声部のパートがより豊かに聞こえてくる。
ユストゥス・ツァイエンのCDって、クヴァストホフとの共演でしか
私は聞いたことないのだが、素晴らしいピアニストである。

DG 00289 474 2182

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2009年8月28日 (金)

ピエール・ローラン・エマール

今日はピエール・ローラン・エマールによる
ウィーンコンツェルトハウスでのピアノ・リサイタルを聞いている。
すべて変奏曲によるプログラムで興味深い。
ベートーヴェンの「愛よ来たれ」による変奏曲 WoO.65
ウェーベルンのピアノのための変奏曲 作品27
シューマンのアベッグ変奏曲 作品1
ブラームスのヘンデルの主題による変奏曲とフーガ 作品24
2003年2月18日ウィーンコンツェルトハウスの
モーツァルトザールで収録された録音である。
70分ほどでコンサートの全曲なのかは不明だが、
FMで放送されたのはこれですべてである。
いうまでもなく圧倒的な素晴らしさ。
エマールは本当に魅力的なピアニストだ。
でもここでの作品をみるとちょっと意外な印象も。
ウェーベルンがあるけれど、ベートーヴェンにはじまって、
後半はシューマンとブラームスという。エマールは今日では
バッハもベートーヴェンも取り上げているのは有名で
シューマンも謝肉祭と交響的練習曲を2006年に録音しているが
2003年の時点でこういったロマン派プログラムに
積極的に取り組んでいたのである。
でもすべてが変奏曲という切り口に独特なものを感じるが。
私などは1990年前後のブレンデルを思い出してしまう。
こういうのって、すごく好きなのである。
しかしさすがのエマールもこういった選曲だと
前衛的な印象は薄れて、ブラームスなどはたっぷり、
緻密ながらスケール大きく、重厚な音楽が楽しめる。
とはいってもよく聞くとやはり響きのコントロールはどこまでも明瞭で
ブラームスが時代の先取りをしていた微妙な和声も浮かび上がってきて
そうした発見に気付いてはエマールならではなのかなと…

CDR556

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2009年8月27日 (木)

ブラームスの歌曲 2

今日はブラームスの歌曲を聞いている。
バリトンのオラフ・ベーアのCDを出してみた。
ヘルムート・ドイッチュのピアノである。
1996年8月にロンドンで収録。

9つの歌曲 作品63
1. 春の慰め 2. 思い出 3. ある肖像に 4. はとに寄せて
5. 青春の歌Ⅰ「僕の恋は新緑だ」 6. 青春の歌Ⅱ「にわとこの木に夕風が」
7. 郷愁Ⅰ「何と悲しい」 8. 郷愁Ⅱ「おお、ぼくが帰り道を知っていたら」
9. 郷愁Ⅲ「子供の時に見た」
5つの歌 作品71
1. 春には愛が芽をふく 2. 月に寄せて 3. ひめごと
4. 僕に出て行ってほしいのかい? 5. 愛の歌
5つの歌 作品72
1. 昔の恋 2. ただようくもの糸 3. おお涼しい森よ
4. 落胆 5. 打ち勝ち難い
5つの歌曲 作品94
1. 40歳ともなれば 2. 現われよ、いとしい影
3. 私の心は重い 4. サッフォー風の頌歌 5. 家もなく、故郷もなく
4つの厳粛な歌 作品121
1. 世の人に臨むところのことは獣にも臨む
2. 私はまた、日の下に行われるすべてのしいたげを見た
3. ああ死よ、お前を思い出すのは何とつらいことか
4. たとえ私が、人々の言葉や御使いたちの言葉を語っても

トーマス・クヴァストホフでブラームスを聞くと
もっと厳しくて、青白いような冷たさにゾクゾク来るのだが、
オラフ・ベーアは暖かみがあって、色合いも暖色系であり、
優しさも感じられるような歌は心地よい。
このCDを買ったのは10年ぐらい前だと思うのだけど、
当時気に入って、何度も繰り返し聞いた。
ヘルムート・ドイッチュのピアノも素晴らしい。
ブラームスの質感、存在感のある響きは十分な印象で
そして同時にメカニックの点でも非常にクリアであるという
ここでの仕上がりは本当に完成度が高い。

EMI 5 56366-2

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2009年8月25日 (火)

クリストフ・フォン・ドホナーニ 8

今日はドホナーニ指揮クリーブランド管弦楽団の演奏で
ヴァレーズのアメリカ(1993年8月)
アイヴズの交響曲第4番(1992年5月)
同じくアイヴズの「答えのない質問」(1994年2月)
昨日のFM放送でザルツブルク音楽祭の最新ライブから
ベルトラン・ド・ビリー指揮ウィーン放送交響楽団による
ヴァレーズのアメリカが放送されたのだが、
フェルゼンライトシューレでのライブならではという
巨大な迫力と会場の興奮状態がよく伝わってきて、
それに影響されて、久々にドホナーニの演奏が聞きたくなった。
こちらはさすがに精緻な響き、徹底したコントロール、
細部まで音が美しく、同時にサイレンが刺激的に鳴り響き…
やはり近現代作品におけるドホナーニの感性は素晴らしく!
ヴァレーズのアメリカは有名で昔から興味あったのだが、
このCDを買ったときは、正直なところアイヴズを楽しめなかった。
でも今聞くといいではないか!という。私も変わったみたいで。
アイヴズって、あまり聞かないので、どこがどうとまでは…
なかなかうまくいえないのだが、そこに広がる音の世界、
空間の印象、時間の流れが心地よく感じられたのである。

DECCA 443 172-2

「クリストフ・フォン・ドホナーニ」に関する記述はホームページにもございます
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2009年8月14日 (金)

シューベルトの歌曲 33

今日も歌曲集「美しい水車小屋の娘」を聞いている。
大好きなので止まらなくなってしまう…
歌曲集「白鳥の歌」もたまらなく好きなのだが、
「美しい水車小屋の娘」の全20曲における音楽の流れ、
そこに展開される物語の完成度は特別である。
久しぶりにボー・スコウフスのCDを出してみた。
こちらはヘルムート・ドイッチュのピアノが聞ける。
1997年3月25-27日にバンベルクで収録。
ボー・スコウフスが創りだす印象がかなり現代風で
さらにメリハリがきいて、集中力・緊張感はすごい。
そうした方向性に合わせて、ヘルムート・ドイッチュも
あまり音楽を揺らすことはなく、感情的に動くことも避けて、
心地よい一貫性と統一感のある響き、
コントロールされた運動性、デジタル的な効果を感じる。
明確な主張は理解しやすいし、なんて気持ちのいい!
ゲルネだと71分かかる「美しい水車小屋の娘」だが、
ボー・スコウフスの録音だと59分36秒である。
約12分の違いだが、あまりそれは関係ないのが不思議。

SONY SK 63075

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2009年8月13日 (木)

シューベルトの歌曲 32

先週はマティアス・ゲルネが歌っている
歌曲集「美しい水車小屋の娘」を聞いたが
そちらは新しい録音でクリストフ・エッシェンバッハのピアノ。
今日は2001年10月9-11日に収録された前の録音で
こちらのピアノはエリック・シュナイダーである。
まだそんなに時間はたっていなくて、古い気はしないけど
エリック・シュナイダーのピアノは歯切れがよく、
メリハリがきいて、非常に元気なので
ゲルネの歌も全体の仕上がりも若々しい印象がある。
エリック・シュナイダーは大好きなピアニストで
この演奏もたいへんお気に入りのディスクなのである。
ゲルネの最新盤のトータルタイムが71分14秒で
通常よりも時間がかかっているので話題になっているが、
でもそれはピアノがエッシェンバッハになったからということではなく、
こちらの2001年の録音でも71分49秒で
以前からゲルネの解釈では、実はこうだったのだ。
仕上がりについては変わってきているようには思うけれど。
マティアス・ゲルネはシューベルトの三大歌曲集に関して
最初にエリック・シュナイダーと「美しい水車小屋の娘」を
そしてその後、アルフレッド・ブレンデルのピアノで
「冬の旅」「白鳥の歌」と続いて録音した。
そして2008年には「美しい水車小屋の娘」の再録音が実現し、
そこではクリストフ・エッシェンバッハが登場したのである。
指揮者エッシェンバッハとゲルネは共演を重ねているので
お互いの音楽性を深く理解し、尊敬し合っているに違いない。
一方のエリック・シュナイダーについて思い出してみると
クリスティーネ・シェーファーと「冬の旅」を出している。
CDは持っていないのだが、東京でのライブは録音してある。
歌曲集「白鳥の歌」についてはまだ録音はないか?

DECCA 470 025-2

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2009年8月12日 (水)

マリインスキー 2007/2008

マリインスキー劇場管弦楽団の自主製作盤で
ワレリー・ゲルギエフの指揮によるショスタコーヴィチ。
交響曲第1番と第15番という最初と最後の組み合わせである。
2008年7月18,20,25日にマリインスキー・コンサートホールで収録。
ゲルギエフ独特の熱く躍動する感じではない。
この数年でゲルギエフもだいぶ変わってきているのかも。
緻密にして、細部にまでコントロールが行き届いている…
抑制もきいている…ゲルギエフのショスタコーヴィチってこうだっけ?
作曲者の若き日の交響曲第1番はその点でははじけた印象はないし、
ロシア的な情熱よりも北欧の透明感である。響きは美しい。
こうした印象は交響曲第15番の方が向いているのかも。
様々な引用が散りばめられて、作品への興味は尽きないのだが、
後半へ行くほど、どんどん研ぎ澄まされていって、
この精妙な仕上り、静寂における緊張感は感動的である。

MAR 0502

「ワレリー・ゲルギエフ」に関する記述はホームページにもございます
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2009年8月11日 (火)

マーラーの歌曲 1

ダウンロードして聞きたいと思っているマーラー歌曲のアルバムが
いくつかあるのだが、なかなかそこにたどりつけないのだけど…
今日は思い付きで昔のCDを出して、これからのきっかけになりそうな
マーラーの歌曲集「子供の不思議な角笛」
レナード・バーンスタインの指揮による
アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団。
現在の名称はロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団である。
ルチア・ポップのソプラノとアンドレアス・シュミットのバリトン。
1987年10月にアムステルダムのコンセルトヘボウでライブ収録。
中学生の頃、交響曲以外のマーラーの作品ではじめて聞いたのが、
この「子供の不思議な角笛」だった。ということで
「さすらう若人の歌」や「亡き子をしのぶ歌」は
そのときはまだ聞いていなかったのである。
聞く曲、聞く曲がはじめてですべてが新鮮に感じられた頃が懐かしい。
でも今もマーラーは、どの作品も大好きなのだから
やはり特別な存在でよっぽど好みなのだろう。
親しみやすい「子供の不思議な角笛」なので
当時すぐに夢中になってしまったのだ。
バーンスタインがまた思いっきり創りこんでいて
楽しさと人を引き付ける個性はすごいのだが、
でも今聞くと…やりすぎだな!って思うところもある。
さすがにバーンスタインの巨匠の芸は圧倒的だった。

DG 427 302-2

「レナード・バーンスタイン」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2009年8月10日 (月)

クリストフ・フォン・ドホナーニ 7

先日はドホナーニがウィーンフィルを指揮した演奏で
チャイコフスキーと続いてR.シュトラウスの交響詩を聞いたのだが
今日は再びクリーブランド管弦楽団との録音に戻って
ドヴォルザークの交響曲第6番とヤナーチェクの「タラス・ブーリバ」。
時期的には先のチャイコフスキーとR.シュトラウスの中間で
近い存在なのだが、ドヴォルザークが1989年3月13日、
ヤナーチェクが1989年10月30日の収録である。
ドホナーニは過度な描き込みはしないので
ある程度はドライな印象もあるし、シャープな感覚が特長で
そこがドヴォルザークでは非常に爽やかに響いている。
音色的には明るいし、色彩も豊かだが、絵画的な方向へは進まずに
あくまでも交響曲というしっかりとした構えが立ちはだかって、
やはりチェコ的な雰囲気、風土性みたいなものは不足かも。
私などはそれに不満があるかというとそんなことはなく、
でもドホナーニの音楽性に深い協調があるかないかで違うだろう。
ノイマンでもマーツァルでもチェコフィルの演奏というのは独特だし…
ヤナーチェクは美しい。細部までコントロールが行き届いて、
表情づくりも繊細だし、お気に入りの名演。
私は当時、この演奏で「タラス・ブーリバ」をはじめて聞いて
それ以来、ずっと好きだし、ますますヤナーチェクにはまったわけで。

DECCA 430 204-2

「クリストフ・フォン・ドホナーニ」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2009年8月 7日 (金)

ゲルネ・エッシェンバッハ

マティアス・ゲルネの最新盤で
シューベルトの歌曲集「美しい水車小屋の娘」
ピアノはクリストフ・エッシェンバッハである。
2008年9月にベルリンのTeldex Studioで収録。
ゲルネはシューベルト歌曲の新しいシリーズをはじめて、
ピアノに関して、第1巻はエリーザベト・レオンスカヤ、
第2巻はヘルムート・ドイッチュとエリック・シュナイダー、
そして今回の第3巻ではエッシェンバッハが登場するという
何とも魅力的な企画となっているが、実は…
第1巻と第2巻はまだ聞いていなくて、
しかしこの第3巻は待ち切れずに先に聞いている。
エッシェンバッハのピアノが聞きたくって!
マティアス・ゲルネは素晴らしい。なんて心地のよい。
ゲルネは以前にエリック・シュナイダーと組んで
すでに「美しい水車小屋の娘」を録音しているのだが、
そちらのときにすでに私のお気に入り盤になっていたので
今回ももちろんのこと、この上なく幸福な時間である。
そしてエッシェンバッハだ!何という自在な表現。
基本はシンプルに繊細な表情を作っているのだけど
曲によっては、ある程度の重みも含ませて、
とにかく緩急自在、変化に富んで、感動的である。
聞いたことのないディテールも次々飛び出してくるし、
シューベルト独特のモノトーンな世界に
光と影の微妙な移ろい、ときには淡い色彩も加えられ、
こんなに見事なピアノは聞いたことがない。

Harmonia mundi HMC 901995

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2009年8月 6日 (木)

チューリヒ歌劇場2007/2008

20090806a_2

チューリヒ歌劇場のホームページより
歌劇「カルメン」第3幕の舞台写真である。
カルメンのヴェッセリーナ・カサロヴァ
http://www.opernhaus.ch

BShiで放送されたチューリヒ歌劇場の歌劇「カルメン」。
フランツ・ウェルザー・メストの指揮で
ヴェッセリーナ・カサロヴァがカルメン、
ヨナス・カウフマンがドン・ホセを演じるという注目の公演。
演出はマティアス・ハルトマン。
2008年6月26日、28日、7月1日に収録。
シンプルで抽象的な舞台。色使いがきれいである。
円形の舞台ですべてが表現されている。
デザイン的にもそこでの人の動きも素晴らしい。
兵隊ならぬ警察官の集団にミカエラが取り囲まれて
ちょっかいを出されるところからはじまって
警察の堕落ぶりについては挑戦的な演出である。
衛兵の交代でヨナス・カウフマンのドン・ホセが登場。
いかにも真面目そうで、堅そうで、ダサくって、マザコン。
ちょっとオタクっぽい容姿は笑える。
ミカエラがいるのでまわりの女に一切興味のないドン・ホセに
カルメンは興味をもち、つまりカルメンの出現が
オタク系のドン・ホセを目覚めさせる。
最初っからカサロヴァのカルメンは堂々と振る舞い、カッコいい。
それに対してミカエラは外見よりは少女のようで
その対比が極端に強調されている。
純真なミカエラと母の存在(手紙)が、第1幕では
ドン・ホセにカルメンを憎ませるのだが、
しだいにはまっていく過程が鮮やかに描かれる。
メストの指揮も明瞭で素晴らしいのだが、
とにかく舞台の方に夢中になってしまって、
演出の点でも配役の点でもやはり魅力的だ。

20090806b_2

前半はドン・ホセが情けなくって、お笑いである。
カルメンに利用されているだけというのが明確で
ここまで無様にヨナス・カウフマンに演じさせるのは
ちょっと抵抗が…嫌だなという…しかしそれだけの
頼りなくって、哀れな、絶妙なドン・ホセが演じられている。
第3幕以降は、見た目はカッコよくなるのだが、
というのはヨナス・カウフマンだからなのであり、
しかし相変わらずの空回り、みっともなさ、
本質は変わらず、さらにはストーカーっぽくなってくる。
ついに第4幕では、ドン・ホセの純粋さゆえに
必死にカルメンに愛を訴えるのだが、
カルメンのふてくされた態度、とにかく態度がデカイのだが、
カサロヴァの存在感がすごい!感動的である。
この「カルメン」は音楽も舞台も超一級品だ。

DVDR120/121

「フランツ・ウェルザー・メスト」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2009年8月 4日 (火)

チューリヒ・トーンハレ2008/2009

デイヴィッド・ジンマン指揮チューリヒ・トーンハレ管弦楽団による
マーラーの交響曲シリーズで今日は第7番を聞いている。
(2008年9月22-25日 チューリヒ・トーンハレで収録)
この蒸し暑い夏には「夜の歌」はぴったりである。
そうした相性もあるけれど、それにしても素晴らしい!
いつもながらの丁寧に明瞭に音を再現していくのだが、
響きも美しいし、透明な輝きを保ちつつ、じっくり歌いこまれている。
隅々にまで、ありとあらゆる音がくっきりと聞こえてくるのだが、
もはやこの交響曲にかつての難解さは感じられず、
ジンマンの解釈には圧倒的な説得力を感じる。
細部にまで精巧に創りこんでいく過程は極めて客観性ある作業であるが、
しかしここで鳴っている音楽がかつてないほどに親しみが感じられるのは、
デイヴィッド・ジンマンによる最大の成果であり、これまででもベストである!
ベストというのは、ジンマンによるこのシリーズにおいても…
そして第7番のディスク全体においても最上級の演奏であると思う。
1980年代から1990年代、そして21世紀になり…この20年ほどで
解釈の点でも演奏の点でも格段にレベルアップしているのではないだろうか。

RCA 88697 50650 2

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2009年8月 3日 (月)

クリストフ・フォン・ドホナーニ 6

先日のチャイコフスキーに続いて
今日もドホナーニがウィーンフィルを指揮した演奏。
R.シュトラウスの交響詩「ドン・ファン」、メタモルフォーゼン、
そして交響詩「死と変容」という3曲が収録されている。
1989年12月18-21日、ウィーン楽友協会での録音。
R.シュトラウスはウィーンフィルにとっては得意中の得意だし、
同時期にもプレヴィンとの録音もあって、いずれも名演だが、
このドホナーニ盤は特に魅力的だと私は大切にしている。
久しぶりに聞いているけれど、やっぱり最高だ。
ここでのドホナーニは、他とは違う音色への積極性が感じられて
それはウィーンフィルの美観を最大限に尊重しているのであり、
響きも明るく、より一層の光の輝きが眩しいのである。
やはりしなやかに細部まで透明な空間が特長的だが、
これもウィーンフィルならではだけど、膨脹型の豊かさとは違い、
コンパクトにまとまっている印象、室内楽的な方向を目指して
私はこれがいいんじゃないかな!って、思うのである。
ティーレマンの鳴りっぷりのよさとは明らかに逆だけど
どちらもそれぞれ魅力はあるのだが、ウィーンフィルの名演。

DECCA 430 508-2

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2009年7月31日 (金)

私が聞いた今年の名盤2009

少しだけ追加したので、今年の名盤の途中経過。
ケント・ナガノの大地の歌やパッパーノの「蝶々夫人」
ライブ盤ではハイティンクの「ダフニスとクロエ」


《交響曲》
◎マーラー 大地の歌 ケント・ナガノ指揮モントリオール交響楽団

《管弦楽》
◎ニューイヤーコンサート2009~バレンボイム指揮ウィーンフィル

《協奏曲》
◎ブラームス ヴァイオリン協奏曲、二重協奏曲
  ~ヴァディム・レーピン シャイー指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団


《室内楽》
今のところなし

《器楽曲》
今のところなし

《歌劇》
○プッチーニ 歌劇「蝶々夫人」~パッパーノ指揮ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団

《声楽曲》
今のところなし

《ライブ盤》
◎ブルックナー 交響曲第4番(第1稿)~ノリントン指揮シュトゥットガルト放送交響楽団
○ラヴェル 「ダフニスとクロエ」(全曲)~ハイティンク指揮シカゴ交響楽団
○マーラー 交響曲第1番「巨人」~ハイティンク指揮シカゴ交響楽団

は特に大切に感じられる名盤です)

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ビリャソン 歌劇「ボエーム」

BShiで放送されたプッチーニの歌劇「ボエーム」
ロバート・ドーンヘルム監督による映画版である。
アンナ・ネトレプコのミミ、ローランド・ビリャソンのロドルフォ、
ベルトラン・ド・ビリー指揮バイエルン放送交響楽団で
音声は2007年4月にミュンヘンのガスタイクで収録、
演奏会形式のライブ録音だが、映像は後に撮影された。
もちろん音楽だけでも魅力的だけど、この映像は素晴らしい。
ネトレプコとビリャソンは圧倒的としかいいようがなく、
通常のオペラ上演とは少々異なるけれど、
これだけのこだわりに満ちた仕上がりならやっぱり映画だ!
正直なところ、この感動は、普通の舞台上演では無理!
といったら言い過ぎだけど、それぐらいに心にしみる。
「ボエーム」後半の悲劇な展開というのは悲しすぎる…
久しぶりに「ボエーム」を聞いたのだけど、うっとり。

DVDR 119

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2009年7月30日 (木)

クリストフ・フォン・ドホナーニ 5

今日はドホナーニがウィーンフィルを指揮した演奏。
チャイコフスキーの交響曲第4番と序曲「1812年」
1988年12月ウィーン・コンツェルトハウスで収録。
最初に聞いたときからこのチャイコフスキーはすごく好き。
驚くほど抑制されていて、響きの華麗さ、色彩を排除して、
モノトーンに引き締まり、精妙なチャイコフスキーなのである。
派手な演奏が好みの人には、全く物足りないと思う。
私はドホナーニのこういうところがたまらなく好き。
ファンの人はきっとわかってくれると思う。
このシャープでドライな仕上がり。明瞭なディテール。
スッキリと響かせるので、余計な残響は一切なく、
結果的に音楽の構造が立体的に浮かび上がってくるのである。
ここで他のクリーブランド管弦楽団の演奏とちょっと違うのが
ウィーンフィルが独特なしなやかさでこの流麗さは格別なのである。
世間一般の評ではちょっと忘れられている感もあるかもしれないが、
私はこのチャイコフスキーは特に名演だと思っていて、
ずっと今もお気に入りのディスクである。

DECCA 425 792-2

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2009年7月29日 (水)

ビリャソンとカウフマン

先月BShiで放送された特別番組で
話題のテノール歌手を紹介するドキュメンタリー。
最初に「メーキング・オブ・ボエーム」ということで
ローランド・ビリャソンとアンナ・ネトレプコを中心に
プッチーニの歌劇「ボエーム」の撮影風景など。
ロバート・ドーンヘルム監督による映画版「ボエーム」である。
続いて「テノール歌手 ヨナス・カウフマンの素顔」という
一気にヨナス・カウフマンのファンになってしまう素晴らしい映像。
ローランド・ビリャソンはネトレプコとの組み合わせで
絶大なる人気だが、私的にはヨナス・カウフマンがいいな!
もちろんふたりとも圧倒的な魅力である。スーパースター。
音楽家が日常をさらすのは、イメージを壊すかもしれないし、
余計な先入観を与えたりすることもあろう。
でもひとりの人間であることにふれることで
音楽への理解も深まることもあるし、
ヨナス・カウフマンという人がどういう歌手なのか、よくわかった。
いまさら思いなおすまでもなく、注目の存在ではあるのだけれど、
ヨナス・カウフマンは、もっともっと真剣に聞かなくてはならない。

DVDR 118

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2009年7月28日 (火)

パッパーノ 歌劇「蝶々夫人」

今日は最新盤を聞いていて、プッチーニの歌劇「蝶々夫人」。
アントニオ・パッパーノ指揮ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団。
2008年7月7-19日にローマの聖チェチーリア音楽院で収録。
パッパーノのヴェルディそしてプッチーニは最高だ。
非常にリアルな感触の音作りは衝撃でもあり、興奮する。
全体にシャープな印象でプッチーニの音楽がスッキリと聞こえ、
その辺の特徴は極めて現代的な感覚でもあるけれど
パッパーノは明瞭に解決したいのだなと私は好きな演奏である。
激しさや力強さと一方の緻密にして精妙な表現が見事に両立されて
名場面の多い「蝶々夫人」ではあるが、一気に聞いてしまった。
感動的な第1幕後半や第2幕の「ある晴れた日に」など
そうした有名なアリア、二重唱が、突出しないように
とにかく音楽の全体が真正面から心に響いてくるのである。
蝶々さんはアンジェラ・ゲオルギューで
ピンカートンにはヨナス・カウフマンが出演している。

EMI 2 64187 2

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2009年7月27日 (月)

ヴェルディの歌劇 1

カルロス・クライバーの指揮による歌劇「椿姫」
バイエルン国立歌劇場で1976年5月と1977年6月に収録。
非常に有名なディスクで30年たった今も究極の名演といえるだろう。
今日は2007年に再発売されたThe Originalsで聞いている。
私はイタリア・オペラはあまり聞かないのだけど、
嫌いなわけではなく、なかなか時間がとれないだけで
勉強したいとは思っているので、「ヴェルディの歌劇」として
クライバーの「椿姫」でスタートさせることにした。
きびきびとした動きはクライバー独特なもので
それにアクセントだろうか…刺激的な…音楽に活力を与える。
圧倒的に生命力に満ちた響き、力強い迫力の展開である。
同時に繊細な表現では、極端にデリケートな音を作り出し、
クライバーの表現の幅というのは、何という自在で劇的なのだろう。
当時のドミンゴは若くって、すでにスター扱いだったのか?
まだまだ新星だったのか?その辺、私はわからないのだが、
しかし素晴らしいのである。うっとり聞かされてしまう。
クライバーの天才ぶりとぴったり寄り添うような魅力でいっぱいだ。

DG 00289 477 7115

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2009年7月24日 (金)

クリストフ・フォン・ドホナーニ 4

ドホナーニ指揮クリーブランド管弦楽団の演奏で
今日はショスタコーヴィチの交響曲第10番。
そして後半は今回もルトスワフスキで葬送音楽が収められている。
ショスタコーヴィチが1990年2月12日でこれも一日で収録、
そしてルトスワフスキが1990年8月21日の録音である。
あまり深刻な感じではなく、響きも比較的明るい印象で
聞きやすいし、かなりカッコいいショスタコーヴィチである。
第2楽章など速いし、鋭く、打楽器のシャープな仕上がり、
作品に漂う重々しい空気は一掃されていて、明瞭な感覚、
ドホナーニはショスタコーヴィチという作曲家に没頭するのではなく
自分が表現したいものがこの交響曲の中に存在していた
ということなのだろう。作品との関わりにおいて
あくまでも客観的に一定の距離が保たれているし、
ドホナーニの指揮によるショスタコーヴィチの交響曲というのは、
その後、ひとつも制作されずに、ライブ録音も見当たらない。
ショスタコーヴィチの音楽に心酔している人には、
かなり物足りなく、これは違う…って思う人もいるだろう。
しかしクリーブランド管弦楽団のメカニックな完成度には圧倒されるし、
非常に刺激的に鮮やかに切り込んでいくドホナーニの解釈、
その個性にふれると…とにかくすごくって、
ファンにとっては、名盤としかいいようがない…圧巻!
私は好きだが、ショスタコーヴィチ・マニアには薦めない。

DECCA 430 844-2

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2009年7月23日 (木)

ピョートル・アンデルジェフスキ

BShiにおける今月のピアニスト特集から
今日はピョートル・アンデルジェフスキを聞いている。
前半は「あるピアニストの旅路」というドキュメンタリー。
ヨーロッパの様々な都市へ鉄道で旅しながら
アンデルジェフスキは音楽への想いを語っていく。
後半は2008年12月19日のワルシャワでのリサイタルで
バッハのパルティータ第2番BWV826にはじまり、
シマノフスキの仮面劇、シューマンのユモレスク、
そして最後に再びバッハでパルティータ第1番BWV825
アンコールはシューマンの暁の歌から第5曲。
ドキュメンタリーでアンデルジェフスキの内面にふれてしまうと
ますますそう感じられるのかもしれないけれど、
やはり非常に繊細な人で心と音楽がひとつとなる危険性、
自分の要求する表現があまりに高度なものであるがゆえに
深い探求、自身を追い込んでいくことで
均衡が保たれているのではないかという…
壊れてしまうのではないかって、受け止める側のこちらも
それだけの強い想いが必要であると考えさせられた。
アンデルジェフスキの集中力と凝縮された音楽の源、
少し理解できたような気がする。
すべての美しさは苦しみの先にあるものである。
私もそれだけの心構えで受け止めて、
ワルシャワでのリサイタルはやはり強い信念に基づく
厳しさと純粋さ、透明な感性による音楽であり、
ひとつの究極がここに存在すると実に見事であった。

DVDR 116/117

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2009年7月22日 (水)

シカゴ交響楽団2007/2008

シカゴ交響楽団の自主制作ライブシリーズで
ベルナルト・ハイティンクの指揮による
プーランクのグロリアとラヴェルの「ダフニスとクロエ」(全曲)
2007年11月8-10日にライブ収録された録音である。
先週はハイティンクがロイヤル・コンセルトヘボウを指揮した
「ダフニスとクロエ」を聞いたのだが、今日はいよいよシカゴである。
FM放送用の音源とレコード化を前提に収録されて
丁寧に制作されたCDを比較してはいけないのだろうけれど…
こちらは精妙な響きが冴えわたり、隅々にまで完璧だ。
ロイヤル・コンセルトヘボウの音色は過度に色彩的と書いたが、
シカゴ交響楽団は逆に無味無臭なのが特徴であり、
しかしその洗練された透明な輝き、清々しさは格別。
ハイティンクの指揮はますます肩の力が抜けて、
さらにゆったりと余裕のある音楽進行で
安定感と同時にディテールにはシャープな感覚が加わっている。
もちろんこのオーケストラの特長が引き出されているということで
それにしても素晴らしい「ダフニスとクロエ」。すごく気に入った。

CSO-RESOUND CSOR 901 906

「ベルナルト・ハイティンク」に関する記述はホームページにもございます
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2009年7月20日 (月)

アルカディ・ヴォロドス

今月のBShiはピアニスト特集のようで
先日放送されたアルカディ・ヴォロドスのピアノ・リサイタルを聞いている。
スクリャービンの前奏曲など小品4曲とピアノ・ソナタ第7番「白ミサ」
ラヴェルの優雅で感傷的なワルツ、シューマンの森の風景
リストの巡礼の年第2年「イタリア」からソナタ風幻想曲「ダンテを読んで」
アンコールはヴィヴァルディ/バッハの協奏曲ニ短調から第3楽章
アルカディ・ヴォロドスの編曲によるチャイコフスキーの子守歌
最後に再びスクリャービンで3つの小品作品45からアルバムの綴り
(2009年3月1日 ウィーン楽友協会大ホールで収録)
アルカディ・ヴォロドスは知ってはいたのだけど、
これまであまり聞いてこなかったので、ありがたい機会だ。
大きな体型でぽっちゃりタイプは、パワフルな演奏を聞かせそうだが、
人は見かけで判断してはいけず…繊細な音楽を表情豊かに
押し付けのないきれいな音でじっくり歌いこんで聞かせてくれる。
リストなどでは、基本的にはスケールの大きい演奏なんだけど
音楽を丁寧に解きほぐして、やっぱり魅力は繊細な表現だと思う。
アルカディ・ヴォロドスって、こういうピアニストなんだ。聞いてよかった。
自身の編曲によるチャイコフスキーの子守歌がすごくいい。

DVDR115

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2009年7月18日 (土)

ルール・ピアノ・フェスティバル2006

ルール・ピアノ・フェスティバル2006から
ボリス・ベレゾフスキーのピアノ・リサイタル。
メトネルの「おとぎ話」から「騎士の行進」作品14-2、「鐘」作品20-2、
嬰ハ短調 作品35-4、「妖精の物語」作品48-2、ニ短調 作品51-1
ダフィズ・ルウェリン:計画の変更 (即興演奏)
ベートーヴェン:ディアベッリの主題による33の変奏曲
(2006年7月14日 エッセン・フィルハーモニーホールで収録)
少し前から録画してあったのだが、BS2で放送された映像で聞いている。
ベレゾフスキーは素晴らしい。大好きなピアニストだ。
といっても途中から好きになって、チャイコフスキー・コンクールで優勝して
いきなり世界的に有名になった最初の頃はそれほど興味なかった。
前半のドキュメントで本人が言っているが、即興的なタイプのピアニストだと。
私はもう一方のすべては計画通りに寸分の狂いのないタイプが好きな方で
でもベレゾフスキーに関しては、ちょっと違う特別なものを感じる。
ライブ特有の即興性という点では、緊張感あふれる興奮が存在しているし、
その場の豊かな発想によって自由に音楽が創造される感覚も魅力。
しかしそこにベレゾフスキーの圧倒的な超絶技巧、強靭な力が加わって、
ここでのベートーヴェンなど、集中力と凝縮された構成力も見事だし、
とにかく時間を忘れて聞かされてしまった。後半の変奏における
精妙な響き、透明な弱音も印象的だし、粗削りな感じは全く見られなくて
現在のベレゾフスキーはますますよくなっているのでは。

DVDR114

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2009年7月17日 (金)

王立コンセルトヘボウ1998/1999

ベルナルト・ハイティンクの最新盤は
シカゴ交響楽団とのラヴェルの「ダフニスとクロエ」全曲で
実はもうずいぶん前に入荷と同時に買ってきてあるのだが、
その前に聞いておきたい録音があり、10年前のライブで
ハイティンクがロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団を指揮した
同じくバレエ音楽「ダフニスとクロエ」の全曲である。
(1999年3月19日アムステルダム・コンセルトヘボウで収録)
FM放送から録音して以来、久しぶりに聞いているが、
最初の印象というのは、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の
元々からの豊かな音色に作品がラヴェルであったりすると
過度に色彩的にも感じられて、くどい気もするのだけど…
しかし慣れてくるとやはりハイティンクの指揮であり、
いつもながら極めて誠実で丁寧な音楽づくりには感動する。
透明な歌声の合唱がまた特に魅力的で
コレギウム・ヴォカーレとシャペル・ロワイヤルという
古楽を専門にしているグループが参加しているのも特長である。

CDR550

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2009年7月16日 (木)

クリストフ・フォン・ドホナーニ 3

ドホナーニ指揮クリーブランド管弦楽団の演奏で
今日はバルトークの管弦楽のための協奏曲。
後半にはルトスワフスキの管弦楽のための協奏曲も収録されている。
バルトークが1988年8月、ルトスワフスキが1989年3月の録音。
久しぶりに聞いているが、改めて聞いても…この演奏はすごい。
響きに関するその研ぎ澄まされた感覚。徹底したコントロール。
この時期のドホナーニ盤は、とにかくシャープな仕上がりで
かなりデジタル的に音楽が構築されていくところに
当時も今も私は聞いていて異常に喜びを感じてしまう。
ルトスワフスキの管弦楽のための協奏曲は、
このCDではじめて聞いたのだが、今では有名な作品という認識だけど
かなり面白くって、夢中に引き込まれる素晴らしい音楽である。
管弦楽のための協奏曲といえば、普通はバルトークだが、
ルトスワフスキももっと一般に気軽に聞けるといいと思う。

DECCA 425 694-2

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2009年7月15日 (水)

ウォルフの歌曲 7

去年の夏はディートリッヒ・フィッシャー・ディースカウの歌で
ウォルフの歌曲をかなり聞いたのだが、
そこに含まれていなかったのが、スペイン歌曲集とイタリア歌曲集。
ということで今日はイタリア歌曲集を聞いているのだが、
以前から持っていたCDを出してきて、1995年8月録音の
ドーン・アップショウのソプラノ、オラフ・ベーアのバリトン、
ヘルムート・ドイチュのピアノによる演奏である。
ウォルフの歌曲を聞くのに別に季節感は関係ないのだけど、
でも夏の夜、静かに聞くのにはすごくいい。
絶妙にずれているというか…実はかなりの不協和音の連続で
それが美しく輝きだし、楽しく躍動して、清々しく…ウォルフの世界。

EMI 5 55618 2

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2009年7月14日 (火)

イギリス歌曲 1

グレイアム・ジョンソンのピアノがすごく聞きたくなってしまい…
いつもながらのシューベルトのシリーズを探していたのだが、
今日の暑さ…関東地方も梅雨明けだそうで、
ふと気になって、興味をもったのがヴォーン・ウィリアムズの歌曲集。
新しいことに気を取られているとこの暑さもちょっと忘れられるので。
グレイアム・ジョンソンのピアノを中心に
テノールのアントニー・ロルフ・ジョンソン、
バリトンのサイモン・キーンリサイド、デューク・カルテットが参加。
ヴォーン・ウィリアムズが活躍したのは主に20世紀なのだが、
生涯を通して民謡旋律の収集に取り組み、
ここでの作品も素材は民謡によって、聞きやすく心地よい。
弦楽四重奏が加わったり、かなり古楽な響きの作品もあって
方向としては、ヒーリングである。イメージはイギリスの田園風景。
フォーレやラヴェルの作風とも重なるような作品もある。
これからイギリス歌曲も少しずつ聞いてみよう。
有名なところではブリテン、ウォルトン、ディーリアス、その辺から。

iTunes CDR549

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2009年7月 8日 (水)

クリストフ・フォン・ドホナーニ 2

ドホナーニの幻想交響曲を聞いたので
今日も続いてカンタータ「最初のワルプルギスの夜」
こちらはメンデルスゾーンの作品で
前半は交響曲第3番「スコットランド」
今回もクリーブランド管弦楽団の演奏である。
1988年5月22日の録音で、これも一日で収録!
高音質で定評のあるメーカーだが、
かなりリアルな感触で、正直、響きはあまり美しくない。
はじめて聞いた当時って、私はまだ中学生だったのだけど
どこか、パッとしない印象があったのは事実で
ドホナーニの音楽づくりは極端にスタンダードだし、
渋くてかなりの辛口な味わいは、今聞いてもそう思う。
華麗な音色は控えられて、ドライでザラザラした肌ざわり。
でも今だと、これがいいんだな…という
ドホナーニって、こうなのだ。これが聞きたくて。
この演奏に関しては、かなりドイツっぽい骨太な仕上がり。

TELARC CD-80184

「クリストフ・フォン・ドホナーニ」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2009年7月 6日 (月)

クリストフ・フォン・ドホナーニ 1

ドホナーニのマーラーを続けて聞いたが、
今日からいよいよ指揮者ドホナーニに注目して
名演を振り返る企画をスタート!
最初はというと…夏だし!幻想交響曲。
1989年10月の録音で、後半には
ベルリオーズの編曲した「舞踏への勧誘」も収録。
演奏はクリーブランド管弦楽団である。
とことんシャープさを追求したような響きで
抑制された表情、明瞭でスタイリッシュな造形。
幻想交響曲というと派手に暑苦しい演奏もあるが、
こちらはギンギンに冷えているみたいに快適!
好きな人にはたまらないのだけれど…
嫌な人には、薄味に感じられるだろうな…
でも第4楽章以降の後半は、鋭い切り込みが鮮やかに
その刺激的な仕上がりに何ともいえない喜びを堪能!

DECCA 430 201-2

「クリストフ・フォン・ドホナーニ」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2009年7月 5日 (日)

マーラーの名盤たち 8

この夏はドホナーニのディスクを振り返ろう!と
そこへ行く前に昨日はマーラーの第6番を聞いたので
今日は1988年7月録音の第5番を聞いている。
ドホナーニ指揮クリーブランド管弦楽団による
マーラーの交響曲シリーズの第1弾がこのディスクだったと
たしかそう記憶していて、次が「巨人」へと続いたのであった。
この第5番は、スカッとした響きで非常に鋭い音作りが独特。
最も感情的で濃厚な音楽が、極めて快適なスムーズな流れで
停滞というものがない。テンポ設定も速く、とにかく止まらない。
当時聞いたときには、メカニックな部分が特長的で
現在は精妙で透き通るような演奏はたくさんあるが、
クリーブランド管弦楽団のこの演奏というのは
やはり恐ろしく巧く、ひと時代を築いたなという…
この時期のドホナーニは刺激的だ。私にはたまらない。

LONDON F26-29138
(DECCA 425 438-2)

「クリストフ・フォン・ドホナーニ」に関する記述はホームページにもございます
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2009年7月 4日 (土)

マーラーの名盤たち 7

先日はジュゼッペ・シノーポリの指揮で
マーラーの交響曲第6番を聞いたが、
今日はドホナーニ指揮クリーブランド管弦楽団の演奏。
1991年5月20日の収録で一日で一気に録音したようだ。
このディスクはまさに名盤と呼ぶにふさわしいのだろう。
私は当時に輸入盤の入荷と同時に買ってきたのだが、
年末にはレコード・アカデミー賞を受賞していたので。
ここでのドホナーニは本当に鳴りっぷりがよくて、
そのエネルギーの発散、音楽の勢いには驚いてしまう。
当時、ドホナーニとクリーブランド管弦楽団は
DECCAから次々と新譜が登場して、
シャープでクリスタルな印象が独特な仕上がりだったのだが、
ここではかなり色彩も豊かにその情熱を噴出させている。
この夏、これからドホナーニの演奏を振り返ってみるか。
考え出したら、久しぶりに聞きたいCDはいろいろある。

DECCA 436 240-2

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2009年7月 3日 (金)

シューベルトの歌曲 31

今日はヨセ・ファン・ダムのバリトンで歌曲集「白鳥の歌」
ピアノがヴァレリー・アファナシェフなのである。
1991年5月の録音で少し前の演奏だが、
このディスクは現在では珍しいのではないか。
知らないマイナーレーベルからのCDで
当時見つけて、すぐに買ってきて、感動して、
何度も何度も繰り返し聞いて、「白鳥の歌」の虜になった。
私にとっては強い想いがある大切にしてきた名盤。
とにかく遅いテンポで何という重さ、苦しさ、壮絶さ。
ヨセ・ファン・ダムは正直、これで歌うのはたいへんだろう…
つまりヴァレリー・アファナシェフは強烈に個性的である。
しかしこんなに素晴らしいシューベルトは聞けない!
アファナシェフ独特の音楽を完全に解体して、
あらゆる音がリアルに鳴り出し、この質感は特殊である。
弱音から割れんばかりの爆発音まで何という幅…
そこに存在する深まり、共有することは危険を伴うような
何か引き込まれていってしまいそうな恐ろしさを感じる。
最後に「秋 D.945」が収録されていて、69分の収録。
通常の「白鳥の歌」14曲では、65分である。
模範ともいうべきフィッシャー・ディースカウは50分ほどで
15分の違いがあると、別世界が創造されるといってもいい。

FORLANE UCD 16647

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2009年7月 2日 (木)

エクサン・プロバンス音楽祭2007

昨日に続いてピエール・ブーレーズ。
エクサン・プロバンス音楽祭2007で上演された
ヤナーチェクの歌劇「死者の家から」
BShiで録画して、映像付きで聞いている。
(2007年7月16,18,20日 プロバンス大劇場で収録)
歌劇「死者の家から」も知ってはいたが、
聞くのは今回がはじめてでこれは貴重だ。
ヤナーチェク好きの私にはうれしい機会!
シベリアの収容所の情景は全体に暗い印象だが、
モノトーンな舞台、パトリス・シェローの演出はカッコいい。
まだ理解が浅いので、何ともいえないけれど
それに他の演奏も聞いていないし、
しかしヤナーチェクの音楽は圧倒的に美しく、
そしてブーレーズの響きの作り方もさすがに研き抜かれ、
その素晴らしさにじっくり聞かされてしまう。

DVDR113

「ピエール・ブーレーズ」に関する記述はホームページにもございます
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2009年7月 1日 (水)

ザルツブルク音楽祭2008

昨年のザルツブルク音楽祭から開幕コンサート
ピエール・ブーレーズ指揮ウィーンフィルの演奏会だが、
以前にBShiで録画して、音飛びと映像の乱れが発生して、
今回はBS2でリベンジ!大丈夫だった。大成功!
ラヴェルの優雅で感傷的なワルツにはじまり、
バルトークのピアノ協奏曲第1番
ピアノ独奏はダニエル・バレンボイム
後半はストラヴィンスキーのバレエ音楽「火の鳥」(全曲)
バルトークのピアノ協奏曲第1番だが、
この作品に独特な前衛性を際立たせる演奏もあるし、
打楽器的な感覚、躍動感を強調する演奏もある。
バレンボイムはというと極めて音楽的だ。
ピアニストであると同時に指揮者としての全体を見渡す目、
細部にとらわれない全体像がしっかりと捉えられているのであり、
こちらにも豊かな広がりで音楽が響いてくる。
そしてブーレーズの「火の鳥」は何度聞いても素晴らしい。
今回はウィーンフィルなので非常にしなやかに
極めて巨大な音楽が室内楽的な精密さで
とにかくこの繊細な流れ、幻想的な空気は感動的。
この「火の鳥」はあまりにも名演で貴重な記録だと思う。

DVDR112

「ピエール・ブーレーズ」に関する記述はホームページにもございます
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2009年6月27日 (土)

シューベルトの歌曲 30

少し前にペーター・シュライアーのシューマンを聞いたが、
続いてシューベルトも聞きたくなってしまって、
歌曲集「冬の旅」D.911を久々に出してみた。
シューマンはクリストフ・エッシェンバッハのピアノだったが、
こちらはスヴャトスラフ・リヒテルでドレスデンでのライブ録音。
1985年2月17日、ゼンパー・オーパーで収録。
聞けば聞くほど感動的である。ペーター・シュライアーも渋い。
じっくりと歌いこんで、囁くような歌声から激しい叫びまで
実に豊かな表現力である。こうした音楽性は、
リヒテルのピアノによって引き出されている部分は多い。
基本的にシンプルな音色、穏やかで優しさに満ち、
モノトーンな世界に柔らかい光とかすかな色彩を加えて
何と美しいピアノの響きなのだろう。
淡白で強弱も抑制させていながら、その深まりは圧倒的。
ここまで力が抜けていると独特な仕上がりとなってくるが
リヒテルのシューベルトが格別の素晴らしさであることは
今さらいうまでもなく、この「冬の旅」も極められている。
この録音はあまりメジャーではないかもしれないけれど、
本当に貴重な記録を残してくれたなと私は思っている。

PHILIPS 432 174-2

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2009年6月25日 (木)

ムターのメンデルスゾーン

先日BShiで放送された「ムターのメンデルスゾーン」
これはDGのDVDではないか!という。
ムターでも近現代作品ならば喜んで聞くのだけど、
バルトーク、プロコフィエフ、ショスタコーヴィチならば…
こういうメンデルスゾーンとかだとつい省略してしまうのだが、
NHKで放送してくれたので、たいへんありがたく
早速見せていただいている。素晴らしい映像に感謝。
最初にヴァイオリン協奏曲で2008年3月のライブ。
クルト・マズア指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
後半は室内楽で2008年9月の演奏。
ウィーン楽友協会のブラームス・ザールで収録された
ピアノ三重奏曲第1番とヴァイオリン・ソナタ。
ピアノがアンドレ・プレヴィン、チェロはリン・ハレル。
プレヴィンのピアノが実に素晴らしい。
ちょっとアバウトな感じもあるけれど、
力が抜けて、自在に躍動する音楽に感動。
ベーゼンドルファーのピアノを使用していて、
音の粒が独特に際立って、この美しい輝きは、
いつもながらプレヴィンならではの音色である。
そしてリン・ハレルのチェロも何とも好きだ。
ムターもハレルも弦楽器はすごく気合入っている。

DVDR111

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2009年6月24日 (水)

マーラーの名盤たち 6

今日はシノーポリ指揮フィルハーモニア管弦楽団で
マーラーの交響曲第6番を聞いている。
このCDも出すのはものすごく久しぶり。
私はマーラーの交響曲では第6番が一番好きなので
CDや放送からの録音など、とにかくたくさん集めているが、
何しろはじめて聞いてみたのが、このシノーポリ盤だった。
正直なところ…中学生には難解で全体像を把握するのは無理?
その後、ずっと聞きまくって、現在に至るのである。
今では間違いなく最も頻繁に聞いているのは、この第6番。
この演奏は1986年9月の録音でシノーポリによる
マーラーの交響曲全集の第3弾だったと思う。
改めて聞いてみるとやはり恐ろしい集中力による大熱演。
各楽章の演奏時間をみると(25.08/13.33/19.48/34.28)で
全体では何と93分にも及ぶという…
最も時間がかかっている演奏なのだが、
聞いたときに遅さというのが全く感じられない。
ヤルヴィ盤やブーレーズの速いときなどは73分ぐらいという
20分近い開きも存在してくるのだけど、
やはりシノーポリの緻密なディテール処理と
大胆に踏み込んでいく鋭い表現によるものか。
この頃のシノーポリは強烈だったな!って再確認。

DG F66G 20171/2

「ジュゼッペ・シノーポリ」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2009年6月23日 (火)

ノリントンのモーツァルト 6

ロジャー・ノリントン指揮シュトゥットガルト放送交響楽団による
モーツァルトの交響曲6枚組ボックスからついに最後の一枚。
交響曲 第28番 ハ長調 K.200(2006.9.14)
交響曲 第32番 ト長調 K.318(2006.9.15)
交響曲 第31番 ニ長調 K.297 「パリ」(2006.9.7)
交響曲 第35番 ニ長調 K.385 「ハフナー」(2006.9.14)
モーツァルトの中期の交響曲が集められていて、
後半にはニ長調で書かれた2つの交響曲が並んでいる。
作品そのものも若々しい活力に満ちた作風であるし、
ノリントンのこのシリーズでの独特の弾力に満ちた運動性、
そして古典様式における優雅な響きが心地よい。
「パリ」の華やかな輝きにも圧倒されるけど、さらに
締めくくりの「ハフナー」終楽章におけるプレストが鮮やかに決まる!

Hanssler CD-No.93.230

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2009年6月22日 (月)

第1648回N響定期公演

5月のN響定期公演から尾高忠明の指揮による演奏会。
前回の5月15日の公演ではエルガー・プログラムだったが、
こちらはブラームスの大作2曲が並んだコンサート。
ネルソン・ゲルナーの独奏でピアノ協奏曲第2番
そして後半には交響曲第2番が演奏された。
5月20日にサントリーホールで収録されたものを
BS2で録画して映像付きで聞いている。
ピアノ協奏曲のネルソン・ゲルナーは、
特別に個性的な印象ではないけれど、ストレートで
むしろそうしたところに私は好感をもつ。
音も美しいし、たっぷりと鳴っている。
そして尾高忠明指揮のN響が素晴らしい。
交響曲もスタンダードだが、この感動である。
表面的な効果は、結局は表面的なものでしかなく、
そういう次元ではない、深いところから音楽が響いてくる。

DVDR110

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2009年6月21日 (日)

マーラーの名盤たち 5

私がはじめて買ったマーラーのCDは、
ジュリーニ指揮ベルリンフィルによる大地の歌
ちなみに続いてシノーポリ指揮の第5番
次がアバド指揮の「巨人」(シカゴ交響楽団)
バーンスタイン指揮の第7番、第9番、…
これらはみんなひと時代昔の1980年代の録音だが、
当時は最新盤で話題のディスクだったのである。
ジュリーニの大地の歌は1984年2月の録音。
素晴らしい演奏だ。私が今も大地の歌が好きなのは、
原点を振り返っていけば、このCDとの出会いがあったから。
最近の演奏のようなメカニックなディテールではないけれど
隅々にまで心がこもっているような…その色合いも濃厚で
基本的にジュリーニは、端正で誠実な音楽を聞かせる人だけど
この大地の歌は強い想いが感じられる演奏である。

DG F35G 21015

「カルロ・マリア・ジュリーニ」に関する記述はホームページにもございます
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2009年6月19日 (金)

マーラーの名盤たち 4

ハイティンク指揮ベルリンフィルによる交響曲第4番。
1992年6月にベルリンのフィルハーモニーで収録。
久しぶりに聞いてみたいと思っていた演奏である。
でも改めて現在の感想だが、当時とあまり変わらなかった。
まず感じるのが、ハイティンクが非常に丁寧に音楽を扱っていて
美しい音色と優美な表現によって全体に穏やかな印象。
すごく心地よいのだけど、ちょっと甘すぎる気もして、
ノリントンのときもエッシェンバッハときも書いたが、
天国と地獄、それとも天使と悪魔か…対立する要素を際立たせ
恐怖があるから優しさは幸福に感じられるのであり、
それを乗り越えた先に救いが与えられるのであって、
もうちょっと刺激も欲しいところ…贅沢なこと書いているが。

PHILIPS 434 123-2

「ベルナルト・ハイティンク」に関する記述はホームページにもございます
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2009年6月18日 (木)

カラヤンの1980年代 30

夏になって暑くなってくるとアルプス交響曲である!
今日はその中でもとっておきの名演で。
カラヤン指揮ベルリンフィルによる1980年12月の録音。
この演奏の特長は、前半のひたすらに雄大な展開。
登山が進むにつれ、驚異的な緻密さと内面的な深まり、
それらは同時に豊かな描写力、美しい風景にも結び付いて、
山頂を制覇する喜び、達成感と感動、その辺は心の情景である。
そして後半の嵐の前における静けさでは、恐るべき神秘性が漂い、
風雨と雷鳴に襲われると何かあまりにも大きい存在に
それが自然の力なのかもしれないけれど、
目に見える自然現象を超えた巨大なものが感じられるのである。
決して越えられないものがあるのであり、過ぎ去るのを待つしかない。
これほどにまで恐怖心を煽る演奏は他にはないのでは…
録音の素晴らしさもあると思うが、隅々にまで表情豊かで
それは現代の明瞭にして克明な演奏形態とは少し違う…
やはりカラヤンの圧倒的な創造活動の結晶なのである。
ベルリンフィルの表現力もあるが、偉大な名演だ。

DG 439 017-2

「ヘルベルト・フォン・カラヤン」に関する記述はホームページにもございます
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2009年6月17日 (水)

パリ・オペラ座 2008/2009

今シーズンのパリ・オペラ座の公演で
ヤナーチェクの歌劇「利口な女狐の物語」
デニス・ラッセル・デイヴィスの指揮で
アンドレ・エンゲルの演出による舞台。
女狐ビストロウシカにエレナ・ツァラゴワ
雄狐はハナ・エステル・ミヌティルロ
森番にはユッカ・ラシライネンが出演。
2008年10月に収録された映像で
BShiで放送されたものを録画して観ている。
ヤナーチェクが大好きなのだが、
「利口な女狐の物語」は組曲では聞いていたけれど
今回はじめて全曲を聞くことができた。
素晴らしい!ヤナーチェクは何て美しい音楽。
エレナ・ツァラゴワの女狐が大活躍で一番だけど
やはりユッカ・ラシライネンの森番に私は注目。
人間と動物、昆虫、植物、自然、感動的な作品である。

DVDR109

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2009年6月16日 (火)

ノリントンのモーツァルト 5

ロジャー・ノリントン指揮シュトゥットガルト放送交響楽団による
モーツァルトの交響曲6枚組ボックスから今日は5枚目。
交響曲 第19番 変ホ長調 K.132(2006.9.13)
交響曲 第34番 ハ長調 K.338(2006.9.13)
交響曲 第36番 ハ長調 K.425 「リンツ」(2006.9.15)
ここではハ長調の2つの交響曲が並んでいる。
堂々とした響きが冴えわたり、力強い存在感は喜びである。
私的には、特に第34番の勢いある運動性に圧倒された。
第36番「リンツ」もやはり名曲。均整のとれた音の構築、
ハ長調の広がりある響きは、格調高い造形を創造し、
同時にモーツァルトの微妙なニュアンスが
色彩の揺れ動きを生み出していくという…素晴らしい!

Hanssler CD-No.93.230

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2009年6月15日 (月)

第1647回N響定期公演

5月のN響定期公演から
尾高忠明の指揮による演奏会。
お得意のエルガーの作品が並び
チェロ協奏曲と交響曲第2番が演奏された。
協奏曲での独奏はロバート・コーエン。
5月15日にNHKホールで収録されたものを
BS2で録画して映像付きで聞いている。
どちらもエルガーの傑作で感動的だ。
尾高忠明の響きは明るく、無理のない展開に
さすがに理解が深く、手慣れているのだなって。
チェロ協奏曲は名曲中の名曲で広く親しまれているが、
私はこの交響曲第2番が大好きでやはり素晴らしい!
エルガーはもっと聞こうと思っているのだけれど
なかなか機会も少ないし、どうしても…
しかしもっと聞かないとダメだな。

DVDR108

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2009年6月13日 (土)

モントリオール交響楽団2008/2009

ケント・ナガノ指揮モントリオール交響楽団の最新盤で
マーラーの大地の歌を聞いている。
テノールはクラウス・フローリアン・フォークト、
最近では珍しくないが、偶数楽章はバリトンが担当していて、
クリスティアン・ゲルハーヘルが歌っている。
今年の1月13日と14日にライブ収録されたが、
クラウス・フローリアン・フォークトの楽章に関しては、
歌とのバランスがうまくいかなかったのか?
翌15日には管弦楽部分を再度収録して、
2月15日にミュンヘンのスタジオで
フォークトの歌のみ、改めて録音が行われた。
囁くような歌声なので微妙なのかもしれない…
しかし感動的だ!何でこんなにいいのだろう…
マーラーはずいぶん聞いているけれど、
大地の歌はこのところ聞いていなかった気がして、
ちょうど聞きたかった頃によいタイミングなのかもしれないけど、
ケント・ナガノの透明な響きは明るく輝いて、
細部まで丁寧に繊細な表現は最高の仕上がりである。
クラウス・フローリアン・フォークトの歌声が心地いい。
でも大地の歌では、はじめての印象でこういうイメージはなく、
しかし私は、バイロイトの「マイスタージンガー」で
ワルターを歌うこの声にすっかり慣れているので
うっとり聞いて、いいではないか!って。
これなら…イアン・ボストリッチでも行けるということ。
クラウス・フローリアン・フォークトとクリスティアン・ゲルハーヘルで
現在、最も人気のある若手スターを起用しているわけだが、
大地の歌という点では、ケント・ナガノはかなりの実験を試みていると
賛否両論は出てくるのか?私は大いに気に入ってはまっている。
それにしても大地の歌は何て素晴らしい音楽なのか…
たまに聞くとこれがまた、ぐっと来てしまって、心にしみる。
ケント・ナガノの指揮による大地の歌に関しては、
1999年のザルツブルク音楽祭におけるウィーンフィルとの演奏
そしてベルリン・ドイツ交響楽団2000/2001における演奏と
私が聞くのは今回で3種類目になるのだが、
現在のケント・ナガノを知る重要な機会でもあり、
素晴らしすぎる。今年の最高の一枚となるのでは。

SONY 88697508212

「ケント・ナガノ」に関する記述はホームページにもございます
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2009年6月12日 (金)

カラヤンの1970年代 13

今日はモーツァルトの歌劇「フィガロの結婚」。
カラヤン指揮ウィーンフィルによる1978年4,5月の録音。
フィガロをヨセ・ファン・ダム、スザンナをイレナ・コトルバス、
そしてアルマヴァーヴァ伯爵をトム・クラウセ、
伯爵夫人をアンナ・トモワ・シントウ、
ケルビーノはフレデリカ・フォン・シュターデ、…
というふうに当時のベストの配役が集められているのだろうか。
音楽は楽しいし、歌手もいきいきと表情豊かに歌っていて、
しかしそこでカラヤンは、決して崩してしまうことはなく、
格調高さまで感じられる端正で引き締まった造形、
あくまでもスタイリッシュな姿勢を貫くのである。
堂々とした構えがそびえ立ち、威厳に満ちた響き、
ベームもカラヤンもこの時代の特長なのだろうか。

DECCA 475 7045

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2009年6月11日 (木)

ウラディーミル・アシュケナージ

アシュケナージの少し前に発売されたCDで
ベートーヴェンのディアベッリの主題による変奏曲。
2006年7月29日から8月2日にかけての録音。
発売当時も欲しい、そしてずっと買おうと思っていたのだけど、
何となく時期を逃してしまって、これまで遅れていたのが、
先日特価セールのコーナーで発見して、かなりの安い値段が!
今回は早速手にとって、迷わず買ってきた。
アシュケナージ独特の運動性がいきいきと心地よく、
現在だからこその思い切りのいい迫力あるフォルテ、
楽観的に前向きな表現は内向的よりは発散の方向だが、
全体に大らかな音楽性を示しつつも
細部までじっくり描きこまれているのは魅力である。
そしてこの作品ならではのユーモアのセンスだろうか。
アシュケナージのピアノ・ソナタに関しては昔から有名だが、
ディアベッリの主題による変奏曲を充実の演奏で
素晴らしい録音に残してくれたことは喜びである。

DECCA 475 8401

「ウラディーミル・アシュケナージ」に関する記述はホームページにもございます
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2009年6月 9日 (火)

ノリントンのモーツァルト 4

ロジャー・ノリントン指揮シュトゥットガルト放送交響楽団による
モーツァルトの交響曲6枚組ボックスから今日は4枚目。
交響曲 第22番 ハ長調 K.162(2006.9.8)
交響曲 第33番 変ロ長調 K.319(2006.9.12)
交響曲 第38番 ニ長調 K.504 「プラハ」(2006.9.10)
第22番と第33番は通常の聞き方で自然に聞けるのだけど
第38番「プラハ」が強烈に刺激的でこれは面白い!
冒頭の悲劇的な叫びなど、まるで「ドン・ジョヴァンニ」のようで
あまりの凄さにびっくりしてしまった。心えぐられるような迫力。
一方で第2楽章などは実に軽やかに、この流麗さは心地よく、
終楽章は再びティンパニ炸裂、鮮やかなメリハリに感心するばかり。
ちょっと「プラハ」はやりすぎかな?って、思ってしまうけれど
でも今どきこれぐらい!ノリントンには期待しなくては。
第33番も大好きな交響曲で魅力的な演奏だが、
やはりこのCDは何といっても「プラハ」でしょう。

Hanssler CD-No.93.230

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2009年6月 8日 (月)

第1646回N響定期公演

5月のN響定期公演からオリ・ムストネンの
指揮・ピアノ・作曲による演奏会。
最初にムストネンの作曲による「3つの神秘」
続いてベートーヴェンのピアノ協奏曲では独奏を務めた。
ニ長調の協奏曲で、この作品はヴァイオリン協奏曲を
ベートーヴェン自身がピアノ版に編曲したものである。
後半はシベリウスの交響曲第6番と「フィンランディア」。
5月9日にNHKホールで収録されたものを
BS2で録画して映像付きで聞いている。
ベートーヴェンのこの協奏曲はたまに聞く機会があるが、
やはり珍しく、面白いとは思うのだけど、
というのはベートーヴェンがピアノに直すとずっと複雑な印象で
得意のピアノでより作曲の意図に近いものが表現されているのか?
でも普通にヴァイオリン協奏曲で聞いた方がいいかな。
そしてシベリウスだが、私は大好きなので
特にこの交響曲第6番などは最高である。
明るく牧歌的でありながら、その緻密さもたまらない。

DVDR107

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2009年6月 6日 (土)

ベルリンフィル2007/2008

ベルリンフィルのワルトビューネ・コンサート2008
指揮はグスタボ・ドゥダメルが登場。
チャペスの交響曲第2番「インディオ交響曲」
ファリャのスペインの七つの民謡
レブエルタスのセンセマヤ
ヴィラ・ロボスのブラジル風のバッハ第5番
ヒナステラのバレエ組曲「エスタンシア」作品8a
マルケスのダンソン第2番
ファリャとヴィラ・ロボスでの独唱は、
メゾ・ソプラノのアナ・マリア・マルティネスが出演。
アンコールにはアルゼンチンタンゴの巨匠で
オラシオ・サルガンによる「ア・フエゴ・レント」
バーンスタインの「ウエスト・サイド・ストーリー」からマンボ
そして最後はお馴染みリンケの「ベルリンの風」
(2008年6月15日ベルリン・ワルトビューネ野外音楽堂で収録)
BS2での放送を録画して映像付きで聞いている。
ファリャ、ヴィラ・ロボス、ヒナステラは知っているとしても
他の作曲家は正直縁がなく、今後も出会うことはないだろう…
というドゥダメルならではの独特な選曲である。
ブラジル風のバッハ第5番とヒナステラの「エスタンシア」は、
以前にデュトワがN響定期で取り上げていたのを覚えているけれど
バレエ組曲「エスタンシア」は面白い作品だ。こういう曲は大好き。
会場も大いに盛り上がっているが、何て楽しいコンサート!

DVDR106

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2009年6月 5日 (金)

ザルツブルク音楽祭2002

ザルツブルク音楽祭2002から
マリインスキー劇場管弦楽団の演奏会。
指揮はもちろんワレリー・ゲルギエフである。
いきなりプロコフィエフの交響曲第5番にはじまり、
ムソルグスキーの歌曲集「死の歌と踊り」
(バス独唱はパータ・ブルチュラーゼ)
ショスタコーヴィチによる管弦楽編曲版である。
そして最後にスクリャービンの法悦の詩
(2002年8月31日 ザルツブルク祝祭大劇場で収録)
近年のゲルギエフは少しイメージが変わりつつあり、
非常にしなやかに洗練された音楽を聞かせることもあるのだが、
ここでは少し前の録音でもあって、プロコフィエフの乾いた響きを
力強く壮大な広がりに不協和音なども大胆に強調して、
この強烈な印象はまさにゲルギエフとマリインスキーである。
プロコフィエフの交響曲第5番って、私は大好きなのだが、
ゲルギエフはプロコフィエフの作品に特別な愛情を注ぎこんでおり、
さすがに圧倒的な説得力を感じるこれぞ名演である。
ムソルグスキーの「死の歌と踊り」は、ショスタコーヴィチの編曲で
実際の仕上がりもいかにもショスタコーヴィチの音楽だが、
続くスクリャービンのとろけるような甘い音色といい
ここでのゲルギエフはそれぞれの方向性をはっきりと打ち出して
何て素晴らしいのだろう!いまロシア音楽がこんなにも好きなのって
ゲルギエフを聞いているからであり、ゲルギエフの存在がなかったら、
プロコフィエフもスクリャービンも私はそれほどには興味なかっただろう。
法悦の詩も圧倒的な輝きだけれども…現在のゲルギエフであったなら
デリケートな表現において、さらに研きがかかっているに違いない。

CDR543/544

「ワレリー・ゲルギエフ」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2009年6月 4日 (木)

シューマンの歌曲 6

ペーター・シュライアーによるシューマンの歌曲。
クリストフ・エッシェンバッハのピアノで
今日は歌曲集「詩人の恋」を中心に
それ以降の作品を作曲年代順に聞いている。

歌曲集「詩人の恋」 op.48 全16曲
あなたの顔は op.127-2
君の頬を寄せて op.142-2
127-2, 142-2:「詩人の恋」に入れる予定だった
リートと歌 第2集 op.51
1. あこがれ 3. ぼくはどこへも行かない
哀れなペーター op.53-3 (全3部)
スペインの歌芝居 op.74
7. 告白
リートと歌 第3集 op.77
5. 言伝て
子供のための歌のアルバム op.79
4. 春の挨拶 7. ジプシーの小さな歌Ⅰ
8. ジプシーの小さな歌Ⅱ 14. みなし児
27. 塔守りリュンコイスの歌
レーナウの6つの詩とレクィエム op.90
2. 私のばら 3. 出会いと別れ
3つの歌曲 op.95
2. 月に寄せて
ミンネの歌 op.101
4. 私の美しい星

歌曲集「詩人の恋」は感動的である。
ペーター・シュライアーは落ち着いて、安らぎもあり、
この曲にしては渋いような気もするが、
エッシェンバッハも寄り添うように味わい深い演奏である。
シューマンの歌曲も後半は地味な印象があるが、
聞けば聞くほど心に響いてくる魅力的な作品ばかりである。
まさに夜の世界。なんて心地のよい空間なのだろう。

iTunes CDR542

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2009年6月 3日 (水)

シューマンの歌曲 5

ペーター・シュライアーによるシューマンの歌曲。
クリストフ・エッシェンバッハのピアノで
あまりの素晴らしさに待ち切れず、続けて聞いてしまう。
今日は作品39のリーダークライスを中心に
ケルナーの詩による12の歌曲は残念ながら抜粋。

ケルナーの詩による12の歌曲 op.35より
3. 旅へのあこがれ 4. 新緑 8. ひそかな愛
11. 誰がお前をそんなに悩ますのだ 12. 古いリュート
「愛の春」からの12の詩 op.37より
1. 天はひとつぶの涙をこぼした 5. ぼくは吸い込んだ
9. ああ太陽よ、ああ海よ、ああばらよ
リーダークライス op.39 全12曲
5つの歌曲 op.40

1980年代の後半でペーター・シュライアーの歌声は、
角が取れて丸くなっている印象もあり、肩の力は抜けて、
滑らかに優しさも感じられる歌に影響されたのか、
エッシェンバッハのピアノが心のこもった自在な表情。
限りなく繊細に透明な世界が広がる。
こんなに素晴らしいシューマンはちょっと聞けない。

iTunes CDR541

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2009年6月 2日 (火)

シューマンの歌曲 4

ペーター・シュライアーによるシューマンの歌曲。
クリストフ・エッシェンバッハのピアノで
正確な録音時期はわからないのだが、
1988年という情報を見つけた。
それ以上はちょっとわからない。
CD3枚分あるのだが、作品番号順に聞いていく。

リーダークライス op.24 全9曲
歌曲集「ミルテの花」 op.25から
1. 君に捧ぐ 2. 自由な心 3. くるみの木
7. はすの花 15. ヘブライの歌より「ぼくの心は暗い」
21. どうしたというのだ、この孤独な涙は
24. 君は花のよう 25. 東方のばらより 26. 終わりに
リートと歌 第1集 op.27から
せめて優しいまなざしをop.27-5

よく知っているペーター・シュライアーの歌声は魅力だが、
エッシェンバッハのピアノがあまりにも素晴らしく!感激。
軽めの響きで明るく透明な音色はこの時期すでに完成されており、
非常にクリアな音でスッキリと明解な仕上がり。
シューマンの歌曲にはぴったりの美しい表情付けで
エッシェンバッハのピアノはやっぱりいいなあ。

iTunes CDR540

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2009年6月 1日 (月)

ベルリンフィル2006/2007

ベルリンフィルのワルトビューネ・コンサート2007
去年の春にBS2で放送されたものですでに聞いているのだが、
ダビング10解禁後にBShiで再放送してくれたので
今回はデジタル放送からの録画により高音質である。
テーマは「ラプソディ」で指揮はサイモン・ラトル。
シャブリエの狂詩曲「スペイン」にはじまり、
ディーリアスの「ブリッグの定期市(イギリス狂詩曲)」
そしてラフマニノフのパガニーニの主題による狂詩曲
ピアノ独奏はスティーブン・ハフである。
アンコールにモンポウの「こどもの情景」から「庭の乙女たち」
後半はドヴォルザークのスラブ狂詩曲 作品45-1
ベルリンフィルの首席奏者ウェンツェル・フックの独奏で
ドビュッシーのクラリネットのための第1狂詩曲
そしてエネスコのルーマニア狂詩曲というプログラム。
アンコールにプロコフィエフの組曲「3つのオレンジへの恋」から
「王子と王女」と「行進曲」の2曲
最後はいつものパウル・リンケの「ベルリンの風」
(2007年6月17日 ベルリン ワルトビューネ野外劇場)
天気もよくて、しだいに日が暮れてくる空の色の変化が美しく、
コンサートもフィナーレが近付いたエネスコのルーマニア狂詩曲で
遠く彼方に夕焼けが広がっているその映像の素晴らしいこと!
ラトルがまたこういう作品でのセンスは抜群で
表情豊かにいきいきとじっくり歌いこんでいるのだが、
さわやかな風が気持ちよく、何て魅力的なコンサート!

DVDR105

「サイモン・ラトル」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2009年5月30日 (土)

ノリントンのモーツァルト 3

ロジャー・ノリントン指揮シュトゥットガルト放送交響楽団による
モーツァルトの交響曲6枚組ボックスから今日は3枚目。
交響曲 第8番 ニ長調 K.48(2006.9.12)
「ポストホルン」セレナードによる交響曲 ニ長調 K.320(2006.9.8)
交響曲 第40番 ト短調 K.550(2006.9.17)
素晴らしい!選曲も魅力的だし…というのは、
私は「ポストホルン」セレナードが大好きなので楽しいのだ。
ここでは第2楽章に配置された短調の楽章の美しさ。
そしてプレストの終楽章。最高である!
ト短調の第40番は激しさを強調した演奏だった。
ここは非常に今日的なアプローチで
でもやはりもう少し優美さの感じられる方がいいのかな?
あえてかなり筋肉質な運動性を前面に出して、
シュトゥットガルト放送交響楽団もエネルギッシュである。
このスピード感はもしかしたら世界最速かも?
慣れ親しんだ交響曲ではあるが、ここでもノリントンは
新鮮な面白さに興味は尽きない見事な仕上りを実現している。
こちらも終楽章の緊張感ある展開には感動した。

Hanssler CD-No.93.230

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2009年5月29日 (金)

シューベルトの歌曲 29

今回はグレイアム・ジョンソンのシリーズで
「Schubert and Death」という一枚。
歌っているのは、メゾソプラノのブリギッテ・ファスベンダー。
1990年6月7-10日にロンドンで収録されたもの。

変容「天の炎の生命の火」 D.59、亡霊の踊り D.116、
トゥーレの王 D.367、至福「ミンネリート」 D.433、
冥界に下るオルフェウスの歌 D.474、死に寄せて D.518、
死と乙女 D.531、完了 D.579A(D.989)、楽園 D.584 (1817)、
テクラ、霊の声 D.595、夜の曲 D.672、
ミニョンⅡ「このままの姿でいさせて下さい」 D.727、
白鳥の歌 D.744、ヘリオポリスⅠ「冷たい風の北国で」 D.753、
ヘリオポリスⅡ「累々たる岩」 D.754、水の上で歌う D.774、
バッカス讃歌 D.801、解消 D.807、弔いの鐘 D.871

地味な印象もある渋い作品が並んでいるが、
グレイアム・ジョンソンのピアノが何と魅力的なことか!
肩の力は抜けて、味わい深い表情はさりげなく。
全体にしっとりと落ち着いた色調に統一されているが、
その中にあって「至福」や「楽園」は明るい輝きが美しい。
「夜の曲」の透明感や「水の上で歌う」の細やかさも
絶品。
「ヘリオポリスⅡ」の追い詰められていく感覚は大好きである。

iTunes CDR539

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2009年5月28日 (木)

ウィーンフィル2007/2008

シェーンブルン宮殿で行われた野外コンサート。
ズービン・メータ指揮ウィーンフィルによる演奏。
ウェーバーの「オベロン」序曲にはじまり、
ショパンのピアノ協奏曲第2番(独奏はラン・ラン)
そしてベートーヴェンの交響曲第5番である。
2008年6月28日にウィーンのシェーンブルン宮殿で収録。
BS2で先日の放送を録画して映像付きで聞いている。
私の大好きな「オベロン」序曲ですぐに引き込まれる。
ウィーンフィル独特の軽やかな流れが気持ちいいのだが、
しかし屋外ということで響きが薄く、さすがにこれでは残念。
続いてラン・ランが登場のショパンのピアノ協奏曲は注目である。
私の印象では、ラン・ランはちょっと表情付けがくどいかな?
その興奮にはかえられないけれど、やりすぎ!という場面も
ときにあるのだけれど、しかしかなり洗練されてきている気がする。
ヴィルトゥオーゾ的な方向性をはっきりと打ち出し、
その華麗なテクニックは実に魅力的な存在なのだが、
粒立ちのよい音、美しい色彩は、透明感が増してきているようである。
勢いで突っ走るだけでないバランス感覚とコントロールが備わってきた。
メータのベートーヴェンは面白い。1970年代のような巨匠的な風格。
現代の流行には目もくれず、自分のスタイルを貫いているメータ。
スローテンポで堂々の貫禄を示し、屋外ということで細部に配慮したのか?
結果的には表情豊かにウィーンフィルの特長もよく表れている。
アンコールにヘルメスベルガーのポルカ「軽い足どり」(ウィーンフィル)
リストのハンガリー狂詩曲第2番(ラン・ランが再び登場)
エドゥアルト・シュトラウスのポルカ「ブレーキかけずに」(ウィーンフィル)
最後にもう一曲ラン・ランの独奏でショパンの英雄ポロネーズ。
会場も盛り上がっているけれど、こちらも最高に楽しい。

DVDR104

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2009年5月22日 (金)

ノリントンのモーツァルト 2

ロジャー・ノリントン指揮シュトゥットガルト放送交響楽団による
モーツァルトの交響曲6枚組ボックスから今日は2枚目。
交響曲 第12番 ト長調 K.110(2006.9.7)
交響曲 第29番 イ長調 K.201(2006.9.6)
交響曲 第39番 変ホ長調 K.543(2006.9.10)
もちろんノリントンのモーツァルトはたいへんに魅力的。
しかしベートーヴェンで圧倒的な衝撃を生み出し、
ブラームスやシューマン、メンデルスゾーンなどで
新鮮な感覚で音楽を蘇らせた…あの喜びを思い出すと
モーツァルトはこれが自然なのであり、
贅沢なことをいってしまえば、20世紀的なスタンダードで
カール・ベームやブロムシュテット、スウィトナー、…
こことは全く別世界の重厚さだが、それはそれで感動的である。
つまりはノリントンの演奏でもモーツァルトの後期の交響曲の方が
断然に面白くなり、お馴染みの第39番は最高だ。
第29番も快調なテンポでいきいきと躍動している。
それにしてもシュトゥットガルト放送交響楽団は上手い!

Hanssler CD-No.93.230

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2009年5月21日 (木)

第1645回N響定期公演

4月のN響定期公演から
エド・デ・ワールトの指揮による演奏会。
すでに聞いたNHKホールでの二公演では
R.シュトラウスとワーグナーが中心であったが、
今回は面白くて、前半がロシア、後半がベートーヴェンである。
ショスタコーヴィチの祝典序曲にはじまり、
プロコフィエフの交響的協奏曲(独奏はトルルス・モルク)、
そしてベートーヴェンの交響曲第5番というプログラム。
4月15日にサントリーホールで収録されたものを
BS2で録画して映像付きで聞いている。
ショスタコーヴィチの祝典序曲はその明るさと楽しさが魅力だが、
エド・デ・ワールトの音色もすっきりと青空が晴れわたるようで
何とも気持ちのいい演奏である。軽快な動きは鮮やかだ。
プロコフィエフの交響的協奏曲も同じ方向性で進むけれど
私の大好きなトルルス・モルクなので、これは聞きものである。
エド・デ・ワールトがどの程度にロシア音楽に深く取り組んでいるのか
私は知らないのだが、ショスタコーヴィチにしてもプロコフィエフにしても
ぜひ今度は交響曲が聞いてみたくなってしまう。
そしてベートーヴェンでは、手堅くきっちりまとめてくれた。
これで最後にしっかり引き締まったのである。
スタンダードではあるが、こうして聞かせてくれるのだから
エド・デ・ワールトの職人的技と高度に安定した実力を堪能!

DVDR103

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2009年5月20日 (水)

シューベルトの歌曲 28

ウルリヒ・アイゼンローアのピアノによる
シューベルトの歌曲集である。
今回は「Schubert's Friends」というタイトル。
マイアホーファーを中心に友人たちの詩による歌曲。
歌っているのはテノールのライナー・トロスト。
2007年4月24-27日にチューリヒで収録されたもの。

マイアホーファーの詩による歌曲
別れ D.475、秘密、フランツ・シューベルトに D.491、
雷雨のあと D.561
シューベルトの自作の詩による歌曲
別れ D.578
マイアホーファーの詩による歌曲
孤独に D.620、夜の曲 D.672、
怒れるディアーナに D.707
ヒュッテンブレンナーの詩による歌曲
丘の上の若者 D.702
ゼンの詩による歌曲
至福の世界 D.743、白鳥の歌 D.744
コリンの詩による歌曲
リンツの判事補ヨゼフ・シュパウン氏に「書簡」 D.749、
小人 D.771
シュレヒタの詩による歌曲
歌人の持ち物 D.832、墓掘人の歌 D.869、漁師の歌 D.881

素晴らしい!選曲は少々地味なような気もするが…
「孤独に D.620」が17分に及ぶ大作で
じっくり聞いたのはフィッシャー・ディースカウでぐらいか
緊張感と集中力、その迫力、内面的深まりには感動である。
私は「小人 D.771」が大好きで、そして明るく楽しい「漁師の歌 D.881」

iTunes CDR536

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2009年5月19日 (火)

セルジュ・チェリビダッケ 22

チェリビダッケ指揮ミュンヘンフィルの来日公演から
1986年10月22日サントリーホールでのライブ録音を聞いている。
サントリーホールのこけら落としのシリーズでの演奏会。
ブルックナーの交響曲第5番(ハース版)である。
毎回いうまでもないのだけれど、徹底したこだわりによる
美しい響きの調和が追求されているのに感動する。
チェリビダッケのブルックナーを聞いて、
テンポが遅いなんて、私は感じないのだが、
でも実際はかなりのスローテンポである。
しかし1986年というとまだその集中力は圧倒的充実なのであり、
引き締まった音楽が造形されているという印象がある。
やっぱりチェリビダッケのブルックナーは格別だ!

Altus CDR534/535

「セルジュ・チェリビダッケ」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2009年5月15日 (金)

シューベルトの歌曲 27

ウルリヒ・アイゼンローアのピアノによる
シューベルトのゲーテの詩による歌曲集。
このシリーズはウルリヒ・アイゼンローアを中心に
かなりの枚数がすでに出ているようで
グレイアム・ジョンソンの偉業が目標なのかもしれないが
毎回歌手が適材適所に変わるというのも同じである。
去年のちょうど今頃にロマン・トレケルの名前を見つけて
はじめて聞いて以来、続きを聞こう聞こうと思いつつ
あっという間に一年が過ぎてしまった。
今回はソプラノのルート・ツィーザクである。
D.126、D.161、D.877-1の3曲は重唱の作品で
テノールのクリスティアン・エルスナーが共演。

糸を紡ぐグレートヒェン D.118、
ゲーテの「ファウスト」の一場面 D.126、
憩いなき愛 D.138、ミニョンに D.161、
恋人の近くに D.162、クレールヒェンの歌「愛」 D.210、
糸を紡ぐ女 D.247、悲しみの喜び D.260、
あこがれ「ただ憧れを知る者だけが」 D.310a、
あこがれ「ただ憧れを知る者だけが」 D.310b、
ミニョン「君よ知るや南の国」 D.321、
あこがれ「ただ憧れを知る者だけが」 D.359、
あこがれ「ただ憧れを知る者だけが」 D.481、
スイスの歌 D.559、グレートヒェンの祈り D.564、
恋する女の手紙 D.673、
ズライカⅠ「吹き通うものの気配は」 D.720、
ズライカⅡ「ああ、湿っぽいお前の羽ばたきが」 D.717、
ミニョンⅠ「話せと命じないで下さい」 D.726、
ミニョンⅡ「このままの姿でいさせて下さい」 D.727、
「ヴィルヘルム・マイスター」からの歌 D.877
ミニョンと竪琴弾き「ただ憧れを知る者だけ」 D.877-1、
ミニョンの歌Ⅰ「話すようにと言わないで下さい」 D.877-2、
ミニョンの歌Ⅱ「もうしばらくはこのままの姿に」 D.877-3、
ミニョンの歌「ただ憧れを知る者だけが」 D.877-4

ソプラノでゲーテ歌曲ということでミニョンの歌が揃っているが、
ルート・ツィーザクの清潔感ある歌声が素晴らしいし、
ウルリヒ・アイゼンローアのピアノがまたすごく魅力的なのである。

iTunes CDR533

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2009年5月14日 (木)

マーラーの名盤たち 3

アバド指揮ウィーンフィルによる交響曲第3番。
1980年9月19,22,26日にウィーン楽友協会での収録である。
アバドは後にベルリンフィルで再録音しているし、
近年のルツェルン祝祭管弦楽団との映像もあるのだが、
これが最も古い録音で久しぶりに聞いてみたいと思っていた。
この演奏が私の初めて買った第3番のCDで
最初に聞いたときには、とにかく長いので
正直なところ全体を把握するのは困難だった。
マーラーでも最も自然描写のあふれる美しい作品であるが、
よくわからないで聞いているときれいなだけの音楽の気もして…
でも今では、とにかく聞きまくっているし、慣れ親しんでいるので
本当に素晴らしい、すみずみまで魅力たくさんの交響曲である。
それでアバドの1980年盤をいま聞いてみると
ウィーンフィルだし繊細な表現は極めて優れているが、
今日の緊張感に満ちた引き締まった解釈に比べると
ちょっと間延びしているような印象もある。
第3楽章のポストホルンだが、最近でははっきり聞こえて、
目の前にマイクをセットしたのではないかという録音もあるのだが、
ここではまさに遠く彼方から響いてくるような感覚であり、特長である。
後半に行くにしたがって、より浄化されていくようであり、
終楽章は特に感動的だ。アバドならではの丁寧な表現。

DG 410 715-2

「クラウディオ・アバド」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2009年5月13日 (水)

ザルツブルク音楽祭2008

昨年のザルツブルク音楽祭から開幕コンサート
ピエール・ブーレーズ指揮ウィーンフィル演奏会である。
ラヴェルの優雅で感傷的なワルツにはじまり、
バルトークのピアノ協奏曲第1番
ピアノ独奏はダニエル・バレンボイム
後半はストラヴィンスキーのバレエ音楽「火の鳥」(全曲)
2月にBShiで録画したのだが、残念なことに
バルトークの第3楽章で音飛びと映像の乱れが発生。
たまにこういうことが起こるのである…
来月、今度はBS2で再放送されるようなので
もう一度挑戦!演奏は圧倒的な素晴らしさ。
特に「火の鳥」は夢の世界にいるような魅力の結晶。

DVDR102

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2009年5月12日 (火)

ノリントンのモーツァルト 1

ロジャー・ノリントン指揮シュトゥットガルト放送交響楽団による
モーツァルトの交響曲6枚組ボックスから今日は1枚目。
交響曲 第1番 変ホ長調 K.16(2006.9.5)
交響曲 第25番 ト短調 K.183(2006.9.5)
交響曲 第41番 ハ長調 K.551 「ジュピター」(2006.9.17)
もちろんのこと古楽的なアプローチだが
もうちょっと刺激的かな?って期待していたけれど、
意外にソフトな印象で響きもしなやかに柔らかく。
表情付けや響きの造り、解釈については十二分に面白い。
でもこれが本来あるべき姿に落ち着いているという印象からすると
マーラー、ブルックナーなどの圧倒的新鮮さとは少し違っている。
ではあるが…やっぱり「ジュピター」などは聞かされてしまう。
シュトゥットガルト放送交響楽団はピリオド奏法が上手すぎるのか?
ベルリンフィルやウィーンフィルだったらどうなるのだろう?

Hanssler CD-No.93.230

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2009年5月11日 (月)

ゲヴァントハウス管弦楽団2008/2009

ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の
メンデルスゾーン生誕200年記念ガラ・コンサート
リッカルド・シャイーの指揮である。
演奏されたのはすべてメンデルスゾーンの作品で
珍しい「トランペット序曲」にはじまり、
ピアノ協奏曲第1番をラン・ランの独奏で
(アンコールはショパンの別れの曲)
そして交響曲第3番「スコットランド」
アンコールに交響曲第5番「宗教改革」から第3楽章
劇音楽「真夏の夜の夢」から結婚行進曲
(2009年2月3日ゲヴァントハウスで収録)
BShiで録画して映像付きで聞いている。
今回もゲヴァントハウス管弦楽団のメンデルスゾーンは
圧倒的に素晴らしい。ブロムシュテットの指揮でも最高だった。
メンデルスゾーンゆかりのオーケストラであり、
いつも大切にして、実際に得意なのであろうが、
それにしても何て魅力的な響きを奏でるのか!
元々は渋い音のオーケストラだと思うけど
シャイーは明るい音色を持ち込んで、すごくいいと思う。
「スコットランド」は通常とは違う版が用いられていて、
また「初稿」とか?何か特別な企画があるに違いない。
そして解釈の点でもシャイーはピリオド的な方向性を取り込んで
仕上がりとしては、緊張感に満ちて、シンフォニックなのである。
もちろん今回もラン・ランは魅力的な存在だ。
アンコールの「別れの曲」には夢中になってしまった。

DVDR101

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2009年5月10日 (日)

第1644回N響定期公演

4月のN響定期公演から
エド・デ・ワールトの指揮による演奏会。
チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲
独奏はジャニーヌ・ヤンセンである。
アンコールにバッハの無伴奏パルティータ第2番からサラバンド
そして後半はR.シュトラウスのアルプス交響曲
4月10日にNHKホールで収録されたものを
BS2で録画して映像付きで聞いている。
今回も素晴らしい。よく鳴っている。
ジャニーヌ・ヤンセンの協奏曲も基本はスケール大きいのだが、
高度なテクニックでもちろん細部まで鮮やかに。
そしてエド・デ・ワールトのR.シュトラウスがやはり最高。
大好きなアルプス交響曲だが、雄大に鳴り響く音楽は壮観!
豊かな情景を思わせる細やかな描写は職人的な丁寧さが輝き、
本当に魅力的な指揮者である。こういう人こそ貴重な存在!
やっぱりアルプス交響曲はいいなあ。

DVDR100

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2009年5月 2日 (土)

第1643回N響定期公演

4月のN響定期公演はエド・デ・ワールトの指揮だった。
世界的な大物指揮者の登場はうれしい!
R.シュトラウスの4つの最後の歌
独唱はスーザン・バロックである。
そしてワーグナーの「ニーベルングの指環」より
ヘンク・デ・フリーハーの編曲による
「指環-オーケストラル・アドベンチャー」
後半の「ブリュンヒルデの自己犠牲」では、
再びスーザン・バロックが登場。
今回は残念ながら「ラインの黄金」は省略されている。
4月4日にNHKホールで収録されたものを
BS2で録画して映像付きで聞いている。
たっぷりと鳴り響き、素晴らしい。
R.シュトラウスとワーグナーといえば、
エド・デ・ワールトの得意のレパートリーである。
「ニーベルングの指環」の名場面集だが、
管弦楽部分の抜粋というとどうもつながりが不自然で
いくら私が好きだからとはいえ、かえって
その無理な編曲にストレスを感じることもあるのだけど、
今回は物語の流れも考慮されているし、まあまあ。
でもやはり「指環」は全曲を聞きたい。
時間がかかる。たいへんなエネルギーである。
でもだからこそ、他では決して味わえない感動がある。
適度な時間の中に全体をうまくまとめあげているのだが、
聞けば聞くほど、「指環」の全曲演奏が聞きたくなってくる。
そういう思いにさせるという点でもこれは成功なのかもしれない。
葬送行進曲以降はじっくりと聴かせてくれるので堪能した。

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2009年5月 1日 (金)

ゲヴァントハウス管弦楽団2004/2005

ヘルベルト・ブロムシュテットの指揮で
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のライブ盤。
このボックスセットも最後の一枚となった。
2004年11月5,6日のメンデルスゾーン・プログラム。
序曲「ルイ・ブラス」にはじまり、ピアノ協奏曲第2番。
ピアノ独奏はベルント・グレムザーである。
そして後半は交響曲第3番「スコットランド」。
素晴らしい演奏だ。この美しい響きにはただただ感動!
ブロムシュテットのメンデルスゾーンというのは、
昔から定評があったと思うのだけど、それにしても
近年のライプツィヒでの演奏は極上としかいいようがなく…
結果としてこのライブボックスは本当に隙がなく、
ブルックナー、ブラームス、ニールセン、ベートーヴェン、
レーガー、そしてここでのメンデルスゾーンというふうに
さすがに集大成というか、圧倒的な自信作なのであり、
完璧な仕上がりであった。私的にはこれほどまでに
満足であり、納得であり、喜びを与えてくれる演奏には
そうは出会えるものではなく、通常ならばライプツィヒを中心に
中部ドイツにいなければ聞けない音源であるのだから、
このシリーズが世界に向けて発信されたことに感謝である。

QUERSTAND VKJK0507

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2009年4月30日 (木)

フィルハーモニア管弦楽団2007来日

つい先日BShiで再放送された
フィルハーモニア管弦楽団の2007年来日公演。
エリアフ・インバルの指揮でマーラーの交響曲。
前半が交響曲第10番 から「アダージョ」
そして後半は交響曲第1番「巨人」である。
(2007年7月4日 東京芸術劇場で収録)
インバルといえばマーラーというほどに定着しているが、
ここでも文句なしの貫禄の素晴らしさである。
第10番では全体に早めのテンポであり、
流れるような仕上がりは実に聞きやすい。
「巨人」の方が動きは大きくなって、感情表現も豊かに
実に感動的である。美しい演奏だ。
若々しいエネルギーにも満たされている。
フィルハーモニア管弦楽団は機能性に優れ、
明るい響きと色彩的な音色がやはり魅力的。

DVDR098

「エリアフ・インバル」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2009年4月28日 (火)

バンベルク交響楽団1990来日

先月だったか?NHK-Eで再放送された
バンベルク交響楽団の1990年来日公演。
4月28日にサントリーホールで収録されたもので
指揮はホルスト・シュタインである。
ブラームスのピアノ協奏曲第1番を
エリーザベト・レオンスカヤの独奏で。
そして後半は同じくブラームスの交響曲第1番。
デジタル放送なので音はいいのだが、映像が悪い…
当時はハイビジョン収録でなかったのだろう。
でも本当に素晴らしいブラームスである。
さすがにホルスト・シュタインの指揮だ!
歌心に満たされて、美しい演奏。
バンベルク交響楽団も基本は渋いけど
明るい音色をいかして、暖かみの感じられる響き。
特に交響曲第1番はひたすら感動である。

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2009年4月27日 (月)

ゲヴァントハウス管弦楽団2004/2005

ヘルベルト・ブロムシュテットの指揮で
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のライブ盤。
ヨハン・アダム・ヒラーによる序曲「狩」
レーガーによるヒラーの主題による変奏曲とフーガ
ジークフリート・マシューズの管弦楽のための協奏曲「レスポンソ」
ヒラーは1999年9月23,24日、レーガーは2004年9月3日、
マシューズは2004年9月9,10日にゲヴァントハウスで収録
すべてはじめて聞いた作品だが、素晴らしい!感動的だ。
古典的で明るく楽しいヒラーの序曲「狩」にはじまり、
ヒラーの主題を用いて、レーガーは後期ロマン派風に
濃密に大胆に発展させて、実に美しい音楽である。
変奏曲とフーガで厳格な形式によるけれど、堅苦しさはない。
ジークフリート・マシューズは現代音楽に分類されるのか?
しかし難しさは全く存在しなくて、ストラヴィンスキー風であったり、
マーラーの後期の作風が感じられたりして、
色彩的な音色、大胆なリズムの扱い、迫力の音響、
すごく気に入った。思った以上に心地よいのである。

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2009年4月17日 (金)

ゲヴァントハウス管弦楽団2000/2001

ヘルベルト・ブロムシュテットの指揮で
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のライブ盤。
ニールセンとベートーヴェンの交響曲が取り上げられ
どちらも第5番が演奏されるという興味深いコンサート。
(2000年10月5,6日にゲヴァントハウスで収録)
このボックスも3枚目だが、これまた素晴らしい。
録音が優秀で仕上りの点で圧倒的完成度なのである。
ブロムシュテットが得意にしているニールセンだが、
私はこの第5番が特に好きで、最高である。
細かな響きにまで、さすがに深い理解であり、
その輝きと透明感、強い説得力に感動する。
そしてベートーヴェンが渋い。まさに普遍的な解釈。
目先の効果は求めず、ただただ誠実に音楽を大切に扱って。
第3楽章のスケルツォも反復を行って、
このスタイルが増えているようだ。私はいいと思う。

QUERSTAND VKJK0507

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2009年4月15日 (水)

ベルリンフィル2000/2001

ベルリンフィル2000/2001シーズンからの定期演奏会。
昨日に続いてパーヴォ・ベルグルンドの指揮で
今日は後半に演奏されたショスタコーヴィチの交響曲第8番。
(2001年5月17日 ベルリン・フィルハーモニーで収録)
ベルグルンドは素晴らしい!渋い印象ながら深く感動。
北欧的な透明感であり、この作品に独特な重苦しさは
比較的薄まっているようにも感じられるけれど、
鋭い厳しさが痛烈に響いてきて、やはり苦悩の音楽である。
表面的な効果など狙わずにとにかく丁寧な職人芸。
ベルグルンドはスター指揮者ではないかもしれない。
しかしこういう人こそ、本当に貴重な存在で宝である。
ベルグルンドの指揮だとベルリンフィルもこうなるのか!

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2009年4月14日 (火)

ベルリンフィル2000/2001

ベルリンフィル2000/2001シーズンからの定期演奏会。
クラウディオ・アバドの指揮によるストラヴィンスキーは
「タンゴ」「ラグタイム」「ロシア風スケルツォ」の小品3曲。
そしてショスタコーヴィチが編曲した「タヒチ・トロット」
ガーシュインの「キャットフィッシュ・ロウ」組曲
これは歌劇「ポーギーとベス」からの小品。
面白い企画である。これぞ極上の娯楽であり、楽しめる。
(2001年3月7日 ベルリン・フィルハーモニーで収録)

そして続いてパーヴォ・ベルグルンドの指揮で
ストラヴィンスキーのピアノと管楽器のための協奏曲
ピアノ独奏はオリ・ムストネン。コンサートの前半である。
この日のメインはショスタコーヴィチの交響曲第8番。
ベルグルンドらしい素晴らしい選曲だ!続いて聞いていきたい。
(2001年5月17日 ベルリン・フィルハーモニーで収録)

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2009年4月13日 (月)

フィラデルフィア管弦楽団2006/2007

エッシェンバッハのマーラー「復活」を聞いている。
フィラデルフィア管弦楽団で2007年5月のライブ録音。
弦楽器の音色が非常に柔らかく、管楽器の輝きも魅力であり、
奥行きの感じられる空間、素晴らしい演奏そして録音である。
豊かな響きが立体的に広がって、暖色系の多彩な音色は、
ONDINEのこのシリーズで多かった平面的で冷たい印象とは違って、
私にとっては好ましく、うれしい仕上りである。
でもちょっと曇っている感じもして、録音において
さらに透明感があったなら、完璧だったのに…
よく歌い込まれているが、現在のエッシェンバッハは、
かなり整理が行き届いており、オーケストラのコントロールも鮮やかに
もっと枠に納まり切らないような…あふれんばかりの迫力、濃厚さを
マーラーの音楽に体当たりでぶつけてくれるとさらに喜びだったかも。
こうした傾向というのは、現在の特徴といえるのか…
それとも特にフィラデルフィアにおけるエッシェンバッハの特徴なのか?

ONDINE ODE 1134-2D

「クリストフ・エッシェンバッハ」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2009年4月 9日 (木)

ゲヴァントハウス管弦楽団1999/2000

ヘルベルト・ブロムシュテットの指揮で
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のライブ盤。
今日はブラームスの交響曲第2番を聞いている。
(2000年4月27,28日にゲヴァントハウスで収録)
感動的なブラームスだ!これぞ名演の中の名演。
速くもなく遅くもなく、特別なことなど何にもなく、
しかしこんなにも心に響いてくるのはなぜ?
ブロムシュテットはブラームスの音楽に丁寧に取り組み、
誠実に真っ直ぐに、それに尽きるのだけれど、
これまで聞いてきた中でも私にとっては格別の名演である。
解釈や表現上の新鮮さ、面白さを目指さずに
淡々とごく普通に仕上げているのだが、
深みある音楽と彫りの深い造形が生み出されるまさに奇跡!
こうした偉大な巨匠の芸にふれるのは、
ベルナルト・ハイティンクのときも同じことを感じたのだった。
今回も録音が素晴らしく、ゲヴァントハウス管弦楽団の音色が
渋い中にも暖かさや優しさも伝わってきて、最高である。
全員が心をひとつにして、ただただ端正に音楽が築かれる。

QUERSTAND VKJK0507

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2009年4月 8日 (水)

受難週にてヨハネ受難曲

12日の復活祭を控え、今週は受難週である。
昨日と今日はバッハのヨハネ受難曲を聞いている。
ジョン・エリオット・ガーディナー指揮
イングリッシュ・バロック・ソロイスツの演奏、
合唱はもちろんモンテヴェルディ合唱団。
(1986年3月17-22日 ロンドンのオール・セインツ教会)
マタイ受難曲に比べてヨハネ受難曲の方が
より劇的な展開で激しさも感じられるだろうか?
明らかにバッハの音楽なのだけど、
ときに極めて現代の感覚に通ずる響きが聞こえてきて、
これはガーディナーの音作りゆえになのか?
鋭く音楽に踏み込んで、敏感にリアルな感触を生み出す
ガーディナー独特のバッハ像は私には魅力である。

iTunes CDR525/526

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2009年4月 6日 (月)

ゲヴァントハウス管弦楽団1998/1999

ヘルベルト・ブロムシュテットの指揮で
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の
1998年から2005年までのライブを集めた5枚組ボックス。
ずっと欲しかったのだが、少し前に特価で出ていたので
このチャンスを逃さずに購入してきた。
今日はその中からブルックナーの交響曲第3番。
もちろん1873年の第1稿による演奏である。
ブロムシュテットは好んで第1稿を取り上げている。
(1998年9月3,4日にゲヴァントハウスでライブ収録)
素晴らしい名演だ。まず感じるのが、音楽がよく整理されている。
何と見通しのいい。引き締まった響きで圧倒的な集中力。
ブロムシュテットのブルックナーはいつも好評なのだけど
その中でも特に優れている演奏といえるのではないか。
録音も優秀でライブの迫力と緊張感を見事に伝えている。
特に第2楽章の神秘的な清らかさは格別だし、
終楽章のたたみ掛けるような勢いにも興奮である。

QUERSTAND VKJK0507

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2009年4月 5日 (日)

オトマール・スウィトナー 11

先月BS2で放送されたドキュメンタリーで
「父の音楽~指揮者スウィトナーの人生」(2007)
オトマール・スウィトナーの現在を伝える貴重な映像である。
スウィトナーというとドレスデン、東ベルリンと
長く東ドイツで活躍してきたわけだが、
西ベルリンには愛人と息子が生活していて、
東西を行き来して、二重の生活をしていたそうなのである。
このドキュメンタリーはその息子である
イーゴル・ハイツマンが制作したもの。
そういうふうに書くと何だか複雑な人間模様のようだが、
決してそうではなくて、スウィトナーという人は、
我々がもっているイメージどおりに非常に誠実な人で
公私ともに音楽家を支えてきた妻の存在と
自由に会えなくとも深い愛情でつながっていた愛人と息子
この両者を実に大切にして、東西ドイツの統一後には
彼らの生活にも新しい時代を迎え、現在では家族として
幸福な時間を共有しているというそうした内容なのである。
当時のスウィトナーは知らぬ間に引退生活に入ってしまったのだが、
パーキンソン病による手の震えが原因で、それは現在ではよく知られ、
1990年にはベルリン国立歌劇場の音楽監督を辞任。
このドキュメンタリーでも自ら語っているように
指揮棒が持てなくなったら、オペラは振れないと
指揮台を下りてしまったのである。
その決意は固かったようで、今回17年ぶりになるのか
息子のためにということでベルリン国立歌劇場管弦楽団を久々に指揮した。
モーツァルトの交響曲第39番やシュトラウスのポルカ・マズルカ「とんぼ」、
そしてシューベルトの「ロザムンデ」間奏曲。とにかく感動した。
オーケストラを指揮しはじめると昔と少しも変わらない独特の姿がよみがえり、
音楽への理解、解釈も健在にブランクを感じさせないのである。
驚いたのが、当時主席ホルン奏者を務めていたセバスティアン・ヴァイグレが
スウィトナーとの共演のために演奏に参加していたのだ。
1960年代にバイロイト音楽祭で名声を築いたオトマール・スウィトナーと
現在バイロイトで活躍中のセバスティアン・ヴァイグレが
同じ音楽の舞台を共有しているという不思議なつながりである。
素晴らしいドキュメンタリーだった。懐かしい想いがあふれ出るように。
今年で87歳になると思われるが、いつまでも長生きしていただきたい。

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2009年4月 3日 (金)

チューリッヒ歌劇場2005/2006

チューリッヒ歌劇場で上演された
モーツァルトの歌劇「ドン・ジョヴァンニ」
フランツ・ウェルザー・メストの指揮で
演出はスヴェン・エリック・ベヒトルフ。
(2006年5月14,16,18日 チューリッヒ歌劇場)
BShiで放送されたものを録画して観ている。
現在ではもう全然驚かないけれど
メストが快調になかなかの刺激的な表現を披露している。
いきいきと力がみなぎって、同時に滑らかに流れるように。
サイモン・キーンリーサイドのドン・ジョヴァンニがカッコよくて、
しかしとことん悪を追及して、決して許しのない卑劣な役柄を見事に。
それにしてもレポレルロはかわいそうである。
利用されるだけ利用されて、しかしドン・ジョヴァンニを見限れない…
レポレルロはアントン・シャリンガーが演じている。
モーツァルトの音楽は楽しく優雅に、実に美しいのだが、
その内容はというと冗談きついよ!って。
現在の演出が、度が過ぎているのだろうか…
やはり人間の心の裏側にまで踏み込んでいかないと
面白い舞台は生まれないであろう。

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「フランツ・ウェルザー・メスト」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2009年3月31日 (火)

私が聞いた今年の名盤2009

まだあまり揃ってないけれど
今年の名盤の途中経過。


《交響曲》
今のところなし

《管弦楽》

◎ニューイヤーコンサート2009~バレンボイム指揮ウィーンフィル

《協奏曲》

◎ブラームス ヴァイオリン協奏曲、二重協奏曲
 ~ヴァディム・レーピン シャイー指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団


《室内楽》 《器楽曲》 《歌劇》 《声楽曲》
今のところなし

《ライブ盤》

◎ブルックナー 交響曲第4番(第1稿)~ノリントン指揮シュトゥットガルト放送交響楽団
○マーラー 交響曲第1番「巨人」~ハイティンク指揮シカゴ交響楽団

は特に大切に感じられる名盤です)

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2009年3月30日 (月)

王立コンセルトヘボウ2008/2009

先日BShiでアムステルダムから生中継された
ベルナルド・ハイティンクの指揮による
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏会。
シューマンのピアノ協奏曲(独奏はマレイ・ペライア)
ブルックナーの交響曲第9番ニ短調(オーレル版)
(2009年3月8日 ロイヤル・コンセルトヘボウからの生中継)
マレイ・ペライアが素晴らしい!より大胆な表現を獲得して
偉大な巨匠への道を着実に歩んでいる。
繊細な弱音から雄大なスケールによる力強い響きまで幅広く、
全体にゆったりと丁寧に音楽を奏でつつも
テンポに動きをもたせて、その自在さはまさにロマンティック!
後半はブルックナーでハイティンクの指揮が実に若々しい。
もっと巨匠風な幽玄の世界になってもおかしくないのだが、
驚くべき引き締まった響きで、音楽は勢いよく進み、
やはりハイティンクの音作りは造形をしっかり際立たせ
一点たりとも曖昧にはせず、この上なく格調高いのである。
このエネルギッシュで前向きな力強さには圧倒される。

DVDR093

「ベルナルド・ハイティンク」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2009年3月25日 (水)

第1642回N響定期公演

2月のN響定期公演から
下野竜也の指揮による演奏会。
ベートーヴェンの序曲「献堂式」作品124
ショスタコーヴィチのピアノ協奏曲第1番
ピアノ独奏はスティーヴン・オズボーン、
トランペット独奏は首席奏者の関山幸弘。
そしてフランクの交響曲ニ短調というプログラム。
2月18日にサントリーホールで収録されたものを
BS2で録画して映像付きで聞いている。
2月のN響定期公演はスメタナの「わが祖国」全曲、
そしてドヴォルザーク・プログラムとテーマ性を感じるのだが、
サントリーホールのBプログラムは…
ベートーヴェン、ショスタコーヴィチ、フランクと
何か一貫性のないバラバラな印象で不思議なのだが、
しかしこれがいいのである。選曲よりも演奏が素晴らしい。
それとも隠されたテーマみたいなものがあるのだろうか?
ショスタコーヴィチでのスティーヴン・オズボーンは見事である。
快調に鮮やかに弾き進み、爽快感も漂うけれど
要所では強い衝撃を加え、迫力と強烈な刺激も抜群である。
そしてフランクの交響曲が感動的だ。
日本人指揮者では大活躍の下野竜也だが、
非常に細やかな表現も実現させており、
下手すると間延びしてしまうフランクの交響曲で
この集中力と緊張感の持続は肝心!
実に引き締まった響きある。最高だ!

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2009年3月24日 (火)

第1641回N響定期公演

2月のN響定期公演から
カルロ・リッツィの指揮による演奏会。
ドヴォルザークのチェロ協奏曲(独奏はミクローシュ・ペレーニ)
アンコールにバッハの無伴奏チェロ組曲第6番からサラバンド
ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界から」
2月13日にNHKホールで収録されたものを
BShiで録画して映像付きで聞いている。
ハンガリーのチェリスト、ミクローシュ・ペレーニは
N響に何度か出演しているのではないかと思うのだが、
本当に素晴らしい演奏家で私的にはすごく気になるチェリスト。
ドヴォルザークのチェロ協奏曲でそれはそれは感動的だ!
一方でカルロ・リッツィの指揮するドヴォルザークだけど、
どちらの作品も明るく暖かい響きを求めているのはわかるけれど
ちょっと南国風な印象で…私的には、もっとひんやりと透明で
繊細さや細部にまで精妙な感覚が欲しいのである。
さらには引き締まった部分や背景に隠された力強さ、
一週間前のラドミル・エリシュカによるまさにチェコ的な空気、風土とは
別世界のような仕上がりであり、ちょっと違うかなと…

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2009年3月23日 (月)

第1640回N響定期公演

2月のN響定期公演から
ラドミル・エリシュカの指揮による演奏会。
2月7日にNHKホールで収録されたものを
BShiで録画して映像付きで聞いている。
スメタナの連作交響詩「わが祖国」である。
ラドミル・エリシュカという指揮者は
これまで全く知らなかったのだが、
チェコでは重鎮だそうで、そして日本においても
札幌交響楽団の首席客演指揮者を務めているそうである。
「わが祖国」は大好きな作品だ。その清々しい響き。
チェコの指揮者によるスメタナはやはり格別である。
迷いなく、説得力にあふれ、そして力強い。
他の指揮者が挑戦するときの方が、
慎重に精妙な表現を引き出して、意外に勢いで劣るのである。
ここでもラドミル・エリシュカは真っ直ぐに音楽が響いてきて、
同時に細やかな表現において美しい音色が輝き、
素晴らしい演奏である。巨匠ではあるが、活気ある音楽だ。
きっとまたN響に来てくれる気がするけれど、
ぜひ今度はドヴォルザークを聞いてみたい。

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2009年3月21日 (土)

セルジュ・チェリビダッケ 21

チェリビダッケ指揮ミュンヘンフィルの来日公演から
1986年10月15日東京文化会館でのライブ録音を聞いている。
ロッシーニの歌劇「どろぼうかささぎ」序曲
R.シュトラウスの交響詩「死と変容」作品24
ブラームスの交響曲 第4番 ホ短調 作品98
そしてアンコールにハンガリー舞曲第1番と
ヨハン&ヨーゼフ・シュトラウスのピチカートポルカ。
この前日が人見記念講堂でシューマンの交響曲と展覧会の絵である。
とにかく感動的でチェリビダッケはやはり特別だなあという。
ロッシーニから驚くほど美しい音色で圧倒される。
実際は遅いテンポだと思うのだが、私はそれを感じない。
研き抜かれた響きが冴えわたるからである。
「死と変容」もそうである。全く違えて聞こえてくるところもあるけれど
チェリビダッケのR.シュトラウスはCDでもお馴染みだし、
ファンにとっては、これぞ!という…違和感はないだろう。
ブラームスに関しては、言葉を失う素晴らしさ。
とにかく美しいのである。表現も練り上げられて。
もうひと公演、ブルックナーの交響曲第5番も聞きたい!

Altus CDR523/524

「セルジュ・チェリビダッケ」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2009年3月17日 (火)

ケルン放送交響楽団1966/1967

ヨゼフ・カイルベルト指揮ケルン放送交響楽団による
ブルックナーの交響曲第8番(ハース版)
1966年11月4日 ケルンのフンクハウスでのライブ録音。
まさに骨太!という…テンポは速いし、動きもあるし、
音楽に活気もあるし、しかし重厚なブルックナーである。
それほど神聖な響きを追求しようというのではなくて
音楽にまっすぐに向き合って、音にすることに率直な姿勢。
何か表面的な効果を狙ったり、小手先の技を使ったり
そういう軽薄な振る舞いからは最も遠いところに位置する
誠実さの固まりのような演奏に心動かされる。
でも特に第3楽章などは、今日の演奏における
丁寧に精妙に音楽を扱って、神秘性や清らかさが表現されている
そうしたブルックナーからするとちょっと力技で荒っぽいところもあるか。
しかしこの腰の低い地の底から鳴り響いてくるような重低音の迫力、
これこそ1960年代のドイツのブルックナー演奏なのであり、
すごく貴重な名演に出会えた印象だ。
1966年という年代を考えれば、音質的にもかなり満足。

ORFEO D'OR C 724 071 B

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2009年3月16日 (月)

ベルトラン・ド・ビリー

ベルトラン・ド・ビリー指揮ウィーン放送交響楽団による
ベートーヴェンの交響曲シリーズで第5番と第6番。
第5番が2007年8月、第6番が2008年2月の録音である。
レコードとしての仕上がりだが、美しい音を聞かせようという
そういう気持ちはあまりないようで、ちょっと言い過ぎか…
しかしこの非常に生々しく、荒々しいまでの力の入れ方、
動きがあって、ザラザラした感触、なかなか興奮させられる。
ウィーン放送交響楽団は独特の音色をもっているような感じではなくて、
むしろとことん機能性を追求して、極めて近代的な佇まいである。
きびきびと性能よく動き回る一方でそこに味わいは求められず、
でもベルトラン・ド・ビリーの音楽作りは面白いし、発見もあるし、
興味ある人には満足だけど、そうでない人には魅力はないのかも。
私は大喜びで聞いているが、やはりマニアックな印象ではある。

OEHMS OC 630

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2009年3月14日 (土)

シュトゥットガルト放送1999/2000

クルト・ザンデルリンク指揮シュトゥットガルト放送交響楽団による
ブルックナーの交響曲第7番(1999年12月 ライブ収録)
ずっと聞きたい、聞かなければ!と思っていたのだが、
年末にお買得品コーナーに発見して、早速購入。
それを今頃になって聞いているが、これが感動的な名演だ!
ひたすら雄大な響きは美しく!穏やかでもあり、
彫りの深い表現で心の底にまでずっしり来るが、
基本的に明るい音色で、力は抜けて、むしろ軽やかなぐらい。
まさに巨匠の芸風である。何て清らかなブルックナーなのだろう。
爽やかにも新鮮な気持ちにもなれるのだから、
ザンデルリンクの名人芸!偉大な存在である。
ブルックナーを得意としていたと思うのだが、
ギュンター・ヴァントやセルジュ・チェリビダッケほど
祀り上げられることはなかったけれど
ヴァントの厳しさに比べるとずっとロマンティックだし
チェリビダッケほど美意識に徹することもなく、
自然体で音楽に接して、聞く人にも親しみがある。
神格化されたブルックナーというよりは
人の手による心を通わせられる演奏である。

Hanssler CD 93.027

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2009年3月 7日 (土)

ヴァディム・レーピン

ヴァディム・レーピンの最新盤で
ブラームスのヴァイオリン協奏曲と二重協奏曲。
リッカルド・シャイー指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団。
二重協奏曲のチェロにはトルルス・モルクが参加している。
(2008年8月 ライプツィヒ・ゲヴァントハウスで収録)
素晴らしい名演!私的にはものすごく感動している。
ブラームスの音楽も今の私には心に響いてくるのか?
レーピンは大好きなヴァイオリニストだが、
でもその絶好調ぶりは圧倒的なのではないかと…
ソロの輝きとしてはヴァイオリン協奏曲で堪能できるが、
トルルス・モルクとの一体感もさらに魅力となっている
二重協奏曲もひたすらその世界に引き込まれる。
リッカルド・シャイーとゲヴァントハウス管弦楽団についても
現在の解釈では何らかの形で少なからず
ピリオド奏法からの影響が音楽に反映されているようだが、
引き締まった響きで抑制もきかせつつ
結果として音楽が非常に立体的に聞こえてくるのは特長である。
そして何よりゲヴァントハウス管弦楽団の音色が最大の武器だ。
レコードではあるのだけど、何か目の前でリアルに動いているような
生きている感じ、ライブのような感覚があるといえば簡単なのだけど
力強いものがあったり、躍動する勢いがあったり、大成功である。
ヴァイオリン協奏曲のカデンツァが珍しいのだが、
レーピンはヤッシャ・ハイフェッツ作を弾いている。

DG 00289 477 7470

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2009年3月 4日 (水)

ヴェルビエ音楽祭2007

ヴェルビエ音楽祭2007からのコンサートをBShiで録画。
ルノー・カプソンとエレナ・バシキーロワのデュオ・リサイタル。
ラヴェルのヴァイオリン・ソナタ(遺作)
ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ ヘ長調 作品24 「春」
ヤナーチェクのヴァイオリン・ソナタ
(2007年7月21日 ヴェルビエ サル・メドラン)
ルノー・カプソンは素晴らしい!室内楽にも熱心でありがたい。
ラヴェルのヴァイオリン・ソナタは「遺作」で、
通常よく演奏されるのとは別の作品である。
今回はじめて聞いたが、ちょっと甘ったるい…

そしてエフゲーニ・キーシンのピアノ・リサイタル。
ベートーヴェンの創作主題による32の変奏曲 ハ短調
ブラームスの6つの小品 作品118
ショパンのアンダンテ・スピアナートと華麗な大ポロネーズ 作品22
ホロヴィッツ編曲によるビゼーの「カルメン」の主題による変奏曲
(2007年7月30日 ヴェルビエ サル・メドラン)
キーシンがすごい!圧倒的鮮やかさで何という切れ味だろう。
基本的なところで音の勢いが全く違うと思う。
現在活躍のピアニストでもちょっと誰もかなわない強靭さだ。
もちろんブラームスにおける深いところでの心の対話も見事!
そして最後のホロヴィッツによる編曲作品を聞くと
あまりにも驚異的な仕上がりにキーシンは何でもできてしまうのか!

DVDR065

「エフゲーニ・キーシン」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2009年3月 2日 (月)

シカゴ交響楽団2007/2008

シカゴ交響楽団の自主制作シリーズで
ハイティンクの指揮によるマーラーの「巨人」
2008年5月1-3日のライブ録音である。
このシリーズとにかく高くて、値段を見ると
つい後回しにしてしまうことが多いのだが、
マーラーだけは、律儀に毎回買っている。
この「巨人」はかなりいい!こういうのこそ、私は聞きたい。
前半のハイティンクはまさに巨匠的なゆったりとした歩みで
その精妙な響きには驚かされる。すごいと思う。
とことんコントロールが行き届いていて、
このオーケストラ特有のシャープな仕上がりと
透明で美しい音楽は我々に新鮮な喜びを与えてくれる。
そして終楽章になると力強く勢いが増してくる。
ここでもその集中力といったら圧倒的で
途中には静けさも戻ってくるが、全く隙のない完璧さ。
しかしその表情は優しくほほ笑み、親しみにあふれ、
何から何までそのすべてが、感動的な名演である。
ひとつだけ気に入らないこと、演奏後の拍手がカットされている。
せっかく盛り上がっているのに興ざめなんだな…残念。
この辺は好みで意見が分かれると思うのだけど。

CSO-RESOUND CSOR 901 902

「ベルナルト・ハイティンク」に関する記述はホームページにもございます
http://homepage3.nifty.com/tsukimura/

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2009年3月 1日 (日)

WDR交響楽団 川崎公演

20090301

今日はミューザ川崎にセミヨン・ビシュコフ指揮
ケルンWDR交響楽団の演奏会に行ってきた。
私はドイツの放送オーケストラを順番に聞きに行っているのだが、
今回はケルンを本拠地とするWDR所属のオーケストラ。
首席指揮者のセミヨン・ビシュコフもいよいよ退任のようで
ぜひWDR交響楽団はビシュコフで聞いておきたいと
非常に期待して、聞きに行ったのである。
画像は独奏のヴィヴィアン・ハーグナーと
指揮者セミヨン・ビシュコフのサインである。
ヴィヴィアン・ハーグナーは演奏会プログラムの
彼女を紹介しているページにしてもらって、
ビシュコフは私の一番のお気に入りである
ショスタコーヴィチの交響曲第11番のCDにしてもらった。

シューマン:「マンフレッド」序曲
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品61
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ 第2番 BWV1004~サラバンド
ブラームス:交響曲 第4番 ホ短調 作品98
エルガー:エニグマ変奏曲~第9変奏「ニムロッド」

シューマン、ベートーヴェン、ブラームスと
いかにも重厚なドイツ・プログラムである。
今回の来日では、ビシュコフは得意の
チャイコフスキーやショスタコーヴィチは封印したのだ!
シューマンの「マンフレッド」序曲が私は大好きで
この作品はオーケストラの音色を知るにはすごくいい。
やはり渋い響きはドイツのオーケストラなら