2020年10月21日 (水)

ダニエル・バレンボイム 45

ダニエル・バレンボイム指揮シュターツカペレ・ベルリンで
ブラームスの交響曲 第1番 ハ短調 作品68
2017年10月にベルリンのピエール・ブーレーズ・ザール。
思った以上に穏やかな響きで深刻さよりも前向きである。
ピエール・ブーレーズ・ザールの音もあるかもしれないが、
明るい音色で滑らかに柔らかさがあって、耳にも優しい。
バレンボイムはこの上なく想いを込めて表現している。
ブラームスの厳粛な響きより音楽への愛情が優った。
細やかなところまで丁寧に豊かに描き込まれているが、
そこには少しの力みもなくて、どこまでも自然体である。
バレンボイムのブラームスはシカゴでの全集があって、
そちらはもっと力強く、引き締まっていたと思うのだが、
それから30年近く経つけれど、その印象もあるので、
このブラームスの安らぎというのは、少し驚きであった。
しかし現在のバレンボイムはさらに進化して、偉大で
ますます素晴らしい。新境地が示されている気がする。

DG 00289 483 5251

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2020年10月20日 (火)

コヴェントガーデン王立歌劇場

ゲオルグ・ショルティ指揮コヴェントガーデン王立歌劇場で
モーツァルトの歌劇「ドン・ジョヴァンニ」第2幕を聞いている。
1962年2月19日にコヴェントガーデン王立歌劇場で収録。
モノラル録音ながら慣れてくるとショルティの音は明解で
実に気持ちがいい。1960年代なので、聞きやすい方だ。
当時の歌手たちは重厚な歌声の印象があって、それも
耳に心地よい。ドン・ジョヴァンニはチェーザレ・シエピ、
レポレッロがジェレイント・エヴァンズ、この時代の歌手は
さすがに知らないが、ツェルリーナでミレッラ・フレーニが
出演している。婚礼の場面での新婦の村娘の役である。
チェーザレ・シエピを調べてみるとフルトヴェングラーの
「ドン・ジョヴァンニ」にも出演して、当たり役であったのか。
ジェレイント・エヴァンズもフィガロやファルスタッフを歌い、
覚えておかなくてはいけない。モーツァルトの清々しさと
後半に進んで、騎士長の亡霊の場面での深い響きで
ショルティは荘厳な中に迫力を引き出しているのであり、
この対比はやはりしっかりと際立たせ、感動的である。

OPUS ARTE OA CD9024D

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2020年10月19日 (月)

コヴェントガーデン王立歌劇場

ゲオルグ・ショルティ指揮コヴェントガーデン王立歌劇場で
モーツァルトの歌劇「ドン・ジョヴァンニ」第1幕を聞いている。
1962年2月19日にコヴェントガーデン王立歌劇場で収録。
クーベリックの後、1961年に音楽監督に就任したのが、
ショルティであり、1971年までの10年間、務めていたが、
この「ドン・ジョヴァンニ」はその最初のシーズンであろうか。
モノラル録音で音があまりよくないので、細かいところは、
よくわからないのだが、ショルティはキビキビとした表情で
明瞭な音楽を聞かせているであろうという、想像はできる。
ハッキリといえるのは、力強い表現でその統率力によって、
音楽が舞台と歌手を引っ張っているとそれは確実である。
現在のような古楽志向、原典志向は存在しない時代で、
ショルティは明確な主張と強烈な個性を発揮している。
ずっと後の演奏にも通じるのであり、全く古さを感じない。

OPUS ARTE OA CD9024D

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2020年10月18日 (日)

アレクシス・ワイセンベルク 8

アレクシス・ワイセンベルクのショパンを聞いている。
ピアノ・ソナタ 第2番 変ロ短調 作品35「葬送」
ピアノ・ソナタ 第3番 ロ短調 作品58
1975年9,10月と1976年4月にサル・ワグラム、
幻想ポロネーズ 変イ長調 作品61
1967年10月9日にパリのサル・ワグラムで収録。
昔のCDを出して、ワイセンベルクのショパンだが、
「葬送」が1970年代半ばにしては、音が硬すぎる。
リマスターされた再発盤ならば改善されているのか?
しかし演奏は圧倒的に素晴らしい。黒光りする音で
恐るべき強靭な表現法で力強く突き進んでいくが、
それが実に美しいのである。甘美な味わいはなく、
引き締まって、どこにも隙のない硬質なショパンだ。
第3番の方が音に艶があり、色彩も魅力的である。
終楽章での驚異的な技巧を活かした鮮やかな動き、
上に下に駆け巡る指回りの速さは、奇跡的である。
幻想ポロネーズはやはりモノトーンな仕上がりで
共通して、硬質な響きが美しい独特なショパンだ。

EMI CDM 7 63158 2

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2020年10月16日 (金)

キース・ジャレット 65

1998年のキース・ジャレットを聞いている。
ECMのThe Melody at Night, with Youで
I Loves You Porgy, I Got It Bad and That Ain't Good,
Don't Ever Leave Me, Someone to Watch Over Me,
My Wild Irish Rose, Blame It on My Youth – Meditation,
Something to Remember You By, Be My Love,
Shenandoah, I'm Through with Love
1996年秋のイタリア・ツアー以降、活動を休止していた
キース・ジャレットが、1998年末に復活する、その前に
自宅のスタジオで収録されたソロ・アルバムである。
ガーシュインやデューク・エリントンのスタンダード曲が
演奏されている。キース・ジャレットの再起の記録であり、
復活して、本格的活動を再開する前のリハビリであり、
リラックスした状態でその安らぎの時間が録音の中に
残されている。自分を取り戻していく過程の記録である。
絶頂期の緊張感は存在しないが、キース・ジャレットの
穏やかな時間の流れに我々もまた心癒されるのである。

CDR984

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2020年10月15日 (木)

タカーチ四重奏団 3

タカーチ四重奏団でブラームスを聞いていきたい。
弦楽四重奏曲 第1番 ハ短調 作品51-1
弦楽四重奏曲 第2番 イ短調 作品51-2
1988年11月にロンドンのチャーチ・スタジオで収録。
DACCAでのタカーチ四重奏団の初期の録音であり、
比較的穏やかな音の印象だが、しかしその中でも
音色の使い分けが絶妙であり、基本は見通しよくて、
美しい響きだが、この頃から明瞭で立体的な音楽が
表れはじめている。シャープな感覚もあるのだが、
ブラームスのロマンティックな側面を情緒豊かに
表現して、音楽が心に染みて、実に感動的である。
いつの間にか30年以上昔の録音となるのだけど、
近年の名演もいいのだが、この時代も素晴らしい。

DECCA 475 6525

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2020年10月14日 (水)

クリスティアン・ツィメルマン 6

クリスティアン・ツィメルマンでシューベルトの作品。
ピアノ・ソナタ 第20番 イ長調 D.959
ピアノ・ソナタ 第21番 変ロ長調 D.960
2016年1月に柏崎市文化会館で収録。
明瞭な響きによる圧倒的な透明感はいまも健在で
これはツィメルマンの演奏である。究極の表現だ。
ここまで透き通ったクリスタルな響きは聞けない。
しかし現在のツィメルマンはそれだけではなくて、
表情付けの自由度が高く、曲の場面によっては、
内側から力強いエネルギーが噴き出してきて、
聞く側の感情移入度も高くて、感動的である。
実は30年近く前にツィメルマンの来日公演で
変ロ長調のソナタ D.960を聞いたことがある。
そのときはとにかく音色は美しかったのだが、
あまりにもきれいすぎるのが気持ち悪くなって、
どこか自然でない印象があったと思うのだが、
それに比べるとこの演奏では、ツィメルマンの
人間的な部分が感じられて、ずっと入りやすい。
実は少しも変わっていないのかもしれないが、
だとしたら、私の方が変わったのであろうけど。
そのコンサートで聴衆が熱い反応で拍手を送り、
アンコールを求めたのだが、ツィメルマンは、
このシューベルトの後には何も弾きたくないと
ジョン・ケージの「4分33秒」の話を持ち出して、
ピアノの前で4分間、沈黙をして、終演した。
私としては、それも非常に不快であったので、
以来、ツィメルマンという人は、近づきがたく、
コンサートに出かけることは二度となかった。
その一方でCDでは、熱心に深く聞いている。
この完成度とツィメルマンの音楽への想いで
それだけの存在感があり、いま聞いていると
コンサートでも楽しめそうな気もするのだけど。

DG 00289 479 7588

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2020年10月13日 (火)

内田光子 4

内田光子でシューマンの作品を聞いている。
森の情景 作品82
ピアノ・ソナタ 第2番 ト短調 作品22
暁の歌 作品133
2013年5,6月にノイマルクトのライトシュターデル。
ますますシンプルな響きになって、一方で音楽は、
より立体的な仕上がりとなり、動的要素は激しく、
静弱は神秘的なまでに瞑想の安らぎで感動的だ。
昔からこだわりの強い完璧な演奏を聞かせてきた
内田光子ではあるが、このスタイルも完成されて、
その究極を聞いている感がある。これについては、
毎回、そういうことを書いてきた気はするのだが。
ピアノ・ソナタ 第2番も激しい表情を生み出して、
大胆な起伏を作っているのだが、それだけでなく、
ハッとするような美しさは弱さや儚さの中にあり、
そこが日本人的な心で、我々には共感がある。
そして暁の歌には、さらに微妙な揺れ動きがあり、
本当に感動的なシューマンだ。実に通な味わい。

DECCA 478 5393

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2020年10月12日 (月)

アンドレ・クリュイタンス 6

アンドレ・クリュイタンス指揮ベルリンフィルによる
ベートーヴェンの交響曲全集を収録順に聞いている。
交響曲 第8番 ヘ長調 作品93
1957年12月10-17日にグリューネヴァルト教会、
交響曲 第5番 ハ短調 作品67
1958年3月10,11,13日にグリューネヴァルト教会。
1957年というステレオ録音が導入された時期であり、
左右に音は分かれているのだが、それぞれの偏りが
ハッキリしすぎて、それはそれで少し違和感がある。
最初の段階であり、まだ仕方ないのかもしれないが。
演奏は腰が低く、非常に重厚なベートーヴェンだ。
軽やかに響くこともある第8番が、どこを聞いても
力強く、魂のこもった表現であり、時代を感じるが、
そこが味わいである。第5番はより自然な呼吸で
音の広がりもよい印象となって、これは感動的だ。
名演だと思う。同じく歴史を感じるところはあるが、
重厚さと美しい輝きが両立して、ベルリンフィルの
魅力がしっかりと伝わってくる。戦後の復興から
いよいよ楽団も本格的に始動したということか。

ERATO 0190295381066

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2020年10月11日 (日)

クラシックCD専門ブログ開設

これまでの15年間の記事から整理をして、
クラシックCD専門の新しいブログを開設した。


クラシックCD 鑑賞の記録
http://ttclassic.livedoor.blog/


内容は同じなのだけど、演奏家やレーベルで
カテゴリー分類をして、検索できるようにしたのと
聞いてみたいけど、探せない、見つからないという、
そうした声に応え、そして廃盤になっているものは
新しい型番を紹介して、お手伝いができるように
わかりやすく整理されている名盤リストを目指した。


二週間たって、相変わらず訪問者数は少なく、
検索に全く引っかかっていないのであろう。
予想以上に廃盤ばかりで、再発売の型番を探し、
時間がかかってしまって、整理するのが捗らない。
その一方で、昔の聞いた感想というのは面白い。

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より以前の記事一覧