2019年12月11日 (水)

バイロイト音楽祭1961

バイロイト音楽祭1961からルドルフ・ケンペの指揮で
楽劇「神々の黄昏」より第3幕を聞いている。
1961年7月30日にバイロイト祝祭劇場におけるライブ録音。
いよいよ「神々の黄昏」の第3幕である。毎回のことながら
ここまで来たかという、達成感に満たされる。実に深く、重く、
ここでもケンペは重厚な音楽を聞かせて、勢いがすごい。
ハーゲンの誘導で記憶を取り戻していくジークフリートだが、
ハンス・ホップの力強い歌を聞いていると、いまさらながら
これこそがヘルデン・テノールだよなと実に存在感がある。
現在の感覚、この20年間で思うのは、ジークフリートは、
もっとしなやかで、英雄というよりは冒険の好奇心によって、
つまりは繊細な感情や新鮮さを持ち合わせているのであり、
それが音楽にも反映されているのであって、ということは、
1960年代のこちらで、完全無欠の真の英雄であるならば、
そのジークフリートにハーゲンは槍を突き立て、その死は、
あまりの巨大な衝撃なのであり、それだけの迫力によって、
描かれている。この音色というのが、驚愕の強靭な響きで
1960年代のバイロイトというのは、本当に凄かったのだ。
後半はブリュンヒルデの自己犠牲と感動的な終曲だが、
まさにバイロイトの歴史ともいえるビルギット・ニルソンで
1953年のヒンデミット指揮による第9から出演しているが、
ブリュンヒルデは1960年のこのプロダクションから歌い、
1965年以降のベームの指環においても1967年まで続く。
「トリスタンとイゾルデ」のイゾルデで1970年まで出演。

ORFEO C 928613DR

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2019年12月10日 (火)

バイロイト音楽祭1961

バイロイト音楽祭1961からルドルフ・ケンペの指揮で
楽劇「神々の黄昏」より第2幕を聞いている。
1961年7月30日にバイロイト祝祭劇場におけるライブ録音。
最大に盛り上がる第2幕だが、いきいきと進み、ハーゲンが
力強い歌声を上げると合唱団がそれに呼応して豪快であり、
モノラル録音ながら、金管楽器がものすごい音を聞かせて、
凄まじい迫力だ。戦後のバイロイト再開から10年が経過し、
この1960年代というのは、ひとつの頂点が築かれている。
ケンペの演奏を聞いていると久しぶりにベームの録音が
聞きたくなってきたが、ベームはさらに引き締まっている。
ケンペの方がたっぷりと豊かに鳴っている印象があり、
どの時代もそれぞれ特長があって、素晴らしいのだが、
それにしても感動的だ。後半のハーゲンが巧みな言葉で
ブリュンヒルデを裏切らせる場面も迫ってくるものがある。

ORFEO C 928613DR

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2019年12月 9日 (月)

バイロイト音楽祭1961

バイロイト音楽祭1961からルドルフ・ケンペの指揮で
楽劇「神々の黄昏」より序幕と第1幕を聞いている。
1961年7月30日にバイロイト祝祭劇場におけるライブ録音。
ルドルフ・ケンペの音作りはしっかりとした音が鳴るので、
前半の三人のノルンが占う場面でも神秘的な印象よりも
深い響きが引き出されているが、夜明けから活気づいて、
ジークフリートとブリュンヒルデの二人の場面へと進むと
勢いのある音楽は喜びと輝きに満ちて、圧倒的である。
ケンペの偉大さやその高い評価はこの辺にあるのかと。
ジークフリートのラインへの旅の後、場面はギービヒ家で
ガラッと変わるが、そうしたメリハリもきっちり付いている。
ここからがやたらと長い第1幕だが、地味に思われながら
好きになるとたまらない。ハーゲンはゴットロープ・フリック、
グンターはトーマス・スチュアートで、先にも書いているが、
ハンス・ホップのジークフリートが低めの重い歌声なので、
この三人の場面はいかにも重量級で何とも痺れてしまう。
ゴットロープ・フリックは1960年から1964年のこの指環で
フンディングとハーゲンを歌っていた。このとき55歳である。
トーマス・スチュアートはさらに長く、1960年と1961年に
ドンナーとグンター、「パルジファル」のアンフォルタスで、
アンフォルタスは1972年まで歌い続け、1965年以降の
ベームの指環でもグンターで出演して、1967年以降は
ウォータンも歌うようになり、1970年から1972年の
ホルスト・シュタイン指揮による指環では、ウォータンと
「ジークフリート」のさすらい人で、ウォータン役で出演、
最後の年となった1972年では代役でグンターも歌い、
指環の全作に出演して、まさにバイロイトの歴史だ。

ORFEO C 928613DR

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2019年12月 4日 (水)

バイロイト音楽祭1961

バイロイト音楽祭1961からルドルフ・ケンペの指揮で
楽劇「ジークフリート」より第3幕を聞いている。
1961年7月28日にバイロイト祝祭劇場におけるライブ録音。
ここでも骨太な響きと勢いのある音楽の進行なのだが、
ひとつ思ったのは、鳴っていればいいというものでもなく、
全体に見通しよく聞こえてきて、モノラル録音で把握には
制限があるのだが、かなりバランスのいい音作りだったかも。
熱い感情の気合いで進めている感じでもないし、主導動機を
緻密に解析していくのでもなく、よい意味で中庸を行っている。
ハンス・ホップのジークフリートだが、ヘルデン・テノールでも
かなり低い声で、その力強さで、ウォータンと対峙する場面、
ジェームズ・ミリガンとの対決は、とにかく感動的であった。
やはりこの時代のバイロイトの歌手って、重く、深い声で、
本当にすごい。そしてジークフリートは魔の炎を越えて、
ここからビルギット・ニルソンのブリュンヒルデが登場。
いよいよ残りは「神々の黄昏」である。来週、聞きたい。

ORFEO C 928613DR

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2019年12月 3日 (火)

バイロイト音楽祭1961

バイロイト音楽祭1961からルドルフ・ケンペの指揮で
楽劇「ジークフリート」より第2幕を聞いている。
1961年7月28日にバイロイト祝祭劇場におけるライブ録音。
1950年代からの名残もあるのか、実に重厚な演奏であり、
第1場の夜の森はどこまでも深く、第2場で夜が明けて、
朝日が差し込んでも今日の繊細な印象とは違う感じだ。
森の透明な空気感よりも大蛇に化けているファフナーの
巨大な威圧が凄まじい。ジークフリートもすでに英雄で
向う見ずに暴れまわる少年の感覚はない。ということは
ミーメのジークフリートへの怖れの対象も変わってくる。
ジークフリートが英雄ならば、ミーメはすでに悪役であり、
滑稽さもなくなるが、そこは絶妙に面白く、素晴らしい。
その辺の相反する多面性が、見事にひとつとなって、
それが第2幕の最大の魅力であると私は好きである。
鳥が喋るとか、ジークフリートを導いてくれるのであり、
ここは童話で冒険劇だが、第3幕から先の展開には、
そうした遊びはなく、神々の世界もここで終わりだ。

ORFEO C 928613DR

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2019年12月 2日 (月)

バイロイト音楽祭1961

バイロイト音楽祭1961からルドルフ・ケンペの指揮で
楽劇「ジークフリート」より第1幕を聞いている。
1961年7月28日にバイロイト祝祭劇場におけるライブ録音。
7月26日の「ラインの黄金」から三日連続の上演となるが、
ますます力強い音楽で、勢いもあるし、豪快な仕上がりで
この時期のルドルフ・ケンペは、なるほど圧倒的であった。
歌手も素晴らしい。ヘロルト・クラウスのミーメが大活躍で
ハンス・ホップのジークフリートが加わり、ヘルデンだが、
それにしても重厚で迫力の歌声に驚き、音楽に負けない。
そして第2場でさすらい人が登場するとさらに重々しくて、
バスのジェームズ・ミリガンだが、音楽がこれだけの響きを
思い切って鳴らしているのは、それだけの歌があってこそ。
テンポも速いと思うのだけど、一気に聞かせている感じで、
この「指環」の上演も盛り上がってきているのを感じる。

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2019年11月25日 (月)

バイロイト音楽祭1961

バイロイト音楽祭1961からルドルフ・ケンペの指揮で
楽劇「ワルキューレ」より第3幕を聞いている。
1961年7月27日にバイロイト祝祭劇場におけるライブ録音。
冒頭の9人のワルキューレであるが、モノラル録音ながら
舞台を最大限に活用して、分散して歌っているようであり、
文字通り、ワルキューレたちが天空を飛び回っているような
音からでもそうした印象を受ける。近年の演出では、9人が
勢ぞろいして、一列になって歌っているような印象もあって、
いまさらながら、この方がいいのではないかと何となく思う。
今も昔も変わらないのでは、第2場へと進むところでの、
ウォータンが遠くから猛突進してくるような感覚で、それも
よく雰囲気が伝わってくる。ウォータンが怒り歌う場面では、
そのイメージも反映されて、ルドルフ・ケンペが豪快な音を
引き出している。こうした音は、この後のベームの響きにも
受け継がれていく気がするけれど、現在の感覚に比べて、
荒々しい激しさも際立つし、ドイツ的な渋さも健在である。
そして最後のウォータンのブリュンヒルデとの告別だけど、
ジェローム・ハインズはここで終わりであり、感動的だ。

ORFEO C 928613DR

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2019年11月24日 (日)

バイロイト音楽祭1961

バイロイト音楽祭1961からルドルフ・ケンペの指揮で
楽劇「ワルキューレ」より第2幕を聞いている。
1961年7月27日にバイロイト祝祭劇場におけるライブ録音。
第2幕への前奏曲が、低音域の鳴り方が不思議な感じで
なんとなく音が混濁している印象もあるのだが、そこは謎。
しかし歌が入るとスッキリと晴れ渡って、その後は大丈夫。
アルトリッド・ヴァルナイのブリュンヒルデが最初に登場して、
ウォータンのジェローム・ハインズが加わって、素晴らしい。
1961年の配役の特徴なのだが、ジェローム・ハインズは、
「ラインの黄金」と「ワルキューレ」でウォータンを歌って、
「ジークフリート」のさすらい人はジェームズ・ミリガンに、
またブリュンヒルデもここではアルトリッド・ヴァルナイで
「ジークフリート」の第3幕第3場で目覚めて以降は、
ビルギット・ニルソンが歌っている。第2幕になってから
ルドルフ・ケンペの音もしなやかになってきた気がする。

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2019年11月23日 (土)

バイロイト音楽祭1961

バイロイト音楽祭1961からルドルフ・ケンペの指揮で
楽劇「ワルキューレ」より第1幕を聞いている。
1961年7月27日にバイロイト祝祭劇場におけるライブ録音。
ルドルフ・ケンペの指揮は力強い響きで音楽を豪快に進め、
そんなに特別な個性を持ち込むようなこともなく、職人的で
目立った作り込みはないように思われる。モノラルなので
細かな表情付けはわからないだけかもしれないが、そこは
想像で聞いている。それに比べて、歌手はよく聞こえてくる。
鮮明であり、臨場感もある。ジークムントはフリッツ・ウール、
ジークリンデはレジーナ・クレスパンであり、第1幕後半は
いつもながら盛り上がって、管弦楽だけが残る終結だが、
テンポも一気に上がって、激しさと集中力は頂点に達して、
そこはルドルフ・ケンペの凄さであり、聞き入ってしまった。
58年前の録音なのに不思議なぐらい古さを感じさせない。
威厳と風格の響きであったクナッパーツブッシュに対して、
1960年代のリングにルドルフ・ケンペを起用したのには、
新鮮な感覚があふれていたのかもしれないと感じられた。

ORFEO C 928613DR

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2019年11月21日 (木)

バイロイト音楽祭1961

バイロイト音楽祭1961からルドルフ・ケンペの指揮で
楽劇「ラインの黄金」より第3場と第4場を聞いている。
1961年7月26日にバイロイト祝祭劇場におけるライブ録音。
この1961年は二年目で歌手が充実しているといわれるが
神々とニーベルング族、第4場ではそこに巨人族も加わり、
緊迫感のあるやり取りに夢中になる。ミーメもいいのだが、
ゲルハルト・シュトルツェのローゲが、非常に勢いがあって、
知能犯を越えて、ここでの騙し合いを先導しているような、
何とも面白い。ウォータンはジェローム・ハインズであり、
やはり存在感があるが、第1場に続いて、アルベリヒが、
今度は策略にはまり、哀れな存在となって、その悲劇を
恨みに込める、復習を誓う役だが、オタカール・クラウスが
圧倒的な感じで聞き惚れてしまう。歌はみんな素晴らしい。
ルドルフ・ケンペが力強い響きで、想像と少し違っていたが、
迫力で畳みかけるように、音楽もすべてが感動的である。

ORFEO C 928613DR

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