2017年7月19日 (水)

クラウディオ・アバド 35

アバドの指揮によるチャイコフスキーを聞いてきたが、
交響曲 第5番に続いて、ベルリンフィルとの演奏で
1994年9月のライブ録音から交響的幻想曲「テンペスト」、
同じくライブで1996年4月の幻想序曲「ロメオとジュリエット」、
そして1995年12月には、スラブ行進曲と序曲「1812年」が
スタジオ録音されている。ベルリン・フィルハーモニーで収録。
アバドが追及した隅々にまで明瞭で引き締まった響きであり、
ベルリンフィルが華麗に歌い、そして造形はあくまでも荘厳で
こんなに素晴らしい演奏はそうは聞けない。これこそが理想、
アバドのこだわりで、聞けば聞くほど、その深さに感動する。
なんと心に響く真実のある音楽なのだ。この音を出せるのは、
やはりベルリンフィルだけであろう。そしてアバドの音作りが
この時期、完成されてきたことにいま改めて気付かされる。
1990年代後半から21世紀初頭のアバドとベルリンフィルは
とにかく無敵だった。それがラトルに引き継がれるのである。

DG 453 496-2

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2017年7月12日 (水)

アンドレイ・ガヴリーロフ 6

アンドレイ・ガヴリーロフで、ラヴェルの夜のガスパール、
亡き王女のためのパヴァーヌ、プロコフィエフの悪魔的暗示、
チャイコフスキーの主題と変奏、バラキレフのイスラメイ、
1977年7月13-15日にアビー・ロード・スタジオで収録。
ラトルとのピアノ協奏曲と同時に行われた録音である。
全体としては、いかにもスケール大きい強靭な演奏だが、
ただ迫力で押し通すのではなく、一方で弱音が効果的に
美しく落ち着きのある表情を生み出しているので、まさに
表現の幅が広い…ひとつの曲の中に豊かで深い世界が
凝縮されており、すっかり引き込まれて聞かされてしまう。
もちろんしっかりとした設計をして、演奏プランがあって、
それで作品を仕上げているのだろうが、気の趣くままに
心に湧き起こるものを音楽にぶつけて弾いているような
そんな印象が最大の魅力であって、若さと才能である。
とにかくガヴリーロフの圧倒的な輝きに魅了された。

CDR912

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2017年7月11日 (火)

アンドレイ・ガヴリーロフ 5

アンドレイ・ガヴリーロフのピアノによる
プロコフィエフのピアノ協奏曲 第1番 変ニ長調
ラヴェルの左手のためのピアノ協奏曲 ニ長調
サイモン・ラトル指揮ロンドン交響楽団との協演、
1977年7-9月にアビー・ロード・スタジオで収録。
21歳のアンドレイ・ガヴリーロフの演奏で、これが
EMIへの最初の録音である。協演のラトルもまた
22歳の若さで原点となるこれらの録音は興味深い。
荒削りなところもあるけれど、その勢いと躍動感は
まさに才能のあふれ出る瞬間であり、最高である。
勢いに任せて突き進む感覚こそが天才の輝きだ。
ガヴリーロフは、2年前の1974年に19歳の若さで
チャイコフスキー国際コンクールに優勝しているが、
このときはまだ、恐らく新人の扱いであっただろうが、
40年が経過したいま、そのダイナミックな演奏に
心が躍り出す感覚を味わえるのは喜びである。

CDR911

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2017年7月10日 (月)

ロンドン交響楽団

サー・コリン・デイヴィス指揮ロンドン交響楽団で
ウォルトンのオラトリオ「ベルシャザールの饗宴」、
2008年9月28,30日にバービカン・センターで収録。
バリトンのペーター・コールマン・ライトによる独唱、
ロンドン交響合唱団が参加。旧約聖書に基づき、
「ベルシャザールの饗宴」の物語はダニエル書で
バビロニア王ベルシャザールはユダヤ人の神器で
異教の神を称え、ヤハウエを冒涜した。奇蹟が起き、
ベルシャザールは死にバビロニアは崩壊、ユダヤは
自由を取り戻す…とある。旧約聖書のヤハウエとは、
古代イスラエルの唯一神だそうで、調べるとそういう、
オラトリオなので、内容は聖書の一場面ということだ。
宗教的な知識やテキストに関する理解はないのだが、
ウォルトンの音楽は本当に素晴らしい。イギリスの
合唱作品の中でも最高傑作のひとつに数えられる。

LSO Live LSO0681

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2017年7月 9日 (日)

マリア・ジョアン・ピレシュ 4

マリア・ジョアン・ピレシュのモーツァルトのピアノ協奏曲で
第17番 ト長調 K.453と第21番 ハ長調 K.467である。
クラウディオ・アバド指揮ヨーロッパ室内管弦楽団と協演。
1993年6月にフェッラーラのテアトロ・コムナーレで収録。
ERATOからDGに移籍して、精力的に録音していた時期で
まさに絶好調という感じがするのだが、改めて聞いてみると
ピレシュがかなりしっかりとしたタッチで弾いて、硬質な音で
現在の演奏スタイルとは少し違っている気もするのである。
元々のピレシュは情熱的な表現をするピアニストであったと
そういう認識であったことを思い出した。細やかに柔らかく、
やさしい表情で入るが、粒立ちがよくて、すぐにハッキリと
音が立ち上がってきて、現在の方がもっと力も抜けて、
モノトーンな中に透明な輝きを生み出している気がする。
でもその辺の感想は自信がなくて、聞き直していきたい。
モーツァルトのカデンツァが残されていないハ長調では、
ルドルフ・ゼルキンのものが使用され、これが素晴らしい。

DG 439 941-2

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2017年7月 8日 (土)

アルバン・ベルク四重奏団 31

アルバン・ベルク四重奏団の1970年代の録音を
収録順に聞いている。今日はベルクの作品で
弦楽四重奏曲と抒情組曲という、デビュー盤だ。
1974年3月にウィーンのバイエルン・ホフで収録。
いうまでもなく、まさに代名詞というべき作品だが、
これまで聞いてきたのは、1990年代の再録音であり、
今回は最初の録音で、こちらも圧倒的素晴らしさだ。
若いときの演奏ということで新鮮さを期待するけれど
とにかく完成されており、安定感の中に鋭さや激しさ、
緊迫感や気合いの入った表現、この音の迫力では、
再録音を上回るような気もしてくる。どちらも最高。
当時は衝撃的な名盤の登場だったのではないか。

Warner 2564 69606-7

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2017年7月 7日 (金)

ジョン・エリオット・ガーディナー 5

ジョン・エリオット・ガーディナーの指揮で「惑星」を聞く。
フィルハーモニア管弦楽団とモンテヴェルディ合唱団で
ホルストの「惑星」、前半はグレインジャーの「戦士たち」、
1994年2月にロンドンのオール・ハローズで収録。
今年の夏は、フィルハーモニア管弦楽団の「惑星」で、
1980年のラトルに続いて、今日はガーディナー盤だ。
ノリントンのピュア・トーンまでではないが、この演奏でも
ガーディナー独自の音作りというのがところどころ聞ける。
サッパリとして、テキパキ鳴らすが、やはり丁寧な仕上がり。
イギリス人による演奏は自国の作曲家への敬意にあふれ、
派手な効果を求めず、誠実な響きによって感動的である。
パーシー・グレインジャーの「戦士たち」が収録されており、
この作品は、ディアギレフのロシア・バレエ団のために
指揮者のトーマス・ビーチャムによって、依頼されたが、
バレエ公演は実現せず、しかしグレインジャーは作品を
完成させ、想像上のバレエへの音楽として発表している。
3台のピアノと舞台裏の金管、打楽器で巨大な編成らしい。

CDR910

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2017年7月 6日 (木)

ロンドン交響楽団

サー・コリン・デイヴィス指揮ロンドン交響楽団で
ウォルトンの交響曲 第1番を聞いている。
2005年9,12月にバービカン・センターで収録。
プレヴィンのしっかりと落ち着いた響きに比べると
サー・コリン・デイヴィスはキビキビとした動きで、
繊細な響きや音色の透明感も美しい仕上がり、
ウォルトンの独特な都会的なムードが冴えている。
コリン・デイヴィスの丁寧な音作りが効果的であり、
緻密な音楽が実に鮮やかに明快に鳴り出して、
この交響曲がますます好きになる。本当に最高。
イギリスの音楽が魅力的だ。エルガーだけでなく、
ウォルトンもヴォーン・ウィリアムズも聞かねば!

LSO Live LSO0681

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2017年7月 5日 (水)

ベルナルト・ハイティンク 24

ベルナルト・ハイティンクの指揮によるシューマンで
交響曲 第4番 ニ短調と「ゲノヴェーヴァ」序曲、
演奏は、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団である。
1984年12月にアムステルダム・コンセルトヘボウで収録。
引き締まって、緊張感のある響きで力強い演奏なのだが、
同時に雄弁に歌い上げる豊かな音色に感動するのである。
この時期のハイティンクは若々しい躍動感にあふれており、
音楽に対する気合いが凄まじく、夢中にさせられてしまう。
今日では、もっとしなやかに編成も小さくした演奏が多いが、
オーケストラは壮大な響きで隅々にまで充実しきっており、
とにかくよく鳴って、最高だ!現在も素晴らしいのだが、
この80年代のハイティンクの充実ぶりには驚かされる。

DECCA 478 6360

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2017年7月 4日 (火)

マルク・アンドレ・アムラン 8

マルク・アンドレ・アムランでヴィラ・ロボスの作品、
オリオン座の三つ星、「赤ちゃんの一族」第1組曲、
「赤ちゃんの一族」第2組曲、野生の詩を聞いている。
野生の詩は1999年8月27日、その他は10月6,7日に
ロンドンのヘンリー・ウッド・ホールで収録されている。
ルービンシュタインがアンコールで「赤ちゃんの一族」から
「道化人形」をよく弾いていたが、他の曲がどんな感じか?
ヴィラ・ロボスのピアノ曲は聞いたことがなかったので、
このアムランのCDが出たときに聞いてみたのだが、
すっかり気に入ってしまい、ネルソン・フレイレの演奏も
昔から有名だが、しかしその後、聞く機会はあまりない。
まさに野性的でエネルギッシュなヴィラ・ロボスの作品を
アムランが驚異的な技巧で爽快に弾きまくるこの演奏は
私にとっては宝というべきディスクである。とはいいながら
買ったときから聞いていなかったので、もう15年になる?
久々にその大興奮を堪能している。やっぱり最高だ!
「赤ちゃんの一族」は、第1組曲が「赤ちゃんの家族」で、
人形をテーマに「道化人形」は第1組曲の第7番である。
そして第2組曲の方は、「小さな動物たち」という副題。
最も壮絶で凄まじい「野生の詩」は、親交の深かった
ルービンシュタインのために書かれた作品、傑作だ!

hyperion CDA67176

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